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山と自然の雑学ノート

山歩き&散歩道で出会った植物などの記録

チョクザキヨメナ

2012-12-18 22:40:27 | 双子葉離弁花

舌状花が円筒状をした珍しい野菊で、チョクザキヨメナといいます。

本州・四国・九州の平地で普通に見られますが、ノコンギクの栽培変種と言われています。

元々は野生種の中の変種だったと思われますが、調べた範囲では詳細な情報はありませんでした。

栽培によって分布域が広がったことだけは確かなようです

漢字では「猪口咲き嫁菜」となりますが、「猪口」の読みが「ちょこ」ではなく「ちょく」となって

いるところに原産地を知る手掛かりがあるのではないでしょうか。

チョクザキヨメナ<キク科 シオン属> 多年草   別名オビトケコンギク(帯解紺菊)

チョクザキヨメナ















チョクザキヨメナ

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コセンダングサの銅葉

2012-10-25 22:25:16 | 双子葉離弁花

ヌスビトハギと共に悪名高き「ひっつき虫」のコセンダングサです。

このように赤く紅葉したものを「銅葉」と呼んでいますが、今年はこのように全体が鮮やかに

紅葉したものが多く見られるようです。夏の猛暑の影響で今年の紅葉は鮮やかだろうとの予想

ですが、色んな植物に同じような現象が現れているのは興味深いことです。

コセンダングサ <キク科 センダングサ属>  1年草

コセンダングサ

 

 

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ツルマメ(蔓豆)

2012-09-25 21:48:46 | 双子葉離弁花

ツルマメは明るい草地などに生える蔓性のマメ科植物で、考古学的には縄文時代の土器に

ツルマメ種子の圧痕が発見されていることなどから、日本で栽培される大豆は本種の改良した

ものと考えられています。

8~9月に葉の脇に咲く蝶形で紫色の花は約8㌢ほど、10月にできる豆果は長さ2~3㌢で

齧ってみると確かに大豆の味がします。

ツルマメ <マメ科 ダイズ属> 1年草

ツルマメ















ツルマメ















ツルマメ

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クサネム(草合歓)

2012-09-24 21:44:57 | 双子葉離弁花

水田や川の畔になどに生えるマメ科の1年草です。

花期は8~10月頃と比較的長いので、撮る機会はたっぷりあると思っていましたが

ふと、近所の水田を見ると既に豆鞘(節果と呼びます)ができてしまっていました。

約1時間ほど畦道を歩いて、ようやく花の残っているものを見つけて撮ったのがこれです。

約1㌢程の蝶形で淡黄色ですから、離れて見ている分にはどうっていうことのない花ですが、

近付いてジックリ見ると、中心部の朱色のグラデーションは中々絵になります。

クサネム <マメ科 クサネム属> 1年草 

和名は草でありながら葉がネムノキのように、夜になると休眠運動で閉じることから

クサネム















クサネム

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ゲンノショウコ(現の証拠)

2012-08-31 18:05:01 | 双子葉離弁花

猛暑が続いた8月も今日で終わりですが、今日の京都、最高気温が京都市で36.3度、

城陽市や京田辺市など、南部が35.5度と相変わらずの猛暑が続いています。

これで、8月の京都の最高気温は、1日として30度を下回る日がなかったことになります。

因みに最も最高気温が低かったのは8月14日の30.4度、この日は前日の夜から京都府

南部は観測開始以来の最大値と言われる猛烈な雨となり、我が城陽市や宇治市に多大な

水害をもたらした日です。

何しろ、1ヶ月の降雨量が一晩に降りましたからその影響も全く想像を超えたものでした。

あまり想いだしたくもないですが、こんな事もあるのかなぁ・・・という防災意識は必要ですね。

逆に最も高かったのは8月17日で37.1度を記録しています。正に地球温暖化の影響を

肌身で感じてしまう1ヶ月になりました。


さて、暦の上では明日から長月(9月)に入ります。長月の意味は諸説あるようですが、

俗に言うところの秋の夜長。つまり「夜が長くなる月」ということらしいです。

久しぶりに夜は気に入った作家の小説を読むもよし、ヘッドホンで独り静かにショパンを聞く

もよし、それぞれ工夫しながら贅沢な夜を過ごしてみてはいかがでしょうか?

画像は咲き始めた秋の花、ゲンノショウコです。

ゲンノショウコ <フウロソウ科 フウロソウ属> 多年草

下痢止めの民間薬として有名な草です。噛むとすぐに効き目が現れるという意味で

この名が付けられています。花の色は白~濃紅色と変異が見られます。

ゲンノショウコ

 












 


ゲンノショウコ















ゲンノショウコ

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ナツフジ(夏藤)

2012-08-07 18:44:54 | 双子葉離弁花

まあ立秋といっても名ばかりで、少しでも暑さが和らぐのかなぁ~と淡い期待がありましたが

とんでもない話で、京都府南部の昨日の最高気温は、またもや36.6℃を記録しています。

そして今日が34℃・・・

先週に2日続きの37℃越えを経験した身には、今日の気温は涼しいとまではいきませんが

微妙に暑さが和らいだように感じるのが不思議です。

やはり、体温調節機能の発達した人間の気温に対する順応性は大したものです。

その点、汗をかく機能を持たない鳥類などは、日中は涼しい場所でじっとしているのか

あまり活発な動きを見せてくれません。

さて、今日の画像ですが、この時期の里山で地味ながら清楚で涼しげな花を咲かして

頑張っているナツフジです。花期は名前が示すように7~8月で、夏の土用に咲くことから

別名をドヨウフジとも呼ばれます。

初夏に立派な紫色の花を咲かせるフジに比べると花穂は短く、せいぜい20㌢程度で

蔓は太くならず、ほとんどは冬には枯れてしまいます。

当年生の蔓の太さは直径約2㍉で、低木に絡みついて生え、花の色はご覧のように

クリーム色に近い白色をしています。

 ナツフジ <マメ科 ナツフジ属>

ナツフジ

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アリアケスミレ(有明菫)

2012-04-18 22:43:34 | 双子葉離弁花

これも昨日のスミレと同様、平地に多い種類です。

棲息環境はスミレのように、舗装道路のコンクリートとアスファルトの境目やひび割れた

アスファルトの裂け目などに生えているのをよく見かけます。

葉はスミレとそっくりですが、花は白色系で、側弁や唇弁に紫色の筋が入っているのが特徴。

和名は「有明菫」で、花の色を有明の空に見立てたものです。

アリアケスミレ<スミレ科 スミレ属>  多年草

アリアケスミレ

 

 

 

 

 

 

 


 

アリアケスミレ

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スミレ(菫)

2012-04-17 22:31:35 | 双子葉離弁花

スミレは田園都市等で市街化区域の側溝とアスファルトの境目などで群生しているのを

よく目にします。

山地ではほとんど見ることはなく、どちらかと言うと、人里に生える都会派のスミレです。

人間の場合は「都会派」は一種の褒め言葉で、洗練されたとか、センスが良いといった

イメージになると思いますが、厳しい環境に生き抜くしたたかさと言う点では我々人間の

都会派とも共通点があるような気がします。

根はかなり深く、上部を摘まんで引き抜くことはかなり困難なようです。

春には画像のような濃い紫色の開放花を多数咲かせ、花粉の媒介によって多様な遺伝子

を持った種子を形成しますが、それ以後は閉鎖花を次から次へと咲かせ、自家受粉で

効率良く種子を作り続けます。

和名の「スミレ」は横から見た姿が大工道具の「墨入れ」に似た形であることから

スミレ <スミレ科 スミレ属> 多年草

スミレ














スミレ








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シハイスミレ(紫背菫)

2012-04-16 17:54:04 | 双子葉離弁花

シハイスミレは山地特有のスミレで、市街地や農耕地では見られない種類です。

それほど標高は高くなくても、兎に角、山地で日当たりが良く、やや乾燥した水はけの良い

場所というのが絶対の生育条件のようです。

タチツボスミレなどのような群生は見られず、生育場所の周辺に少数が点在するような

生え方をしています。

和名は「紫背菫」で、この名は葉の裏が赤紫色をしていることに由来します。

距は細く後に跳ね上がっています。

シハイスミレ <スミレ科 スミレ属> 多年草

シハイスミレ

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ノジスミレ(野路菫)

2012-03-31 18:34:53 | 双子葉離弁花

今日は朝からやや強い雨が断続的に降る生憎の天気・・・

午後2時前、ようやく雨が上がったので近くをぶらついていると

街路樹に寄り添うように咲くスミレの花が目に止まりました。

色や形は園芸種のビオラやパンジーのような華やかさはありませんが

何処となく落ち着いた気品のようなものを感じさせる花です。

「山路来て 何やらゆかし すみれ草」

松尾芭蕉「野ざらし紀行」の中の一句ですが、京都から大津に至る長い逢坂山越えの山道・・・

「もうどれくらい歩いただろうか?ここらでちょっと一休みしようか」と腰を下ろし、ふと足元に

視線を落とすと可愛いスミレがひっそりと咲いている・・・という状況でしょう

芭蕉翁も恐らくここで誰かに出逢ったような懐かしさを覚えたに違いありません。

小さいながらも何となく気になる花です。

※下の画像は調べた結果、スミレではなく、近似種のノジスミレでした。

ノジスミレ <スミレ科 スミレ属> 多年草

スミレによく似てますが、花期は少し早く3月中旬ころから咲き出します。外見上の違いは

葉柄が短く、葉はスミレのように立ち上がりません。 

スミレ

 

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ヤマアイ(山藍)~謎に満ちた古代の染料植物

2012-03-04 17:51:25 | 双子葉離弁花

竹藪にヤマアイが群生していました。淡緑色の小さな花を穂状に付けています。

花は目立ちませんが、葉の深い緑色が印象的な植物です。

古代染色植物の一つで、タデ科の藍が枯れる冬の間に藍の代用品として使われ

ていたと考えられています。

長い間、この植物自体に藍色の色素インジゴなどが含まれていないので、藍色に染める

ことは不可能ではないかと言われていましたが、銅を媒染体として使うことで、鮮やかな

藍色に染められることが京都の染織研究家、辻村嘉一氏によって実証されています。

ヤマアイ<トウダイグサ科 ヤマアイ属>ヤマアイ  多年草

 

 

 

 

 


 



 雌雄異株で、雄株には雄花、雌株には雌花が付きますが、稀に雌雄同株のものや
両性花も見られます。ヤマアイ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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オニノゲシ(鬼野芥子)

2012-01-03 16:55:23 | 双子葉離弁花

オニノゲシはヨーロッパ原産のキク科植物で、畑地の周囲や道端によく生えています。

春から夏にかけてが花期とされていますが、1年中、色んな段階の花や種子が見られる

所を見ると、越年性1年草とか2年草という規定はどうも怪しい気がします。

ハルノノゲシ(ノゲシ)にもよく似ていますが、羽状に切れ込んだ葉の裂片の先端は固くて

鋭い刺があり、「刺々しい」という言葉がピッタリ。

厳寒の時期にも関係なく花を多数咲かせていますが、それよりも存在感を示しているのは

刺々しく厳つい雰囲気を醸しているこの独特の葉でしょう。

オニノゲシ <キク科 ハチジョウナ属> 2年草?オニノゲシ1
















オニノゲシ



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返り咲きのスミレ(菫)

2011-11-26 18:35:57 | 双子葉離弁花

スミレの花期は通常 4月~5月頃で、その時期には昆虫による花粉の媒介によって
他の花と多様な遺伝子交換を行い種子を作ります。

しかし、それ以後は花粉による遺伝子交換は行わず、開花しない閉鎖花で種子を
作ることもできます。

温暖な土地で11月頃に路傍のアスファルトの割れ目などで咲き出す花は、「返り咲き」
と呼ばれていますが、本来閉鎖花で種子を作るのに花粉は必要ありません。

つまり、「男はいらん」タイプ? 役立たずって言われても取りあえず人間でよかった

スミレ <スミレ科 スミレ属>  多年草スミレ

















スミレ



 

 

 

 

 

 

スミレの名は、この花を横から見ると大工さんが材木に直線を引くための道具「墨入れ」
の形に似ているのが語源と言われています。
しかしこれは牧野富太郎氏による推論で、定説ではないようです。
スミレ

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キダチコンギク(木立紺菊)

2011-10-31 21:53:21 | 双子葉離弁花

 近くの野外活動センターにある草藪で見付けた野菊の一種です。
ヨメナなどに比べ、舌状花の幅が細く繊細で美しい花です。
茎の基部が木質化していることや、頭花の形、花序などから判断して
断定はできませんが、北米原産の帰化植物でシオン属のキダチコンギク
(木立紺菊)が候補として挙げられます。

キダチコンギクは比較的新しい帰化植物で、朝鮮戦争当時、米軍を主力と
した国連軍が日本に持ち込んだ軍需物資に混じって上陸したといわれます。
最初に発見されたのは九州で、その後、関東以西で棲息が確認されていますが
数の上では頻繁に見られるほど多くはないようです。

ところで、分類学上「野菊」という科名や属名は存在しませんが、ヨメナやコンギク、ノジギクなど
菊に似た形の花を咲かせる野草を総称して一般に「野菊」と呼んでいるようですが、
日本国内に約300種類とも言われるこの野菊の大半はシオン属で、野菊=シオン属の総称
といっても概ね間違いではないと思います。

このことからも判るように、シオン属という狭い範囲に多くの近似種がひしめきあって
いることと、詳しい図鑑などが殆んど市販されていない現状では山野草愛好家にとって
野菊は同定泣かせの植物といえます。
キダチコンギク

 

 

 

 








キダチコンギク
















キダチコンギク
















キダチコンギク

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イシミカワ(石見皮)

2011-10-06 22:46:40 | 双子葉離弁花

イシミカワは河川敷のやや湿った場所などに生えるタデ科の1年草です。
特徴ある三角形の葉や、下向きの刺をもった茎などは、同じタデ科の
ママコノシリヌグイとよく似ていますが、刺は此方のほうが長くて鋭く、群落の中へ
足を踏み込むと、ズボンの裾に刺が絡んで脱出するのに一苦労することがあります。

花穂は短く、花冠を持たない花は目立ちませんが、10月初旬には萼は肥厚して肉質となり、
美しい藍色に熟します。
「石見皮」という名前から一見、固そうな雰囲気ですが、押さえてみると意外に柔らかく、指先で
潰してみると果汁のようなものが出てきます。

この肥厚した萼に包まれた果実は果肉を持たない痩果(そうか)で、黒い種皮に覆われた
種子が1個入っています。

イシミカワ <タデ科 タデ属>  1年草
イシミカワ

 

 

 

 

 






イシミカワ

 

 

 

 

 

 

 



花穂の基部に茎を抱く丸い皿のような葉がありますが、これは托葉と呼ばれます。
イシミカワ

 

 

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