山と自然の雑学ノート

山歩き&散歩道で出会った植物などの記録

アセビ (馬酔木)

2008-12-26 06:36:31 | Weblog
アセビは漢字で書くと「馬酔木」と書きます。葉や茎にアセボトキシンという毒があり、そのため馬が
これを食べると足が痺れて酔った様になるそうです。呼び名はこれが訛って足痺れ→アシビ→アセビ
と変化した様です。

ここに載せた二枚の写真は、先日加茂町の当尾の里を歩いた時、最後に寄った浄瑠璃寺の参道に
咲いていたものですが、ここのアセビはこの花としては比較てき大きくて立派な品種です。

堀辰雄の作品に「浄瑠璃寺の春」というのがありますが、ここでもこの馬酔木についての記述があります。
もちろん戦前の話ですから、同じ木ではないと思いますが参考のため記事の最後に引用しました。


アセビ <ツツジ科 アセビ属> 別名 アシビ・アセボ




「まあ、これがあなたの大好きな馬酔木の花?」妻もその灌木のそばに寄ってきながら、その細かな白い花
を仔細(しさい)に見ていたが、しまいには、なんということもなしに、そのふっさりと垂れた一と塊りを掌のうえに
載せたりしてみていた。 どこか犯しがたい気品がある、それでいて、どうにでもしてそれを手折って、ちょっと人
に見せたいような、いじらしい風情をした花だ。云わば、この花のそんなところが、花というものが今よりかずっと
意味ぶかかった万葉びとたちに、ただ綺麗なだけならもっと他にもあるのに、それらのどの花にも増して、いたく
愛せられていたのだ。───堀辰雄「浄瑠璃寺の春」より 
コメント
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