しろくま日記

読んだ本の感想を記録してみたいと思います。
なんだか忘れてしまうので。

2014年SFマガジン国内長編オールタイム・ベストSF 考

2018-02-03 | 本リスト
ちょいと前に「記事あげます」と予告した国内長編オールタイムベスト2014年版のお話しです。
元ネタはSFマガジン700号掲載の国内長編オールタイムベストです。(現物はこちら参照ください-2014年SFマガジンオールタイムベスト-海外長編考

アンケートに基づくものですが、SFマガジンの読者ですから…多少偏っていそうな(笑)

それを基に2006年との比較、出版年、現在の出版状況など調べてみました。
出版年と出版状況はでき得る限り調べたつもりですが間違っていたらすいません。
なお「航空宇宙軍史」のみ最近「完全版」が出ている影響もありで出版年特定できませんでした。

水色既読、黄色所有で色付けしていますが見事に第一世代の作品しか読んでいない...。

数少ないそれ以外の既読作品「BRAIN VALLEY」「永遠の森 博物館惑星」もランク外になってしまってなんだか寂しいです。

とりあえず作家別作品数を見てみると
 6作品=神林長平(「戦闘妖精・雪風」を1つで数えれば5ですが)
 5作品=小松左京
 3作品=筒井康隆、半村良、伊藤計劃(共著「屍者の帝国」含む)
 2作品=光瀬龍、山田正紀、谷甲州、長谷敏司、飛浩隆
というところ。

'06年と上位作品数、作家はあまり変わっていません...。
「神林長平、小松左京強し」です。

2作品のところに入っている長谷敏司(2001年デビュー)が新顔というところでしょうかねぇ。

変わったところは最近人気らしい伊藤計劃が1位の「ハーモニー」はじめ3作ランクイン、山田正紀が「エイダ」がランク外となったことで3作品の人から外れたというところ。

神林長平、伊藤計劃、山田正紀は読んだことがないのでなんともいいようがありませんが、小松左京の5作品はちょっと多いんじゃないかなぁという気はしました。
果てしなき流れの果に」と「日本沈没」くらいでいいのではと…。
小松左京の場合は第一世代トリビュートバイアスがだいぶ入っていそうですが、第一世代の作家では豊田有恒、平井和正が入っていないので(2006年の時も同じこと書いていますが)小松左京作品5作品入れるよりも両氏の作品入ってもいいのでは?などと思いました。

豊田作品なら「モンゴルの残光」平井作品なら「ウルフガイ」シリーズか「幻魔大戦」というところでしょうか。

また第一世代では星新一作品「声の網」あたり入ってもな気もしました。
ネットワーク、AI先取り作品としてそれなりの評価うけてもいいような...。

ベスト10の顔ぶれでは相変わらず2位「果てしなき流れの果に」第3位「百億の昼と千億の夜」の王道2作品は強いですがその他はかなり変わっています。

2006年は半村良も第一世代に含めるとベスト10中が7作が第一世代、他第二世代の山田正紀作品2作ランクインですから10作中9作第一、第二世代作家でした。
それに対し2014年では第一世代作家が4作品と減って、第二世代の山田正紀作品がベスト10から外れ1979年デビューの第三世代にあたる神林長平「戦闘妖精雪嵐」が10位にいますが、あとは2007年デビューの伊藤計劃「ハーモニー」が1位、他1982年デビューの飛浩隆、1996年デビューの小川一水、2003年デビューの上田早夕里ともはや「世代」が意味をなさない作家が入ってきています。
(SF作家第四世代というのはあまりいわないらしい)

一応「読んでいる」というジャンルのオールタイムベスト10にまったく知らない作家が入っているのをみるのもおじさんとしてはなんだか寂しいですが....。

2006年から2014年の8年間でファン層がおじさん世代からかなり入れ替わったんでしょうかねぇ。

他「マイナス・ゼロ」が06年4位から13位とベスト10から外れているのが個人的にはさびしく...。
ここは定番として入ってもらいたいです。

また今回「虚航船団」が20位⇒14位と順位を上げてきています。
筒井SFの最高傑作ではあると思うのでこちらもベスト10に入れておいて欲しいなぁ(おじさんとしては)

筒井作品では他31位「旅のラゴス」41位「脱走と追跡のサンバ」がランクインしていますが、80年代くらいのこの手の企画だと筒井作品では「エディプスの恋人」が「上位に入っていたよなー」などということを懐かしく思い出しました...。

今回ランキングから外れた作品を見ると「グィンサーガ」「家畜人ヤプー」を除くと90年代-2000年代の作品です。
評価が定まったのか???

個人的には前述もしましたが「永遠の森 博物館惑星」がランク外にいったのがさびしいです。
文庫が出た頃(2004年)たまには新し目の日本SF読んでみようと手に取ったのが本書で「宇宙船ビーグル号」の影響をちょっと感じましたが面白かった記憶があります。

「BRAIN VALLEY」もその頃読んだ記憶がありますが....まぁいいかなぁとは思います。
(いわゆるSFではない気がする)
「世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド」も外れていますが...。
まぁこれもSFではないという観方でしょうかねぇ。
(そういえば村上春樹を小松左京が「ろくでもない」といっていた文章を最近読みました...)

今回ランクインした作品の方は16作品中12作品が21世紀の作品(基本2006年以降)です。
この辺は次回このような企画があったとき残っているかどうかですね。
他4作品は1980年代後半から90年代の作品。

評価が固まってきているのか?流れか?
全然読んでいないのでなんともいえません(汗)

そんな状態でも第一世代読み直しで精いっぱいの私ではあります....。
(保守的なんだろうなぁ)

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