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朝昼晩、時間を問わず飲んで喰って面白おかしく過ごす人生を歩みたいです。※旧名「日が沈む前に飲む酒はウマい」

27744時間かけたとんかつカレー 難波『カツヤ』

2022年08月21日 | カレー、ハヤシ
先日行ってきた、2泊3日の関西出張。
初日の夜は、翌日甲子園で試合をする、母校野球部の勝利を願い、ゲン担ぎメシの定番・カツカレーを食べることに。
お店は、大阪なんばにある『元祖とんかつカレー カツヤ』
創業は1959(昭和34)年。カツカレーの元祖とされる(※諸説あり)、大正時代創業の浅草『河金』よりは、だいぶ新しいが、
「とんかつに合うようにカレーソースを作ったのは、うちが初めてでしょう」と店主が語っている。
情報元は、店内のテーブルにメニューと一緒に置いてある、店主が取材を受けた産経新聞の記事コピー。
 

上記画像は縮小してあるため、字が小さくて読めないだろうから、元記事を発見したのでこちらをクリックしてご確認を。

記事によると、ここのカレーソースは、刻み野菜をペースト状になるまで丹念に炒めたものを、
2~3年寝かせたのち、小麦粉とスパイスを加えてルーを作り、再び2ヶ月寝かせてから、
スープで伸ばし、リンゴ、生クリームなどを加え、さらにもう1日寝かせて、ようやく完成するらしい。
2~3年がアバウトだが、ここのカレーソースは完成まで、最大で3年2ヶ月と1日もかかることになる。
私は未食だが、「100時間かけたカレー」というレトルト商品や、そのような名前のカレー店もあるようだが、
カツヤさんのは、24×(3×365+60+1)=27744時間もかかるカレーなのである。スゲエ!

お店の存在を知った20年前から、いつか食べたいと思っていたカツカレーを目指し、難波へ向かう。
関東の人間がなんばor難波と聞けば、グリコやカニや道頓堀などを思い浮かべる方が多いだろうが、
お店に一番近い、JR難波駅の南口は、なんばらしからぬ(失礼)オシャレな雰囲気が漂っているではないか。


どうも居心地の悪い閑静な街路を歩いていくと、


すぐににぎやかな場所に出て、お目当てである赤い看板が見えてくる。


老舗らしいクラシックな外観をした、『元祖とんかつカレー カツヤ』に到着。


こちらは店頭看板のアップ。謎の人物がかぶっているのは、茶色いコック帽ではなく、とんかつらしい。


「頭はとんかつ」の情報元は、約20年前に発売された書籍「ナイルさんのカレー天国!!」より。
ナイルさんとは、東銀座『ナイルレストラン』の先代オーナー、G.M.ナイル氏のこと。
カツヤさんを知ったのはこの書籍なので、ナイル氏には感謝している。最近、女性に訴えられたみたいだけど(苦笑)。

店内に入ると、カウンター席とテーブル席があり、私はテーブル席に案内された。
なお、奥には漫画コーナーもあったりする。老舗なのに庶民的でいいね。


私が着席したのは5番テーブルらしいが、「5番」と大きく記された札の裏側は、


なぜかタロットカードの「Ⅴ ジュピター」であった。


あとで、「タロットカード ジュピター」で検索してみたところ、
正位置では「慈悲深い、善良、寛容、発展、冠婚葬祭、道徳」などを意味するらしいが、
逆位置だと「行き過ぎた行為、慣例を無視する、物欲にとらわれる」などの意味になるとか。ほぼ私のことではないか。
タロットカードより、お店メニューの紹介をしよう。まずは【カレーのメニュー】の表側。


とんかつ以外にも、ビーフカツやポークなど、いろいろな具材のカレーが用意されているが、
裏側にも、エビフライ、チキン、さらには濃厚ソースを使用したスペシャルカレーなんてのもある。


カレーの価格は、一番安い「プレーン(素)カレーライス」が800円。カッコ素カッコトジルが親切である。
一番高いカレーは、スペシャルカレーの「ビフカツBW(特選ヒレ肉)」4400円。Wは特選お肉を意味するそうだ。
さらに、ABCとクラス分けされ(Cが一番上等)、具材だけでなくカレーソースも、異なるらしい。
大阪に住んでいたら、ABCの違いを確かめるため、カツヤさんに通い詰めるのに。
なお、トッピングは追加できるので、とんかつABC3枚を同時に頼み、食べ比べをすることも可能。


なお、トッピングは一品料理としても注文できるし、「ビフテキ」や「カツ丼」まである。


ビールや後述する酒類もあるし、カツなどで一杯やってからカレーでシメ、なんてこともできそうだ。
メニュー豊富で注文に迷ったが、ここはやはり、お店のウリの元祖とんかつカレーから、
メニューに「★当店おすすめ!」と書かれている、上ロース肉の「とんかつカレーB」1500円を選択。


別の店ですでに飲み食いしていたし、さらにこのあとも1軒寄るつもりだったので、満腹になるのを避け、
トリプルとんかつのような、バカな追加トッピングはせず、卵50円の半生(「生」と「ゆで」もあり)だけにしておいた。

しばらくして、半熟玉子が乗せられた、とんかつカレーBがやってきた。


横からのアングルも撮影。ご飯の量は、そんなに多くないかな。


なぜか、ラッキョウが1個だけ添えられているのが微笑ましい。福神漬けはテーブルに置いてある。


まずはカレーソースからひと口。辛さよりもまず、野菜や果物由来の旨味と甘味を感じた。
ジャンルでいえば欧風タイプになるのだろうが、私が好きな日本人の口になじむカレーである。
濃厚だけど形状はドロドロでもなく、重さは感じないので、どんどんスプーンが進む。
バターなどの油脂類はほとんど使っていないらしい。きっとカロリーも低めだろう(←カツカレーなのに…)。
とんかつに合うように作ったソースゆえ、やや薄めだが幅のある上ロースかつとの相性は、当然良好。

※黄色い粉末のように見えるのは、ゆで玉子の黄身をほぐしたもの

辛さはほどよく、辛いのが苦手な人も大丈夫だと思われるし、足りなければ、卓上のガラムマサラを追加すればいい。


適度なスパイシーさが食欲をそそり、あっという間に食べ終えてしまった。さすがは長時間を費やしたソースだ。
大阪にしては高めの価格設定だが、ここでしか食べられないカレーであり、値段相応かそれ以上の価値はあるはず。
関西にはいいお店がたくさんあるので、2泊3日の滞在では1度しか行けなかったのが残念。
味を思い出しながら雑文を書いていたら、ここのカレーをまた食べたくなってきた。
今度行ったときは、さっきも書いたように、おつまみで一杯やってから、AとCのとんかつを乗せたカレーを食べようかな。
さっき紹介した卓上メニューでは、ドリンクは「ビール大中小」と「ジュース類」しか記載されていなかったが、
壁紙のメニューで、ジュースの詳細が判明。気になるのが、「プラス100円で爆弾に出来ます」の一文。


さっき記した「後述する酒類」とは、ジュース類にウォッカorウイスキーを入れた爆弾のことである。
ここ数年、提供する店が増えてきた印象だが、関西では「酎ハイ」文化が、東京ほど広まっていないようで、
私が愛飲している、ウーロンハイやホッピーセットを、置いていない飲み屋も多い。
なので、カツヤさんに焼酎がないのも仕方はないが、ウォッカ・ウイスキーをソフトドリンクで割るとは…。
長年酒をたしなんでいるが、ファンタにウイスキーやウォッカを入れようなんて、考えたこともないぞ(苦笑)。
次回はダブルとんかつカレーだけでなく、ファンタウォッカにも挑戦…はやめておいた方がいいか。

美味しいとんかつカレーだったが、翌日の甲子園では、母校野球部は「かつ」ことができず初戦敗退(泣)。
ひょっとしたら、2500円の「スペシャルカレーのとんかつB」を食べていれば勝っていたかも?
まあ次回は母校に関係なく、カツヤさんでのんびり食事を楽しみたいな。



元祖とんかつカレー カツヤ
大阪府大阪市浪速区元町2-6-25
JR難波駅南口から徒歩約4分、他電鉄の難波駅、地下鉄大国町駅からも徒歩圏内
営業時間 10時半~20時半
定休日 日曜、不定休あり
※お店のレトルトカレーを店内で販売。2人前入り1100円

※2023年8月追記
店舗老朽化のため、近くの元町2-12-33に移転したそうです
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