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朝昼晩、時間を問わず飲んで喰って面白おかしく過ごす人生を歩みたいです。※旧名「日が沈む前に飲む酒はウマい」

名将が舌鼓を打った街中華 淵野辺『品香園』

2024年04月02日 | 中華食堂
「名将」→すぐれた武将。名高い大将。また、野球やサッカーなどのすぐれた監督。  ※goo辞書より
歴史上の武将や、スポーツの名監督は多いけれど、私がもっとも尊敬している名将は、
拙ブログではおなじみ、我が母校・日大三高の硬式野球部前監督である、小倉全由さんである。

※令和5年高校野球東西東京都大会・出場校選手名簿より

小倉監督は、自宅に帰ることはほとんどなく、学園内にあった野球部の寮で、部員たちと共同生活を送っていた。
野球漬けの日々を過ごす中、生徒たちには時々、お菓子をふるまったり、休日を与えていたように、
小倉さんも自身も、たまには高校野球を忘れ、一杯やりたいときもあったはず。
そんなとき、監督が足を運んでいたのが、日大三高と同じ町田市にある中華食堂『品香園』


スポーツ報知の記事によると、小倉さんが初めて訪れたのは2001年とのこと。
この年、三高野球部は春夏連続で甲子園に出場し、夏には全国制覇を遂げている
訪問した時期は不明だが、マスコミ取材が殺到し、OBからは激励や(余計な)叱咤を受け、監督が多忙だったことは間違いなく、
こちらのお店で飲み食いすることで、活力をチャージしていたのかもしれない。
その後、常連となった小倉さんは、部員と一緒に訪問したり、冬合宿の打ち上げで、総勢50人を連れてきたこともあったらしい。
小倉さん及び三高野球部のファンである私が、彼ら御用達の中華食堂を訪れるのは、必然であった。

初訪問は昨年の秋。店内はなかなか広く、厨房を囲むカウンター席の他、テーブル席や座敷席もある。
カウンター席に座り、とりあえず「瓶ビール(中)」620円を注文。すぐにキリンラガーが運ばれてきた。
卓上のメニューを撮影。まずはドリンク類とおつまみ。


こちらは一品料理とスープ。「ギョーザ」は、6個入りの方が少しだけ割安。


麺類も豊富で、基本の「ラーメン」は650円だが、ハーフサイズの「1/2ラーメン」380円や、倍量の「4/2ラーメン」1000円もある。


最後に、定食・丼などのご飯もの。メニュー豊富で席数も多いが、働いているのはご夫妻と息子さんの3名体勢。


お客さんも結構入っていたが、親子3人の好連係により、待たされることはなかった。
最初に注文したのは、ギョーザ6個と「豚肉とキクラゲの玉子炒め定食」900円の単品750円。どちらも私の大好物だ。
息子さんが餃子を焼き、お母さんが食器を並べ、旦那さんが鍋を振り…大勢の注文をさばいていく。
私が頼んだKTI=キクラゲ玉子炒めも、すぐに提供された。


全体の量自体がやや多めだが、ご覧のとおり、キクラゲの割合が他店より明らかに多い。


味付けは濃くなく、印象に残るのはやはり大量のキクラゲ。竹の子も入るため、どこを食べても歯応えがある。
しばらくして、ギョーザも到着。きれいに形が揃っていてイイね!


自家製の餃子は、野菜と肉が6:4くらいか。バランスがよく、誰もが好きなテイスト。


ビールを飲み終え、「ウーロンハイ」430円に替え、餃子とKTIをガツガツと頬張り、シメの食事を注文することに。
ベーシックな醤油味のラーメンは選ばず、塩味カテゴリーから、これまた大好物の「五目ソバ」870円をチョイス。
ほとんど待つことなく、五目ソバが完成。繁盛店の鍋をひとりで担っているだけあって、旦那さんの手際の良さは抜群。


具材は、白菜、キクラゲ、人参、竹の子、絹さや、焼豚、カマボコ、海老、うずら、ゆで玉子、カイワレなどなど。
いろんな旨味が融合した塩味スープの中で、黄色い細縮れ麺が踊る。


ここまで結構飲み食いしてきたので、五目ソバを食べ終わったあとは、結構満腹になった。
会計を済ませたのち、お店の方に許可をいただき、もう1枚だけ、撮影をさせていただくことに。
品香園さんには、数年前バナナマンの日村さんがロケで来たらしく、壁には彼のサインと番組ステッカーが提示してあるが、
私が撮ったのは、別の場所に貼ってあった、下記の画像。


小倉監督のモットーである、「練習は噓をつかない」のメッセージが入った、三高の校章入りミニタオル(?)だ。
書いたのも当然、ご本人である。撮影後は、両手を合わせて拝ませていただいた。なにかご利益がありそうだ(笑)。

旦那さんは、ほぼ目の前にいたけれど、ほとんど話せず。実際、他の客とも会話はしていないが、
無言で調理に専念している様子が、いかにも腕利きの職人みたいで、そういうスタンスは嫌いではない。
高校野球の名将・小倉さんもきっと、字は違うが中華の名匠である、旦那さんを敬っていたに違いない。

年が明け3月に入ると、高校野球の対外試合も解禁になる。
3月2日、選抜甲子園に出場する関東一との練習試合を観戦しに、三高グラウンドへ行ったところ…誰もいない(嘆)。


普段は午前10時くらいから始まるのに、この日の試合は午後開始だった模様。
母校キャンパスは丘の上にあり、3月上旬だとまだ寒いので、午後まで待たず退散し、11時開店の品香園さんに向かう。

開店時間になり、ノレンが出てきて入店を許される。私のあとからも、客がどんどん入ってきた。
飲酒などで長居はせず、この日注文したのは、とろみカテゴリーの「肉ソバ」950円と、「半チャーハン」380円。
相変わらず、旦那さんの鍋捌きは軽快で、ふたつの料理をほぼ同時に完成させていた。


肉ソバは、「豚肉と玉ねぎの甘辛あんかけ煮込み」を、具ナシ醤油ラーメンに乗せたもの。


半チャーハンは、たしかにハーフサイズの量で、麺類とのセットだと330円になる。


まずは肉ソバのあんかけを避け、基本のスープをすすってみたところ、おお、魚介ダシだ!
街中華のラーメンは、いわゆる昔ながらの醤油スープが出てくる場合が多いのだが、
こちらのスープは、今風にアレンジされた魚介テイストで、かなりウマい。
肉あんかけとの相性も悪くなく、とろみスープが麺とよく絡む。


一方のチャーハンは、元々のご飯が柔らかいのか、パラパラタイプとは対照的な、しっとりタイプ。
近年、「チャーハンはパラパラタイプが正統」みたいな風潮があるけど、私は「ウマけりゃどっちでもいい」派である。
無論、品香園さんのチャーハンは、油っこくなく味付けも適度で美味しい。グリンピースがいい脇役だ。
いつものようにお行儀悪く、「肉あんかけチャーハン」にしたりして、双方ともすぐに食べ切った。


会計時、小倉監督がよく食べていた料理をお母さんにたずねたところ、「肉野菜炒めかな…」と教えていただいた。

尊敬する小倉さんが、舌鼓を打った料理を堪能すべく、数日後に3度目の訪問。
「肉野菜炒め定食」880円のおかず単品730円に、初回と同様、瓶ビールを合わせる。
つい先日、「今後は、食事の際は酒を控えようと決意」したのだが(詳細はこちらの冒頭)、この日も酒の誘惑に負けてしまった。
ビールを飲み始めると同時に、旦那さんが調理を開始。あまり待つことなく、肉野菜炒めが完成。


横アングルも撮影。野菜不足の私に最適な、ボリューミーかつ彩り鮮やかな一品である。


他店との違いは、キャベツが細かく刻まれていることと、油通しされた豚肉が、意外と多いことか。
濃いめのテイストでビールが進み、今回も途中でウーロンハイにチェンジ。肉野菜炒めが残りわずかになったところで、
厨房の旦那さんにも、小倉さんがこちらのお店で、何を食べていたのか聞いてみた。
普段は寡黙で、ちょっと怖そうに見える旦那さんだが、私が監督のファンと知ると、表情が柔和になった。
「小倉さんはねえ、まず餃子と肉野菜炒め、さらにツマミを頼んでラーメンで締めることが多かったかな」。
結構食べているし、「ツマミ」ということは…? 「ええ、お酒も飲んでましたね」。
最近、酒のあとにメシが入らなくなった私よりも、年長の小倉さんがそれだけ飲み食いするのはスゴイ! 
だからこそ、孫みたいな世代の部員たちと一緒に、練習で身体を動かせるのだろう。
そんな監督に負けじと、私も【小倉全由フルコース】を味わってみることに。

肉野菜炒めとビールは注文済み。餃子は以前頼んだので、「春巻」1本140円を2本追加。
さらにウーハイのお替わりと、小倉さんが酒のアテによく頼んでいたらしい、「つまみチャーシュー」500円もお願いした。
先に春巻が揚がった。ハシで等分してからかぶりつく。


具材は豚肉、竹の子、椎茸で、甘口の味付けが印象に残る。他ではないテイストゆえ、春巻も自家製かな? 


続いて、生野菜の上に盛りつけられた、つまみチャーシューが登場。


上記画像を見て、タレだけでなく、魔法の白い粉がかかっていたのに気づいた。
ここのチャーシューの脂身は、冷たくてもしつこくない。野菜も付いてきたし、むしろヘルシーだろう。

春巻もチャーシューもウマく、3杯目のウーハイも飲み干し、そろそろ酩酊してきたので、シメのラーメンを注文。
あとで聞いたら、「小倉さんは1/2ラーメンでしたよ」とのこと。私も半分サイズにすればよかった…イヤ、
さっき書いたように、スープが美味しいので、フルサイズで正解だろう。
小さめのチャーシューにメンマと海苔、ネギとカイワレが乗った、シンブルだけど奥深いラーメンが登場。


前2回の訪問時に、ラーメン丼の横アングルを撮ってなかった。


残ったつまみチャーシュー2枚を加え、いざ食べ始める。


お酒と料理でお腹一杯のはずだが、絶品スープのお陰で、麺がスルスル入っていく。
よせばいいのに、スープも残さず飲み干し、小倉さんのフルコースを完食!
酩酊&満腹状態だったが、監督のパワーを授かったのか、淵野辺駅まで徒歩20分以上の帰路も、苦にならなかった。

最後に個人的な話題を少々。
実は、このお店のすぐ近くに、かつて高校の同級生が住んでおり、学校帰りや休日に、よく遊びに行ったものだった。
たまに、彼の家で中華の出前を取ってくれたのだが、そのお店は、ここ品香園だったのではないか。
会計後にご夫妻に、だいぶ前ですが、○○(←友人の名字)さんの家に出前しませんでしたか? とたずねたところ、
「もう40年くらい営業しているから、記憶はあいまいだけど、○○さん宅には何度か配達したと思う」と、お母さんが教えてくれた。
結果的に、品香園の料理は、高校野球の名将・小倉監督だけでなく、ボンクラ高校生の私も味わっていたようだ。

友人とはもう20年以上会っておらず、彼の実家も引っ越してなくなっていたが、品香園さんは今も元気に営業中
今後も、母校での試合観戦後などに寄らせていただき、小倉さん直筆のメッセージを眺めながら、飲み食いしたいと思っている。



品香園
東京都町田市根岸町2-26-32
JR淵野辺駅より徒歩約22分、日大三高からも同じくらい。店の前にバス停留所「下根岸」あり
営業時間 11時~15時、17時半~21時
定休日 水曜
※駐車場が12台分あり、詳細はこちらのお店HP
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