今年も冬の季節が到来した。富士山から約130kmの龍ヶ崎市から、富士山は条件が良くないと見えないが、空気が澄む冬季には比較的見えやすくなる。
勤労感謝の日、11月23日、今年最後の千秋楽であるが、久しく日本人力士の優勝への関与のない大相撲を見るのは止めにして、夕方、散歩がてら牛久沼へ行ってみた。
この日、晴天であったが、ほとんど風はなく、少しもやっているようで、富士山は見えないと思っていたが、日没前後からシルエットが現れた。
これまで、理科年表によると、牛久沼から見た時に富士山頂に太陽が沈むのは、年に2回、11月29~30日頃、1月15~16日のようであり、実際これまで、ほぼそのようであった。
しかし、この日、太陽は富士の右肩から斜面に沿って沈んで行った。真上から沈むのは、翌日~翌々日のようであり、これまでの認識とすこしずれているように思われた。この日は、予定日の下見のつもりであったが、いきなり本番が来たようであった。
見た理科年表が少し古いので、太陽の位置が多少ずれていたのかも知れない。
4時20分頃、日没近いが、まだ富士山はわからない。
しかし、よく見ると太陽の真下にぼんやりと見えているようだ。
さらにほんの少し太陽が落ちると、富士の影がはっきり見えてきた。
太陽は富士の肩のあたりから斜面を滑るように落ちて行った。
4時23分頃、太陽は富士の足元から沈んだ。
日没後、沼の水面に空の光を映して縞模様が現れた。
帰途、佐貫方面の灯のともった家やビルが見えていた。
富士山頂への日没が予想された翌日の24日は雨で駄目で、翌々日の25日は好天で、夕方牛久沼へ行った。しかし、地平線近くには比較的厚い雲があり、富士が姿を見せることはなく、太陽は雲の中に消えていった。
富士は見えなかったが、穏やかな良い夕暮れであった。このあたりで、このように雄大な眺めが身近で見えるのは、牛久沼だけのような気がする。これが見えるだけでも幸せである。
霞ヶ浦はさらに雄大であるが、ここから行くには少し遠いし、富士との距離も長い。利根川堤防からも富士はよく見えるが、広々とした水面に映すのは難しい。