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【読書メモ】2016年4月 ⑤『阿蘭陀西鶴』

2022-05-27 11:51:34 | 【読書メモ】2016年
<読書メモ 2016年4月 ⑤>
カッコ内は、2022年現在の補足コメントです。


『阿蘭陀西鶴』朝井まかて

盲目の娘「おあい」から見た井原西鶴の物語。
前半はおあいの主観に感化されて、
西鶴ってやなヤツだなあ…という所感。
徐々に、西鶴には西鶴なりの考えがありそうだな、
おあいの見方はうがっているのかもなあ、という感じになって、
いつの間にか父と娘の間になんらかの相互理解が生まれている。

おあいの一人称ではないのだけど、おあいにリンクした三人称というか、
文体も、徐々に西鶴への理解を示す語り口調になっていて、
上手な作家さんなんだなあと思った。

どこからどこまでが作者の創作なのかと思ったけれど、
妻に先立たれて盲目の娘と暮らしたというのは、史実らしい。

(朝井まかてに関しては、
 直木賞の前後で作風が変わったというか
 小説から感じる熱量?重さ?が変わったというか、
 そんなような印象を抱いています。
 どんな印象だって感じの説明で、あれですが。

 『阿蘭陀西鶴』は直木賞受賞後の第一作にして、第25回織田作之助賞受賞作)

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