私の好きな名探偵 水野晴郎『シベリア超特急』の山下奉文陸軍大将

2018年12月01日 | 
 前回(→こちら)の続き。
 
 ミステリー専門チャンネル「AXNミステリー」の、
 
 
 「あなたの好きな名探偵投票キャンペーン」
 
 
 という企画の影響で「俺ベスト」を作ることとなったミスヲタの私。
 
 『情婦』のウィルフリッド卿ときて、続いては山下奉文陸軍大将などいかがでしょう。
 
 映画評論家でもある「マイク水野」こと水野晴郎先生による大傑作ミステリ映画『シベリア超特急』で、様々な動機や謎にトリックがからみ合った難事件を見事に解決してしまう、日本軍が誇る名探偵だ。
 
 なんといってもアツいのは、「マレーの虎」こと山下大将を自ら演じたマイク水野の卓抜した演技力
 
 初登場時の「狸寝入り」という言葉しか思い浮かばない、しらじらし……もとい伝達力に富んだ芝居からはじまって、
 
 
 「ヒドイ棒読み」
 
 「アンタは山ほど見た名作映画からなにを学んだんや」
 
 
 というツッコミのすべては、
 
 
 「山下大将は実際ああいうしゃべりかただった。あれはわたしの演技力で忠実に再現しているのだ」
 
 
 と言い切るきっぷの良さにシビれる。
 
 あの
 
 
 「ひっとらーはしんようでけん! すたありんも、な」
 
 
 という、すっとぼけた言い回しにはしみじみと、
 
 
 「嗚呼、開始5分で理解できた。この映画は伝説になる。製作者の意図と逆回転で」
 
 
 そう確信したもの。あの有名なラストメッセージも、
 
 
 「先生、それを言葉にせず伝えるのが、映画という芸術の意義やないんですか……」
 
 
 なんてあきれ……じゃなかった、私の持つ凝り固まった芸術観に一石を投じてくれたのだった。
 
 なにかもう、見ている間中ずっと
 
 
 「こんなスカタン連発やのに、作ってる本人が大傑作と疑ってないところがすごい」
 
 
 感動しっぱなしで、人ならだれもが知りたがる「幸福とはなにか」という哲学の結論に、大きな影響をあたえてくれたもの。
 
 幸せになるには、きっと「カン違い力」を高めるのがいいのだろうと。ナベジュン先生も、百田さんも、高須院長もみんなそう。
 
 こんな映画がゆるされるなら、ボクたちを縛りつけるものは何もない、もっと自由に生きていいんだ!
 
 そんなことすら思わせてくれたのが、『シベリア超特急』とマイク水野という存在。
 
 そんなステキにスットコな水野先生の山下大将、「俺ベスト名探偵」にようこそ。
 
 
 (続く→こちら
 
 
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