菊池のぶひろの議会だより

日本共産党 桜川市議会議員 菊池のぶひろの活動報告です

美化された虐待」ージャニーズ問題を知る窓口に・・・

2023年04月19日 17時53分56秒 | 日々の雑感
 ジャニーズ問題が騒がれているが、事実がよくわからない。それを知る窓口として、文芸評論家・斎藤美奈子氏が書いているので、紹介します。

 美化された虐待
 
 斎藤美奈子

 元ジャニーズJrの当事者が被害体験を証言し、ジャニーズ事務所の創業者・故ジャニー喜多川氏の性的虐待事件が波紋を広げている。
 加害者が大物過ぎる場合、この種の事件は周囲の人が漠然と知っていても無視され、あるいはもみ消されてきた。そのため被害は広がった。

 同様の事件として想起されるのは、カトリック教会の聖職者による性的虐待事件である。2002年にアメリカのポスト・グローブ紙が報じたのを機に、世界中で行われてきた少年に対する性的虐待が明るみに出た。21年にフランスで出された報告書は、フランスのカトリック教会では70年間に3000人前後の神父が関与し、11万人超の子ども(多くは少年)が性的被害を受けたと伝えている。

 この件は文化を、あるいは世界史を根底から揺るがす衝撃力を持っている。成人男性から未成年の少年に対する性的逆的は、古来「少年愛」などの名目で容認され、美化されてきたからだ。

 少年愛(という名の虐待)を甘美な体験として描いた文学作品は枚挙に暇がない。日本も例外ではなく、稲垣足穂「少年愛の美学」など、いま読むと卒倒しそうだ。
 少年への虐待は男性しかいない空間で起きやすい。
 一芸能事務所の醜聞で片付くような話ではない。ジャニーズ事務所は自ら検証に乗り出すべきだろう。
(文芸評論家)

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