山と自然の雑学ノート

山歩き&散歩道で出会った植物などの記録

ヤマノイモの仲間~葉による見分け方

2012-08-16 22:42:04 | 単子葉類

ここ1ケ月ほどは、毎朝聞かされてきたクマゼミの大合唱も、お盆休みウィークに入って

少し陰を潜めた感があります。

替わって登場したのがアブラゼミで、この後、もう少し涼しくなるとツクツクボウシが鳴き出す筈・・・

連日の猛暑にも拘わらず、昆虫の世界では確実に秋に向かって主役の交代が進んでいるようです。

暦の上では来週の木曜日8月23日は、二十四節季のひとつ「処暑」。

一応、この日で暑さが終わる?と言う意味なんだそうですが、一体どうなんでしょうね。

さて、今日のテーマは里山で見られるヤマノイモの仲間です。

この仲間には良く似たものが5種類ほどありますが、その内の代表的な3種の違いを

葉の形から比べてみようと思います。

ヤマノイモ(山の芋)
別名ジネンジョ(自然薯)と呼ばれ、地中には食用になる円柱形の多肉根(芋)があります。
葉は対生し、縦長のハート型で先端は鋭く尖り、葉の腋に珠芽(ムカゴ)を付けます。

雌雄異株で、雄花は直立し雌花は下垂しますが、圧倒的に雄花が多いようです。
但し、繁殖の主たるものは珠芽(ムカゴ)なので、雌花は無くても繁殖の上では全く問題はありません。
一応、食用になるのはこの種類だけで、ポイントとしては、葉が対生することと、ムカゴを付けるという
2条件を満たしていれば本種である可能性が大です。 

ヤマノイモ














此方はヤマノイモの栽培種が野生化したものと考えられます。
ムカゴの付く時期は野生種より早く、この時期には既に出来ています。ヤマノイモ














オニドコロ(鬼野老)
葉は互生し、縦長ではなく普通のハー、大きい葉であることから、オニドコロと呼ばれます。
ヤマノイモと同じく雌雄異株、雄花は直立し雌花は下垂します。

8月下旬から下垂する穂状雌花序の先端から結実します。この種類は珠芽(ムカゴ)を作りません
地中の多肉根は有毒で、食べると嘔吐や麻痺、胃腸炎などを起こします。
ヤマノイモと混生することが多く、多肉根(芋)を採取する時は特に気を付ける必要があります。オニドコロ














オニドコロの果実
オニドコロ











 


 

ニガカシュウ(苦何首烏)

葉の形は普通のハート型で互生します。オニドコロと非常に似ていますが、大きさはヤマノイモ科では
最大で、大きなものでは15cm位もあります。
雌雄異株ですが、雌花を見ることは稀だそうです。繁殖は主に珠芽(ムカゴ)に依存します。
地中の多肉根を乾燥させたものが薬用に用いられますが、珠芽(ムカゴ)、多肉根(芋)共に
苦みは強く食用としては不向きです。
ニガカシュウ














葉脈に規則正しく横に走る側脈があるのもニガカシュウの特徴ですニガカシュウ














ニガカシュウの葉柄の基部と上端には独特の襞があります。
ニガカシュウ

 

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