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津村記久子『アレグリアとは仕事はできない』コピー機への憎しみすごい笑

2019-11-05 19:51:26 | 日記
安定の津村記久子クオリティで楽しめる
『アレグリアとは仕事はできない』です。
たのしいよ!

初出は雑誌『ちくま』(2007-2008)で、連載時のタイトルは
『コピー機が憎い!』。
まったくもって、そのタイトル通りの内容です。
すごいよ!
コピー機への憎しみで、ちゃんと小説になってる!
コピー機への憎しみだけで、人間模様が楽しめる!
津村記久子すごい笑

主人公のミノベは津村作品におなじみ感のある、
自分なりに仕事やその周辺の事象・事物と折り合いをつけている
(もしくはつけようとあがいている)社会人女性。

ミノベは、古い機械や使いにくい文房具とも、
きちんと向き合って折り合いをつけているのですが。
大判出力もできる複合機<アレグリア>とは
どうにもこうにも気が合わない。
男性社員や社長には媚を売るようによく働くのに、
ミノベのコピーはさぼる、紙を無駄遣いする、言うこと聞かない。

いや、本当は中国の工場から来たジャンク品の機械なんですが。
「おまえ、いいかげんにしろよ!」
と叫んじゃうミノベの気持ち、よくわかるわ…。
機械の<アレグリア>相手に「性悪女」だの「ビッチ」だの
自然と口にのぼる感じ、よくわかります…。

社会人として若かりし頃は、プレゼン直前に
何度も複合機に裏切られたもんですが、
「私、こいつ(コピー機)に舐められてんじゃないか…?!」
と思うことしきりでした。
そういや最近は痛い目にあわされてないな。
やっぱりあいつら、相手見て働いてるわ、絶対。

いまのタイトルも良いと思いますが、
ドストレートな連載時のタイトル、すごく好き。

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