鮎川俊介の「幕末・明治の日本を歩く」

渡辺崋山や中江兆民を中心に、幕末・明治の日本を旅行記や古写真、研究書などをもとにして歩き、その取材旅行の報告を行います。

渡辺崋山『参海雑志』の旅-佐久島~藤川宿~吉田宿-その14

2015-06-23 04:35:45 | Weblog
八ツ面山あたりから藤川宿を経て吉田宿(現豊橋市)に至るまでの道筋で崋山が描いた風景スケッチ5図のうち、第2図である、右端に石垣と木戸らしきものが描かれた図の場所は、今回実際に歩いてみて、比較的すぐに分かりました。これは東海道藤川宿の「棒鼻」を描いたもの。藤川宿の「棒鼻」は、「西棒鼻」と「東棒鼻」がありましたが、これは右端の家並み奥に見える小山から、「東棒鼻」(江戸側)を描いたものであることがわかります。藤川宿の「東棒鼻」を出てしばらくのところから、振り返って描いたもの。「宿囲石垣」(しゅくがこいいしがき)のある部分が「棒鼻」であり、この奥に見える家並みが藤川宿。この少し先で東海道は右へと直角に曲がり、しばらく進んで左へと直角に曲がります。中央の茅葺きの大きな家は、宿場入口にあったという茶屋であるのかも知れない。これが藤川宿の東棒鼻を描いたものであるとなると、第1図の風景画は、おそらく八ツ面山あたりから藤川宿までの沿道(吉良道)のどこかの風景を描いたものと推測が成り立ってきます。 . . . 本文を読む