さて、木曜企画発動な第121回は、
タイトル:あかく咲く声(1)(2)(3)
著者:緑川ゆき
出版社:白泉社
であります。
扇:鈍い視点と中途半端な知識で世紀末のSFを斬るSENです。
鈴:感性街道まっしぐらのLINNです。
扇:今週から、木曜は『漫画の部屋』とすることにしました。ルールル・ルルル・ルールルという音楽は流れませんが、SEN-LINN揃って登場し、てきとーに好きな漫画の話をします。一応、書評……だよね。
鈴:たぶん、……いや、きっと、書評だ。
で、第1回は、「あかく咲く声」であります。
扇:表紙買いの人はちょっとつまづくかな? 作品の雰囲気には合ってると思うけど、輪郭がちと甘い気がする。
鈴:確かにな。線も粗いし、今風の小綺麗な絵というわけではないな。
扇:粗筋をさらっと言うと、声で相手を支配できる少年が犯罪者と戦う話。「ジャスト三秒だ……声は聞けたかよ?」
鈴:それを言うなら夢だろ。
しかも戦う、と言うよりその声の特性故に協力している、と言う感じだな。
ただし、やはり白泉社のマンガだけあって、らぶすとぉりぃと言うものを忘れてはいない。
扇:ヒロインの国府さん、いい娘だねぇ。シンデレラじゃないのは少女漫画の特徴だけど、無敵というわけでもないし。主人公の辛島君と並ぶと熟年カップルそのまんまだったりするが。
鈴:そうだなぁ。
でも、熟年ってのはちとな。辛島と国府……絵柄と相俟って、ふたりでいるときの雰囲気というのはとても落ちていてるし、ふわりと優しい感じで好きだぞ。
扇:もうちょっと細かく解説するか。まず、主人公の辛島君。命令や願望を口にすると、意識してなくても他人に暗示をかけて従わせてしまう超能力者。おかげで親しい人と話す時以外は無口。警察に協力して犯人を逮捕する時は狐の仮面を被っている。
鈴:うぅむ、事務的な説明やな。まぁ、でも狐の仮面というのは最初のときに出てきたし、ずっとこれだな。
扇:なんで狐の面なのかは三巻で明かされる。で、ヒロインの国府さん。主人公との距離感を掴むのに腐心する健気なお方。パワーはあるし、辛島君に対して偏見もないが、自己分析が少々甘いところがある。浮き沈みは激しいけどそこが可愛い。
鈴:そうだね。絵柄と相俟って、とてもかわいらしい子になっている。
つか、ふたりだけのコマって、なんかほっとするようないい雰囲気になってるんだよなぁ。
ラストでふたりだけのシーンって特にな。
まぁ、自己分析ってのはこの年代に求めるのは酷と言うものだらう。
扇:ところがぎっちょん、三人目の坂本君。行動派で分析型。主人公達より半歩先の視点でものを見てるキャラクターで、たびたび鋭い突っ込みを入れる。一見ノリは軽いが、実は一番冷めた奴。嫌いって人もいたみたいだね、割と完璧キャラだし。
鈴:あぁ、そうだね。
でも、こういうキャラがいないとな。辛島と国府ふたりだけだと、のほほーんな雰囲気で話にしまりがなくなるから、こういうのがいないと。
扇:そういえば、一見のほほんな人で警察官の川口さん。辛島君と組んで犯人をしばく、いわゆる父親役の人。子供好き、に見えるがこれは辛島君と出会ってからのこと。以前はどちらかというと無気力というか、他人に干渉しないタイプの人だった。
鈴:そういえばそうだったな。国府が取り上げられがちだけど、坂本、川口ともに、辛島、国府のふたりに感化されて、いい方向に向かってってなぁ。
扇:そう、辛島&国府は他人を不安にさせるタイプのコンビだったしね。メインキャラはそんなところかな。この四人と、犯人やら同級生やら謎の女性やらが絡んで話が進行する群像劇です。全体的に優しい感じが漂ってるけど、割と刑事物してたりするので冗長にならずに済んでます。好きなのは坂本が辛島の暗部を指摘して、国府がそれを受け止める話かな。
鈴:健気だねぇ、国府。
でも、ホント、優しい話でございます。辛島&国府のふたりのほっとするような、いわゆる癒し系とも言える物語を堪能してもらいたいものだね。
扇:というわけで、今日はこんなところです。大した解説ではありませんが、気になったなら上のアマゾン・リンクにも行ってみて下さい。
鈴:そうだね。
……と言うより、けっこう読んでほしいな。理性派のSEN、感性派のLINNともにオススメなのはけっこう少ないので、話題にできるだけ、ダメなものはないと思うぞ(笑)
扇:うむ、とりあえず画面中に愛が飛び交ったり、謎の言語が聞こえたり、都合のいい足長美形脳みそ猿以下の男も出てこないから少女漫画アレルギーの人にも読んで欲しいね。てとこで、さよなら、さよなら、さよならぁ~。
鈴;ホンットに、いいマンガってのはいいですねぇ
――【つれづれナビ!】――
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タイトル:あかく咲く声(1)(2)(3)
著者:緑川ゆき
出版社:白泉社
であります。
扇:鈍い視点と中途半端な知識で世紀末のSFを斬るSENです。
鈴:感性街道まっしぐらのLINNです。
扇:今週から、木曜は『漫画の部屋』とすることにしました。ルールル・ルルル・ルールルという音楽は流れませんが、SEN-LINN揃って登場し、てきとーに好きな漫画の話をします。一応、書評……だよね。
鈴:たぶん、……いや、きっと、書評だ。
で、第1回は、「あかく咲く声」であります。
扇:表紙買いの人はちょっとつまづくかな? 作品の雰囲気には合ってると思うけど、輪郭がちと甘い気がする。
鈴:確かにな。線も粗いし、今風の小綺麗な絵というわけではないな。
扇:粗筋をさらっと言うと、声で相手を支配できる少年が犯罪者と戦う話。「ジャスト三秒だ……声は聞けたかよ?」
鈴:それを言うなら夢だろ。
しかも戦う、と言うよりその声の特性故に協力している、と言う感じだな。
ただし、やはり白泉社のマンガだけあって、らぶすとぉりぃと言うものを忘れてはいない。
扇:ヒロインの国府さん、いい娘だねぇ。シンデレラじゃないのは少女漫画の特徴だけど、無敵というわけでもないし。主人公の辛島君と並ぶと熟年カップルそのまんまだったりするが。
鈴:そうだなぁ。
でも、熟年ってのはちとな。辛島と国府……絵柄と相俟って、ふたりでいるときの雰囲気というのはとても落ちていてるし、ふわりと優しい感じで好きだぞ。
扇:もうちょっと細かく解説するか。まず、主人公の辛島君。命令や願望を口にすると、意識してなくても他人に暗示をかけて従わせてしまう超能力者。おかげで親しい人と話す時以外は無口。警察に協力して犯人を逮捕する時は狐の仮面を被っている。
鈴:うぅむ、事務的な説明やな。まぁ、でも狐の仮面というのは最初のときに出てきたし、ずっとこれだな。
扇:なんで狐の面なのかは三巻で明かされる。で、ヒロインの国府さん。主人公との距離感を掴むのに腐心する健気なお方。パワーはあるし、辛島君に対して偏見もないが、自己分析が少々甘いところがある。浮き沈みは激しいけどそこが可愛い。
鈴:そうだね。絵柄と相俟って、とてもかわいらしい子になっている。
つか、ふたりだけのコマって、なんかほっとするようないい雰囲気になってるんだよなぁ。
ラストでふたりだけのシーンって特にな。
まぁ、自己分析ってのはこの年代に求めるのは酷と言うものだらう。
扇:ところがぎっちょん、三人目の坂本君。行動派で分析型。主人公達より半歩先の視点でものを見てるキャラクターで、たびたび鋭い突っ込みを入れる。一見ノリは軽いが、実は一番冷めた奴。嫌いって人もいたみたいだね、割と完璧キャラだし。
鈴:あぁ、そうだね。
でも、こういうキャラがいないとな。辛島と国府ふたりだけだと、のほほーんな雰囲気で話にしまりがなくなるから、こういうのがいないと。
扇:そういえば、一見のほほんな人で警察官の川口さん。辛島君と組んで犯人をしばく、いわゆる父親役の人。子供好き、に見えるがこれは辛島君と出会ってからのこと。以前はどちらかというと無気力というか、他人に干渉しないタイプの人だった。
鈴:そういえばそうだったな。国府が取り上げられがちだけど、坂本、川口ともに、辛島、国府のふたりに感化されて、いい方向に向かってってなぁ。
扇:そう、辛島&国府は他人を不安にさせるタイプのコンビだったしね。メインキャラはそんなところかな。この四人と、犯人やら同級生やら謎の女性やらが絡んで話が進行する群像劇です。全体的に優しい感じが漂ってるけど、割と刑事物してたりするので冗長にならずに済んでます。好きなのは坂本が辛島の暗部を指摘して、国府がそれを受け止める話かな。
鈴:健気だねぇ、国府。
でも、ホント、優しい話でございます。辛島&国府のふたりのほっとするような、いわゆる癒し系とも言える物語を堪能してもらいたいものだね。
扇:というわけで、今日はこんなところです。大した解説ではありませんが、気になったなら上のアマゾン・リンクにも行ってみて下さい。
鈴:そうだね。
……と言うより、けっこう読んでほしいな。理性派のSEN、感性派のLINNともにオススメなのはけっこう少ないので、話題にできるだけ、ダメなものはないと思うぞ(笑)
扇:うむ、とりあえず画面中に愛が飛び交ったり、謎の言語が聞こえたり、都合のいい足長美形脳みそ猿以下の男も出てこないから少女漫画アレルギーの人にも読んで欲しいね。てとこで、さよなら、さよなら、さよならぁ~。
鈴;ホンットに、いいマンガってのはいいですねぇ
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