つれづれ読書日記

SENとLINN、二人で更新中の書評ブログです。小説、漫画、新書などの感想を独断と偏見でつれづれと書いていきます。

サイキック中学生

2005-09-06 21:00:00 | SF(国内)
さて、怪しすぎる表紙に引かれた第280回は、

タイトル:超革命的中学生集団
著者:平井和正
文庫名:角川文庫

であります。

平井和正と言えば!
幻魔大戦……スタンダードに行くとそこかな?
ウルフガイ……実は読んだことがないです。
8マン(原作)……個人的にはこれが一番好き。
しかーし、本書はそれらの作品群とは一線を画しています。

ある日、謎の円盤にさらわれた六人の中学生。
地上に戻った時、彼らは超能力に目覚めていた。
超革命的中学生集団を名乗り、世界平和を目指す彼らの行く先は……?

GENKEN……じゃないよね?
(幻魔大戦が出たのはこの作品の後だけど)

何というか、もう無茶苦茶です。
僅かな期間で数十億を稼ぐなんてのは序の口。
超売れっ子漫画家になって年上を顎で使ったり。
数百円で重力制御装置を作ってみたり。
美女をはべらせて享楽にふけったり。
世界平和なんて当初の目的は忘れて世界征服を目指してみたり。
まさにやりたい放題です。

キャラが無茶苦茶なら世界も無茶苦茶。
登場人物はすべて実在の人物(のパロディ)。
8マンのネタは出るわ、作者が現れて六人に突っ込み入れるわ。
宇宙人が六人を選んだ理由も、
「ま、地球人類巻き込んで自滅してくれりゃ誰でもいい」
って感じだし。

下品、不条理、内輪受け、御意見無用。
それらを一緒くたにしてミキサーにかけたような話。
ハチャハチャSFの名に恥じない作品、とは言えるかも知れません。

平井和正を神聖視している奇特な方にオススメ。
多分、世界がぐるっとひっくり返ります。