宝塚劇団員死亡事件遺族代理人・川人博弁護士がテレビにたびたび出て、しかもアップで写る。どこかで見た顔であると、遠い思い出を探っていたら、やっと思い出した。
それは笠間簡易裁判所で見た顔であった。
いつだったかは、はっきりしないが、当時、選挙違反事件の裁判が笠間簡易裁判所で行われていた。
笠間市議選挙で、ある候補者が、「物を配った」事件があった。「物品を選挙中に配って投票を依頼する」のは当然違反である。
H夫人は、すぐに返すわけにもいかず、候補者置いていった品物を家に置いておいた。勤めから帰宅した夫が、「これは選挙違反だと気がついて、警察に届け出た」
警察の判断は、「物を配った候補者は選挙違反」として、当選できなかった。ところが、検察は、「物をもらった」H夫人も、選挙違反だとして、起訴したのです。
そこで、Hさんは、「奥さんの無罪」を訴えて裁判になった。そのとき、弁護人を勤めたのは、まだ若い川人博弁護士であった。
笠間市の共産党議員・友常甚三郎氏と親交のあった私もその裁判を傍聴した。だれがどう考えても、「もらった物」を持って、警察に訴えた人が、有罪になるはずがないと考えていた私は、H夫人の有罪が信じられなかった。「届け出た人」を有罪にしたら、だれも訴える人がいなくなってしまうではないか。いまだに、この裁判長の判断を、私は納得していない。
これを契機に、笠間市に国民救援会という組織が発足しました。