これまた「覆面座談会事件」の流れで手に取りました。
本作は'06年SFマガジン国内長編オールタイムベスト1位、'14年同3位の日本SF界きっての定番作品です。
小中学生の頃に読んでおり社会人になってから萩尾望都にはまりマンガでも読み、その頃読み返した記憶もあります。
マンガの方は小学校低学年頃('77~78年)少年チャンピオンで連載されていたのはうっすら記憶にありますが、当時の私にはレベルが高くで読んではいませんでした。
当時のチャンピオンでは同じく光瀬龍による「ロン先生の虫眼鏡」も連載していたんですねぇ、こっちは読んでました。(懐かしい)
その他当時のチャンピオンは「ブラック・ジャック」やら「がきデカ」「マカロニほうれん荘」「ドカベン」など連載されていて全盛期でしたねー、これまた懐かしいです。
今回再読にあたっては手持ちのハヤカワ文庫 旧版ではなく。

「48億の妄想」で実感したKINDLE版で読む時代性がなくなる感覚を味わおうとKIDLE版を入手し読みました。

安さにひかれ角川文庫版で読んだのですが....。
ハヤカワの新版は19993年にラスト部分加筆され「決定版」になっているんですね....。
知らなかったのでとても残念です。(今度どこかで立ち読みしよう...)
本書は「SFマガジン」に小松左京の「果てしなき流れの果に」の後をうけて1965年12月号から1966年8月号まで連載された作品です。
日本SFの記念碑的作品が当時相次ぎSFマガジンに連載されていたんですねぇ。
が...覆面座談会ではこの2作もあまり評価されていませんね....。
この2作、基本的には同じ世界観を描いている、というか同じ話を違う内容で書いたといような気がしています。
クラークの「幼年期の終わり」の影響絶対受けているのと、「超越」「宇宙を超える概念」的なものが主題になっています。
地球上での進化に超越的なものが関わるという概念は「2001年宇宙の旅」
ともかぶっています。(映画公開1968年ですからほぼ同時代)クラーク的発想、当時のSF界ではやっていたんでしょうかねぇ。
前にもどこかで書いた気がしますが、そんな重い主題を小説でストレートに書くのはあまりスマートではない気が個人的にはしています。
そんなこともあり本作、何回か読んではいますが私の中での評価はずっと低かった作品でした。
(萩尾望都の漫画は名作と思っていました)
内容紹介(amazonより)
ギリシアの哲人プラトン、釈迦国の王子悉達多、ナザレの救世主イエス。彼らは世界の破滅を感知し、この世界を外から支配する超越者の存在を知る。幾千億の宇宙と人類の存亡をかけ、紀元前の過去から未来までの時空間の中で、彼らは巨大な力に戦いを挑んでいくが……宇宙の創世と終焉、神と人間、時の流れの非情さをテーマに、壮大なスケールで描く日本SF小説の金字塔。
今回の読み直しは、短編集「宇宙救助隊2180年」を読んで、私の中での光瀬龍の評価が従来よりかなりいい方に変わっていたこともあり新たな視点で読めてた気がします。
「果てしなき流れの果に」もかなり展開がとびとびな作品でしたが、本作も時代も場所もストーリーも非連続にどんどん切り替わります。
本作、ラストのある種の安直感が受け入れがたいものがあったのですが、長編として「ストーリーが成り立っていない感」もあり「名作」とは思えなかったのですが...。
今回読んでみて後段の辺は解消されました。
本作は連作短編として読むんだろうと思いました。
そういう眼で読むと各章なかなか味わい深く、楽しめました。
それぞれの背景のダイナミックさ仕掛けの巧みさ堪能できました。
[第五章 喪える都市]での、サイボーグ同士の戦闘シーンなど「ハイペリオン」のシュライクとの戦闘シーンのような鮮烈さでとても60年代の作品とは思えませんでした。
長編としての全体の完成度というより各章での世界観・イメージを楽しみ、全体としてのなにやら感慨めいたものを味わう作品と思いました。
ラストはもっとぼやかした方がいいんじゃないかなぁとは思いましたが…まぁそこが全ての作品ではないんでしょうね。
ということで納得できました。
「覆面座談会」でいえば「無常感」でしょうが、無常感というよりも「運命」と運命に抗う力との葛藤とある種のあきらめを描いている作品なような...。
ハヤカワ版で著者のあとがきをちらっとみたら興福寺の阿修羅像を見て、絶対勝てない帝釈天に戦いを挑む阿修羅王の姿を描きたかったというようなことが書かれていたのでまぁそういうことなのかもしれません。
それを「無常感」というのかもしれませんが....(笑)
↓諸行無常!という方もその他の方もよろしければ下のバナークリックいただけるとありがたいです!!!コメントも歓迎です。
にほんブログ村
にほんブログ村
本作は'06年SFマガジン国内長編オールタイムベスト1位、'14年同3位の日本SF界きっての定番作品です。
小中学生の頃に読んでおり社会人になってから萩尾望都にはまりマンガでも読み、その頃読み返した記憶もあります。
マンガの方は小学校低学年頃('77~78年)少年チャンピオンで連載されていたのはうっすら記憶にありますが、当時の私にはレベルが高くで読んではいませんでした。
当時のチャンピオンでは同じく光瀬龍による「ロン先生の虫眼鏡」も連載していたんですねぇ、こっちは読んでました。(懐かしい)
その他当時のチャンピオンは「ブラック・ジャック」やら「がきデカ」「マカロニほうれん荘」「ドカベン」など連載されていて全盛期でしたねー、これまた懐かしいです。
今回再読にあたっては手持ちのハヤカワ文庫 旧版ではなく。

「48億の妄想」で実感したKINDLE版で読む時代性がなくなる感覚を味わおうとKIDLE版を入手し読みました。

安さにひかれ角川文庫版で読んだのですが....。
ハヤカワの新版は19993年にラスト部分加筆され「決定版」になっているんですね....。
知らなかったのでとても残念です。(今度どこかで立ち読みしよう...)
本書は「SFマガジン」に小松左京の「果てしなき流れの果に」の後をうけて1965年12月号から1966年8月号まで連載された作品です。
日本SFの記念碑的作品が当時相次ぎSFマガジンに連載されていたんですねぇ。
が...覆面座談会ではこの2作もあまり評価されていませんね....。
この2作、基本的には同じ世界観を描いている、というか同じ話を違う内容で書いたといような気がしています。
クラークの「幼年期の終わり」の影響絶対受けているのと、「超越」「宇宙を超える概念」的なものが主題になっています。
地球上での進化に超越的なものが関わるという概念は「2001年宇宙の旅」
ともかぶっています。(映画公開1968年ですからほぼ同時代)クラーク的発想、当時のSF界ではやっていたんでしょうかねぇ。
前にもどこかで書いた気がしますが、そんな重い主題を小説でストレートに書くのはあまりスマートではない気が個人的にはしています。
そんなこともあり本作、何回か読んではいますが私の中での評価はずっと低かった作品でした。
(萩尾望都の漫画は名作と思っていました)
内容紹介(amazonより)
ギリシアの哲人プラトン、釈迦国の王子悉達多、ナザレの救世主イエス。彼らは世界の破滅を感知し、この世界を外から支配する超越者の存在を知る。幾千億の宇宙と人類の存亡をかけ、紀元前の過去から未来までの時空間の中で、彼らは巨大な力に戦いを挑んでいくが……宇宙の創世と終焉、神と人間、時の流れの非情さをテーマに、壮大なスケールで描く日本SF小説の金字塔。
今回の読み直しは、短編集「宇宙救助隊2180年」を読んで、私の中での光瀬龍の評価が従来よりかなりいい方に変わっていたこともあり新たな視点で読めてた気がします。
「果てしなき流れの果に」もかなり展開がとびとびな作品でしたが、本作も時代も場所もストーリーも非連続にどんどん切り替わります。
本作、ラストのある種の安直感が受け入れがたいものがあったのですが、長編として「ストーリーが成り立っていない感」もあり「名作」とは思えなかったのですが...。
今回読んでみて後段の辺は解消されました。
本作は連作短編として読むんだろうと思いました。
そういう眼で読むと各章なかなか味わい深く、楽しめました。
それぞれの背景のダイナミックさ仕掛けの巧みさ堪能できました。
[第五章 喪える都市]での、サイボーグ同士の戦闘シーンなど「ハイペリオン」のシュライクとの戦闘シーンのような鮮烈さでとても60年代の作品とは思えませんでした。
長編としての全体の完成度というより各章での世界観・イメージを楽しみ、全体としてのなにやら感慨めいたものを味わう作品と思いました。
ラストはもっとぼやかした方がいいんじゃないかなぁとは思いましたが…まぁそこが全ての作品ではないんでしょうね。
ということで納得できました。
「覆面座談会」でいえば「無常感」でしょうが、無常感というよりも「運命」と運命に抗う力との葛藤とある種のあきらめを描いている作品なような...。
ハヤカワ版で著者のあとがきをちらっとみたら興福寺の阿修羅像を見て、絶対勝てない帝釈天に戦いを挑む阿修羅王の姿を描きたかったというようなことが書かれていたのでまぁそういうことなのかもしれません。
それを「無常感」というのかもしれませんが....(笑)
↓諸行無常!という方もその他の方もよろしければ下のバナークリックいただけるとありがたいです!!!コメントも歓迎です。


読み通すには一頑張りが必要かも。
読めば日本史の盲点に気付くでしょう。
ネット小説も面白いです。
こんばんは。
コメントありがとうございます。
ネット小説ですか...。
ご紹介頂きすいませんが今は買った本を読むので手が回らなそうです。
読むとしても....ずいぶん先になりそうです。