某年金生活者のぼやき

まだまだお迎えが来そうに無い

終戦日 兄に供えし にぎりめし

2014-09-17 01:52:19 | 心を打つうた
 表題はしみじみとした、心を打つ句だ。戦死したお兄さんに供えたのだろう。私にもおにぎりの記憶がある。敗戦後間もない9月のある日、学校帰りに立ち寄ったお家で、銀しゃりの大きな塩むすびを御馳走になった。あまりの美味しさに、眼がうるみ、顎がジーンと痛くなってきた。この句の作者もおにぎりの美味しさ有難さを知っている世代の方だろう。
 「敗戦忌 山河も荒るる この国の」敗戦への反省も乏しく、山河も荒れて。と金子兜太は評している。
 「柿食えば 清水寺の 鐘もなる」子規の「名句」をおちょくったような句。芭蕉のおかげか、子規のせいか、俳諧のこうした軽みとおもしみが近頃の句にはほとんどない。短歌と同じくみな真面目で厳しい。悪い事ではないが、もうちょっと遊び心があっていいと思う。
 「アラン島にて贖(あがな)いし 細き笛5ユーロ90 やわらかく吹く」 アイルランドのティン・ホイッスル。私も買った。ブリキの細い笛で高く鋭い音がでる。それをやわらかく吹くのは人柄だろうか。30年も前に私は買ったのだか、ほとんど同じ値段だ。それにしても、わざわざアラン島で買うこともあるまいに、面白い人だ。アラン・セーターならまだ分かるが。
 昨日の朝日歌壇俳壇にも、優れた短歌や俳句がおおくあり、社会派にも共感するものが沢山並んでいた。それも紹介したいが、上のような句や短歌にも心をひかれる。秋の愁いか。

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