つれづれ読書日記

SENとLINN、二人で更新中の書評ブログです。小説、漫画、新書などの感想を独断と偏見でつれづれと書いていきます。

お目見え ~つれづれ号外~

2007-10-31 22:00:19 | つれづれ号外
さて、いいねぇ(宇宙人風)と言いつつやってないのでやってみよう、と言うことで、「回数カウントは出来ないけど、スポット的に放り込んでみよう記事」、略して「つれづれ号外」です。
(略してねぇ! と言うツッコミはなしの方向で(笑))

と言うわけで、いまいち勝手がわからないながら、とりあえずやってみる第壱回は、

雑誌名:LaLa DX 2007年11月号(その1)
出版社:白泉社

であります。

月刊の本誌「LaLa」の増刊で、隔月に出ている雑誌です。
いまのところ、私が買っている雑誌はこれっきり。

でも、さすがに全部やるわけにはいかないので、けっこう気に入った話とかをピックアップして感想をば。
ちなみに、「その1」ですので、当然「その2」があります。
今回の「その1」は、私がこのLaLa DXを買う最大の理由でもある新人さんや、デビューして日の浅いマンガ家さんが描いている短編から。

「蝶とピストル」(著者:街田シカク)
新人さんではなく、何回かLaLa DXでは見覚えのあるマンガ家さん。

物語は、12歳の啓と言う少年が主人公。
『病気を抱え、入院生活の長い妹、羽菜を中心に回る家族と生活にやりきれない思いを抱えていた啓は、あるとき友人がピストルを見つけたと啓に見せる。
「いちばん楽しい使い方をしよう」と友人と約束をした啓は、羽菜のせいで顧みられない境遇に悩み、疲れ、ついに……。』

タイトルどおり、「蝶」と「ピストル」をうまく使って書いてる。
絵はやや粗めだけど、どちらかと言うと、ふんわりとした感じのする絵柄がいい雰囲気。
しかし、この話のキモはやはり啓の友人のまさるくんでせう。

ピストルを見つけたのもこいつなら、啓に助言したり、きっかけをぶっ飛んだ方法で与えたりと、こいつがいなけりゃ話は進まねぇ(笑)
まぁ、啓くんはいい子だし、羽菜ちゃんもかわいいけどね(爆)

「手をつなぐ」(著者:香椎美船)
なんか、フレッシュデビュー賞なるものを取って載っていた話なので、新人さん。
これも少年が主人公だけど、高校生。

『冴木律は、少年時代のトラウマから常に相手との距離を考えながら接していた。
そんな律に昔、ある出来事をきっかけに好意が芽生え、告白してきた女のコがいた。けれど、ちょうどトラウマになる出来事の後だったことから、意地悪で5年間、気持ちがかわらなければ証拠として認めてあげる、と言ってしまう。
その女のコ、水沢はずっとその約束を守っていた。

接することなく、ただ見つめられる視線を感じるだけの距離感は、あらゆる相手との距離感を無視してしまう携帯を捨てようとしたところを止められたことで、少しずつ変わっていく。』

このところ、デビューとか言いながらも、絵のうまいひととか、かわいらしい絵を描くひとが増えたものの、このひとは……精進しようね……。

でも、絵はどうあれ、お話は雰囲気とラストの余韻がとても心地いいセンシティブな物語で、「その斜めからの顔、おかしいぞ!」とツッコミが入ったくらいでは損なわれることがないくらい。
まー、端的に言えばボーイミーツガール的なお話だけど、主人公の律とヒロインの水沢のキャラがしっかりしていてよい。

ややラストに至るところでクラスメイトあたりの言葉が薄っぺらな感じがするけれど、ストーリー上で気になると言えばそれくらいだし、総じていいお話……と言うか、かなり好み(笑)

あとは……「金魚奏」で人気が出たふじつか雪の「天然キティハニー」や、可歌まとの「ひみつの姫君 うわさの王子」あたりが次点かな、読み切りの短編だと。
概ね、11月号のLaLa DXは、読み切り短編のレベルは高し。

と言うわけで、初号外はこれくらいで。
では、その2は連載ものを予定してますので、お楽しみに(^_^)

意外や意外

2007-10-28 22:57:57 | ミステリ
さて、私はぢつは2冊目の第915回は、

タイトル:おれは非情勤
著者:東野圭吾
出版社:集英社 集英社文庫(初版:'03)

であります。

ミステリのひとだけど、前はミステリじゃないよなぁって短編集を読んだので、今度はきちんとミステリをば。
こちらも短編集なので、各話から。

『「おれは非情勤」
○第一章 「6×3」
おれは金はなくとも自分の好きなことをしていたいタイプの人間だった。とは言え、働かなければ食っていけない。だから非常勤の教師をして食いつないでいた。
おれはその日から一文字小学校で産休を取る教師の替わりとして5年2組を教えることになった。

特に教職に情熱もなく、何事もなく産休の教師が戻ってくることを考えているようなおれは1日目を無難にこなし、2日目を迎えた。
雨の降る2日目、常勤の浜口教諭が出勤してこない。どうしたのだろうと言う声を聞きながら、体育の授業でドッジボールをさせるため、体育館に向かったおれとクラスの生徒たちは、そこで浜口教諭が殺されているのを見つける。
そして浜口教諭の側には、スコアボード用の数字盤が「6×3」の形で置かれていた。

○第二章 「1/64」
担当教諭の突然の病気で、二階堂小学校に赴任してきたおれはクラスの女のコたちが「64分の1だから難しい」とかなんとかお喋りをしているのを聞いた。
また、教室の後ろの黒板には「ブス」とか「バカ」とか「ジ」とかの文字。

何のことやらさっぱりわからないが、大したことではないだろうと放っておくことにした矢先、体育の授業が終わって教室に戻ったとき、クラスの男子ふたりの財布がなくなっている、と言う事態が起きる。
さらに、そのうちのひとりは中学生にカツアゲされた、と言う話まで警察から舞い込んできた。

○第三章 「10×5+5+1」
5年3組の教諭が事故で亡くなったために、後任の教諭が赴任するまで三つ葉小学校で働くことになったおれは、そのクラスのあまりのおとなしさに首を傾げていた。
担任の教諭が突然事故死して消沈しているのだろうと思っていたおれのところに、ある刑事が死んだ教諭の事故死の不自然さから、接触してきた。

教室の窓から飛び降り自殺をしたとされる教諭が、当日買い物をしていたり、登山用具を求めていたり。
実際に生徒との関係に悩んでいたらしいが自殺とは言い切れないそれに、おれは刑事に協力することになった。

○第四章 「ウラコン」
四季小学校6年2組を担当することになったおれは、そのクラスでは意見の対立やケンカと言ったことないことに不自然さを感じていた。
またある女子は心ここにあらずと言った様子だったりと気にはなっていた。

そんなことを考えていたとき、学校から見えるマンションからクラスの悪ガキ4人が出てくるのが見えた。そこに住んでいるはずのない4人組を不自然に思いながら帰るために学校を出ると、そのマンションの4階のベランダに、今日一日ぼんやりとしていた女子生徒が立っていた。しかも手すりの上に。

自殺しかけた女子生徒を古紙回収のトラックを使って助けたおれは、その動機を女子生徒の両親に尋ね、そこでウラコンという気になる言葉を聞いた。

○第五章 「ムトタト」
五輪小学校で働くことになったおれは、間近に迫った運動会のリレー選手を決めるために体育でタイムを計っていた。
リレーだけでなく、他の競技の選手も決めなければならず、さらにこれが終われば修学旅行なんてイベントがあり、憂鬱だったが仕事は仕事。選手を決めるために、競技名などが書いてあるペーパーを教室まで体育委員に取りに行かせた。

すると体育委員のふたりが教室に変な手紙があると報告してきた。
早速それを見に教室に戻ると、「先生ムトタトアケルナ」と書かれた封筒と、活字を切り取ってつなげた文字で「修学旅行を中止せよ。しなければ自殺する。いたずらではない。」と書かれた手紙があった。

○第六章 「カミノミズ」
六角小学校で音楽の時間が終わり、教室に戻ってきた生徒たち。
続けて授業をしようとした矢先、生徒のひとりが突然苦しみだして倒れてしまう。その生徒を保健室に運び、養護教諭に任せて教室に戻ったおれは、その生徒の机から「神の水」と書かれたペットボトルを見つけた。

後日、倒れた生徒はペットボトルの水に入っていたヒ素で中毒症状を起こしたとわかり、ペットボトルは警察で指紋の採取が行われた。
そこで浮かび上がってきたのは倒れた生徒以外に3人の生徒。
全員、倒れたあとからペットボトルに触ったと言うが、指紋の重なり具合から倒れた生徒が触る前に、誰かが触った形跡があることが発覚する。

「放火魔をさがせ」
おれ、こと小林竜太の住んでいる住宅街では最近放火によるボヤ騒ぎが起きていた。
そんなことが続いていたから、町内で見回りをすることになった。
珍しい出来事に、おれはとうちゃんと一緒に他の大人たちと見回りをすることになったけれど、見回りをしては集合場所になっている細川というおっさんの家で酒盛りをするとうちゃんたち。

とうとう酔っ払って何回かの見回りのあと、眠ってしまった大人たちと一緒に寝てしまったおれは、焦げ臭い匂いで目が覚めた。
見回りをするために集まった家が燃やされてしまうなんてことになっていたのだ。
だが、なのにその放火の容疑者に細川のおっさんの名前が挙がっていた。そんなわけがないと思っていたおれは、ある失敗で先生に説教させられているときに閃いた。

「幽霊からの電話」
家に帰ると、留守電にかあちゃんからのメッセージが入っていた。
だが、それは実際にはかあちゃんが入れたものではなく、またおなじクラスでもおなじメッセージが留守電に入る、なんてことが起きていた。

まさか幽霊か!? なんて思っているとおなじクラスの連中と幽霊かどうかを探すハメになってしまった。』

……短編集のときは、もうちょい書き方考えたほうがいいかなぁ。
長ぇし……(爆)

さておき、前の「怪笑小説」とは違ってこちらはちゃんとしたミステリになっている。

まずは表題作の「おれは非情勤」
赴任する先の学校で起きる事件などを主人公の「おれ」が解決するもので、第一章と第三章を除いて人死にが出ない。
ミステリと言うと、どうしても死んでナンボという印象が強いので、こういうのは印象がよかったり(笑)

ただ短編だからどうしてもミステリとしての謎解きが、安直というか何というか……。
たぶん、ミステリを読み慣れているひとにとっては簡単な部類に入ってしまうのではないかと思う。
また、同種のトリックを使ったのが2編あったり、タイトルからあっさりとそれが何を意味しているのかがわかってしまうのがあったりと、拍子抜けしてしまうところがある。

とは言え、ミステリらしい話にはなっているし、主人公の一人称も男性らしい簡潔な書きぶりで読みやすく、また謎解きだけでなくきちんとドラマを作っているところも評価できる。
ちと各章のラストとか、説教臭いのがなんか微妙ではあるんだけど……。

でもまぁ、ミステリにしては比較的軽めの短編集で読みやすい短編と言える。

次の「放火魔をさがせ」と「幽霊からの電話」はともに小学生が主人公の独立した短編。
「放火魔をさがせ」は……かなりいまいち……。
あまり勉強は出来ないが快活な少年が放火魔が誰なのか、ある出来事をきっかけに推理して当ててしまう、と言うことなんだけど、なんかこうすとんと落ちてこないんだよね、トリックが。

それ以外ではラストのオチはこのタイプの少年らしい終わり方で、定番とは言え、思わずくすっと笑えてしまうところがあるなど、いい部分はある。
ただ、肝心のミステリとしての部分がいまいちなのは……ねぇ。

あとは「幽霊からの電話」
これも「放火魔をさがせ」同様、トリックとその謎解きが……。
両方とも短編だし、仕方のない部分もあるだろうとは思うけど、ドラマの部分とミステリの部分がともに中途半端で、ラストのいわゆる「いい話」的なオチも取って付けたような感じがする。

おなじ短編なのに、「おれは非情勤」のほうはまだしっかりしている。
このあとの2作はそれよりもレベルが下がってる印象。
だからあとの2作は入れないほうが本全体としての評価はいいんじゃないかなぁ。

いい短編もあればそうでないのもあり、と言うことで、総評は及第。
ただ、がちがちのミステリのひとだと思っていた(偏見(爆))ので、読める話だったりしたのは正直意外だったりして(^_^;

実は引っ越しマニア?

2007-10-24 06:20:54 | おしゃべり
さて、第914回であります。


扇:新企画を考え中だったりするSENでーす。

鈴:企画ものは相棒に任せっきりのLINNで~す。

扇:これだから職人って奴はよォ……。

鈴:まぁ、よいではないかよいではないか。
だからバランス取れてんじゃねか?

扇:取れてるか……? 取れてるのかぁ~……?
ま、どんな企画になるかはまだ未定ですが、記事数は増えるのではないかと思います。

鈴:たぶん、取れてるぞ。
取れてなきゃ、あの話は書けまい(笑)←何とは訊かないように。
でも、記事数が増えるのはいいことだ。
木日だけだもんなぁ、いまは。

扇:ぶっちゃけた話――
『書くのにさほど時間を要さず、なおかつ、最近の情報が仕入れられるような記事』
をスポット的に放り込んでみてはどーかなとか、考えてたりする。
そっちは毎回きっちりとララデラ拾ってるみたいだし、私も最近の漫画はそこそこ拾ってるから、最新のネタがないわけではないしね。

鈴:せやね。
ぼちぼち読んでて記事に出来ない or しないネタとかもあるから、そういうのをコンパクトに書いてみるのもいーだろー。

扇:同時に、過去記事では一括して紹介している作品について、一巻ずつ短めに感想を書くというのもありかな。
二番煎じ臭さは否めないが、初期の頃の記事は抹消したいものも沢山あったりするからねぇ……。

鈴:抹香……確かに、抹香臭いくらい見たくないのはあるからなぁ……(遠い目)

扇:というわけで今週のWikipediaです。(無視)


『Wikipediaに聞け!』


扇:今週のテーマはぁぁぁ~!
永谷園?

鈴:お茶漬けと今回のテーマとどーつながんねんっ!!

扇:いや、むか~し、CMで使ってたんだよ、確か。
貴方と食べたい鮭茶漬け~、ってぇとサブちゃんだけどな。

鈴:お互い飲み会帰りなんだな。

扇:仕事帰りの間違いだろ。

鈴:晩飯が鮭茶漬けじゃぁ悲しいぞ?

扇:朝飯が鮭茶漬けってことは多いぜ。(爆)

鈴:!Σ( ̄□ ̄;)
……そうだった……二日酔いにも鮭茶漬け(限定)はOKなのか……。

扇:茶漬けの話は置いといて。
今週のテーマは、『葛飾北斎』です。
見出しは以下の通り。

『人生一画家――生涯作品数3万点以上』
『名を替え家を替え――改号30回、転居93回』
『やっぱ富士山でしョ――主要作品あれこれ』

鈴:3万点……ウマはないんだな。

扇:ああ、持ち点3万の3万バックでサシウマなしだ。(素)

鈴:……うわぁ、素で返すなんて最低
さておき、どうやらホントに、この北斎というひとは生涯で3万点以上の作品を作ったようです。
えーっと、1778年に勝川春章の門に入ったと書いてあるから、ここから没年までが……71年か……(計算中、計算中)……1年に約422枚……。
毎日1枚書いて、追いつかん……。

扇:最低言うな。
描くことが趣味……だとしても異常な数だわな。
しかも、三万点って作品の数だから、没った奴まで入れたら何枚描いてるか解ったもんぢゃねぇな。

鈴:ボツったのまで考えるじゃねぇ。
つか、そういうことまで考えると、絵を描き始めてから、死ぬまで毎日描いてたとしか思えないよなぁ。

扇:描かない日はなかったって感じだぁね。
アシスタントと手分けしてやってたならともかく、一人でこれだけ描くってのは異常としか言いようがない。
しかも技術はトップクラスで、海外でも評価が高いとなれば、『ライフ』の「この1000年で最も重要な功績を残した世界の人物100人」に選ばれるのも納得がいくわな。

鈴:納得がいく以前に、1000年でってとこがミソだよな。
100年くらいなら、まだしも、1000年数えて、唯一日本人で入ったって、それだけやはり海外に与えた影響が大きかったって証拠だよなぁ。

扇:印象派はモロに影響喰らってるわな。
てとこで次の見出しに移るけど……名前を30回変えても葛飾北斎の絵で通るってことは、それだけこの人の絵が特徴的だったってこと、だよね?

鈴:特徴的かどうかはわからんが……そもそも30回も変えるってなぁ、贋作作りやすいよな(笑)

扇:確かに、名前がころころ変わる時点で、便乗する奴は沢山いそうだ。
加えて、転居93回……ほんと、芸術家って移り気で気分屋だよなァ。(毒)

鈴:……その(毒)ってのの相手が誰か、すんげ~心当たりありまくりな気が僅かとは言わんくらいあるんだがなぁ……(横目)

扇:いや、別にどっかの誰かをピンポイント爆撃するつもりはないよ。
飽・く・ま・で、芸術家気質の野郎ってのは始末が悪いよな、って話をしてるだけで。
北斎が転居を繰り返したのも、生活能力0だったからだって話だしな。

鈴:そういや、家がいろんな意味でやう゛ぁくなったから、引っ越したって書いてあんなぁ。(素で中途無視)
しかし、そういうとこはなんかベートーベンに通じるところがある感じだな。
で、次の「富士山」……クラシック好きとしては、と言うわけではないが、やはり有名すぎるほど有名な「神奈川沖浪裏」なんかいいよな。

扇:「神奈川沖浪裏」はいいねぇ。
あの、津波どっぱーんなところがとにかく凄い。
よーく見ると、雪山みたいにも見えるんだが、それでもやっぱ波なんだよなぁ。

鈴:波だねぇ。
あと、「ハイスピードカメラなどで波を撮影したものと比較すると実に写実的」ってのは、なんかで見たか聞いたことがあるな。
たぶん、NHK(日本引きこもり協会ではない)の番組じゃなんかで見た憶えがあるな。
実際の波しぶきと北斎の絵を較べてて、まぢでそのまんまだったしなぁ。
たぶん、視力とか、動体視力とか、めぢからとか、たぶん人外だったんだな。

扇:すげぇな北斎。
冗談抜きで、波が散る瞬間を眼でとらえ、記憶するとは……。
これに次いで有名と言えば、やはり北斎漫画かね。

鈴:……なんか、ひとのボケを悉くすっ飛ばしてるのがなんかむかつくが、進めとくか。
で、北斎漫画だが、これ、津和野で実物見たわ。
漫画と言うといまじゃストーリーがあるのが当たり前だが、この北斎漫画はなんか絵の手本帳って感じだったなぁ。
それでも、なんか見てると、あ~、北斎だな、って感じがするけど(笑)
真贋なんてわかりゃ~せんけどさ(爆)

扇:だって、俺あの作品嫌いだし。>ひとのボケ
俺は実物は拝んだことはないが、写真でなら見たことがある。
絵手本から始まったってのは結構納得がいくね。手当たり次第に、何でもかんでも描いてるし。
人気があるのは妖怪絵なんだろーけど。(笑)

鈴:まぁ、だいたい写真とかだよなぁ。
わしも、職場の旅行がなけりゃ、実物なんて見る機会はたぶん、一生なかっただろうしな。
だが、妖怪絵……?
百鬼夜行絵とかが流行ってたはずだし、人気があるのはわかるが、私はあの人物画のほうがおもしろかったなぁ。
なんか、妙に笑える絵とかあったし(笑)

扇:笑える絵?
当時の君の似顔絵とか?

鈴:そんな時代に生きとるかぁっ!!


『今週の一冊』


扇:で、今週の一冊ですが、前回からそれなりに時間も経ちましたので、恒例のリバイバル十二国記紹介をしたいと思います。
今回はシリーズ第四作『風の万里 黎明の空』(上・下)(著者:小野不由美)であります。
略して、『万空』ですね。

鈴:どこの僧侶だ!?
あの世界に仏教はないぞ。

扇:つか、そもそも宗教的概念自体がなかった気がする。
なんせこの世界、神が実在するからな。

鈴:そういや、実在してたなぁ。
さすがにこの「風の万里 黎明の空」では出てきてはおらんが……まぁ、王がいなけりゃ国が荒れたり、麒麟がいたり、化け物いたり、果ては仙人で不老なんてのがごろごろいるから、これで「神なんかいねぇ!」って言えるヤツはおるまい。

扇:あの世界、公務員になること=神籍に入ること、だからな。
楽俊あたりが任官したら、神が身近な存在に感じられそうだ。
でっかいネズミが行政指導したりするんだぜ、きっと!(爆笑)

鈴:行政指導と言うより、秋官になって「家裁のネズミ」とか、似合いそうだなぁ(笑)
注:秋官は司法を司り、裁判を行う部署です。

扇:このネタは面白すぎるからやめよう。多分、終わらない。
で、ストーリーですが……例によって、過去記事を御覧下さい。(逃げ)
一応、主要三人娘ぐらいは紹介しとく?

鈴:終わらんだろうなぁ。きっと今日の記事、楽俊だけで終わってしまいそうだし。
じゃぁ、主要なヒロインたちの最初と言うことで、やはり、このひと。
景王赤子こと陽子。
この物語での役回りは、まず義勇軍に拾われること。
ちなみに以後は剣客になります(笑)

扇:それ、紹介か?
では、サブヒロインの一人、芳国の元公主の祥瓊。
主な役回りは、国を追われて非行に走り、楽俊に拾われて更生すること。
ちなみに以後は慶国のパシリになります。(立場変わってねーぢゃん)

凛:いちおう間違っていないぞ。下巻なんかホントにただの剣客だし。
じゃぁ、もうひとりのサブヒロインの鈴、読みは「すず」。……ちょいとなんかイヤだから、名前変えるわ。
……さておき、その鈴ですが、主な役回りは鬱な引きこもり時代を抜け出して、躁状態な旅の途中に少年に、さらに義賊に拾われること。
以後の役回りは、義賊のパシリを経て、陽子のパシリ(爆笑)

扇:えーと……これってヤンキー漫画の紹介だっけ?
ひょんなことから、潰滅寸前のチームの総長になってしまった優等生。
親の会社が潰れて、贅沢三昧からやさぐれ人生に転落した社長令嬢。
根暗で、どこにいってもパシリ扱いされる下っ端。
……なんだかなぁ。

凛:ヤンキーマンガじゃないはずなんだがなぁ……。
でもなんか、陽子=総長、楽俊=副長、祥瓊=特攻隊長、鈴=パシリで安定しそうだな。
……やはり鈴は下っ端なのか……(笑)
まぁ、別に私は陽子さえかっこよけりゃいいから、別に誰が下っ端だろうと大した問題じゃないんだけど。

扇:十年経っても陽子萌えかよ。
まー、確かに本作の陽子は格好良かったねぇ。
上巻第一章読む限り、『月の影 影の海』から二ヶ月しか経ってない筈なんだけど、戦闘力、悪知恵、度胸、すべて備えた無敵キャラと化してるからな。
慎重派なので少々判断が遅いところはあるが、それをさっぴいても景麒の補佐はもういらねーよな。

凛:1年だろうが10年だろうが、かっこいいものはかっこいいんだからいーんだよ。
アニメ版も見たが、景麒に乗って禁軍にもの申すところなんか決まってるしなぁ。
しかし、そういや二ヶ月しか経ってねぇんだよなぁ、きちんと王になってから。
いくらこの話でいろいろと経験したとは言え、この成長ぶりは化け物だよな。
無敵というのも頷ける。
しかし、景麒の補佐……まぁ、確かに補佐はいらんわな。いい官僚はこの話で捕まえたし、いちおう仲のいい女友達も出来たし。
あ、でも使令がいないと困るから、やっぱりいてもらわんと困るぞ。

扇:サモナイト石なしで召喚獣と契約できる便利な護衛獣ではあるわな、景麒。
それ以外の存在価値がないとも言うが……。

凛:うわっ、なんかすんげぇ愛想なしでかわいげのない護衛獣だな。
だが、存在価値なしとか言ってやるなよ! いちおうブリーダーとして役に立ってるじゃないかっ!!

扇:(可愛げなくても、エンディングはあるぞ。サモナイだから)

凛:(そしていかにもなツンデレキャラになるんだな(笑))


to be continued……



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へぇ、ミステリーなんだ

2007-10-21 17:34:22 | 時代劇・歴史物
さて、寒がりにはろくでもない季節になったのよなぁの第913回は、

タイトル:血ぬられた法王一族
著者:桐生操
出版社:ベネッセコーポレーション 福武文庫(初版:'96)

であります。

お初の作家さんです。
Wikiを見ると、ふたりでおなじペンネームを使っていると言うことだけど、どちらが書いたのかは不明。

まぁ、別にどっちでもいーんだけど。
では、ストーリーへ。

『「ボルジア一族の野望」
15世紀末、現法王アレッサンドロ六世の息子であるホアン・ボルジアが何者かに暗殺された。
放蕩息子だったが父である法王に溺愛されていたホアンの暗殺事件に、人々は誰が犯人かを噂しあっていた。

同じく法王の息子で枢機卿のチェーザレへ逢うために、フィレンツェの特使として旅路を進んでいたマキアヴェッリは、上司のソデリーニ司教に、暗殺事件の話をきっかけに、ボルジア家にまつわる様々な話を聞かされる。

法王アレッサンドロ六世が法王になるために行った権謀術数、チェーザレのロマーニャ地方制覇、チェーザレやホアンの妹で兄や父の謀略に翻弄されながら生きたルクレツィア……そんなボルジア家の生き様に思いを馳せながら、マキアヴェッリたちはチェーザレのもとを訪れた。

「探偵ダ・ヴィンチ」
チェーザレに出会い、フィレンツェ侵攻を思いとどまらせることが難しいことを知ったマキアヴェッリとソデリーニ司教。
ソデリーニは、マキアヴェッリにホアン暗殺事件の真相を探り、チェーザレを追い詰めろと命じた。
同時に、同郷でチェーザレのもとにいるレオナルド・ダ・ヴィンチに協力を仰ぐように、とも。

暗殺事件の真相を探る命を受けたマキアヴェッリは、ダ・ヴィンチのもとへ足繁く通い、ダ・ヴィンチにボルジア家の周囲で巻き起こる様々な事件や事情を語っていく。』

……あー、読んでた時間返してくんねぇかなぁ……。
いやぁ、それくらいお話としておもしろみもなけりゃ、ミステリとしての魅力も皆無だし、文章下手だし、構成も変だし、キャラも立ってないヤツ多すぎだし、これほど酷いのを読むのは久しぶりだわ。

評価しようにも上のだけでじゅーぶんな気がとてつもなくするけど、いちおう、個別にはやっておきます。
ただし、毒吐きまくりだと思うので、気分を害する場合があるかもしれません。
あしからず。

では、最初の「ボルジア一族の野望」から。
単なるアレッサンドロ六世とその子供たちの歴史紹介を、小説風にアレンジしただけで見るべきところは皆無。
この時点で、いったいどこがミステリなんだろう? とかなり疑問に思う方は多いでしょう。

で、よいところはない代わりに悪いところばかり。
まず文章。

下手です。

一行を開けて場面を区切るのはふつうだけど、区切りまくりでぶつ切れなので読みにくいことこの上ない。
また、視点の変更が極めてお粗末。
5行くらいルクレツィアの視点で書いて、その後にはチェーザレの視点に唐突に変わっていたり、話し言葉が男性は男性でほぼ一緒のため、いったい誰が喋っているのかがよくわからなかったり、いちおうマキアヴェッリがソデリーニ司教から聞いていると言う体裁なのに、その体裁がほとんど反映されていなかったり、歴史紹介のとごちゃまぜになって場面変換がおかしかったり。

ラノベでは文章のことをけっこう言ってきたけれど、さすがにここまで酷いのは若い作家が多いラノベでもなかなかいない。
と言うか、三点リーダの多用とか、そういうところに目をつぶれば、デビューしたてのラノベ作家のほうが何倍も上手。
文章で稼ぐんなら、文章の書き方くらいもっと精進してくれと言いたいくらい。

で、次の「探偵ダ・ヴィンチ」
単に、「ボルジア一族の野望」の話をマキアヴェッリがダ・ヴィンチに話すだけの会話文主体の構成。
これもたったふたりしかいないにも関わらず、話し方がまったく一緒なので、どっちのセリフなのかがわからないこと多し。

途中、たまにチェーザレとダ・ヴィンチの会話が入ったりするけど、なんか意味があるのか不明。
いちおう、ミステリとしての謎解きには必要だったらしい、とオチを読んでいれば思えるのだが、そのオチも謎解きしようと思えるほどのものでもないし、そもそもオチに至る伏線とかがいったい何だったのか、思い出せない……。
たいてい、「あれが伏線だったのか」って気にさせられる場面とか、小道具とかが思い出せるんだけど、それがない時点でこれはミステリなのだろうか、とかなり疑問。

キャラも、「ボルジア一族の野望」のときのキャラ造形と違っていたりして、立っていない。
そもそもソデリーニからボルジア家のことを聞いたマキアヴェッリが話してんのに、なんで造形が違ってしまうのか、理解不能。

まー、もーなんて言っていいのかわからんないくらい、いいとこないね、この本。
あ、ひとつだけ私にはいいことはあったかも。
この手の世界史関係は明るくないので、「へぇ」と勉強にはなったかな。

でもそれだけなので、総評、落第。
と言うより、留年決定。
きっと、このひとの作品は二度と読みません。

大じゃなくて超だよな

2007-10-18 21:10:25 | おしゃべり
さて、第912回であります。


鈴:やっとスーツの上着を着ててもOKな季節だなと安心してるLINNで~す。

扇:昼間はまだ暑かったりするぜと突っ込んでみるSENでーす。

鈴:昼はあったかいなぁ。
ただなぁ……風通しのいい廊下と執務室の気温差がけっこうあるからやはり上着は着たまんまだな。
いちいち出るたんびに脱いだり着たりはできんしな。

扇:夜勤明けの朝方とかは、さすがに肌寒くはなったがね。
しかし、夏中背広で歩き回ってた人って……偉大だよなぁ。

鈴:あぁ、確かに。特に営業のひとは暑さに弱いときついよな。
いくら社用車の中でだらけようと、サボって喫茶店にいようと、客の前ではピシッとしとらんと印象悪いからなぁ。

扇:それ、思いっきり皮肉ぢゃないか?

鈴:!Σ( ̄□ ̄;)
いや、いーんだよ、営業さんは。
あのひとたちの苦労は、いちおう仕事柄、営業のひとと接する機会が多かったからよくわかるし。
……と言いつつ、営業絡みはしたことがないのよね~。接客ならバイトでいくらでもやったんだが。

扇:俺も営業はやったことないな。
つか、接客は接客でも、向こうが買いに来るんじゃなくて、こっちが売りに行くってのは……大変だわな。
正直、車の営業とかって凄いと思ふ。

鈴:あー、ディーラーじゃなくて社用車とか売りに行くほうね。
車は耐用年数長いからきついわなぁ。
でも我が社は基本、MAZDAオンリーだから営業も楽……なわけないか。
たぶん、いろいろ言われてんだろうなぁ……。

扇:どうもノリがイマイチなので、葬送にWikiに行くべし。

鈴:いったい何を送るつもりだ?
……ともあれ、確かにWikiに行くいい頃合いだな。


『Wikipediaに聞け!』


鈴:と言うわけで、今週のWikiは「諸星大事件」であります。
どっかの虎縞ビキニの相方(?)が起こす事件を綴ったものであります。

扇:……古っ。

鈴:古いって言うなっ!!!
まぁ、否定はせんが、いまだに根強い人気のある話だとは思うんだがなぁ。
とは言え、今回のネタのほうがもっと古くて、長いことやったみたいだけど。

扇:人気はあったんだろうが……山も谷もオチもない作品だったな、あれ。
で、今回のネタですが、『物干し大事典』です。
ダイヤモンド製のものから、巨人が使ったとされる巨大なものまで、世界のありとあらゆる物干し竿を集めた――。

鈴:そんな辞書に「大」がつくかっ!!
つーか、そもそもダイヤモンドの物干しなんて誰が使うんだ? ってツッコミは確実に来るぞ(笑)
しかも巨人の物干しって……まぁ、巨人かどうかは忘れたが、どっかに物干し竿って言う長いバット使ってた野球選手はいたみたいだが。

扇:誰が使うんだって? 成金に決まってるだろう。
野球選手は知らんが、戦国剣士なら知ってるぞ。
確か顔がTOKIOの誰かに似てる奴。

鈴:へ~、歩兵が裏返るとそういう武器が使えるようにクラスチェンジするんだな(爆)
しかし、剣士ならって有名すぎや、それは。
ともかく、なんかWikiから離れすぎてる感じがするから、ええ加減、本題に入ろう。
と言うわけで、今回のWikiは大修館書店刊「大漢和辞典」であります。

そして見出しは、
「誰が使うんだ!? ――全15巻親文字5万あまり」
「依頼から75年――長すぎ」
「通称諸橋大漢和――諸橋博士、書いてないってよ」
の3つでお送りします。

扇:通称、「諸橋大漢和」ですね。
何か……専門的すぎて、食いつく人が少なそうなお題だな。(毒)

鈴:まぁ、そこは国文出身の性と言うことで。
ともあれ、お題に沿って行きたいと思います。
まず最初。
全15巻……大学のとき、言語学の講師の部屋に並んでいたことを憶えてるな。

扇:ああ、A木ちゃんか。
いい人なんだけど、真面目すぎて損するタイプの人だったなァ。
あと、やっぱ言語学って……面倒臭がりの生徒には敬遠されるよね。(※私含む)

鈴:まぁなぁ。でも、もし後輩からどの先生が楽? って聞かれたら、一発でA木ちゃんって言うな(笑)
真面目で優しいから、頼まれもしないのに、卒論の資料とか、集めてくれてたらしいし。
……って、ぜんぜんWikiとは関係ねぇし(爆)

扇:じゃ、話をWikiに戻して。
この手の辞典とか資料って凝り出すと際限がないんだけど、それをそのまんまやっちゃったのがこれだよね。
漢字について調べられるだけ調べる!
その結果が、『親文字5万余字、熟語53万余語を収録した世界最大の漢和辞典』って……をい。(笑)

鈴:まぁなぁ。
この数は確かに異常なんだが……そもそも、このおかげで中国政府から500セットの注文があった、ってくらいだから、いかに凝り性の賜物かってのがわかるわなぁ。

扇:日本人って、こういうの好きだよなぁ。
つか、昔っからコレクター気質なんだよねぇ。
正倉院とか、そのまんまだし。

鈴:そうね。
そういう意味では、本家中国でこういうのが出来なくて、日本で出来たってのは、そういう国民性の違いもあるんかもしれんなぁ。
では、次。依頼から完成まで75年。
まー、当然諸橋博士、お亡くなりになってるわなぁ。

扇:でも、ちゃんと完成したんだからいいじゃん。
某教会なんて、百二十年経ってもまだ未完成だぞ。

鈴:某教会……まぁ、いちおう、人海戦術でどうにかなる辞書と建築とは一緒にできんだろう。
だいたい、75年もかけて作ろう、っていまじゃ、経営の関係上、やろうってとこはないだろ。
金ばっかりかかるクセに、辞書なんかそうそう利益が上がるような代物じゃないしな。

扇:全十五巻セットで二十五万円……確かに、苦労に見合った値段ではないわな。
個人で所有するには重すぎるから、図書館に一セット置くぐらいだろうし、儲からないよね。
しかし、間に戦争挟んでるのに、よく会社保ったなぁ……。

鈴:確かに、年数かかってる割に値段は良心的な感じだな。
だが、戦争を挟むって言うのは……Wikiじゃなくて、リンクにある「大漢和辞典記念室」かな。
ここに書いてあるけど、著者の諸橋博士とは別に、この大修館書店の社長の気概がでかかったみたいだな。

扇:そりゃ、でかいだろうよ。
普通なら、費用対効果考えて即撤退するぞ。
ま、信念貫いたおかげで、会社の顔になる本が完成し、知名度も上がったみたいだけど。

鈴:そうねぇ。まぁ、長男次男三男引っ張り込んで作ったんだから、そりゃでかかろうて。
さて、じゃぁ、最後のネタだな。
……これはおそらく、知ったひとならば誰も突っ込むだろう。
編じゃなくて著かよ、それで!

扇:まー実際、一人で書ける分量ぢゃねーわな。
しかし、作業に参加出来ないのはまだしも、校正刷りすら見てないってのはどうかと。
でも通称は『諸橋大漢和』で、当人、文化勲章もらってたりするんだよなぁ。

鈴:そういやもらってたなぁ。
なんか、「著」じゃなくて「編」でもらったら納得できるんだが、「著」のまんまだしなぁ。
なんか、それってどうよ!? って気はせんでもないな。
まぁ、確かにプロモーターやってたんだから、功績がないかと言われれば、そういうことはないんだろうが。

扇:漢字にこだわるなら、『著』は『編』に直すべきだな。
もっとも、既に名前が定着しちゃってるから、著でも編でも変わりはないのかも知れんがね。
何か……オチがないな。

鈴:そういえば、オチがないね。
……!Σ( ̄□ ̄;)
もしかして、「著」じゃなくて「編」だろ!? って言うのがオチだったのか!?

扇:そういう噂もあるな。
たまにはオチがなくてもいいとして、次のコーナーに移るとしよう。

鈴:そうね、たまにはそういうのがあってもいいわね(^_^;


『今週の一冊』


鈴:では、今週の一冊は久々の登場であります。

扇:三ノ宮蛍の『初夜』ですね。

鈴:そこに至る経過を一気にすっ飛ばすな!!
ほれ、もっと前にやることがあるだろ。

扇:ちょっと気が早すぎたか……。
というわけで、四ノ宮陽の『結納』ですね

鈴:まだ戻りきれとらんわぁっ!!
……ったく、これ以上続けるとあと何回やらんとタイトルまで辿り着くかわからんので、本題です。
と言うわけで、今週の一冊は「初恋」(著者:二宮ひかる)であります。

扇:振り子細工の心ってやつだな……って、誰の歌だったっけ……?
ともあれ、青年恋愛漫画家の中では珍しくSEN-LINN揃ってオススメの二宮ひかる、の短編集です。
『ひまわり』、『初恋(前後)』、『性夢十夜』、『エンゲージ(1~5)』の四編を収録。

鈴:振り子細工……(検索中、検索中)……蒸らした構造村下孝蔵ってのらしいな。知らん……。
あ、そういえばそうだな。お互いでオススメ、しかも青年マンガだしなぁ。
しかし、目録を見たが、この短編集はやってなかったのな。
じゃぁ、最初の「ひまわり」からあっさりもっさりやるかね。

扇:蒸すなよ……一応、有名な人なんだからさ。
では、一編ずつ紹介を。ちなみに本書は、二宮にしては珍しく、全編高校生の恋愛物だったりします。
一組を除いて全員、やることはきっちりやるけどね。(笑)

で、『ひまわり』ですが……本書で唯一まともな高校生恋愛物です。
人物配置も、主人公の二宮少年A、少年Aの友人の少女B、少年Aが憧れている美人の少女C、と実にスタンタード。
少年Aと少女Bはなし崩し的にアレするわけですが、彼女のカラダにはある秘密があって……という、ヒネリが加えられてます。

鈴:そういや、そうだなぁ。
主人公は全員高校生だもんなぁ。たいてい20代の社会人とかが主人公だし。
しかし、少年Aとか、少女Bとか言うなよ。
なんか、やう゛ぁいことやったヤツらみたいじゃないか。

さて、では次の表題作の「初恋」。長さはあとの「エンゲージ」のほうが長いけど。
ストーリーは、夏休みにコンビニのバイトをし始めた高校生A……もとい今野くんが、コンビニの前で待ちぼうけを食っていた年上の女性と懇ろになる話です。
ちなみに、主人公格は基本、高校生ですが、この話だけ、相手になる女性の大沢さんだけ26歳(独身で天然)

扇:26歳だけど、見た目は高校三年の先輩ぐらいで通ります。
まー、二宮漫画の女性って、15歳~29歳まで区別がつかなかったりするけどね。

で、三つ目の『性夢十夜』。
主人公の女の子が見る夢を、次々と紹介していくショートショート連作。
先へ進む毎に、夢の中のお相手がヤヴァイことになっていくのですが、最後は何と――。
こういう変わった趣向の話って、私は好きです。

鈴:ラストのはなかなかいいセリフだよなぁ、この話。

では、最後の「エンゲージ」ですが、二組の兄弟(姉と弟、兄と妹)の禁断の愛(爆笑)を描いたお話です。
基本、兄弟中心の話ですが、姉と兄の絡みもあります。
なお、ストーリー云々より、兄・妹側がきっちりと結ばれたことを知ったときの姉のセリフ「ずるい!」だけはかなり好きです(笑)

扇:どっちかと言えばその直後の、「私の今までの禁欲生活は何だったの?」の方が好きかな。
何にせよ、この姉の性格はぶっ飛んでいた……いいキャラだがね。

で、全四編紹介し終わったわけだけど、好きなのはどれかね?
実を言うと、どれも結構出来が良くてお気に入りだったりするんだが。

鈴:う~む、そのセリフも捨てがたいのだがな。
まぁ、確かにいい性格してる、いいキャラだから、この手の決め台詞(?)はおもしろいんだよな。

お気に入り……キャラ的にはやはり「エンゲージ」の姉のキャラがいいからおもしろいんだが、スタンダードで読みやすいと言えば「ひまわり」……う~む、どちらかと言えばラストで選んで「ひまわり」にしておこう。

扇:俺と真逆だな。
キャラでいくなら、『性夢十夜』の女の子は節操なさ過ぎて素敵なんだが、ラストで選ぶなら『初恋』だな。
あのまま、会いに行けない……だけで終わってたら、「うっわ~、この男の子サイッテ~~~~~」で済んでしまうのだけど、ラストの彼女の台詞が良すぎるので、作品としては綺麗にまとまっている。

鈴:どちらも嫌いではないんだがなぁ。
言ったとおり、どの話もよいのはよい。やはり、このひとはこの手の短編のほうが好きやなぁ。
しかし、なんか、この真逆ってのはなんか前にもあったような気がすんな……。

扇:短編集って、大抵一個か二個はハズレがあるもんだが、これはどれも良かったね。
真逆は……クロスレビューだとしょっちゅうだな。
どノーマルな私と、少女趣味の君じゃ、意見が食い違うのも当然だろう。

鈴:まぁ、確かに、アブノーマルな相棒と女性作家好きの私とでは好みが異なるのも当然か。

扇:てめぇ今すぐ、『はいからさんが通る』歌うぞっ!

鈴:なにおぅっ!? ならばこっちは「ペガサス幻想」歌うぞっっ!!


to be continued……



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うぬぅ、個別カテゴリが増えん……

2007-10-14 18:09:04 | 小説全般
さて、よく毎日やってたよなぁと感心してるの第911回は、

タイトル:おしまいの時間とき
著者:狗飼恭子
出版社:幻冬舎 幻冬舎文庫(初版:'97)

であります。

仕事が忙しかったり、そうじゃなくても飲み会があったりして、なかなか今週は読む時間が取れなくて、週1でも時間がねぇ~、なんて思い付いたりすると、よくもまぁ、週3冊なんてよく読んで書いてたよなぁ、としみじみ。

さておき、今日の記事ですが、またもやお初の作家さんです。
ストーリーは、

『21歳という年齢の中途半端さに、「幸せと不幸せのさかいめの襞」に和泉リカコはいるように感じていた。
そんな21歳の春、高校時代の演劇部の顧問をしていた宮本先生が亡くなった、と親類の男性から連絡を受け、演劇部の部長だったリカコは先生の葬式に出向いた。

かつて演劇部員だった人間は自分以外にいなさそうだった葬式の席で、リカコはおなじ演劇部だった渡辺イズミと3年ぶりに再会する。
高校時代と変わらず、美人でかっこよくてわがまま、そして口の悪いイズミは、そこで先生の弟だと言うワタルから先生の遺書を見せられる。

宛名は「いずみさん」。
ともに「いずみ」と呼ばれるふたりだったが、その宛名は自分のことだとイズミは言い、さらにイズミは先生の子供を妊娠している、と告げた。

水とか、空気とか、そんな独特の雰囲気を持っていた先生の子を産むと言うイズミが気になって、リカコはイズミの住んでいるマンションへと赴く。
そこには葬式のときに出会ったワタルがいて、兄の子供のためにかいがいしくリカコのために家事を行っていた。

正しいとか、正しくないとか、善だとか悪だとか、そういうことではなく、ただ何かに向かって歩いている……そんなふたりと違って、リカコはただ何も出来ず、臆病に待っているだけだった。
そんなリカコは、憎まれ口を叩きながらも風邪を引いたときに見舞ってくれたイズミや、兄の子のために何かしたくても高校生の身では何も出来なくて、それでも何かしようと模索するワタルと接する中で、何かを変えなければと思い始める。』

デビュー作が詩集、と言うことで詩から出発した作家さんだからだろうか。
とても透明感がある作品だと言うのが第一印象。

臆病で、待っていること以外に何も出来ないリカコの一人称で語られる物語は、透明感の中に幾ばくかの寂しさや悲しさがあって、でも重くなりすぎず、全体の透き通った雰囲気は壊していない。
私好みのいい雰囲気を醸し出していて、かな~りどっぷりと浸れる作品になっている。

ストーリーは、リカコを中心として、リカコが接するイズミやワタルとの生活が綴られているだけで、雰囲気はいいのだが、逆にどろどろしたことや盛り上がりと言ったものとは無縁。
とは言え、不倫の恋に悩むリカコや私生児を宿すイズミ、複雑な出生の秘密を抱えるワタル……と、設定上はけっこうどろどろしたものを持っているのに、そうしたところを感じさせないと言うのは逆にすごいのかもしれない。

ただ……雰囲気はとてもいいのだが、ラストがちょっと……。
まぁ、こうした後ろ向きな主人公がラストでどういうふうになるか……なんてのはだいたいお約束で、あんまり変わり映えしないものだとは思うけど、あまりにもふつうすぎて残念。
ぎりぎり作品の雰囲気は壊していないが、それでも何だかなぁって感じはするんだよねぇ。
もっとも、雰囲気だけよくてオチはなし、とか、奇を衒ってぶちこわしになるよりはマシだとは思うけど。

あとは……文章だけど、表現はふつうにOK。
これはいいな、って思ったのは繰り返しの表現、かな。
けっこう頻繁に短いセンテンスで繰り返しの表現があるんだけど、繰り返してもせいぜい3回、概ね2回くらいのを場面の区切りとかに使っていて、いい余韻を創り出している。

繰り返し表現は頻繁に使ったり、何回も繰り返したりするとくどくなって読むのが億劫になったりすることが多いんだけど、この作品では効果的に使っていると思う。
ある意味、繰り返し表現をする文章のいい手本って感じかもしれない。

……と、個別にはこれくらいかなぁ。
と言うわけで、総評だけど、……悩む……(笑)
ラストに残念なところがあるけれど、とてもいい雰囲気のある作品だし、表現にもおもしろいところがあって、オススメしたいところだけど、たぶんこれが好きになれるタイプは、私とおなじ感性タイプな気がする。

個人的には良品にしたいところだけど、どっちかって言うと感性派向けって感じがするから最終的な総評は、及第。
ってとこが妥当、かな。
たぶん、私は別のを手に取るだろうけど(笑)

バインダー式テキストって……ウリになるんですか?

2007-10-11 00:01:35 | おしゃべり
さて、第910回であります。


扇:ようやく復活する……かも、なSENでーす。

鈴:復活できそうでできてないLINNで~す。

扇:俺の秋はどこへ行ったんだらう……。

鈴:冬型体質だから秋がなくてもいーんでないかい?

扇:秋がない代わりに、夏が長いってのが気に食わねぇんだよォォォ!

鈴:あー、夏型体質にとってはいい年だったなぁ、今年は(笑)

扇:死ぬか? つーか、死なす。

鈴:ふっ、返り討ちにしてくれるわっ!!(ひさびさ定型句)

扇:懐かしいな、この掛け合いは。
しばらく、俺がボケでお前がツッコミだったからなァ……。(爆)

鈴:懐かしいって検索したら1年半以上も前に使ったっきりだったわ(笑)
しかし、完全にボケツッコミが逆になってたからなぁ。
木曜劇場の初期のころから見てくださっている方はわかるとは思うが。

扇:まー、原因の大部分はLINN君が老いたからだと思うけどね。
閃きが衰え、勢いに任せたボケが激減し、子供嫌いだった筈がロリコンに目覚めてと、大きく変わったからなァ。

鈴:老いる前に、さんざんボケ倒してひとの役目を変えた人間が何を言っているか。
まー……、子供嫌いは……。
う~む、従妹に娘が出来たり、甥が出来たりした途端に、かわいく見えるようになったなぁ……(爆)

扇:元はと言えば、君が少年漫画を読んでいないのが原因だ。
無理矢理ひねり出したネタを私がボケで支えていたのではないか。
親類に子供が出現して、あっさり転向か……老いたな、LINN!

鈴:少年マンガ?
つか、この役割は電脳のほうの役割分担が元々だらうに。
だが、転向ってのもなぁ。昔は子供が出来て親バカになるヤツの気が知れんかったが……ホントに最近、その気持ちがよくわかるよ(笑)
この点に関してのみ、老いたと言われてもなかなか反論できぬ……(爆)

扇:電脳……放置状態だな。(爆)
何か本当に老いてるみたいだから、ほっといてWikiに行こっと。


『Wikipediaに聞け!』


扇:というわけで、今週のテーマはぁぁぁ~。
日ペンのヒミコちゃん?

鈴:ぜんぜんちゃ……うと言いたいのだが、なんかいちゃもんつけると呪われそうな名前だな、ヒミコって……。

扇:確かに、馬鹿にすると鬼道アタック喰らいそうだ。
しかし、お約束のボケがイマイチしっくりこないな……やはり役目を元に戻すべきか。
知性と計算がウリの俺が、ノリだけでボケをやるのはやはり無理があったのかも知れん。

鈴:う~む、その辺りはおいおい考えることにしやう。
調子の悪いときもあらう。
……って、なんか妙な雰囲気になってきてんなぁ。
素直にWikiのネタ紹介をするか。

上のタイトルから「ヒ」を抜いてください。

扇:いや、素直に日ペンの美子ちゃんって紹介してやれよ。
一応、三十五年の歴史が……って長っ!
花ゆめ本誌の裏表紙は、記憶術が入るまではずっとこれだったからな。

鈴:35年……長いのぅ……。
確かに、何で見覚えがあるのかはわからんが、ガキのころから知ってるんだから、それなりに長く続いてんだってのは知ってたが……。
しかも去年、5代目になったんだな。
つか、まだ続いてたのか、って気のほうが強いけど(笑)

扇:俺は実家に花ゆめ置いてあったから知ってる。(爆)
一代目、二代目、三代目が一堂に会して、四代目に家督(?)を譲った回とかも覚えがあるなぁ。
初代と二代目が、お互いを『一代目の美子ちゃん』『二代目の美子ちゃん』と呼び合ってたのはかなり笑えた。

鈴:憶えがある……初代は1972年から84年までだから……憶えがあってもふつうか。
まぁ、確かに初代の絵柄もなんか見覚えはあるからなぁ。
……って、Wikiの内容を何ら気にせず喋ってる気がするんだが。

扇:は? 君、Wikiも見ずに書いてたの? 駄目だなぁ~そんなことじゃ。
そもそも初代の絵柄に見覚えがあるのは当然だ、概要のところに中山星香(矢吹れい子)って書いてあるではないか。
この方、三十年経ってもまったく絵が変わってない上に、今でも現役バリバリだぞ。

鈴:何を言っている。
Wikiよりも外部リンクばっかり参照してるのはお互いさまだらう。
しかし、中山星香は……いまの「妖精国の騎士」の絵を見れば、やはり変わってるのは変わってるんだが、でも中山星香ってのはわかる絵だよなぁ。
すんげぇ納得したし、誰が書いた絵かを見たとき。

扇:ま、まぁ、本体のWikiの記事が少ないからな。
そいや、「妖精国の騎士」って、完結したらしいね。
コミックス全54巻、全238話、連載期間16年って、ストーリー漫画の長さぢゃねぇよ。

鈴:みたいね、「妖精国の騎士」の完結……Wiki見て初めて知ったわ。
でも実際、1本のストーリーを16年以上続けるってのはすごいわな。
……って、WikiはWikiでも別のネタになってんじゃんかよっ!!

と言うわけで、もとに戻して……と。
しかし、初登場が「明星」……マンガ雑誌の裏表紙ってイメージのほうが強いから、なんか妙な感じ……(笑)

扇:あったなぁ……「明星」。
今だとジャニーズ一色なのかねぇ。
Wiki見る限りだと、女性タレントもそれなりに紹介されてるみたいだが。

鈴:ええいっ、ひとがせっかく元に戻したってのに、また別のWikiネタに移動すんじゃねぇっ!!
とは言え、美子ちゃんのWikiネタが少ないってのもあるんだよなぁ……

扇:リンクを除いたら、概要だけで終わりだしな……。
つーかWikiって基本的に、少女系の記事弱いよね。
少年漫画とか、モータースポーツとか、男向けの記事は無意味なぐらい詳しいのに。

鈴:まぁ、そこは仕方がなかろう。
基本的にボランティアで書いてるんだし、偏りがあったとしても文句は言えまい……つか、そのボランティアが書いた記事をネタにしてんだから言える立場ではないでよ。
まー、個人的にはモータースポーツとか、そういうのが詳しいのは参考になってありがたいが(爆)

扇:そだな、文句を言える立場ではない。
しかし……せめて、一代ずつキャラクター紹介するぐらいはやって欲しかった。
個人的には四代目が一番好みではあるんだが、女性の理想としては初代かも知れんね。
学生時代は美形の同級生にモテまくって、社会に出た後は社長秘書、最後は高学歴高収入の相手と社内結婚……まるで島耕×。(笑)

鈴:島×作と一緒にしてイメージをぶち壊すんじゃねぇっ!!

扇:お後がよろしいようで。
少女漫画界の×耕作と言えば、「王家の紋章」のキャロルがいたなぁ……。


『今週の一冊』


扇:というわけで、今週の一冊ですが……和製バトルファンタジーの古典として、『ロードス島戦記』と並び称される、『隣り合わせの消滅と青春』です。

鈴:いきなりロストして消してんじゃねぇっ!!
ったく、「隣り合わせの牌と青春」だろう。著者は当然阿佐田哲也

扇:朝まで徹夜かよっ!
本当は、『隣り合わせの灰と青春』(著者:ベニー松山)です。
ヒッポンスーパー、って言っても通じる人少ないだろうなぁ……今は。

鈴:って、めっさ年バレるよな、ヒッポンスーパー。
ちなみに、連載はこのヒッポンスーパーの前身の「ファミコン必勝本」に連載されていたりする。
さらにちなみに、ぢつは第46回に私が記事にしてたりします。
(そこの君、古っ! って突っ込まないように(笑))

扇:古っ!
つーか、初期の頃だから当然だけど……記事短いねぇ。
ストーリー紹介もキャラ紹介もしてないから、今ここでやっちまうかね?

鈴:だから言うなよっ!!
ストーリー紹介にキャラ紹介。
まぁ、確かにそうだな。久々に、木曜劇場っぽくやってみっか。

扇:んでは、ストーリー紹介。
と言っても、基本ラインは原作ゲーム(初代ウィザードリィ)と一緒です。
主役が所属する善のパーティが最下層を目指し、サブである悪のパーティがそれに絡むってとこ。
老練な魔法使いシルバーがロストしてしまったため、主人公達は嫌々ながら悪の魔法使いバルカンを仲間に迎えるのですが、彼にはある秘密があって……。(以下次号)

鈴:「以下次号」って何だよ!?
まぁでも、バルカンあたりの話は物語の核心に触れるから仕方あるまい。
じゃぁ、次はキャラ紹介か。
えーっと、私から先に行っとくか。
では、主人公のスカルダ。聞いた瞬間、韋駄天を思い出したあなたはマニアです(なんの?(爆))
レベル13(マスターレベル)にある善の戦士だったが、シルバーのロストを機に、侍に転職した、少年漫画的な最強主人公。
原作のゲームを踏襲し、レベル1に戻ったクセに、さらに転職したばかりのクセに、侍の奥義である「居合い」をかまして活躍する反則型主人公。
……ツッコミが激しいと言うツッコミはなしの方向で(笑)

扇:では、本作のヒロイン(多分)であるサラ。
以後、連綿と続くウィズ物のお約束、「ヒロインは魔法系」を真っ先に実践した魔法使い。
善のパーティで唯一マスターレベルに達していない御仁であり、そのため、使える最強魔法はマダルト。(笑)
酒乱の気があり、二日酔いで迷宮に挑む際、ラツモフィスをかけて欲しいとねだるシーンは密かに見せ場だったりする。
ちなみに、スカルダとは……まぁ、少年漫画的な関係で終わる。(つーか、アルハイムに浮気するんじゃないかこいつ? と思わせるシーンもあった)

鈴:多分って言ってやるなよ。立場的に見れば、表のヒロインはサラなんだからよ。
だが、ラツモフィスを二日酔いにかけるという見せ場は、使い方としては秀逸。
と言うか、これ以降、誰も使えねぇ(笑)
では、次にキャラは立ってるんだけど見せ場がない不遇なひとは何故か置いといて、ジャバ。
風呂釜掃除の道具を思い浮かべてはいけません(笑)
さておき、種族人間の中立の元盗賊。マスターレベルにあったが、スカルダと同じくシルバーの脱退を機に、中立でも転職できるというアイテム「盗賊の短刀」によって、せこくも忍者になったパーティのムードメーカー。
これと言って、目立った活躍はしていないのだが、悪のパーティにいるおなじ盗賊のラシャ(ジャバの乳兄妹で、お兄ちゃん大好きのツンデレ系。何故敵方にいるかは一言、当てつけ)との絡みだけで、何となくキャラが立っているガディよりも印象が強かったりする、元盗賊だけに運のいいキャラ。

扇:では、単体だと善のパーティの御意見番止まりなのに、弟弟子アルハイムとの絡みで何となく出番が増えたベリアル。
名前こそどっかの魔王と同じだが、非常に生真面目かつ優秀な善の僧侶。(つーか、マディ覚えた僧侶ってロードが育つまでは神と同じだよねとか思ったり)
戦闘での活躍場面は少なかったが、最後の最後でアルハイムと共にある秘術を行い、一気に株が上がった。
でも、キャラが立ってたかと言われると……ステレオタイプでイマイチ。

鈴:じゃぁ、ちょうど出たことだし、ベリアルの弟弟子のアルハイム。
もともと善の僧侶だったが、悪に転向した僧侶で、こちらもステロタイプの皮肉屋。
レベル12でマスタークラス目前のクセに、僧侶系で最高にして最大の回復呪文「マディ」を憶えていなかったが、上記の秘術や独自のディスペルを武器に、戦闘シーンでの活躍もあり、クライマックスでも見せ場をもらった、悪のパーティで唯一キャラが立ってた人物。

扇:つーか、美形は優遇されるを地で行ったよな、こやつ。
まー、何と言うか、自分が死にかけてるのにライバルに最高レベルの回復呪文とかかけちゃうあたり、単なる照れ屋という噂もないではない。
はて、そろそろ薄い奴しかいなくなるんだが、その中で選ぶなら、実は結構目立ってたゴグレグ。
ドワーフらしからぬ巨躯を誇る屈強な戦士で、悪のパーティの主戦力として大活躍……してたと思われる。(爆)
自分の兄貴がガディに破れた因縁(※別に殺されたわけではない)から、彼をライバル視するも、結局最後まで対決の機会は訪れなかった。
悲惨な死に方ばかりの悪のパーティの中で、唯一、散り際に美味しいシーンをもらったキャラだったりもする。

鈴:そうねぇ、悪のパーティで言えば、こいつくらいだよなぁ。
見せ場という意味では、ぢつはアルハイムよりももっといい見せ場もらってたし。
まー、キャラ的にはこんなもんか。他にもいるが、確かに薄いし。
だが、この小説のせい、と言うのはだいぶあるだろうが、初代ウィズのラスボスのワードナは、素直な悪役ってイメージは払拭されたわなぁ。

扇:……一応、主人公のパーティの一員ってことで、ガディは紹介してやらんのか?
しかし、マジな話、本作が後のウィズ物作品各種に与えた影響は大きいわなぁ。
定番と言われるものの殆どがここで出ちまってるからね。
エルフは必ず女性で、お色気担当、とかさ。

鈴:この作品にエルフは出とらんわぁぁっっ!!!
(出てないほうがいまでは珍しいが)

扇:(つーか、エルフ=色気担当の火付け役はロードスだよなぁ……)


to be continued……

裏の折り返しにしようよ

2007-10-07 16:11:58 | 小説全般
さて、こんな数字になったりすると、ないのに意味があるような気がするよねの第909回は、

タイトル:むかし女がいた
著者:大庭みな子
出版社:新潮社 新潮文庫(初版:'98)

であります。

「初恋、嫉妬、復讐、倦怠、沈黙…愛の変容を綴る現代版「伊勢物語」」
これが本書の裏表紙に書かれていた煽り文句。
ぱらっと見てみると、短編集だったし、先週のがどろどろを期待して、ぜんぜんどろどろではなかったりしたので、こっちは……と思って借りてみたんだけど……。

ストーリーは、

『むかし、女がいた。
その女は、まだ少女で、時は異国と戦争をしているときだった。空襲で飛来する爆撃機の姿を見て麦畑に伏せる。そんな時間に読む異国の物語に夢中になるような少女だった。

また、ある女は、昔の髪の長さが女性の魅力を物語っていたころの絵や事実、そして変わっていく内装に内心で戦いていた。夫が作り変化していく部屋とそこに香り、さらに落ちている長い髪に。

また、ある女は冬の異国で友人である赤毛の女と、近くの湖でスケートをしながら、ケネディ大統領暗殺の話をしていた。凍った湖の氷の下で泳ぐ魚の影に戦きながら。

また、ある女は長兄とその妻、次兄とともに蚊帳で寝ていたときのことをはっきり憶えていないことを悔しく思っていた。それは長兄のあによめと次兄との関係を後から知ってしまったからだった。それからと言うもの、女はことあるごとに……息子の結婚に際して互いの両親と顔を合わせたそのときでさえ、その嫂と次兄のことを語っていた。』

えー、ストーリー紹介で書いたのは、一部です。
と言うのも、本書は短編集と言うよりは、ショートショート集で170ページくらいのページ数で28もの作品が収録されているから、さすがに全部書く、ってのは無理。

短いもので3~4ページ、長くても7ページ程度で、小説としての体裁を取っているものもあれば、まるで詩のように抽象的に書かれたもの、どちらもが混在しているものもある。
いろんな書き方で「女」と言うものそのものとか、またはその「女」から見た時代や社会とか、「女」から見た男とかを、いろんな描き方で綴っている。

さて、評価……と言いたいところだけど、これが難しい。
なんせ数が多くて、一個一個評すると長くなるし、それにはっきり言って、「なんだそりゃ?」ってのもけっこうある。
ストーリー紹介で書いた「髪の長さ」を主眼にしたものや、「嫂と次兄のことを語る女」の話なんかは、短いながらもゾクッとするようなラスト(「髪の長さ」のほう)や、不気味さ(「嫂と次兄のことを語る女」のほう)があったりして、こういうものはいいんだけど、詩みたいな形式で書かれたものは「???」なのがほとんど。
もちろん、そうでないのもあるけど、全28編を眺めてみると「???」側に傾く感じ。

もっとも、性別の違いってのもよくわかんないことの一因かもしれないし、むしろ女性ならばよくわかる、ってのもあるかもしれない。
そう言う意味では、女性向けの短編集と言えるんだろうけど。

とは言え、じゃぁ、まったくダメなのかと言うと期待したとおりのどろどろっぷりが窺える作品もあり、また興味深く読めるものもある。
こういう短編集にはありがちな、いいのもあればいまいちなのがある、と言ったところだろうねぇ。
総評するなら及第。
しかも崖っぷち(笑)

……なんだけど、ここは崖から落ちてもらうことにしよう。
表紙の折り返しに著者紹介があったんだけど、これを読んで最初の2編を読んだあとで私小説の匂いがぷんぷんして、げんなりしてしまったから。
初手にこのふたつがなければ、救いの手が伸びたかもしれないんだけどねぇ。

やっぱり、先入観なしで読むためにも、著者紹介は最後にしてほしいって思ったなぁ。
それでも、最後にやっぱ私小説かい! ってげんなりするのには変わりないのかもしれないけど(爆)

別にどっちでもいい気が……(^_^;

2007-10-04 06:19:59 | おしゃべり
さて、第908回であります。


鈴:忙しいとご飯が雑になってくるLINNで~す。

扇:忙しいのでチョコボールとビックリマンチョコで朝を済ませてるSENでーす。

鈴:うわっ、最悪!!
さすがにそこまではせんぞ、私は。
せいぜいウィダーのビタミンインだな。

扇:いや、それも食事ぢゃねぇだろ。

鈴:いーんだよ、栄養はあるからっ!!
でも、めんどくさいとホント、コンビニでおむすび1個にウィダーなんて最近ざらだなぁ。

扇:梅おむすび食うこと多くなったなぁ……。
まぁ、貧乏比べをやっても虚しいだけだから、早々とWikiいっとく?

鈴:いいねぇ(宇宙人風)
と言うわけでWikiだな。


『Wikipediaに聞け!』


鈴:さて、今回のWikiは、大友皇子即位説であります。

扇:素直に行ったなぁ……。
大友皇子不倫説とか、大友皇子影武者説とか、大友&大海人皇子同一人物説とか、色々トンデモな学説を披露してくれると期待してたのに。

鈴:いや、トンデモって言っても、どっかで誰かが唱えてそうだし、全部。
まぁ、不倫だけは、このころに不倫という概念があったかどうかも怪しいしのぅ。
そもそも市井じゃぁ、祭り=お見合い=○○○するところ、だったからなぁ。

扇:少なくとも、不倫説は誰も唱えてねーだろう。
そういやその手の、男女を一所に集めて見合いに近いことをさせるってやり方は、世界各所にあるね。
原始的なやり方だが、効率はいいからな。

鈴:いや、ひとりくらいはいてもいいんじゃないか、不倫説。
たぶん、一顧だにされないだろうけど(笑)
しかし、効率がいいってなぁ……。
まぁ、確かに世界各所にあるのはわかるが、さすがにこの時代になれば、貴族階級ではそういうわけにはいかんなったみたいだのぅ。

扇:まぁ……さすがに、この時代にそれは通らんだろうなぁ。
ところで、大友皇子ぢゃなくて、不倫の話になってる気がするんだが……気のせいか?

鈴:……気のせい……じゃないわなぁ。
不倫とは違うが、類似ネタってことで、大友皇子から軽皇子の話にする?(爆)

扇:をい。
不倫と近親相姦を類似ネタにすんなよ。

鈴:やっぱダメか……。
それにしても、ぜんぜん本題とは関係ない話になってんな。
そろそろ真面目に行くとするかね。
じゃぁ、今回の見出しは?

扇:えーと、今週の見出しは……って、常に俺が担当かっ!?

「一応、即位の記述はあるらしいです――論点」
「で、結局、大海人って簒奪やったの? ――学説史」

何か……どんどん数が減ってるような気が……。

鈴:何をいまさら(笑)>担当
さて、肝心のWikiだけど、平安時代って即位してたって文献のほうが多いのね。
でも、100年以上経ったあとで即位云々と言われても信憑性を疑われても仕方がないわなぁ。

扇:それ以前に、俺は世界史専門だから、「大友皇子即位説」自体よく知らんのだが。
よーするに、壬申の乱の前に、大友皇子が天智の後を継いで即位したか、飽くまで太政大臣のままだったか……って話か。
でもさ、奴って弘文天皇って名前で即位してなかったっけ?

鈴:それは諡号だ!!

扇:ああ、戒名か。

鈴:なぁ、戒名って別に死んでなくてもつけられるぞ?

扇:え? 死体にハク付けるためにコンピューターで決めるもんぢゃなかったのか?

鈴:そもそも戒名は、仏教に帰依したことを示す名前だ!!

扇:え~~~~~、死んだら仏教に帰依しないと駄目なの?
神も仏も信じない俺としては、すっげぇだ。

鈴:なに、だいじょうぶだって。
死んだらイヤだとかどうとか言えなくなるから(笑)

扇:話を戻して、と。
信憑性の薄い史書でも使わざるを得ないってのが、歴史ではあるがね。
歴史の教科書で当たり前のように教えられてることが、実は江戸時代の書物、場合によっちゃ創作物がベースだったりする時があるしなぁ。
以前、俺が記事にしたけど、宮本武蔵が最強の剣豪みたいにもてはやされてるのも、吉川英治の小説が元だったりするし。
当の作者は、飽くまであれは小説、と言いきってるのにねぇ……。

鈴:まー、歴史ってのはそういうもんだよなぁ。
そもそも、平安だの奈良だの、そのあたりの時代のものが100%完全な状態で伝わってるはずはないからな。
ただ、宮本武蔵のネタはなんだかなぁ、だな(笑)
さて、平安時代の書物の話の次は、「書記」か。
この項目の「編纂方針」というところの話は確かに納得できるところではある。
そもそも、この手の書物を作らせるときに、自分の都合の悪いことを書くわけがないからな。

扇:中国でもそうだが、正史ってのはプロパガンダに使われるのが当たり前だからな。
大友皇子と山部王だけが死んで、他の天智系皇族は朝廷に残った……とは言え、『書紀』の編者を率いたのが天武の子、完成時の元正天皇は天武の孫とあっては、殊更に反論もできなかったのではないか? と思えるな。
何かお互い、どっちかと言えば即位説賛成派か?

鈴:「書紀」はなぁ……。
成立の事情が事情だからなぁ。書けへんとこがあるのは仕方がない。
で、即位説賛成派……かどうかは、う~む……判官贔屓的には賛成派になるだろうなぁ。

扇:まー、大津皇子と並んで、悲惨な人ではあらぁね。
普通にいきゃ、順当に親父の後継ぐはずだったのが、叔父貴が喧嘩ふっかけてきたおかげで最後は自決だもんなぁ。
もっとも大海人にしてみりゃ、頭丸めて引っ込んだところでいずれ暗殺されるだろ~、って危機感はあったんだろうがね。

鈴:危機感ってのもなんだかなぁ。
まー、考えすぎと言えばそれまでだが、権力争いなんてのをしてれば、いらん勘ぐりをすると言うこともあろう。
……で、次の項目……のはずなんだが、もう話してんなぁ。

扇:だな……。
結論としては、大友が即位した後、大海人が反乱起こしてトップに立った、って方が自然だよね? ってことになるんだらう。

鈴:ん~、即位したかはどうかは別として、政務の中心的役割を果たすようになった大友皇子を邪魔に思って、ってってのはありだよなぁ。
このあたりは権力闘争の話としてはありがちだし。

扇:をい。
問題の争点は、即位したかしてないかなのに、それを別にするなよ。(呆)

鈴:!Σ( ̄□ ̄;)
……さ、さ~て、次の今週の一冊に行くかぁっ!!


『今週の一冊』


鈴:では、今週の一冊は~「必勝HOLIDAY」であります。
運動会、もしくは体育祭がメインの話です。

扇:蹴倒すぞ。
学校の「が」の字も出てこんだろうが、この話。
リテイクだ、リテイク!

鈴:じゃぁ、「日東HOLIDAY」であります。
紅茶会社の社長の休日に起きた出来事を綴るミステリ……。

扇:社長の休日は関係ねぇっ!
主役が違うだろ、主役がっ。
リメイクだ、リメイク!

鈴:……う~む……なんだったっけなぁ……あぁ、そうだ。
中学生かくらいの女のコだったな、主人公。
と言うわけで、母親の再婚でお金持ちにはなったものの、その後、母親が死亡、継母への対抗心から家出をし、さらには狂言誘拐まで企ててしまった女のコのお話、「失踪HOLIDAY」(原作:乙一、マンガ:清原紘)であります。

扇:SENLINN揃って小説版のレビューを書いてますので、詳しいストーリーはそちらをどうぞ。
……もしかして、終わった?

鈴:……お、終わらせないようにしやう。
とりあえず、絵柄とか、そのあたりのはどうなんだえ?
主人公のナオちゃんあたり、初手で見たときにはイメージ崩れなくてよかったけど。

扇:第898回で紹介した、「GOTH」漫画版も良かったけど、これもかなりいい移植でないかい?
陰影を強調した彫りの深い絵柄なのに、時折かますギャグが綺麗に決まってるし、ストーリーラインは全く変わってないのに、エリさんが異常なまでにパワーアップしてたり、お父さんがギャグ体質になってたりと漫画ならではの面白さも加味している。
お前さんも言ってる通り、この作品のキモである主人公のナオは、ビジュアル、性格共に、寸分違わずイメージそのまんまだし、敢えて文句を付ける所は特にないよね。

鈴:確かに、キャラのイメージはそのまま。
ストーリーも原作通りだし、変に変えてくれるよりはこっちのほうがよっぽどか楽しめるわなぁ。
途中、「ド○えもん」になったり、おまけマンガで「美内○ずえ」になったり、絵ならではの笑いが取れるところもあったりして、どっちかってぇと、こっちのほうが乙一の作品を初めて読むにはいいかもなぁ、とか思ったり。

扇:活字が好きか、漫画が好きかで、どちらを選んでもいい感じだぁね。
敢えて言うなら、漫画の性質上、顔を描かなければならないので、こっちのクニコは小説版ほどボケボケには見えなかった、ってのが、引っかかると言えば引っかかるかね。
もっとも、小説先に読んでて、彼女には裏の顔があることを知ってるこっちとしては、違和感はなかったがね……。

鈴:オススメしやすいのはマンガだが、小説は小説のよさがあるから、本読みならやっぱ小説のほうかの。
最初は使用人用のアパート(?)の階段から転げ落ちたりはしてたが、そのうち、けっこうしっかりして見えてたわなぁ。
ただ、メガネのフレームがレンズの上部分だけないように見えるから、その辺、絵柄によって妙に変に見えたけど(笑)
しかし、この話もだし、「GOTH」もだが、なんか変に改変されがちなマンガ化が多い中、いい絵師に描いてもらってるよなぁ、乙一。

扇:そだな、乙一ファンとしては、やはり原作をオススメしておきたい。
でも、漫画版だけの番外編ってかなり笑えるから、実はエピソード的にはこっちの方がお得感はあるかも。
つーか、エリさん素敵すぎです。(笑)

鈴:そーねー。
番外編のはいろいろと突っ込みどころ満載だし、ネタとしてもおもしろいからなぁ。
これのために買えとは言えんが、ファンなら見といて損はないかも(笑)
……って、せっかく真面目にやってきたのに最後の最後でキャラ萌えかよっ!!


to be continued……



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