ゴールデンウィーク日記 スーパータイガー黄金作戦 チャットモンチー カルロス・アルカラス ディック・フランシス 長濱ねる スタンリー・キューブリック 登場

2022年05月10日 | 日記

 ■5月 某日 あるゴールデンウィークの日記

 
 朝8時起床。休日の起き時間としては奇蹟的に早い。

 ちょっと損した気分なのは、寝坊チャンスを一回フイにしたから、とか考える私は、きっと死ぬまで出世に縁がない。

 黄金の日々ということで、ちょっと贅沢に朝風呂。本当は銭湯に行きたいけど、混んでるだろうから家のせまいバスタブで我慢。

 ゆっくり湯につかりながら鼻歌を歌う。曲は『ギャランドゥ』。

 それもヒデキではなく、昔『ヤンタン』でダウンタウン松っちゃんがやってた、へたくそなモノマネ版。われながら、どういうチョイスなのか。

 風呂上がり、うちわであおぎながら濃いめのカルピス。極楽。起床後40分で、すでに仕上がっている模様。すばらしいスタートダッシュだ。

 朝食は紅茶にチョコクロワッサン、はちみつ入りのヨーグルト、ネーブルオレンジ、豆乳。

 BGMにGO!GO!7188『月と甲羅』。チャットモンチー『真夜中遊園地』。Peachy『スーパージェットシューズ』など。

 わが家では昔うさぎを飼っていたので、「あたしはピンクロックなうさぎになる」という歌詞を聴くたび、ほえーっとなる。うさぎはかわいい。うさなら、なおのこと。

 食べながらスマホをチェック。戦争のことは陰鬱になるので、スポーツを中心に。テニスのことなどあれこれ。

 カルロス・アルカラスの大爆発について、地元の先輩ダビド・フェレールがほめまくり。

 今期はリオに、マイアミバルセロナのビッグタイトルも獲得して、世界ランキングは9位。すげえなー。プレーも見たけど、こりゃ本物だ。今後に、期待大。

 現れるものがいれば、去る者もいるということで、35歳のケビン・アンダーソンが引退。

 ビッグサーバーで、派手さはない選手だったけど、ウィンブルドンUSオープンの準優勝はすばらしい戦績。こうしてまた、時代はめぐる。

 午前中は映画を観る。今日はスタンリー・キューブリックの『バリー・リンドン』。3回目くらい。

 スタンリーの中では比較的マイナーというか、長いこともあって賛否両論だけど、私は大好き。

 歴史ものでは、『スパルタカス』がイマイチだったんで、期待してなかったけど、これは大当たり。『博士の』『2001』『時計じかけ』あたりにも負けていない。

 絵がすばらしいし、世界史好きなので退屈と言われがちなストーリーも楽しめた。ダスティン・ホフマンの『小さな巨人』といい、うさんくさい人物の評伝が好きなのかも。

 なんとなく網戸をそうじして、昼食。

 オリーブオイルを熱して、ナス、唐辛子、アスパラガス、その他冷蔵庫のものをテキトーに放りこんで、トウバンジャンと炒める。

 そこに、ゆでたスパゲッティをイン。SF作家の田中啓文さんオススメの簡単スパ。

 食事のBGM代わりに、YouTubeで満州帝国を紹介する動画を見る。

 昭和レトロは楽しい。いーなー、満州帝国を観光したいなー、あじあ号乗りたいぞ。

 そこで殺人事件が起こって、名探偵である私が美人助手と、その謎を解決するのだとか妄想してしまうのが、ミスヲタのサガ。

 助手にはぜひ、長濱ねるさんでお願いします。たまたま見たNHKの「SDGs日記」って番組で、ポーっとなっちゃったよ。メチャクチャかわいかったなあ。

 午後からはコーヒーを飲みながら、ひたすら読書

 私は本さえあれば無限に時間をつぶせる人間なので、人生で退屈というのを味わったことがない。

 ルートヴィッヒ・リース『ドイツ歴史学者の天皇国家観』。
 
 明治時代、東京帝国大学で教鞭をとった、いわゆる「お雇い外国人」の著者が、当時の日本を政治的視点や、人物の評伝、庶民の風俗など様々な角度から描いたもの。

 一時期、われらがバックパッカーの大先輩、イザベラ・バード姐さんの影響で、明治大正の日本を「外国人視点」で書いた本をあれこれ読んだけど、これもその一冊。

 偏見などを極力抑えた、非常にクレバーな文章が並び、それだけでも読んでいて心地よいし、勉強になる。

 夕方は買い物がてら、少し散歩。近所の商店街でお祭りをやっていたので、少し冷やかす。

 子供のころ、祭というのは不思議な魅力があり、友達とたいして美味くもない焼きそばや、りんご飴を食べながらそぞろ歩いたものだが、そんな姿が妙にキラキラと、美化されて思い浮かぶ。イメージはレイ・ブラッドベリ

 子供のころに嫌な思い出とか、そんなにない割には「昔に戻りたい」とかあまり思わないタイプだけど、こういうとき少しだけ、気持ちがわからなくもない。

 もっとも、これは本当の昔ではなく、「のこの気持ち」で彩られたテーマパークのようなものに、戻りたいと錯覚してるだけなんだろうけど。

 きっと、映画とか撮る人って、こういうのがモチベーションになるんだろう。「幻想」に彩られた、本当には存在しない「現実」を再現する。

 存在しない「恋」、存在しない「家族」、存在しない「愛」、存在しない「正義」、存在しない「古き良き時代」……etc.

 夕食は海鮮丼

 スーパーで半額になった刺し身を買って、ご飯を炊いて、そこにわさびと、冷たいだし汁をたっぷり注いで、ノリふって、あとはぶわっさぶわっさとかきこむ。豪華なんだか、貧乏くさいんだか、よくわかんないや。

 食後はパソコンを開く。お茶しながら、YouTubeやラジオなど。

 山田五郎さんの美術講義。もともと美術音痴だったのが、「へー、絵っておもしろいんだなあ」と思わせてくれたのが、山田さんの『知識ゼロからの西洋絵画入門』。

 西洋の美術を、ロジックゴシップで読み解いていく山田さんの手法は興味深くも、実はそれが「正統派」な王道鑑賞法。マジで美術館に行きたくなる。

 寝る前に少し読書。ディック・フランシス『興奮』。

 夜寝る前に、オモシロ本を手に取ってしまうのは悪手なんだけど、ここでもやらかしてしまった。

 ミスヲタのくせに、「競馬シリーズ」は恥ずかしながら初めてなんだけど、いやもう、ストーリーはいいしキャラもシブいし、も読みやすいわで、文字通りの「興奮」でやめられない止まらない。

 やっちまったよと夜も更けるが、明日も休みなので問題なし。

 徹夜本に、なにはばかることなく、どっぷり浸れる幸せ。嗚呼、ゴールデンウィーク万歳! 終わらないでほしかったよ。

 

 

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