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山と自然の雑学ノート

山歩き&散歩道で出会った植物などの記録

センニンソウ(仙人草)

2014-07-22 10:01:46 | 双子葉離弁花

里山に広がる竹林の一角に、この季節ならすぐそれと判る白い花を見付けました。

キンポウゲ科の蔓性多年草で和名はセンニンソウといいます。

”仙人”と呼ばれる由来は不明ですが、一般的には結実した痩果に宿存する羽毛状になった花柱を

仙人の白髭に見立てたもののようです。

ところで、この花と直接の拘わりはありませんが、この仙人ってどんな人なんでしょうか?

これは中国の道教で、深山幽谷の仙郷に住み、修行によって仙術を会得し、不老不死を

得た人のことだそうで、霞を食らって生きられるという特技を持つという何ともエコな超人?

 

道釈画で描かれた老子の姿が、この仙人として後世に伝えられたため、仙人=白髭のイメージが

定着してしまったようですが、そもそも不老不死などと言いながら白い髭を蓄えた老人の姿を

仙人と呼ぶのは論理的矛盾ではないでしょうか。

まあ、何れにしても伝説ですから、こんな突っ込みは全く無用ですが・・・

センニンソウ <キンポウゲ科 センニンソウ属> 蔓性多年草 有毒 

センニンソウ
















 センニンソウ













花期は7~8月、4枚の花弁に見えているのは実は萼片で、花弁はありません
センニンソウ














 

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スイレン(睡蓮)

2014-07-04 11:15:29 | 双子葉離弁花

チョウトンボを探しに貯水池に出かけましたが今日は全くの空振り

このスイレンの花にとまる姿をねらってのことですが、生憎その主は現れませんでした。

 ということで、今日は主なくとも可憐に微笑む花のみです。

 

スイレンの咲く静かな朝の池というのは中々風情がありますが、この仲間は在来種の

ヒツジグサを除けば、全てが栽培種で、外国から輸入された品種や、その原種を交配

して造られた交配種等を総称してスイレン(睡蓮)と呼んでいるようです。

したがって、交配種の開発者や、販売業者によって様々な名前が付けられているものの

全て一様に”スイレン”と呼んでも決して間違いではありません。

但し、大きく分けると温帯睡蓮系のものと熱帯睡蓮系の2系統があるそうです。

園芸種については門外漢の私ですから、説明はこれくらいにしておきます。

スイレン(温帯種)













スイレン(温帯種)


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カワラナデシコ(河原撫子)

2014-06-22 18:00:16 | 双子葉離弁花

撫子の名は頭を撫でたくなるような可愛い子のことだそうだ。

その名のとおり生い茂る夏草の中に見られる淡紅色の小さな花は実に可憐で微笑ましい。

頻繁に草刈り作業が行われる河川堤防の土手などでもよく咲いているが、刈り込みには

強い性質を備えているようだ。

秋の七草にも数えられるが最盛期は6~7月だと思う。

なお、大和撫子(やまとなでしこ)はこの花の別名で、古来、繊細だが芯の強い日本女性の

理想像をこの花に喩えたものだそうだ。

しかしながら、現代の女性からみればこれは男性にとって都合のよい女性観を露骨に示した

ものであるかもしれない。

カワラナデシコ <ナデシコ科 ナデシコ属> 多年草

カワラナデシコ















カワラナデシコ











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ツボスミレ(坪菫)

2014-04-22 22:40:07 | 双子葉離弁花

ツボスミレは里山の湿原状になった場所でよく目にするスミレの仲間です。

別名をニョイスミレと呼び、これは葉の形が僧侶の持つ如意(にょい)という仏具に似ている

ことに由来します。

花は白く径1㌢位で、唇弁に紫の筋があり、距は丸く極端に短いのが特徴。

葉の形状からアギスミレやヒメアギスミレなどの変種もあるようですが、母種のツボスミレにも

季節による変化があるため、同定の深入りは出来ません。

ツボスミレ<スミレ科 スミレ属>  多年草 

ツボスミレ















ツボスミレ















ツボスミレ

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シハイスミレ(紫背菫)

2014-04-20 18:27:58 | 双子葉離弁花

里山の日当たりの良い所に生えるスミレ科のシハイスミレです。

和名は「紫背菫」で、濃い緑の葉には光沢があり、葉の裏が赤紫色をしているのが

その名の由来。

日当たりの良い谷筋で、保水性の良いやや粘土質の場所で見られます。

距は細く後へ跳ね上がっています。

シハイスミレ<スミレ科 スミレ属> 多年草

シハイスミレ















シハイスミレ















シハイスミレ















シハイスミレ






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タチツボスミレ(立ち坪菫)

2014-04-19 22:34:32 | 双子葉離弁花

タチツボスミレは、標高300㍍以下の低山から2000㍍程の亜高山帯まで、ほとんどの山地で

見られるスミレの代表的なものです。

和名はタチ=地上茎がある+ツボ=坪(庭)+スミレ(菫)で成り立っているようですが

花の時期には5~15㌢の地上茎は、花後にはさらに伸びて30㌢にまで達します。

タチツボスミレ<スミレ科 スミレ属>  多年草

タチツボスミレ

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ヒメスミレ(姫菫)

2014-04-05 11:01:44 | 双子葉離弁花

人は桜に私はその足元の小さな花に心が・・・

所謂、珍種ではない。

むしろ、本州の道端に咲くスミレの中では、最も普通に見られる品種である。

良く似た品種にノジスミレがあるが、ノジスミレの葉がヘラ形であるのに対して本種は

三角状披針形。

道端にしゃがんで見るこの花の小さな姿は、慎ましやかで実に愛らしい。

ノジスミレ

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ヤクシソウ(薬師草)

2013-10-18 22:49:14 | 双子葉離弁花

ヤクシソウは山間部を通る道路側面の崖などに生えていることの多いキク科の多年草です。

この種のキク科植物は花のあと、白い冠毛のついた種子を飛ばすものが多いようですが

私自身、綿毛のついたヤクシソウというのを見たことがありません。

ひょっとして、種を飛ばすのはもっと遅く、冬真近になるのでしょうか?

名前は薬を司る仏の薬師如来に由来するようですが、薬草としては利用されていないようです。

ヤクシソウ<キク科 オニノタビラコ属> 多年草

ヤクシソウ

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コウヤボウキ

2013-10-14 22:27:39 | 双子葉離弁花

久しぶりに歩いてみた大正池グリーンパークの林内では

木洩れ日を浴びてキク科の小低木、コウヤボウキがちょうど見頃を迎えていました。

およそ60㌢ほどの長さの枝先に咲く直径2㌢ほどの小さな花はそれほど目立つものではなく、

山野草に関心のない人なら、おそらく気付かずに通り過ぎてしまうにちがいありません。

和名は「高野箒」で、和歌山県の高野山金剛峯寺でコウヤボウキの枝を束ねて箒をつくった

ことからこの名があります。

コウヤボウキ













コウヤボウキ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

頭花は小さな筒状花が13個ほど集まったもので、下部は総苞弁が覆瓦状に重なり円柱形に
なっています。筒状花は1.5㌢ほどで深く5裂し、裂片は強くそりかえってまるで淡いピンク色の
リボンのようです。

コウヤボウキ

 

 

 

 

 

 

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オオイヌタデ(大犬蓼)

2013-09-15 10:41:38 | 双子葉離弁花

木津川河川敷では8月の後半から10月にかけて見られるタデ科の大型1年草。

名前が示すように、路傍に生えるイヌタデを大きくしたような植物で、高さは1~2㍍にもなるので

この時期の河川敷で見付けるのは比較的容易です。

花穂の長さは10㌢ほどで、先端を垂れ、萼は長さ2~3㍉で深く4裂し、淡紅色または白色で

花弁はありません。

和名は漢字では「大犬蓼」で、一般的に”犬”は役に立たないという意味で使われますが

ここでは、「葉に辛味がなく香辛料として役に立たない蓼」という意味です。

因みに植物名ではオトコ(男)も役に立たないものとして扱われています(笑)

オオイヌタデ<タデ科 タデ属> 1年草

オオイヌタデ















オオイヌタデ














近くでナミアゲハが翅を休めていました。何処ででも普通に見られるから「並揚羽」と呼ばれるこの蝶・・・
そのデザインの美しさたるや決して並ではありません。
問題はそれを撮る私の腕が並以下ということ?
オオイヌタデ















オオイヌタデ















オオイヌタデ

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ツルマメ(蔓豆)

2013-09-13 19:47:24 | 双子葉離弁花

9月も半ばだというのに、今日も日中は35℃にもなる”真夏日”でした。

しかし、それでも秋は少しずつ忍び寄ってきているようです。

畔道の灌木に絡みついたツルマメが紫色の可愛い花を咲かせていました。

マメ科ダイズ属の蔓性1年草で、大豆の仲間というより、現在、畑で栽培される

大豆はこのツルマメの改良品種と言われています。

10月には枝豆に似た形の豆果が出来ますが、小さいながらも当然食べられます。

ツルマメ<マメ科 ダイズ属> 蔓性1年草

ツルマメ

















ツルマメ

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カワラナデシコ(河原撫子)

2013-06-30 22:52:27 | 双子葉離弁花

カワラナデシコは日当たりの良い河原や、堤防の法面などに生えるナデシコ科の多年草です。

ヤマトナデシコ(大和撫子)とも呼ばれ、その繊細な美しさは慎ましいながらも芯は強い日本女性の姿に

喩えられてきたのはよく知られるところです。

城陽市の木津川周辺では、比較的よく草刈りや草焼きの行われる堤防や、あまり肥沃ではない

砂礫の多い河原などでの生育が目立ちますが、多くの植物にとっては厳しい生息条件は、かえって

他の植物との競合を避けるナデシコ科のこの植物にとっては好都合なのかもしれません。

カワラナデシコ<ナデシコ科 ナデシコ属>  多年草

秋の七草のひとつで、季語としては秋になります。花期は6~8月

カワラナデシコ








 

 

 

 

 

カワラナデシコ

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ムラサキニガナ(紫苦菜)

2013-06-30 07:52:51 | 双子葉離弁花

今日で6月も終わり、1年の半分が過ぎました。

ああ、もうそんな時期になったのか・・・早いなぁ~

「光陰矢のごとし」と昔どこかで聞いたような言いまわし・・・

改めて時間の早さを思い知らされるのはこんな時期でしょうか。

 

さて、6月に入ってから里山で蕾を付けていたので、少し気になっていたムラサキニガナです。

ようやく花が咲き始めました。

谷筋の少し暗い疎林で見られるキク科アキノノゲシ属の多年草です。

淡黄色の花が多いこの手のキク科植物には珍しく美しい紫色の花を咲かせます。

60~120㌢程の茎の頭頂部に下向きに咲く花なので、少し注意して見て歩くことが必要かも知れません。

ムラサキニガナ<キク科 アキノノゲシ属>  多年草

ムラサキニガナ

















ムラサキニガナ













下部の葉は普通、他のキク科植物のように羽状に裂けますが、上部の葉は殆んど三角形に近い

披針形をしています。
ムラサキニガナ

 

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ヒメハギ(姫萩)

2013-05-30 19:53:49 | 双子葉離弁花

近畿地方は一昨日、梅雨入りしました。

例年より10日早く、昨年より11日早い梅雨入りだそうです。

早く始まったんだから梅雨明けも早ければいいのですが、どうやら長期予報で梅雨明けは

例年並みの7月25日とか・・・どうやら今年の梅雨は長引きそうです。

まあ、少しポジティブに考えれば雨には雨の良さというか情緒のようなものもあって

この時期、雨にしっとりと濡れた紫陽花の花などは是非で狙ってみたい被写体の一つでは

ないでしょうか?

 

さて、今日の画像ですが、二次林の林縁などで日当たりの良いところに生える常緑の多年草、

ヒメハギです。草丈は8~15㌢程度で、初夏に紅紫色で、ちょっと見た目には萩の花のような

小さな花を咲かすことから、和名は「姫萩」ですが、植物分類学上はヒメハギ科ヒメハギ属で

マメ科ハギ属とは全く別系統の植物です。


ヒメハギ<ヒメハギ科 ヒメハギ属>  常緑多年草ヒメハギ












 

この花の構造は、一種独特のもので、如何にも花弁のように横に広がる大きな2枚(側弁)と

後方に立っている小さな2枚(旗弁)は共に萼片で、花弁はその中心にある筒状の部分で

先端にブラシ状の付属体(竜骨弁)を付けています。ヒメハギ

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ハルジオン(春紫苑)

2013-05-06 23:27:23 | 双子葉離弁花

ハルジオンは北アメリカ原産のキク科ムカシヨモギ属の多年草で、大正時代に観賞用植物として

輸入されましたが、主に東京方面で栽培されていたものが逸出して野生化し、第2次世界大戦後急に

都市周辺を中心に全国に広がって、現在ではごく一般的に見られる雑草になっています。

開花時期は、地方によって多少のバラつきはありますが、凡そ4月~6月で、頭花は白色または

淡紅色で、観賞用植物として渡来してきたのも充分納得できる美しさを備えています。

 

この花より少し遅れて、6月~10月に白色または淡紫色の花を付けるものが見られますが

それらは、同じく北アメリカ原産で、明治初期に渡来したヒメジョオン(姫女苑)です。

外見上の相違点として判り易いのは、ハルジオンの場合、茎に付く葉が茎を抱いている(抱き葉)のに対して

ヒメジョオンの葉は茎を抱いていないことで見分けられます。

また茎では、ハルジオンは中空、ヒメジョオンは茎が白い髄で満たされていることでも区別できます。

 

ところで、以前、ハルジオンはこの時期には城陽市の平地の至るところで見られたものですが、

最近何故か、見られるのは山間部の麓から中腹にかけてで、市内の平地部では全くといっていいほど

姿を見かけなくなりました。

このような生態系の変化については、今後注意深く観察してみる必要がありそうです。

ハルジオン<キク科 ムカシヨモギ属>  帰化植物 多年草 

ハルジオン















ハルジオン

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