今回は、「自由と責務」です。憲法第18条~21条まであります。大きな変更が行われていますので、今回は、憲法18条と19条について、記述します。
自民党草案は次のようになっています。
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(身体の拘束及び苦役からの事由)
第十八条 何人も、その意に反すると否とにかかわらず、社会的又は経済的関係において身体を拘束されない。
2 何人も、犯罪による処罰の場合を除いては、その意に反する苦役に服されない。
(思想及び良心の自由は、保障する。
第十九条 思想及び良心の自由は、保障する。
(個人情報の不当取得の禁止等)
第十九条の二 何人も、個人に関する情報を不当に取得し、保有し、又は利用してはならない。
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草案十八条では、現行憲法が定める「奴隷的拘束」を外しています。また、草案では、「社会的又は経済的関係」と限定していて、「政治的関係」を定めていません。うがった見方をするなら、政治的関係における拘束の余地を残したものとも考えられます。
草案十九条の二は、「何人も」と始まっています。つまりこれは、私人に情報不当取得を禁止を義務を課する規定です。立憲主義から見ても問題です。
さらに、自由な情報の流通は表現の自由の本質部分ですから、情報取得が制約されると、表現の自由を侵害するのみならず、それによって支えられている民主主義そのものに重大な障害をもたらす恐れがあります。
この規定によって国民が、政治家や公務員の適格性を正確に判断できなくなる危険も生まれるでしょう。