猛暑が続いた8月も今日で終わりですが、今日の京都、最高気温が京都市で36.3度、
城陽市や京田辺市など、南部が35.5度と相変わらずの猛暑が続いています。
これで、8月の京都の最高気温は、1日として30度を下回る日がなかったことになります。
因みに最も最高気温が低かったのは8月14日の30.4度、この日は前日の夜から京都府
南部は観測開始以来の最大値と言われる猛烈な雨となり、我が城陽市や宇治市に多大な
水害をもたらした日です。
何しろ、1ヶ月の降雨量が一晩に降りましたからその影響も全く想像を超えたものでした。
あまり想いだしたくもないですが、こんな事もあるのかなぁ・・・という防災意識は必要ですね。
逆に最も高かったのは8月17日で37.1度を記録しています。正に地球温暖化の影響を
肌身で感じてしまう1ヶ月になりました。
さて、暦の上では明日から長月(9月)に入ります。長月の意味は諸説あるようですが、
俗に言うところの秋の夜長。つまり「夜が長くなる月」ということらしいです。
久しぶりに夜は気に入った作家の小説を読むもよし、ヘッドホンで独り静かにショパンを聞く
もよし、それぞれ工夫しながら贅沢な夜を過ごしてみてはいかがでしょうか?
画像は咲き始めた秋の花、ゲンノショウコです。
ゲンノショウコ <フウロソウ科 フウロソウ属> 多年草
下痢止めの民間薬として有名な草です。噛むとすぐに効き目が現れるという意味で
この名が付けられています。花の色は白~濃紅色と変異が見られます。
まあ立秋といっても名ばかりで、少しでも暑さが和らぐのかなぁ~と淡い期待がありましたが
とんでもない話で、京都府南部の昨日の最高気温は、またもや36.6℃を記録しています。
そして今日が34℃・・・
先週に2日続きの37℃越えを経験した身には、今日の気温は涼しいとまではいきませんが
微妙に暑さが和らいだように感じるのが不思議です。
やはり、体温調節機能の発達した人間の気温に対する順応性は大したものです。
その点、汗をかく機能を持たない鳥類などは、日中は涼しい場所でじっとしているのか
あまり活発な動きを見せてくれません。
さて、今日の画像ですが、この時期の里山で地味ながら清楚で涼しげな花を咲かして
頑張っているナツフジです。花期は名前が示すように7~8月で、夏の土用に咲くことから
別名をドヨウフジとも呼ばれます。
初夏に立派な紫色の花を咲かせるフジに比べると花穂は短く、せいぜい20㌢程度で
蔓は太くならず、ほとんどは冬には枯れてしまいます。
当年生の蔓の太さは直径約2㍉で、低木に絡みついて生え、花の色はご覧のように
クリーム色に近い白色をしています。
ナツフジ <マメ科 ナツフジ属>
スミレは田園都市等で市街化区域の側溝とアスファルトの境目などで群生しているのを
よく目にします。
山地ではほとんど見ることはなく、どちらかと言うと、人里に生える都会派のスミレです。
人間の場合は「都会派」は一種の褒め言葉で、洗練されたとか、センスが良いといった
イメージになると思いますが、厳しい環境に生き抜くしたたかさと言う点では我々人間の
都会派とも共通点があるような気がします。
根はかなり深く、上部を摘まんで引き抜くことはかなり困難なようです。
春には画像のような濃い紫色の開放花を多数咲かせ、花粉の媒介によって多様な遺伝子
を持った種子を形成しますが、それ以後は閉鎖花を次から次へと咲かせ、自家受粉で
効率良く種子を作り続けます。
和名の「スミレ」は横から見た姿が大工道具の「墨入れ」に似た形であることから
スミレ <スミレ科 スミレ属> 多年草
今日は朝からやや強い雨が断続的に降る生憎の天気・・・
午後2時前、ようやく雨が上がったので近くをぶらついていると
街路樹に寄り添うように咲くスミレの花が目に止まりました。
色や形は園芸種のビオラやパンジーのような華やかさはありませんが
何処となく落ち着いた気品のようなものを感じさせる花です。
「山路来て 何やらゆかし すみれ草」
松尾芭蕉「野ざらし紀行」の中の一句ですが、京都から大津に至る長い逢坂山越えの山道・・・
「もうどれくらい歩いただろうか?ここらでちょっと一休みしようか」と腰を下ろし、ふと足元に
視線を落とすと可愛いスミレがひっそりと咲いている・・・という状況でしょう
芭蕉翁も恐らくここで誰かに出逢ったような懐かしさを覚えたに違いありません。
小さいながらも何となく気になる花です。
※下の画像は調べた結果、スミレではなく、近似種のノジスミレでした。
ノジスミレ <スミレ科 スミレ属> 多年草
スミレによく似てますが、花期は少し早く3月中旬ころから咲き出します。外見上の違いは
葉柄が短く、葉はスミレのように立ち上がりません。
スミレの花期は通常 4月~5月頃で、その時期には昆虫による花粉の媒介によって
他の花と多様な遺伝子交換を行い種子を作ります。
しかし、それ以後は花粉による遺伝子交換は行わず、開花しない閉鎖花で種子を
作ることもできます。
温暖な土地で11月頃に路傍のアスファルトの割れ目などで咲き出す花は、「返り咲き」
と呼ばれていますが、本来閉鎖花で種子を作るのに花粉は必要ありません。
つまり、「男はいらん」タイプ? 役立たずって言われても取りあえず人間でよかった
スミレの名は、この花を横から見ると大工さんが材木に直線を引くための道具「墨入れ」
の形に似ているのが語源と言われています。
しかしこれは牧野富太郎氏による推論で、定説ではないようです。
近くの野外活動センターにある草藪で見付けた野菊の一種です。
ヨメナなどに比べ、舌状花の幅が細く繊細で美しい花です。
茎の基部が木質化していることや、頭花の形、花序などから判断して
断定はできませんが、北米原産の帰化植物でシオン属のキダチコンギク
(木立紺菊)が候補として挙げられます。
キダチコンギクは比較的新しい帰化植物で、朝鮮戦争当時、米軍を主力と
した国連軍が日本に持ち込んだ軍需物資に混じって上陸したといわれます。
最初に発見されたのは九州で、その後、関東以西で棲息が確認されていますが
数の上では頻繁に見られるほど多くはないようです。
ところで、分類学上「野菊」という科名や属名は存在しませんが、ヨメナやコンギク、ノジギクなど
菊に似た形の花を咲かせる野草を総称して一般に「野菊」と呼んでいるようですが、
日本国内に約300種類とも言われるこの野菊の大半はシオン属で、野菊=シオン属の総称
といっても概ね間違いではないと思います。
このことからも判るように、シオン属という狭い範囲に多くの近似種がひしめきあって
いることと、詳しい図鑑などが殆んど市販されていない現状では山野草愛好家にとって
野菊は同定泣かせの植物といえます。
イシミカワは河川敷のやや湿った場所などに生えるタデ科の1年草です。
特徴ある三角形の葉や、下向きの刺をもった茎などは、同じタデ科の
ママコノシリヌグイとよく似ていますが、刺は此方のほうが長くて鋭く、群落の中へ
足を踏み込むと、ズボンの裾に刺が絡んで脱出するのに一苦労することがあります。
花穂は短く、花冠を持たない花は目立ちませんが、10月初旬には萼は肥厚して肉質となり、
美しい藍色に熟します。
「石見皮」という名前から一見、固そうな雰囲気ですが、押さえてみると意外に柔らかく、指先で
潰してみると果汁のようなものが出てきます。
この肥厚した萼に包まれた果実は果肉を持たない痩果(そうか)で、黒い種皮に覆われた
種子が1個入っています。
イシミカワ <タデ科 タデ属> 1年草
花穂の基部に茎を抱く丸い皿のような葉がありますが、これは托葉と呼ばれます。