港区芝公園に開山から600年、浄土宗七大本山の一つで徳川家の菩提寺として知られる寺院「三緑山増上寺」(院号は広度院)はある。浄土宗正統根本念仏道場として明徳4年(1393)創建。本尊は阿弥陀如来。江戸時代の初め「源誉存応上人」が徳川家康公の帰依を受け大伽藍が造営、以降「徳川将軍家の菩提寺」となった。また関東十八檀林の筆頭として江戸時代総録所として浄土宗の統制機関でもあった。芝大門交差点に建つ「大門」(嘗ての増上寺の総門)を潜り直進するとに正面に聳え立つ増上寺の表の顔としての三門=三戸楼門、入母屋造、朱漆塗造りの巨大な「三解脱門」(階上には釈迦如来とその脇侍の普賢菩薩・文殊菩薩の木像仏が安置)がありその背後には「東京タワー」という絶妙の光景。閉門のためその左横の増上寺方丈の表門であった旧方丈門の「黒門」より境内へ。「仏足石」、「水盤舎」、「鐘楼堂」、「写経塔」、「歌碑」がある参道を進むと正面に当寺の顔ともいうべき伝統的建築を重んじた造りの重厚な「大殿(=本堂)」、右横に黒本尊を祀る「安国殿」。「大殿」左には「光摂殿」、「増上寺会館」があり後方には「貞恭庵」、「景光殿」がある。「安国殿」の後方にある「徳川将軍家墓所」(有料奉拝)には六代の将軍が眠っている。墓所へ向かう右には「千躰子育地蔵尊」が並んでいる。「黒門」左には「慈雲閣」と「経蔵」、更に芝公園寄りには「徳院霊廟惣門」で構成されどれも国、東京の重文財クラスばかりのさすが浄土宗大本山の大伽藍群であった。(1509)
東京タワーからの増上寺全景
東京タワーからの増上寺全景