思惟石

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木皿泉『昨夜のカレー、明日のパン』ホッとする…

2019-06-13 10:43:49 | 日記
結婚してたった2年で夫・一樹に先立たれてしまったテツコと、
一樹の父・ギフの、なんとなく続いているふたり暮らし。

過去に囚われているわけではないし、
日常は平和で幸せそうで、ちょっとコミカルで。

ですが、沁みます。
心にじんわり沁みこんできて、
それは心地いいばかりの感情ではないのだけれど、
すごくホッとします。
ちょっと泣けます。

しみじみ読みながら、私、近ごろ疲れてたな…。
日々の暮らしも雑になってたな。
でもまあいいか。

って感じで、前向きに振り返りができます。
反省はない。

主人公のふたりと、彼らを取り巻く人々に焦点を当てた
連作短編集。
なので、時代や視点も様々。

虎尾(としか書かれていないが、苗字かな?名前かな?)の章で
一樹の恋愛事情がさらっと書かれていたのとか、おもしろかった。
若くして亡くなったから、記号的に美化していたところを
気持ちよく蹴手繰り入れられたというか。

作者の本職は脚本家で、これが小説処女作だそうです。
ちなみに木皿泉(きざらいずみ)は、
和泉務(いずみつとむ)と妻鹿年季子(めがときこ)夫妻の
共作ペンネーム。

ドラマ化もされているそうで、
連作短編だから難しそうだなあと思ったところ、
本職であるご本人が脚本化しているようで(そりゃそうだ)
評判も良さそう。
というかwikiに載っているあらすじだけでも流石と思います。

また、疲れが溜まった頃にでも、観たいなあ。

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