総合読本
死んだらどうなるか 3
板倉聖宣 著
◆身体と心は一つ(前半)
人間の身体と心は一つです。そして、身体は、自然の法則=科学の法則通りに動きます。そのことをよく承知していないと、科学の問題を正しく考えることができなくなります。
たとえば、「体重をはかったすぐあとで2キログラムの飲み食いをして、またすぐ体重をはかったら、体重をはかったら、体重はどのくらいになるか」という問題を考えて見ましょう。
こういうとある人は、ちょうどその分だけ重さが増える」と考えますが、他の人びとはそうは考えません。「いくら食べ物を食べたって、それはすぐには自分の身体にはならない。だから食べた直後に体重をはかっても体重はまったく変わらない」と考える人もいます。また、「食べるとその飲食物の半分くらいだけの体重が増える。いくら食べても、その一部は人間の生命活動や精神活動に使われるから」という人もいます。
しかし、この問題は、「その飲食物を袋に入れて、身体に結びつけたらどうなるか」という問題とまったく同じに考えていいのです。人間はいくら生命活動をしていると言っても、重さの変化の仕方は、物体の法則と全く変わることがないからです。人間がいくら活発に生命活動をしても、うんこやおしっこをしたり、汗をかいたり、息を吐き出さなければ、その体重は減らないのです。そして、飲み食いをすれば、ちょうどその飲食物の重さの分だけ体重が増えることになるのです。