今日のしんぶん赤旗の社会面では、「『南極観測の意義 無理解』」=鬼木防衛副大臣”氷選挙利用”に批判」の見出しで記事が出ていますので、紹介します。
南極観測の意義 無理解
鬼木防衛副大臣”氷選挙利用”に批判
南極観測船「しらせ」が持ち帰った南極の氷を自民党の鬼木誠防衛副大臣が21日に自身の選挙区内の有権者や児童に配っていたことについて、南極での調査活動の一端を知る人々は「選挙対策」ともいえる氷利用に疑問を呈します。
採取に多大な危険と費用
「船を氷山に横付けできません。そのため雪上車で運ぶと、氷山から氷をとる作業は費用もかかり、危険性もあります。過去には自衛隊員がなくなったこともありました」
自身も南極観測に参加したことがある高橋修平さん(北海道立オホーツク流氷科学センター顧問)は、そう指摘します。
「科学体験として子どもたちに南極の氷を見てもらうのは良いと思う。それならば『日本南極観測隊の提供』でと紹介すべき。日本で”おみやげ”で受け取った国会議員の『提供』とするのでは、選挙対策になってしまう」と首をかしげます。
鬼木氏が昨年4月に掲載したブログ記事は、21日とは別の選挙区内の小学校で「南極の氷 体験会」の様子を紹介しています。
「パチパチと音がするのは、閉じ込められていた太古の空気がでてくるから。昔の大気の組成を知る貴重な科学資料です。
そう語るのは、日本共産党の宮本岳衆院議員です。南極と北極の調査活動を担う文部科学省の国立極地研究所を長年、応援してきました。最近も衆院文科科学委員会として極地研究を視察してきました。
「私たちも氷の音を聞かせてもらいましたが、いかに貴重な研究資料か、極地研での指視察でよくわかりました」
北極の氷は、海水が凍ったもの。一方、南極の氷は、南極大陸の地盤に降り積もった雪が固まったものです。厚いところでは数千㍍もボーリング調査し、氷に閉じ込められていた空気を調べます。
観測船「しらせ」は、海上自衛隊に所属しています。「研究観測隊を運ぶためだけに造られた船です。あらたな建造や修理はすべて文科省の予算でやったいます」と宮本議員。南極には『南極条約』があります。どの国も領土には軍事利用もしてはいけないし、研究成果、観測結果はすべてオープンすることになっている。地元に配るという点で鬼木副大臣は、南極観測の意義をもっともわかっていない」と批判しました。
注)
このブログをパソコンで打っていたら、お昼のNHkニュースが、取り上げて報じていました。鬼木副大臣のコメントを聞きましたが、本当に「南極観測の意義をまったく分かっていない人だ」ということが暴露されていました。