徳川家の菩提寺である「増上寺」の安国殿の裏にその「徳川家将軍墓所」がある。正面にはやや濃緑色した門がある。これは「唐門」で徳川将軍家墓所の入り口となっているが、かつての6代将軍の家宣墓所(文昭院殿霊廟)の宝塔前の中門で「鋳抜門」と称される。鋳抜門は左右の扉に五個づつの葵紋を配し、両脇には昇り龍・下り龍が鋳抜かれている。入場料を支払いいよいよ鋳抜き門横より「霊廟」域内へ入るとやはり特別な空間であり、全体に重たい空気(霊気?)が漂っているようだ。墓所は先ず左側手前に「将軍生母側室等」の石塔(合祀)、右側手前に12代将軍家慶公」(石塔)、左側中央に「静寛院和宮」(青銅製)、右側中央に「9代将軍家重公」(石塔)、左側三番目に「14代将軍家茂公」(石塔)、右側三番目に「7代将軍家継公」(石塔)、奥の左側に「6代将軍家宣公」(青銅製)、その右側に「2代将軍秀忠公」(石塔)が配置されている。歴史のみでしか知りえない各将軍が眠る宝塔(墓)の前にて向き合えるとはなんとも感慨深いものがある。(1509)
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