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山と自然の雑学ノート

山歩き&散歩道で出会った植物などの記録

コウヤボウキ(高野箒)

2011-10-02 17:18:33 | 双子葉離弁花

キク科の植物は分類されているものだけで世界に約1,000属、2万種あるといいます。
私の頭などでは到底憶えきれるものではありません。

山野草愛好家の間で「キクは聞くな」とか「キクはきつい」とか言われる背景には、問題として
このような種類の膨大さがあります。


その大部分は草本ですが、中には草本のように見える木本もあり、このコウヤボウキも
そんな木本の菊の仲間です。

1個の花のように見える頭花は小さな筒状花が約12~13個程集まった集合花で、下部は
総苞弁が覆瓦状に積み重なり円柱形となります。

主に山地の日当たりの良い乾いた灌木帯でよく見られ、1度見付けると時期を逃さない限り
数年間はその場所で花を見付けることができます。

和名は「高野箒」で、和歌山県の高野山でこの植物の枝を束ねて柴箒を作ったことに
由来すると言われています。

コウヤボウキ <キク科 コウヤボウキ属>  落葉小低木コウヤボウキ

 

 

 

 

 

 




コウヤボウキ

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イヌコモチナデシコ(犬子持撫子)

2011-06-08 19:39:36 | 双子葉離弁花

ヨーロッパ原産の帰化植物で、ナデシコ科の2年草(越年草)です。
木津川の河川敷では、水辺からやや離れた砂礫地で群生しているのが見られます。

河原は水辺が近いので、一見、水的条件に恵まれているようですが、砂礫は保湿力が
低く、必ずしも植物の生育に適しているとはいえません。
特に、川の水が少なくなる夏場の河原は砂漠状態と言っていいでしょう。

にも拘わらず、この植物が砂礫地を選んで進出するのは、乾燥には強いが、他の植物との
競合は苦手という性質からだと思います。

この河川敷でも、保湿力のよい粘土質を含んだ土壌でできている堤防の土手などでは
アカツメグサ、シロツメグサ、コメツブツメクサ、ミヤコグサ、カラスノエンドウなど乾燥には弱いが
競合には強いという全く逆の性質を持つ、マメ科植物が優勢で、このイヌコモチナデシコの姿は
ほとんど見られません。

  イヌコモチナデシコ <ナデシコ科 イヌコモチナデシコ属>

  ↓ 画像はクリックで大きくなりますイヌコモチナデシコ

 

 

 

 

 

 

  

イヌコモチナデシコ

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クララ(眩草)

2011-05-29 19:33:57 | 双子葉離弁花

クララは日当たりの良い山麓の草地や、川の土手などに生えるマメ科の草本です。
クララという名前から、外来種のような印象を受けますが、れっきとした在来種で、名前の由来は
根を噛むと目が眩むほど苦いことからの眩草(くららぐさ)で、これを縮めたものです。

生薬では根を乾燥させたものを苦参(くじん)と呼び、解熱、解毒、殺菌などの効果がありますが、
全草が有毒で、特に根の部分は毒性が高く、これが薬功のもとになっていますが、用法や量を
誤ると大脳麻痺などの副作用があり、呼吸困難などで死に至ることもあります。

このクララのみを食草にする蝶類に絶滅危惧種のオオルリシジミがいますが、この地域では
生息が確認されていません。画像にみられる幼虫は同じくクララを食草とするメイガの一種
ではないかと思います。

クララ <マメ科 クララ属>   多年草  

   ↓ 画像はクリックで大きくなりますクララ

   

 

  初夏の草地では抜きん出て
 背が高く、草本とは思えない
 ほどです。
 高さは1㍍を超えます。

 

 

 

クララ

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ベニバナツメクサ (紅花詰草)

2011-05-09 22:38:45 | 双子葉離弁花

木津川河川敷の草むらで見付けたベニバナツメクサです。

普通、土手などでよく生えているアカツメクサと比べると、かなり濃い赤色で遠目にはケイトウの花か
イチゴの実のように見えます。

マメ科の帰化植物で、原産地はヨーロッパから西アジアですが、日本へは牧草や緑肥用として
フランスから輸入された経緯があるそうです。

当時、シロツメグサなどに比べて野生化し難いということが導入の理由だったようですが、現在では
西日本の各地で野生化しているのが観察されています。

ベニバナツメクサ <マメ科 シャクジソウ属> 帰化植物 1年草

  ↓ 画像はクリックで大きくなります
ベニバナツメクサ



 とにかく色が濃く派手で
 草むらの中でも
 ひと際目立った存在です








ベニバナツメクサ(詳細)

 

   この形から別名を
 ストロベリーキャンドルとも
 呼ばれています。
 

 

 

 

 

  ↓ 近似種のアカツメクサ
アカツメクサ

 

 

 こちらは川の土手や
 公園の芝生でよく見る
 アカツメクサです。

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オオバタネツケバナ (大葉種漬花)

2011-04-26 06:33:39 | 双子葉離弁花

川の畔や湿地などに群生するアブラナ科の多年草。
耕作地などで見られるタネツケバナとは少し生活域が異なります。

名前が示すように、葉や花がタネツケバナと比べかなり大きく、6~7㍉ほどあり、肉眼で見ても
花の形がわかるほどです。

関西の河川周辺では変種のニシノオオタネツケバナも見られるようですが
葉の形を調べると、画像の個体とはかなり違うようです。

それともう1種、オオケタネツケバナが候補にあげられますが、こちらは茎や蕾が顕著な
細毛に覆われています。 
本種では該当部分が無毛に近いので、オオケタネツケバナではないようです。


オオバタネツケバナ <アブラナ科 タネツケバナ属>  多年草


  ↓ 画像はクリックで大きくなります
オオバタネツケバナ















オオバタネツケバナ(花)















オオバタネツケバナ(葉)

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ノアザミ (野薊)

2011-04-23 22:22:28 | 双子葉離弁花

アザミの仲間は種類が多く、日本国内で正式な和名の付けられているものだけでも
60種類を超えるそうです。

その上、変種や極端に分布する範囲の狭い地方の固有種まで含めると、軽く100種を
超える種類がこの日本に存在しています。

唯一の春咲きアザミ

しかし、その中でも、春~初夏に人里近くの河原の土手などで花を咲かしている
ノアザミは比較的分布範囲が広く、他にこの時期に咲くアザミがほとんどないことから
他の秋咲きのアザミに比べ、同定が容易です。

つまり、単純に春咲きのアザミはこれだけなので間違うことはないと思っていただければ
良いと思います。



ノアザミ <キク科 アザミ属>  多年草

  ↓ 画像はクリックで大きくなります
ノアザミ


















 頭状花序は5弁の筒状花が
 集まったものです










ノアザミ(葉)



 アザミの語源は
 美しい花に誘われ
 手折ろうとすると
 葉の先端の刺が刺さる
 つまり、欺く(あざむく)
 であるとも言われます。
 草食動物に食われない
 ための植物の知恵かも
 

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ニセカラクサケマン (偽唐草華鬘)

2011-04-16 22:23:24 | 双子葉離弁花

ニセカラクサケマンを始めて見たのは3年前のことです。
前回は京都市伏見区桃山の宇治川の畔にある公園の中でしたが、今回も宇治市内の宇治川堤防の土手です。
どうやら宇治川周辺で繁殖が進んでいるようです。

ヨーロッパ原産の帰化植物ですが、2000年代前半に出版された帰化植物の図鑑には載っていないので、
比較的新しく渡来した植物ではないでしょうか。

和名は赤い色のカラクサケマンに似て色が白いことから、「偽のカラクサケマン」の意味です。

花は先端が紅紫色で、白く大きな萼には鋸歯があり、中心に黄緑の筋が一本入っています。
先端の開いたものが見られないので、閉鎖花ではないかと思われます。

ニセカラクサケマン <ケマンソウ科orケシ科 カラクサケマン属>

  ↓ 画像はクリックで大きくなりますニセカラクサケマン

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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ヒメウズ (姫烏頭)

2011-04-06 22:47:15 | 双子葉離弁花

ヒメウズは、川の土手や山麓の草地に生えるキンポウゲ科の多年草です。

花の形はオダマキの長い距を取ったような形ですが、5~6㍉と小さく、草丈も
10~15㌢程なので、あまり目立つ植物ではありません。

しかし、よく見ると俯き加減に咲く白い花は中々可愛く、清楚な趣があります。

白く花弁のように見えているのは萼片で、その内側に雄蕊を囲むように筒状に配列
されているのが花弁です。
キンポウゲ科の花には、このように萼片が花弁状をしているものが多いようです。

和名のウズは、烏帽(とりかぶと)で、ヒメウズは「小さなトリカブト」の意味です。


ヒメウズ <キンポウゲ科 オダマキ属>   多年草

   ↓ 画像はクリックで大きくなりますヒメウズ

 

 

 

 

 

 




 




 

 

 








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ムラサキケマン (紫華鬘)

2011-03-26 22:25:49 | 双子葉離弁花

ムラサキケマンは春になると、河川敷の樹林や山の麓などで、半日陰の
やや湿った場所に生えるケシ科の越年草です。

和名は紫華鬘で、「華鬘」とは仏殿の欄間などの装飾具の一種です。
全体は柔らかく、傷をつけると少し悪臭がします。

花は紅紫色ですが、まれに白色の変種も見られます。先端は唇形で後部に
長い距を持ち、この中に蜜を溜めています。

全草が有毒で、誤食すると嘔吐、眠気、呼吸麻痺、心臓麻痺などの中毒症状が
表れ、死に至ることがあります。

尚、ウスバシロチョウの幼虫は、この草を食草としていますが、当然ながら
そのウスバシロチョウも有毒です。

ムラサキケマン <ケシ科 ケマン属>

   ↓ 画像はクリックで大きくなりますムラサキケマン

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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コシロノセンダングサ(小白の栴檀草)

2010-11-17 18:23:55 | 双子葉離弁花

荒れ地に群生するキク科の雑草で、種子が衣服に付く”ひっつき虫”センダングサの仲間です。
アメリカセンダングサやコセンダングサなど、一般にセンダングサの仲間の多くは筒状花のみで
舌状花がありませんが、このコシロノセンダングサは4~5枚の白い舌状花があるやや希少な種類です。

これの近似種でよく見られるコセンダングサとは変種の関係で、2種の交雑種に
アイノコセンダングサと呼ばれるものがあり、1~3枚の小さく不完全な舌状花を付けます。

また花の大きさが3㌢を超えるシロノセンダングサは、栽培種が野生化したもので、
本種とは全く別系統の品種です。

尚、分類上の母種センダングサには黄色い舌状花がありますが、私は未だ現物を見たことが
ありません。



コシロノセンダングサ <キク科 センダングサ属>   北米原産・帰化植物



痩果は細長く、実ると球状に広がります。先端には逆刺(もどり)の付いた2~3本の刺があって、
衣服に刺さると簡単には抜けません。

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ヨメナ(嫁菜)の仲間

2010-11-10 21:52:18 | 双子葉離弁花

ヨメナはキク科の多年草で、平地でごく普通に見られる野菊の1種です。
西日本に広く分布していますが、関東には同属の近似種カントウヨメナがあります。

和名の「嫁菜」は昔から代表的な若菜として食用に供されてきたことによります。

一般的にヨメナは、コヨメナとオオユウガギクの交雑種とされていますが、それだけに変異も多く
また、私達の周りにも、これに似た野菊は結構色々あるようで、市販の植物図鑑などを見ても
2~3種類は別種として扱われているものの、それ以外については、一定の範囲内のものを
まとめて「ヨメナ」と総称しているように思います。

最近発行された本に、山渓ハンディ図鑑「日本の野菊」(いがりまさし著、山と渓谷社刊)
がありますが、野菊ばかり凡そ95種類が載っているそうです。

私としてはかなり興味がありますが、\2940という価格に見合う内容なのかどうかが
思案のしどころです。
もし既に購入なさった方がいらっしゃいましたら、ぜひ感想をお聞かせください。


ヨメナ <キク科 ヨメナ属>  多年草






これは近くの里山の川筋に生えているもの、花はノコンギクに似ていますが、
葉には鋸歯がなく全縁、いろんな図鑑で探しましたが未だヒットしていません。
キク科の中でも、ヨメナ属は特に難しいといわれます。同定の深入りはできません。






これは谷筋の水辺に群生するノコンギク亜種のホソバコンギクです
上の画像のものは、似ていますがこれとも違うようです

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サクラタデ(桜蓼)

2010-11-08 06:50:56 | 双子葉離弁花

サクラタデはタデ科の多年草で、平地では休耕田などの湿地でよく見られる植物です。
花の大きさは4~6㍉と小さいのですが、イヌタデやヤナギタデなどに比べるとタデ科の中では
花は比較的大きいほうで、形が桜に似て美しく、淡紅色を帯びるところからサクラタデと呼ばれます。

雌雄異株で、雌花には退化した雄蕊と雌蕊があり、雄花には花冠よりかなり長い雄蕊と
退化した雌蕊があります。

花の色が白い、シロバナサクラタデというのもありますが、花穂が長く先端は大きく
垂れ下って咲くので、このサクラタデとは同属の別種とされています。


サクラタデ <タデ科 タデ属>  多年草











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家菊の原種ノジギク(野路菊)

2010-11-01 22:29:57 | 双子葉離弁花

ノジギクは家菊(栽培種)の原種のひとつと言われています。
葉の形を見ると、多くは5中裂、または3中裂で、裏面に灰白色の毛が密生するなど
確かに家菊の特徴とよく似ています。

花の色はこの白のみですが、華やかな家菊と比べ、地味で落ち着いた雰囲気の中に
どこか風格のようなものを感じさせる花です。

類似種にリュウノウギクというのがありますが、葉の基部を見ると本種は水平ですが
リュウノウギクは楔形になっている点で区別できます。


ノジギク <キク科 キク属>   多年草


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コウヤボウキ(高野箒)

2010-10-25 06:57:20 | 双子葉離弁花

コウヤボウキはキク科の木本で、一応は樹木ですから一度咲いている場所さえ見つければ
毎年、その場所で花を咲かすので、花を探す上では比較的楽なパターンといえます。

このコウヤボウキは近くの野外活動センターにあるダム湖の周辺で咲いていたものですが、
今年は他の秋花もそうなんですが、咲き始める時期がかなり遅くなっている気がします。
時期を見計らってはくるのですが、これが3度目の正直、やっと咲いたという感じです。

頭花は本年枝の先に1個着けますが、これは13個ほどの深く5裂した筒状花を円柱形の総苞弁が
下部で束ねているような構造になっています。

筒状花の裂片は強く反り返り、まるでリボンのような可愛い雰囲気を醸し出していますが、
少しピンクがかったとはいえ、小さくて白い花は注意していないと見過ごしてしまうかも知れません。

和名は「高野箒」で、和歌山県の高野山金剛峯寺でこの枝を束ねて箒に使っていたことから。


コウヤボウキ <キク科 コウヤボウキ属>  落葉小低木







       ダム湖の畔に、しゃがんで 構えていると背後にただならぬ気配が・・・
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           ギャラリー?に囲まれちゃったよう・・・で.す・ね・・
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             ハ~イ!ギャラリーの方達です
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                      ・
                  失礼しましたぁ~
             通称「おねだり鴨」さんでした。もうこちらがカモにされちゃいそうで~す    






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イシミカワ

2010-10-16 18:11:32 | 双子葉離弁花

イシミカワは蔓性の1年草で、河川敷や山の道端によく生えています。
花は他のタデ科の花と同様に2.5㍉ほどの小さな花が、皿のような苞葉の上に房状に付きますが
花冠がなく、顎と蕊だけの薄緑色なので、咲いていても、ほとんど気づきません。

関心が薄かったせいもありますが、私もこの植物の花は未だ見たことがありません。

しかし秋になって果実が熟し、美しい藍色になると、にわかに目に付くようになります。
この植物の存在に気づくのも丁度その頃です。

イシミカワとは面白い名前ですが、名前の由来がよく分かりません。
漢字も「石実皮」、「石見川」、「石膠」と色々意見が分かれますが、一般によく使われ
ているのは、「石実皮」で、「皮が石のように見える実」とか説明されています。

しかし、それなら「石実皮」ではなく、「石皮実」となっていいはずなんですが・・・


イシミカワ <タデ科 イヌタデ属>


果実は、苞葉と呼ばれる丸い皿型の葉の上に房状に付きます。
藍色の皮は顎が肉質に変化したものです。




葉は三角形で、葉柄は苞葉の裏の基部から出ます。

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