つれづれ読書日記

SENとLINN、二人で更新中の書評ブログです。小説、漫画、新書などの感想を独断と偏見でつれづれと書いていきます。

北欧復讐譚……ではないよね(笑)

2008-01-31 18:50:07 | 木曜漫画劇場(白組)
さて、不定期復活まっしぐらな第942回は、

タイトル:ヴィンランド・サガ(1~5巻:以下続刊)
著者:幸村誠
出版社:講談社 アフタヌーン・コミックス

であります。

扇:先週、風邪で死んでたSENでーす。

鈴:やっぱり麻雀はCPUより対人だよねとしみじみ思うLINNで~す。

扇:俺が風邪で死兆星見てた間、何してやがった貴様ぁ~!

鈴:大昔にちょろっとだけやったことがあったオンライン麻雀の「天鳳」でときどき遊んでた(爆)

扇:暇人だったのか……。
俺はCOM戦の方が好きだがね、待ち時間ないから。

鈴:天鳳は「喰いアリ赤速」があって、東風戦あたりだとけっこう時間かかんないぞ。
最高持ち時間8秒だし。
まぁ、それでもCPU相手よりは遅いだろうが、なんかなぁ……。
携帯で麻雀やってると、どー考えてもウソくささが見えてくるから、対人のほうがおもしろいんだよなぁ。

扇:麻雀は性格出るからなぁ。
特にそういう、さっさと上がったもん勝ちなルールだと、いかにセコく立ち回るかを見るのは楽しいと言えば楽しい。
でもやっぱ、途中で退屈になるけどね、麻雀だから。

鈴:まーねー。
だから、東南戦なんてやらないし、そこまで長々と続けたりしないしなぁ。
でも実際、せこく立ち回るか、ってのは確かだな。
だいたい初手で満貫以上あがったりすると、そっからはトップ目の人間は早上がり一直線だったりするし(笑)

扇:つーか、親なら満貫ツモ一回で充分だわな。
後はひたすら逃げるだけ。(笑)
もっとも赤有りだから、交通事故一発で逆転なんて平気でありそうだがね。

鈴:交通事故ってもなぁ。
自分の風+赤+ドラなんてので、あっさり跳満直撃なんてのはザラだからなぁ(爆)
そういうののおかげで、トップ目だったのにあっさり逆転されて2位転落なんてことはけっこうあったけどな(爆)

扇:んで、あンた背中が煤けてるぜ、とか言われるわけだ。

鈴:誰が言うかっ!!
……でもいちおう、チャット機能があるから、仲間内で個室対戦とかやってると、言われてそうだなぁ(笑)
しかし、何が何でもそのセリフだけは言われたくないな。
とてつもなく腹が立つか、とてつもなく気が抜けるかどっちかだ(笑)

扇:とりあえず、クイタン+ドラ3+赤×2=ハネマン! とかで言われたら、キレるな。
まぁさすがに8秒ルールでは、「俺に時の刻みはない」とは言えないだろうが。
あー、こういう話してたらもう一度読みたくなってきたなぁ、あの史上最高の麻雀ギャグ漫画。

鈴:まぁ、確実にキレるな。それだけの役ならいいが、そのセリフがあるだけでなんか激しく腹が立つ(爆)
しかし、「煤けてる」ってセリフだけで、成り立ってるマンガってすごいよな。
だいたい、わかる人間ならその「煤けてる」だけですべてがわかってしまうからなぁ。
いちおう、麻雀と○○○な話を絡めてんだが、どー見てもあの主人公のキャラだけですべてがなんかOK!って感じだよな(笑)

扇:間違った意味で人を超越しちゃってるからな。
彼の電波ぶりに対抗できるのは、オカルト超特急なアカギ先生ぐらいのもんだろう。
格闘漫画で言うなら、さしずめ、江田島平八と範馬勇次郎ってとこだな。
(解る人にしか解りませんね、この話)

鈴:確かに、わかる人間にしかわからんな。
範馬勇次郎自体がわからん。
まー、江田島平八と較べるぐらいだから、だいたいのところは想像つくが(笑)

扇:まー、何とゆーか、作品に登場する他のキャラと強さを比べても無駄! って点では同じだ。
ところで、今日紹介する漫画絡みの話を全くしていないのだが……これで良かったのかなぁ。

鈴:まぁ、まったくしないのもいつものことだろう(笑)
でもそろそろきっちりと紹介しとくべきだろうな。
じゃぁ、ストーリー紹介よろしく。

扇:歴史物なので、解説大変なんだが……ま、掻い摘んで。
時は十一世紀初頭、後にヴァイキングと呼ばれる者達がヨーロッパ各地を荒らし回っていた時代。
略奪を繰り返す兵団に身を置く少年トルフィンは、今日も手柄を求めて戦場を疾駆していた。
彼の求める報酬はただ一つ、兵団の首領アシェラッドと決闘する権利。
卑劣な手段で父を殺した憎き男を、正式な決闘で殺す――それだけのためにトルフィンは戦い続ける……。

鈴:そーねー。
初手はそういう感じだが、なんか先に進むに従って……って感じだな。
まぁ、ストーリーは本を読んでもらうとして、キャラ紹介……の前にCMか。


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微妙にですが、新規作家増えてます。
初回からの総目録、作家一覧、どちらも継続更新中。
数は少ないですが、つれづれ号外専用の目録もあったりします。
ちなみに、姉妹サイト『閃鈴電脳遊戯館』は……すいません、更新止まってます。(爆)

御覧になりたい方は、最新記事の☆『目録へのショートカット』兼『総合案内板』、もしくはこちらから!


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扇:んでは、主人公のトルフィン。
幼少時は戦士に憧れるヤンチャ坊主だったが、現在はツリ目がトレードマークの凄腕の剣士。
自分のガキ臭い行動で、偉大過ぎる父トールズを死なせてしまった罪を背負っており、半ば八つ当たり的にアシェラッドの首を狙う。
もっとも、当のアシェラッドからはいいように利用されており、復讐のために付きまとっていると言うより、逞しく育ててもらっているという方が正しい。
素早い動きで相手を翻弄し、短剣で確実に急所を突くという小兵ならではの戦い方でかなりの強さを誇るが、戦争は嫌いらしく、バトルマニアを否定する発言もあったりする……でも、今のところ彼が平和に暮らせる日は当分こないと思われる。(爆)

煤:では、そのトルフィンが狙っているアシェラッドのおっちゃん(笑)
ヴァイキングの首領(「死ぬがよい」とは言わない)で、腕も立ち、戦略、戦術ともに首領として申し分ない伎倆を持つが、話の中ではけっこう悪役っぽい立ち回りを演じるひと。
ただし、ウェールズの関係で過去にいろいろあったり、ヴァイキングの首領をやりながらもぢつはヴァイキングのもとであるデーン人が大嫌いだったり、一桁のガキだった食い扶持を増やすだけだったトルフィンをそのまま仲間に加えて使ったりと、いろいろ味のある行動をするひと。
つーか、どー考えても、このアシェのおっちゃん、トルフィンかわいがってるよなぁ。
だいたいここまでトルフィンが強くなったのも、決闘だの何だの言ってトルフィンかまってる間に、腕を上げたとか、そういうのも想像できたりするし。
でもまぁ、このひとの魅力はやはり、悪役なんだけど悪役だけのひとではない、と言ったところだろうなぁ。

扇:アシェラッドは、今の所、副主人公みたいなもんだからなぁ……この先どうなるかは解らんが。
では、トルフィンの父で、アシェラッドの兵団に殺されたトールズ。
どう足掻いてもこの漫画最強の戦士で、素手で一隻の戦力を戦闘不能に追い込むほどの、理不尽な強さを誇る。
実は元ヨーム戦士団大隊長で、脱走して家族と共にアイスランドで隠遁生活を送っていたが、過去の手からは逃れられず、罠にかけられ、トルフィンを人質に取られて自ら死を受け入れた。
強く優しく、時に厳しく、という『理想の親父』を具現化したようなキャラクターで、死後もトルフィンの夢に度々登場し、重すぎる台詞を吐きまくって存在感をアピールし続けている。
余談だが、二巻でアシェラッドの部下達を手玉に取る戦いぶりはシャレになっていなかった……つーか強過ぎです、お父さん。

鈴:理不尽か……まぁ、武術をやってる人間から言わせると、まぁ、かなりの手練れならあれくらいは出来るだろうと思われる。……たぶん(爆)
まぁでも、ホントに強すぎ、親父。
えーっと、じゃぁ、その親父さんの血をかなり濃ゆく受け継いだ娘のユルヴァ。
お人好しの父、病弱な母、猪突猛進わがまま街道まっしぐらな弟(トルフィン)の間にあって、リアリスト街道まっしぐらに育ったある意味、本作の隠れ主人公。
さすがにデーン人の貴族系の娘らしく、美人。さらに働き者で鯨猟では一番銛をかますなど、すばらしい活躍を見せると言う、ときどきトルフィンよりも目立っているお姉さん。
でも、母親に優しくされて泣いてしまったりと、女の子らしいところがあったり、4コママンガでヴァイキングの血筋を感じさせる話があったりと、出番は少ないながら、存在感だけは他のキャラにまったく引けを取らない稀有なキャラである。

扇:ユルヴァ……本編ではほぼ出番なしなんだがなぁ。
では、三巻で登場してからこっち美味しいところを持って行きまくっているトルケル。
デンマーク側の人間でありながら、敵のイングランド軍が弱すぎて面白くないという理由で自軍を裏切った生粋のバトルマニア。
単純戦闘力はトールズに匹敵し、丸太を投げて船を沈めるわ、投げ槍で四人の兵士をまとめて突き殺すわ、突進してくる馬を素手で吹っ飛ばすわと、人類の企画を大きく無視した超絶パワーで暴れ回る。
もっとも、単なる猪武者ではなく、戦って死んだ者だけが天国に行けるという北欧ならではの信仰を忠実に守っており、戦うなら相手は強い方がいいというポリシーも持っている。
登場時からトルフィンとは因縁があり、激闘を繰り広げるが、今のところ決着は付いていない。
またしても余談だが、彼が投げる槍は、投げ槍と言うよりミサイルに近いと思うのは私だけ?(笑)

鈴:出番ねぇなぁ……ない割に、出てきたときにはかなり印象的でいい娘なんだよなぁ。
さておき、キャラ紹介的には、まぁ、こんなもんかねぇ。
あとは、いい味を出しているのと言えば、ヴィリバルド神父とか、顔キャラのひとり、クヌートというデンマークの王子とか、アシェラッドの副官のビョルンとか、いろいろといるのはいるが、まぁ、まだ5巻しか出ていない段階では紹介するには足りんかのぅ。
6巻まで出てれば、ビョルンは確実に紹介に値するキャラになってるはずだと思うんだがなぁ(笑)

扇:ビョルンは所々で良い味出してたりするんだけど、確かに見せ場はなかった感じかね。
ともあれ、銃登場以前の戦争ってこんな感じだったろうなぁ、と思わせてくれる、非常に秀逸な戦記漫画です。
二巻まではトルフィン個人が話の主体でしたが、三巻以降はデンマークとイングランドの戦いがメインとなり、その中で各キャラがどう動くかが結構楽しみ。

鈴:こっちとしては、ちょっと大局的な話になりそうで、個人絡みが蔑ろにされないか、ちと不安なところがあるかのぅ。
ただ、現在の話と、トルフィンが夢だったり思い出だったりする中で出てくる過去話など、現在と過去の話をうまい具合に見せてくれているのは確か。
青年マンガなんて滅多に読まねぇし、歴史ものなんて、まず手に取るこたぁねぇが、単なる復讐ものになりそうもない気配はあるし、いろいろと先のことを想像すると楽しいし、これは新刊で買っても損のない……つーか、新刊で買って、惜しくなかった作品ではあるな。

扇:うーん、トルフィンが主役として影が薄くなる可能性は高いね。
トルフィン個人の復讐よりも、アシェラッドの目的の方がこの先の展開では重要になるし、描かれる戦いも小規模な小競り合いから大規模戦闘に移行するだろうから、所詮一兵士でしかないトルフィンの影響なんて知れてるし……クヌート絡みでイベント起こすことになるんだろうけど、どう処理するか、期待半分不安半分ってとこだね。
ともあれ、超能力バリバリのバトル漫画に食傷気味な方にはかなりオススメです。
一応歴史物にはなるのでしょうが、知らなくても全く問題ないぐらい面白いので、試しにふらっと拾ってみて下さい――ザコ兵士が死にまくる画面に引かなければ楽しく読めます。(笑)
では、最近当たり多いなぁと思いつつ、今日はこのへんで、さようなぁ~

鈴:期待半分不安半分ってぇのは賛成だね。
どういうふうにこの話を進め、処理してくれるのか、見物ではあるが、こけるときつそうだな。5巻分の金返せとか言いたくなる可能性もある(笑)
でも、そういうところを抜きにして、5巻までの話を見るかぎり、歴史ものなんてまずもって手に取らない私でさえも、これはOKってくらいのものなので、手を出すのはいまのうちです(爆)
と言うわけで、やはり木劇は、当たりあってナンボだよなぁと思いつつ、この辺でお開きであります。
ではでは、再見~♪

うろ覚え真っ最中

2008-01-27 00:41:54 | 恋愛小説
さて、昔読んだのを記事のするのは初めてだなぁの第941回は、

タイトル:e・tude―由梨香・思春譜
著者:吉岡平
出版社:富士見書房(初版:'88)

であります。

えー、昔読みました。
つーか、何年前だ? ってくらい昔で、いまでは絶版になっている文庫です。
ちなみに、知っているとは、ピンッと来るかもしれませんが、一部ではかなり有名な「くりぃむレモン」というアダルトアニメシリーズの中の作品のひとつで、その小説版です。

ストーリーは、
『由梨香は、外交官の父、ピアニストの母の間に生まれ、幼いころから外国で育った帰国子女だった。
母とおなじようにピアノを習っていたが、性格はおとなしいふつうの少女で、日本に戻ってきてからは転入した高校で仲のよい友人も出来、平穏な日々を送っていた。

そんな中、友人のひとりがはまっているインディーズのバンドのメンバーである亮に惹かれる由梨香。
だが、ふたりの関係はもともと心臓に持病があり、そのことを由梨香の父から知らされた亮が由梨香から離れていってしまう、と言う現実を招いてしまう。

その哀しみを癒すべく、友人たちとともに出かけた海辺の別荘で由梨香たちは別荘にあったピアノを調律するために呼んだ調律師、圭吾に出会う。
音大生なのに休学し、稼業のピアノ店を継ぐために調律師として働く圭吾は、しかし独特の感性を持つ優れたピアニストであった。
亮のときとおなじように、友人が惹かれていたおなじ相手……圭吾に惹かれていく由梨香。

友人の豹変、圭吾のピアニストとしての力……様々な経験を経て、圭吾とおなじコンクールへ出場することになった由梨香は……』

えー、とてつもなく懐かしい作品……というと年齢がバレるか……(笑)

しかし、うろ覚えながらこの作品、かなり印象的な作品で手元に本がないながら、ほとんど思い出せます。
まず、アニメ版のこの作品、2巻に分けられているが、アニメ版と小説版では結末がまったく違う、と言うこと。
アニメ版では、亮との恋に終止符を打たざるを得なくなった由梨香は、従弟で年下の少年との恋愛に活路(?)を見出すことになる。

だが、小説版では著者の吉岡平があとがきで書いているように、安易に流されてしまったアニメ版を反省し、今度はしっかりと主人公である由梨香の成長物語として、ごくごくふつうの物語になっている。

それが圭吾との出会いであり、コンクールの話につながるわけだが……。
「くりぃむレモン」というとアダルトアニメの金字塔、美少女系アニメの先駆けとして極めて有名なのだが、はっきり言って、いま考えるとこの程度……というか、これをアダルト=18禁で出していたのが不思議なくらい真面目な話だね。

確かに、心臓病をおして亮と結ばれることを選んだことや、ピアニストとして惹かれあい、圭吾と身体を重ねると言う描写そのものは18禁と言えなくもないが、いまどきのラノベ(酷評したROOM NO.1301など)から見れば、まぁかわいいもの。
実際、初めて惹かれあい、破瓜を経験した亮、成長物語として必要だった圭吾との同衾、など、物語として不必要なものか、と言うとそうは言えない。
由梨香がピアニストとして成長するために必要な要素としてそういうシーンが描かれていて、無理がない。

ラストのほうでも、由梨香の母が、コンクールでおなじピアニストとして、少女から「女性」に成長した音だと評したのも、そうした経験を経て、由梨香が女性としてもピアニストとしても成長したのだ、と言うことをきちんと表現し、単にアダルトなだけの小説とは一線を画すもの、と言えるだろう。

ただ、いままでさんざんいろんな作品を読んできた経験から総評をするのであれば、上記にも書いたように、主人公である由梨香のふつうの成長物語としか言いようがない。
とは言え、アダルトアニメベースながらそこまで激しくはないし、成長物語としてはごくふつう。
いまでは絶版で手に入りにくい、と言うところがネックではあるけれど、もし手に入れられることがあれば、元ネタがなんであれ、手にするには安心な作品であると言えよう。

と言うわけで、総評は及第。
入手のしにくさ、ありきたりな物語の展開、ストーリー、と言う意味ではこのあたりが妥当ではないかと思う。
(著者注:この時点ですでにビール2リットル以上は消費しています(爆))

音読みで読むとなんだかなぁだよね

2008-01-24 02:09:09 | おしゃべり
さて、第940回であります。


鈴:長かった車のローンが終わってちぃと財政難が解消されたLINNで~す。

扇:その車が今壊れたらどんな顔するのかなぁ? とか期待してるSENでーす。

鈴:壊れ方によるな。
ただ、しばらく放心するには違いない。
そもそもいま新車じゃぁ売ってない車だからな。

扇:じゃあ、破壊しよう。(ノリノリ)
新車じゃ売ってない? ああ、時代に逆行してるロータリーエンジンだからか。

鈴:すんなっっ!!!
逆行ってな……RX-8売ってるぞ、そもそも。
それに、水素ロータリーエンジンもあるし。
まぁ、ちょっと……いや、だいぶ……ん? かなり他の自動車メーカーと環境対応が違った方向性だけど(爆)

扇:違った方向性って言うより、ここしか作ってないって話だと思うんだが?
まぁ、私も一応元広島県民だから、あまり地元の会社にツッコミは入れたくないけどね。
でも、時代には逆行してるよね、燃費悪すぎだし。

鈴:自動車用エンジンとしてはMAZDAだけだわなぁ。
だが、レシプロにはないいいところはたくさんあるっ!
燃費が少しくらい悪かろうが、いいところはあるったらあるんだっ!!

扇:でも、マイナス面の方がでかいだろ?
さー、頃も良いので、爽やかに次のコーナーへ参りましょう。

鈴:そんなことはないっ!!はず……(爆)
だがまぁ、あんまり続けると墓穴を掘りそうなので次行くか。


『Wikipediaに聞け!』


鈴:では、今週のWikiですが、中国史上……というか、義務教育をやっていたら知らないはずがない、と言う極めて有名なあの校庭……もとい、皇帝……と言えば!!

扇:亜皇帝ですね。

鈴:いるかっ! そんなヤツ!!
……でもなんかいそうだな……。あいうえお、全部当てはめてもいそうでなんかイヤだな(笑)
……じゃなくて、「あ」はあいうえおで五十音の始まりで、最初のほれ、あれがいただろう!

扇:あ~、えー……初皇帝?

鈴:惜しいっ!!
野々村真的ボケでかなりいい感じだが、もうちょいっ!!

扇:ああ解った、死皇帝だな?

鈴:そりゃもう死んでるけどよ……。
つか、なんか不吉やぞ、その名前の皇帝がいたら。
まぁだが、ここまで来ればOKだろう。
と言うわけで、今回のWikiネタは「政」です。

扇:間違ってないけど、それは一般的ではなかろう。(笑)
と言うわけで今回のネタは、「HERO」という金だけかけた映画にも登場した「始皇帝」です。
ぶっちゃけさぁ、この人って本当にいたの?(爆弾発言)

鈴:またなんか微妙にマイナーなネタで毒吐いてんな。
しかし、その最後の一言はある意味、言ってはいかんやろ。
いちおう「史記」に載ってることだし、「史記」もいちおう事実……伝聞も多いか……う~む、なんか微妙に怪しさ満点な感じがしてくるではないか。

扇:まぁ、史記しか資料がないことは、敢えて触れないことにして……。
WIKIの最初に書いてある、出生疑惑の話は有名だよね。
つーか権力者って、お手つきしちゃってる奴多いから、こういう話は大抵転がってるわな。

鈴:あえて、って思いっきり書いてんじゃねぇかっ!!
まぁだが、話を先に進めるためにも触れないほうがいいけどな。
しかし、出生疑惑って有名なのか?
相棒が歴史に詳しいのは知ってるが、ふつうの勉強しかしてきてない人間にはそう有名な感じはせんがなぁ。
まぁ、ただ権力者がいろいろってだけはかな~り納得だけど。

扇:結構有名な話だと思うんだがなぁ。
俺も詳しいって言う程詳しくないぜ、史記原書で読んだりとかしてねーし。
出生疑惑もそうなんだが、容貌に関する記述もかなりきてるね。(以下WIKIより引用)

――鼻が高く、目が長く、声はヤマイヌの如くで、恩愛の情に欠け、虎狼のように残忍な心の持ち主。

なんつーか……秦の後に政権握った漢としては、イメージダウン狙うのは当然っちゃ当然なんだけどさ……にしても凄い言われようやね。

鈴:原書で読めたらいまごろ大学で働いとるレベルやて。
しかし、その容貌ってところはすごいわなぁ。
董卓もなんかすごい描写にされ方してたけど、ここまで酷くはなかった気がするし。
しかし、鼻高で目が長いって……天狗か?(笑)

扇:天狗……凄まじく露出度の高い女忍者が出てくるゲームのラスボスか?
まぁ、ちょっと目線を変えて考えてみると、中国では、凄いことをやらかす奴ってのは特異な容貌してるって考え方があるんじゃないか、とか思ったりもするけどね。
三国志演義で正義の味方っぽい役回りを与えられた劉備も、耳の形状が凄かったらしいし。

鈴:なんだ、そのゲームは……。
まぁだが、その耳の形状とかは、昔見たマンガでなんかあった気がするのぅ。
耳がすごいというのを、誰かが董卓なんかもっとすごいんだぜ、とか言って、そのまんま絵にしてたのがあったなぁ……。
だが、特異と言っても、酷すぎだろう、中国の場合。
確か董卓なんか腕が膝くらいまであるとか、そういうふうに描かれてたはずだぞ。

扇:格闘ゲームとしてかなり出来がいいんだが、世間一般の評価は揺れゲー止まりなんだよなぁ……ホールドのダメージがちと激しすぎる感はあるものの、やはり2が一番面白かった……プレステパッドさえつなげれば3も2と殆ど同じ感覚でプレイできるから、やっぱ2やり込むのがオススメだね……ん? 何か言ったか?

鈴:あぁ、揺れゲーね……あれのことか……。
まぁ、あれは……別の意味でかな~り人気が出たゲームではあるわな。ビーチバレーとかあったし(笑)
だが、なんか妙な方向に話が行ってるから、これ以上逸れる前に次のネタに行っとくほうがよかろう。

扇:女性社員に総スカン喰らった企画はどーでもえーねん。
2は純粋に遊んでて面白かったから、良いのだっ!
まー……何とゆーか……3の異常に作り込んでた衣装は嫌いじゃないが。
特に×イファンのチャイナドレスの金糸なんて、完璧だったもんなぁ……。
ん? 始皇帝どこいった?

鈴:そのネタを振ったてめぇがそれを言うなぁっ!!
ったく、なんか話が逸れまくってるから、次行くべ。


『今週の一冊』


鈴:と言うわけで、今週の一冊でございます。
今週は、傲岸不遜、自意識過剰の浮気性、なのに恐妻家というかの有名な作曲家リヒャルト・ワーグナー原作をマンガにした「ニーベルングの指環」(著者:あずみ椋)であります。

扇:原作を御存知ない方のために補足しておくと、『ニーベルングの指環』とは、ワーグナーが二十六年の歳月をかけて作曲した超大作オペラ(自信家のワーグナーはオペラと呼ばずに楽劇と呼んだ)です。
北欧神話を下敷きにした複雑なストーリー、ぶっ通しで演じると十五時間以上かかる異常な長さ、ワーグナー専用に作られたバイロイト祝祭劇場のこけら落としで上演されたものの大コケをかました(笑)等々、とにかく話題に事欠かない作品だったりもします。
ちなみに、日本では第一夜『ワルキューレ』で使われている曲「ワルキューレの騎行」が特に有名。

鈴:あー、そうね、「ワルキューレの奇行」……じゃなくて「騎行」は有名やねぇ。
でも、ワーグナーが作ったとは思えないほど、北欧神話に題材を取った話としては、ふつうの西洋ファンタジーだぁやねぇ。

扇:まぁ、神々絡みのエピソードはエッダあたりから持ってきてるし、人間同士の争いの筋は某『ニーベルンゲンの歌』と殆ど同じだったりするからねぇ。
敢えて入れてない話と言えば、神々と巨人族が大喧嘩かますラグナログぐらいのもんだし。
ちなみに、細かいストーリーについては過去記事を参照して下さい。
で、コミック版の方に話を移すけど、よくもまぁ文庫二冊分にまとめたわな。
オリジナル要素として、ローゲを案内役にしたのもかなり上手くいってると思う。

鈴:まとめた……う~ん、まぁ、ラストのあたりはちと急ぎすぎって感じがないではないが、原作が15時間以上もあるものにしては、きっちりと描いてて、むしろ15時間以上を考えると、こっちのほうが100%以上、マシ?
いくら有名な音楽がついてたとしても、どういう話かってのを見る限りでは、ゼッタイにこっちを読むことをオススメするね。
絵を描いてるひとも、もともとは少女マンガ系だとは思うが、あくまで少女マンガっぽい感じで、男性にも拒否反応はない絵柄だから、どういう話なのか知りたいひとにとってはいい作品だろうね。
しかも上下巻で短いから手に取りやすいし。

扇:まぁ、確かにラストらへんはなぁ。
ジークフリードとブリュンヒルデに関しては前章から続けて登場だからまだいいが、ハーラン以外の新キャラって、あんた誰よ? って感じでいきなり出てきて、気付いたら破滅してたからな。(爆)
もっとも、あっこらへんの前後関係って、詳しく描いたところで退屈だろうから、あれはあれで良かったような気もするけどね。
んじゃ、それ以外のキャラに期待できるかって言うと……一押しのローゲはもう出番なしだし、ジークフリードに正面対決で完敗した某主神なんて、破滅が来るまで椅子座ってるだけだし、わざわざページ裂くだけの面白エピソードがないのだよね……原作では一番長い章だったりするが。(笑)

鈴:まー、あの某主神はなぁ……。
世界を支配するルーンを書いたのを、あっさりと、血筋とは言え、斬られるのってのはどうよ!? って気はしたがな(笑)
だが、ラストはもうちょっとどうにかしてほしかった気はあるがな。
だいたい、指環を巡る話のはずが、ラストはあっさりブリュンヒルデが手に入れて、「あたしと一緒に死にましょう」状態で、周囲の連中、何もせず、ってのがちといまいちだが、まぁ、そういうラストを除けば、きっちりと文庫2巻サイズでまとめてはいるとは思うけどね。

扇:筋は原作通りなんで、余分な贅肉を取ったらこうなった……と思いたいがね。
原作の長さで言うと、ジークとヒルデの××~ヒルデ誘拐劇までが二時間、ダブル結婚式~ジーク殺害計画までが70分、ラインの乙女出現~全部燃えておしまい! までが80分だから、退屈な前半部に比べて、クライマックスってかなり駆け足だったりするしね、

鈴:う~ん、そういうふうに書いてみると、あのラストはそのまんまって感じではあるなぁ。
となると、著者のうんたらと言うより、ナルシストで自信家のワーグナーの作りが粗悪だったってことだぁねぇ(皮肉?)
まぁ、もともと作曲家だから物語作るのは畑違いってことにしとこうかねぇ。
(これでオレは完璧だ、なんて思ってたらワーグナーってホント、天才と何とかは紙一重、の紙一重を物語り作りに関しては下回ってたんだなぁ、って気がすんね(笑))

扇:粗悪って言うな。
通して見たことないくせに、そういうことを言ってはいかんぞ。
上演時間と内容を比較して、いかにも道中ダレそうだな、と感じても、実際見るまでそういうことを言ってはいかんのだ!
――ま、俺は遠慮したいがね。

鈴:通してって、遠慮すんかいっ!!
まぁ、私も遠慮したいがな。
だが、そういう本物は遠慮したいくらいなので、これくらいのマンガでさっくりと読めるのはかなりよいとは思うがね。
つーか、最近、私的なネタがないので、相棒オススメが多いのだが、けっこうこれがヒットしてるんだよねぇ。
なかなか見つけにくいのは玉に瑕だが、どういう物語なのかってのを知るのには適してる作品ではあろう。

扇:あー、確かに、お互いに漫画を薦めて当たりが続くってのはかなり珍しいな。
お前さんが薦める作品って、ベタベタ全開で全身が痒くなるか、甘過ぎて毒吐きたくなる漫画が多いからなァ……『花の名前』は良かったが。
で、話を戻して、原作の筋を壊すことなく、上手いことコンパクトに普通のファンタジー漫画としてまとめている良作です。
絵の水準も高いので、『ニーベルングの指輪』好きな人はもちろん、全く知らない人にもオススメ。
てなわけで、何か当たりが続いてて良い感じの「今週の一冊」はこれにて終了です。
では、また来週の一冊でお会いしましょう。さようなら~

鈴:なに、さぶいぼ症候群の相棒を矯正しようと頑張ってる証左ではないか(笑)
だが、実際にこのマンガ自体は有名だがどういう話か知らない、ってひとにはかなりオススメだぁね。
何回も言うが、ラストが急ぎすぎな感はあるけど、それでも十分どういう話かわかるし、絵柄も少女マンガすぎずに見れる範囲だし、興味のあるひとにとってはかなり楽しめる作品でしょう。
ただし、私は大手書店を探しまくり、なんか期待してなかった古本屋で見つけた、ってくらいの代物なので、読みたい! ってひとはふつうの本屋、古本屋ともに気合い入れて探してください。
と言うわけで、今回の一冊はこれにて閉幕であります。
それでは、なんか木曜劇場っぽいのが最近の流行かもしれないなぁと思いつつ、この辺でお開きであります。
では、さよ~ぉな~ぁら~ぁ


to be continued……



――【つれづれナビ!】――
 ◆ 『ニーベルングの指輪』のまとめページへ
 ◇ 『コミックス一覧表(紅組)』へ
 ◆ 『つれづれ総合案内所』へ

たまにはこういうのもありってことで……

2008-01-20 15:20:04 | その他
さて、一応商業ベースの本だからいいよねの第939回は、

タイトル:東方求聞史紀 Perfect Memento in Strict Sense.
著者:ZUN
出版社:一迅社(初版:'06)

であります。

あぁ、とうとうこれを出す事態になってしまった……。
はっきり言って、趣味です。
100%、趣味のための本です。

ストーリーは……ってないのよ~(爆)
これはとあるものの設定資料集+読み物要素が入った本なのです。

そのとあるもの、と言うのは同人で発表され、同人の世界では絶大な人気を誇る「東方Project」と言うシューティングゲームシリーズ。
NECのPC-9801のころからあったシューティングで、Windowsになってから現在で都合10作発表されている。
そうしたたくさんの作品の中での世界観「幻想郷」を舞台に、稗田阿求と言う記憶能力を持って転生する少女が、幻想郷のことをまとめた、と言う体裁で書いた「幻想郷縁起」が本書。

内容は、
「妖怪図鑑」
設定上、現世界と結界で隔離され、江戸時代くらいのイメージの幻想郷に登場する妖怪……と言っても、妖精やら幽霊やらなんやらと、Windows版以降で最新作以前に登場した人間以外の存在の特徴やらが書かれている。
また、ゲーム以外にも僅かに商業ベースで描かれている妖怪などもいたりする。

「英雄伝」
こちらは妖怪ではなく、妖怪図鑑同様、Windows版以降の主人公など、人間のほうの紹介。
ゲーム上のストーリーに関わった話などもあったりと、けっこう詳細。

「危険地域案内」
幻想郷に存在する地名を紹介した章。
「人間の里」とか、「三途の川」とか、危険地域なのか? ってところがあったりするが、基本的に妖怪が跋扈する世界なのでたいていが危険地域(笑)

「独白」
これは幻想郷縁起の著者である稗田阿求が、この縁起をまとめるに当たっての考えなどを綴った部分。

「未解決資料」
これはタイトルどおり、稗田阿求が資料として不完全なため、まとめきれていないものをとりあえず収録した章。

以上の5章に渡る設定資料集のようなものだが、最新作以外(最新作は'07発売なので)の妖怪、人物などが網羅されている。
また、設定と言いながらも基本的に稗田阿求が読み物として執筆していると言う体裁を採っているので読み物としてもおもしろい。

他にも下段に注釈があるのだが、注釈と言うよりはツッコミだったりと、くすっと笑えるところも随所にあり、ゲームをやったことがあるひとにとっては、かなりオススメできる本と言える。

……と言うことは逆に言えば、知らないひとにとってはこれほどどうでもいい本はないのかもしれない。
と言うか、設定資料集なんてものは、その作品を知っていなければそもそも買やしねぇわな(爆)
画集だってそうだし。

てなわけで、Windows版以降のすべてを持っていて、このゲームが大好きな私としては二重丸のオススメをつけたいところではあるし、読み物としても十分おもしろい内容となっているけれど、結局ひとを選ぶ、と言う点はネック。
となると、総評としては当然、及第止まり。

でも、このゲーム、音楽はいいし、シューティングが苦手なひとにも配慮した間口の広い難易度選択が出来たりと、シューティングゲームとして極めてレベルの高い作品ではあるので、ゲーム好きなひとにはちょっと手にしてみるのはいいと思う。
ZUN氏のホームページ「上海アリス幻樂団」には体験版もあるしね。

打ち切り……?

2008-01-17 20:17:52 | おしゃべり
さて、第938回であります。


扇:相変わらずフリゲ三昧のSENでーす。

鈴:相変わらずサモンナイト2のレベルアップに勤しんでるLINNで~す。

扇:と、ゆーわけで今週のオススメは――。

鈴:第932回とおなじことをするなっ!!
ここはゲーム紹介所ではぬぁいぞ。
さんざんゲームネタはやってるが(爆)

扇:豪腕はりー様『ベルゼブル』です。
これは凄ぇよ、何が凄いってテキスト量が半端ぢゃねぇ!
中世ファンタジー風の世界を舞台に、ちょっとした超能力ぽいものを身に付けた能力者集団『ケアトーカーズ』が、呪われた秘法・クリスタルを巡る事件に挑む、結構ガチなミステリ。
もっとも、単なるミステリでこれだけ文章量多いとダレるんですが、登場人物達の個性と、ノリが良すぎる会話、主人公の少女のヘタレっぷりで強引に最終ステージまで一気に読ませてくれます。
フリゲアドベンチャーは二十作近くやったけど、今のとここれが一番面白かったかな。

鈴:アドベンチャー嫌いだからなぁ、私は。
しかも長い、って余計にきつい。
……う~む、けっこうRPG系だと長く……つか、レベル上げに血道を上げていても気にはならんのに、アドベンチャーってだけでなんか拒否反応出んなぁ。
前にネタにした「鴉の断音符」くらい短ければ、まだやる気にはならんでもない……つか、ゲームネタはええっちゅうねんっっ!!!

扇:あー、『鴉の断音符』読んだんだっけ?
あれが面白かったなら、同じ方が書いた『聖剣グランセイバー』もオススメだぞ。
何がオススメって、三分で読み終わる。(笑)

鈴:まだ読んでないな。
しかし、その「聖剣グランセイバー」だが……ホントにその3行書く間に読み終わったわ。
本気で読むのが早い人間だと、3分。readmeにあるとおり「カップラーメンのお供」だな、まぢで。

扇:って、もう読んだんかい。(爆)
ま、実際、あの長さだとそのぐらいだろう。
とりあえず、世界で最も短い英雄譚なのは間違いないな、うむ。

鈴:……なんか否定したい気がするんだが……まぁ、すると延々と続いてしまいそうだから次に行くか。


『振り返れば目録』


扇:というわけで、今週のフリ黙ですが、「2006年6月」の記事を振り返ってみたいと思います。

鈴:黙るフリってのは単に黙ってるだけじゃないのか?(笑)
……さておき、最初は○の作品からだな。
小池真理子の「水無月の墓」があるが……あえてこっちにしよう。
白き狩人(著者:渡辺淳一)かな。
男性作家が描く恋愛ものだったが、男性作家にしては読める作品だった、ってのが意外だったなぁ。
どうしてもこの手のどろどろ系は女性のほうがうまいと思ってるから、これっぽっちも期待してなかったぶん、印象的ではあった。

扇:えーと……すまん、記憶にないわその記事。(爆)
特に絶賛してた記憶がないんだが……どっちかと言えば、『水無月の墓』の方が評価高くなかった?
一方、俺の方は――やべぇ、○が『ニーベルングの指輪』と『コンピューターの熱い罠』の二つしかねぇ。(爆)
いつもなら迷わず岡嶋二人を選ぶとこだが、この二つを比べるとニーベルングの指輪かね。
原作の歌劇を知らない方でも、通してストーリーが解るようになってるし、絵もそこそこ綺麗なのでオススメの漫画だ。

鈴:うむ、評価そのものは「水無月の墓」のほうがよいが、久々の男性作家のヒットってことで印象に残ってるってとこだなぁ。
しかし……、たったふたつか……。
しかも見てみると、ほとんど×になってんなぁ。よっぽどこの月はハズレ月だったと言うことか。
こっちはけっこう○なのが多いんだよなぁ。まぁ、いま読み返してみると、○じゃなくて△だったな、ってのはけっこうあるが。

扇:ここらへんの評価は、今だとそこそこ変わってるだろうなぁ。
もっとも――×はいつまで経っても×のまんまだがね。(毒)
で、その×はどれを選ぶのかね。俺は多すぎて困ってるが。(爆)

鈴:まったく否定できんな……。
さて、×かぁ……「天使の事典 KNOW YOUR ANGELS バビロニアから現代まで」か「ダンボールハウスガール」……このどっちかだが……う~む、「天使の事典~」は単に節操なしってのがいまいち気に入らんかったところが大きいから、やはりダンボールハウスガールだな。
つか、「駄作」って思いっきり書いてるわ(爆)

扇:お前さんの評価見る限り、確かに駄作って感じだな。
主人公が最初に転落するとこだけは同情の余地があるんだが、後が悪すぎる。
で、こっちの×か……ふふふ……多すぎて悩むなぁ……はっはっはっはっ。
冒険の国』、『からくりからくさ』、『ミステリアス学園』、どれもこれも腐りまくってて、けなしだしたらキリがないのですが――やっぱ、クロノス・ジョウンターの伝説が群を抜いてステキです、もちろん黒い意味で。
いや~、自分で作った箱庭の中で酔いまくれる作家って、本当っに痛いですね。(毒毒)

鈴:「クロノス・ジョウンターの伝説」……いわゆるカジシンだな。
それにしても、ホンットに毒やなぁ。記事読んでも毒だし(笑)
しかし、このひとの作品は私も1冊読んだが、赤デカ文字見るだけでなんか笑ってまうな。
まぁ、こっちの場合、箱庭で酔ってるわけじゃなくて創造主として出張っててかなり痛かったんだが(笑)

扇:カジシンは……二人で別々に致命傷を負ったな、希有な話だ。
創造主が出張ってどーのこーのってのは悪酔いの最たるもんだから、お前の方が痛そうだが。
ちなみに、上に挙げた『ミステリアス学園』も似たよーなところがある……かなり死ねた。
いつもならここでさらに毒を吐くとこなんだが、言いたいことは記事で言っちゃってるので、次のコーナーに移るかねぇ。

鈴:そうね。
あんまり毒吐きまくるのもなんだし、今週の一冊に移るか。


『今週の一冊』


扇:というわけで今週の一冊は、『DEAD SPACE』(作者:SUEZEN)です。
密閉された空間での仁義なき殺し合いを描く、とっても御子様にオススメなバイオレンス巨編です。

鈴:バイオレンスのどこがいったいお子様向けなんだっっ!!!
ったく、素直にタイトル言ったと思ったら、思いっきり内容を歪曲しおって。
まぁ、タイトル見ると、そう見えんこともないが。
だがまぁ、とりあえず、ストーリー紹介やりなおしっ!(久々)

扇:えー……ストーリー紹介なんですが、以前、私が記事にしてるのでそちらを参照して下さい。
敢えて付け加えるとしたら、この作品、確実に18禁です、色んな意味で。(笑)

鈴:……ほんとうに18禁だなぁ。
だいたい初手から○○だし、章がいろいろと変わっても時代が時代だとは言え、○○とか、○○とか、いろいろとやばすぎて伏せ字にするしかないってネタが転がりまくってるからなぁ。
だが、それにしても、このSUEZENさんは、絵もけっこう独特だし、カラー絵なんかけっこう……どころか、色遣いはかなり好みだったので、好きだったんだけど、まさかこんな話を描けるなんて思いもしなかったな。

扇:マリンカラーの頃から読んでるけど、話作るの上手いね。
絵専門の人が漫画に戦場を移すと大抵こけるんだが、この方は例外。
まー、絵に関しては……破裏拳ポリマー描いてた人とは思えねぇよな。
いや、優しい感じの絵とキリッとした絵、どっちも描けてしかも上手いんだけどね。

鈴:そうねぇ。
あの独特のデフォルメキャラの絵と、ふつうにシリアスな感じの絵、両方ともふつうにうまいからなぁ。
だいたい、このマンガだとその両方が遺憾なく発揮されてるとは思うがね。
そもそも、あの標本の絵と主人公の紅絹ちゃんの絵なんか、かなりギャップがあるように見えるもんなぁ。
まぁ、それくらい描き分けがきっちり出来てるってことなんだろうが。
……絵心なんざぁ、1ミリたりともない人間にとっちゃぁ、羨ましいかぎりだがな(爆)

扇:猟奇シーンとギャグシーンの絵は、かなり違うよね。
それでも同じ人の絵だって解るのは凄いけどさ。
って、絵の話が続きそうなんで軌道修正するが、ストーリーはどうかね?
エ×グ×全開でヒロインがぶっ飛んだ性格という素晴らしい話だと私は思っているのだが。(笑)

鈴:素晴らしいかどうかは別としてだな……。
ただ、言うとおり、エ○グ○で、けっこうやう゛ぁいネタとか扱ってる割には、けっこうネタ的にも時代の関係で納得できる話があったり、グ○ってる割には、絵柄のこともあって、あっさりと読めたりと意外だったねぇ。
表紙絵なんかはけっこうシリアスな感じで、タイトルとも相俟ってなかなかシリアスなものを想像してしまいそうだが、オチをギャグですませて笑わせてくれたりと、アニメーター出身にしては、作り方はうまいよな。

扇:そう、どっからどう読んでもヤヴァイネタばっかり扱ってるんだが、物語的に破綻してないどころか、むしろ自然な感じなんだよねぇ。
現代幽霊譚、座敷童の謎、女郎の恋、神隠しの暗部、さとりの話等々、純粋なホラーから民俗学ミステリーまで、日本らしいちょっと怖い物語が目白押しなので、どれが一番好きかと聞かれるとかなり悩むとこなんだが、個人的にはやっぱ神隠しかね。
つーか……冗談になってないからな、色んな意味で。

鈴:まぁ、確かに冗談にはなってないよなぁ、この話。
このひとの絵のおかげってのはかなりでかい。
とは言え、そういうグ○系が苦手な人間でも、最初の1話2話はさておき、デフォルメキャラの絵柄は明るいし、オチもけっこう明るい感じで終わってるし、女郎の恋あたりなんか、実際は重いんだが、そういった暗さを感じさせないところがある。
私はこの手のグ○系の話は、はっきり言って大嫌いなんだが、これはふつうに読めたな。

扇:あー、お前さんがグ×嫌いだってのはよく知ってるよ、だから勧めたんだ。(笑)
でも実際、グ×の間に上手いことギャグを挟んで暗さを押さえてあるのはミソだな。じゃないと暗いだけの話になる。
もっとも、ギャグの大半はエ×ネタだったりするから、御子様の手の届かない所に置かないと駄目な漫画なのは変わりないけどね。

鈴:だったらススめんなよっ!!
まぁでも、エ○グ○とは言え、わりかし、まともなマンガだったし、ホラーっぽいところもありながらも、夜中に読んでも別に怖いとも思わない絵柄だったし、これは意外に私みたいにそういうのが苦手な人間でも読める作品ではあろう。
確かに、「お子様の手の届かないところに置いてください」って注意書きだけは必要だとは思うがな(笑)

扇:というわけで、LINN君のオススメも頂いたことですし、スプラッタ、ホラー、サスペンス、エ×が嫌いな方、是否読んで苦手意識を払拭して下さい。
綺麗な絵柄と絶妙なギャグで、年齢制限だけ取っ払ってしまえば、どなたにでもオススメできる隠れた傑作です……ハッハッハッハッ。
つーかマジな話、マイナーで埋もれさせておくには惜しい作品なので、興味を持たれた方は必死で古本屋を探してみて下さい。
ちなみに二巻は余程出回ってないのか、アマゾンでプレミア付いてたりします。(笑)
では、二週連続で手放しの賛辞を送りつつ、さよーならー

鈴:払拭ってなぁ……。
まぁでも、苦手な人間も読める作品というところはウソではないので、SUEZENの絵柄が好きで、でもエ○グ○だからなぁ、ってひとでも十分OKです。
つーか、元アニメーターという絵を描くことが仕事、ってひとの作品にしては、まぁアラはあるものの、十分読ませてくれる作品でしょう。
つか、アニメーターでこれだけ描ければ、その辺の青年マンガの新人よりはかなりレベル高。
と言うわけで、苦手ジャンルながらけっこう褒めてんなぁ、と思いつつも、今週の木曜劇場……じゃぁなかったな。
カテゴリ「おしゃべり」の時間は終了でございます。
ではでは、この辺で、再見~♪


to be continued……

注意報発令中

2008-01-13 14:01:03 | ファンタジー(異世界)
さて、今回は早いぞの第937回は、

タイトル:狼と香辛料6
著者:支倉凍砂
出版社:メディアワークス 電撃文庫(初版:H19)

であります。

えーっと、確か出たのが去年の12月……だったはず。
なんか5巻を11月に紹介した気がするけれど、あれはけっこう時間経ってから書いたんだよねぇ。
出てから3ヶ月くらいは経ってた気が……(爆)

さておき、今回は1ヶ月も経ずに読んでみました。
ストーリーは、

『レノスの町で、エーブという商人との商談を裏切られたロレンスは、しかしいつか訪れるふたり旅の終わりを覚悟したホロの手を再び握り、旅を続け……るはずだったが、裏切られたことにホロはいたくご立腹。
完全に引きずられるようにして、エーブを追ってケルーベという港町へ向かうことに。

ローム川を下る船に便乗し、いままでの陸路から船旅となったロレンスとホロ。
その途中、いくつかある関所でひとりの少年が関所の兵士と悶着を起こしているところに出くわす。
詐欺に遭って偽の証文を掴まされた少年コルは、その悶着を収めるために、ロレンスを「先生」と呼んで助けを求めてきた。

仕方なく助け船を出し、船旅に同行することになったコル。
そのコルが持っていた偽の証文の紙束からジーン商会という商社の不可思議な謎を見つけたロレンスは、いつもながらに商人のクセであれこれと思案を巡らせる。
そんな折り、ある一言がきっかけでホロの機嫌を損ねてしまう。
いったい何がホロの気を損ねたのか、まったくわからないロレンスは、もう口をきかないと言い出すホロに振り回され……』

すいません、一体全体、どこをどうやったら商人の話が、げろ甘のラブコメになるんでせう?
……つーか、今回はまずさぶいぼ症候群のひとにはさぶいぼ保証付きに甘々のラブコメです。

5巻でなんのかんの言って、ホロの手を取ったロレンス。
商人としてのストーリーの合間で語られていたラブコメ要素も、確かに5巻でひとつの区切り、と言うことはわかる。
わかるのだが……6巻はほとんど商人らしい話はなしで、ロレンスとホロの他愛ない痴話喧嘩に終始している、と言うのは商人という他にあまり類のない設定が魅力のひとつであるこのシリーズにとって、いかがなものかと思う。

確かに、ロレンスとホロ。
ふたりの微妙な関係もこの作品がアニメになるほど人気があることのひとつであろうが、それにしてもあまりにも偏りすぎ。
しかもストーリーは、ほんとうにふたりの痴話喧嘩。
そこに新たにコルという少年が加わったものの、ラブコメとしてはごくごくふつうの話で、さして見どころはない。
いかにもこのふたりらしい、とは言えるものの、ごく一般的なラブコメの域を出ていない。

まぁ、その分、キャラとしてホロの魅力は十二分に表現されているし、ラブコメ要素をこの作品の第一に考えているひとにとっては、とてもおもしろい作品になっているのかもしれない。
もちろん、ラブコメ以外にもコルという新しいキャラの関係もあるにはあるが、これもサブのひとつにしか見えない。

さて、いつも問題にしている文章は、今回は特に目立ってどうこういうことはない。
そもそも商人としての話がほとんどないのだから、淡々と描写していればいい。
相変わらず回りくどいところはあるし、地の文と会話文との位置が微妙に離れていて掴みにくいところはあるものの、目を潰れる範囲だろう。

総じて悪くはないとは思うのだが、ストーリーはラブコメに偏りすぎでふつう。
ふたりのラブコメ主体のひとにはかなりおもしろく読めるであろうが、私のように商人としての話も重要な要素と見ているひとには物足りないだろう。
そんなわけで総評としては及第、と言ったところが適当か。

しかし、3巻のときに「あと3冊くらいで完結させてもらいたいもの」と書いたけど、もうその3冊になっちまってんなぁ。
しかもさらにあと4,5巻くらいは平気で続きそうな気配……。
まぁ、もうここまで読んでんだから最後まで読むつもりではあるけど、どうだかなぁ。
もう記事にする必要性が薄れてきてる気がしないでもない……。
7巻読んでから考えるか……。



――【つれづれナビ!】――
 ◆ 『狼と香辛料』のまとめページへ
 ◇ 『ライトノベル一覧表(その1)』へ
 ◆ 『つれづれ総合案内所』へ

これぞ最強(凶? 狂?)

2008-01-10 05:10:56 | おしゃべり
さて、第936回であります。


鈴:やっぱりお年玉にはまだまだ早いよなで安心したLINNで~す。

扇:ちっ、今年は生き延びやがったか、と悔しがるSENでーす。

鈴:まぁ、当然だな、まだ0歳10ヶ月くらいだし。
滅多に顔見せんから、甥っ子の顔見て、少しだけ遊んでやってそれだけだ。

扇:貴様の惚けた顔が目に浮かぶのぅ。
で、喋れるようになったら、どう呼んでもらうつもりだ?
オススメはおじ様だが。(笑)

鈴:なに、正月は食う、飲む、寝るで死んでたから惚ける余裕などない(笑)
しかし、おじさまってな……。
男の子からだとなんかびみょーやぞ。
従妹の娘からなら、何となくOK……のよーなOKでないよーな……。
……やっぱ、なんか怪しげだから却下

扇:いや、君は素で怪しいから無問題。
まー、三年後ぐらいを楽しみにしつつ、次のコーナーに参りましょう。

鈴:何をお互いさまなことを言っておるかい。
さておき、3年後ねぇ……怖い……(笑)
あんまり想像したくないので、確かに次のコーナーに行って払拭しよう。


『Wikipediaに聞け!』


鈴:今回のWikiは、誰もが知っている……わけではないが、ある意味とても有名なアメリカ産炭酸飲料、その名も!

扇:ごめん、飲んだことない。

鈴:名前もいわんと先にそれを言うなっ!!
ったく、今回のWikiは知る人ぞ知る「ドクターペッパー」であります。
ちなみに、私は1回くらいしか飲んだことはありません。

扇:どんな味?
口の中で化学反応起こしたりする?

鈴:味……ひじょーにまずかった記憶だけはあるぞ(爆)
化学反応は……起きんとは思うが、起こしてんじゃねぇかってくらいの飲み物ではあるな。
これに匹敵するインパクトは焼きりんごジュースくらいだな。

扇:まぁ、俺は昔から炭酸嫌いだから別にいーけどね。
しかしこれ、『世界中で今も飲まれている最も古い炭酸飲料(wikiの記述による)』だったんだねぇ。
俺はてっきり、ラムネあたりだと思ってたよ。

鈴:ラムネはなんか古いとか、懐かしいイメージがあるからなぁ。
つか、Wikiのコカ・コーラの記事を見ると、原型が出来たのが1886年で、ドクターペッパーが1885年だから確かにドクターペッパーのほうが古いな。

扇:おや? ラムネの記事に1872年6月9日にラムネ製造の許可が下りたって書いてあるぞ……。

鈴:……書いてあるなぁ、しっかりと……。
まぁ、確かに「世界中で」と注釈をつければ、いちばん古いんかもしれんが、炭酸飲料としてはラムネのほうが古いとは……。
つか、イギリスではレモネードに炭酸入ってるみたいだし、突き詰めればこっちのほうが古いんかもしれん。

扇:ま、まぁ……製品として売り出して、世界中でまだ売れてるのがドクターペッパーってことなんだらう。(苦しい)
話を戻すが、テキサス州ではペプシ・コーラの売上を上回ることが頻繁にあるらしいな。
テキサスの味覚がおかしいのか、ペプシがそれだけコカに押されてるのか……どっちだろうねぇ。

鈴:頻繁とは言え、テキサス州限定ってとこがまたミソだよなぁ。
もともとは……バージニア州か……、その後カリフォルニア州で商品化……なんか発祥とはまったく関係のところで売れてんだな。
まぁ、テキサスの味覚がおかしいかどうかは別として、後者は厳然たる事実だな。
ペプシマンのCMとか、そういうところはコカ・コーラよりもずっといいものを作る会社なんだがねぇ。

扇:いかにもマイナー人気って感じだよなぁ。
地元で売れてないわけじゃないんだろうが、何か虚しいもんがあるな。
ちなみにCMはブリトニー・スピアーズが剣闘士の格好で『We Will Rock You』歌う奴が好きだね、あれは格好良かった。
って……ドクターペッパーの話はどうした?(爆)

鈴:!Σ( ̄□ ̄;)
じゃ、じゃぁ話を戻すか。

扇:残念ながら、時間が来てしまったようだ。
それでは皆さん、磁界をお楽しみに。

鈴:戻す前に終わりかいっ!!
しかし、素で突っ込むが、どっからマグニートー様を引っ張ってくるつもりだ?


『今週の一冊』


鈴:では、Aパートの時間が終わったので、Bパートの「今週の一冊」です。
今回のネタは、木曜劇場のころから1巻ごとに続けている由貴香織里の作品で、とうとうこのたび4巻をもって完結した「ルードヴィッヒ革命」第4巻です。

扇:来たぁっ! 現時点で、少女漫画最大のオススメッ!
最新刊出る度に、大々的に紹介した漫画はこれぐらいだったなぁ。
完結作品ばかり漁りまくるウチにしちゃ珍しい話だ。(自虐的)

鈴:そういえばそうだなぁ。
これくらいだな、毎巻出るたびに記事にしてるマンガって。
しかし……3巻でいまいちシリアスでつまんないと言ったが……。
最後の最後でやらかしてくれたね、由貴香織里! って感じだな。

扇:最初はしっかりシリアスしてるんだが……噂のあの人出た瞬間に終わったね。
敢えて詳細は書きませんが、前巻で登場が示唆されていた人物――最強で最凶で最狂です。
この漫画、今までひたすら濃い連中ばっかり出てきましたが、その中でも群を抜いてます。
この土壇場でこれ程のキャラを出してくるとは、恐るべし由貴香織里ィッ!

鈴:なぁ、もうそのセリフだけで終わってもいいんじゃないか?(笑)

扇:ある意味、それが正解かも知れん。
ここで下手に解説して興を削ぐより、直接読んで腹の底から笑って頂きたいしな。
んじゃ、その他の連中についてさらっと話して終わっとくかね。
まずは今回のヒロイン――。

鈴:まぁ、あのひとに関してはいろいろ言うより見てもらったほうがよいな。
で、今回のヒロインと言えば、やっぱり1巻でSからドMに開眼した魔女のドロテアやね。
まー、見せ場の多いこと多いこと。
……っつーか、最終話がドロテアの話だからな。

扇:ヒロイン街道まっしぐらだったね、ドロテア。
ギャグ一切なし、最初っから最後までシリアス全開……よくここまで育ったもんだ。
三巻は殆どモブキャラ扱いだったので、ファンとしては嬉しい限りだぁねぇ。
一方リゼッテは、前巻でヴィルとの決着は付いたよーなものだったので、今回はほぼ脇役だったね。

鈴:育ったっつってなぁ……まぁ、胸は十分育ってるが(爆)
しかし、ホント3巻であれだけ活躍どころか、ほとんど出番すらなかったってのに、最後の最後でここまでシリアスで、健気で、さらにかっこいいところまで見せてくれるとは……Mでなくても十分いいキャラになってるわ(爆)
そのぶん、いちおうほんとうのヒロインのはずのイーディケがあんまり目立ってないけどね。
まー、神様的に最後のほうで出てきただけじゃぁ、あの濃ゆい面々に太刀打ちできるはずがねぇがな(笑)

扇:まぁ、当初は王子の充電地点だったからなぁ――ドロテアの胸。(爆)
つーか、エロコワメイドって何ですか、由貴先生?(二巻参照)
ドロテアとイーディケは登場も同じ回で、まさに白と黒のヒロインって感じだったけど、最終巻は完全に黒のヒロインの独壇場だぁね。
彼女が魔法使うまで、この漫画が一応おとぎ話だったこと、すっかり忘れました……あははは。
どう考えても、魔法より、ライフルとかマグナムとかバズーカとかか幅効かせてる世界なので……。

鈴:つーか、まともに魔法を使った話って4巻だけだろ(笑)
いちおう、イーディケの話のときは、いちおうドロテアの呪いがあったから、魔法らしきものの匂いはあったが、本気で魔法っぽい技術を使ったのは今回が初めてじゃないか?
まー、別に魔法がなかろうがおとぎ話でなかろうが、笑えるからいーんだけどさ(笑)

扇:まー、おとぎ話だから、赤頭巾が流しのスナイパーだったり、ヘンゼル&グレーテルが殺し屋兄妹だったり、騎士とダイバー合わせてバイアだったりしたところで別にオールオッケーなんだがね。
てなわけで、内容をまったく紹介せず、好きなことをひたすら吠えるだけで進んできた最終巻レビューですが、最後に何か一言どうぞ。

鈴:なんか、おとぎ話ってところで変な設定が混じってる気がするが……まぁ、置いてこうか。
おとぎ話だから。両方。
えーっと、最後に一言……巨乳だろうがちっこくなろうが、やっぱりドMがドロテアだよね。ってとこか(爆)

扇:フム、ドS属性が薄れて、守銭奴ネタしかなくなったリゼッテとは違うな。ってとこさね。(笑)

鈴:なんかやっぱりヒロインとサブヒロインの扱いの違いってのが顕著に出てるよなぁ、ドロテアとリゼッテ(笑)

扇:リゼッテも、要所要所で格好良く決めてはいるんだが――格好良さだけで生き残れるほどこの漫画は甘くないってことだな。(笑)
本当は、二つ前の台詞でまとめに入ったつもりだったのですが、延びちゃいましたね。
ともあれ、読んだことない方は、今すぐ全四巻原価で買って読みましょう。絶対笑えます。
過去の作品に比べて、ちと絵の方が不安定な感じはしますが……最終巻はすべて気合い入った絵で決めてくれるので、一応安心。
ぶっちゃけ、四巻読み終わった後で、よくぞ描ききった由貴香織里! と吠えてしまいました……産休をもらうために一応一区切り付けた、とは思えないぐらい素晴らしい仕事してます。あ、もちろん、絵だけじゃなくてストーリーも。
というわけで、いつになく褒めちぎりのレビューでしたが、今日はこのへんで……さよーならー。

鈴:安心も何も、少々絵がどうであろうと、おもしろいからいーんだよ(笑)
と言うわけで、これはかなり珍しいながら私も読め! と本気でオススメできる作品です。
ただし、童話のイメージを大切にしたいひと、あるいはこの手のパロディ、下品ネタあたりが嫌いなひとは手を出さないほうがいいでしょう。
少々寛容な方ならば、是非是非、是非是非是非是非、あ、是非とも読みましょう。
原価で買っても、はっきり言って、これっぽっちも損はしません。
と言うわけで、なんか木曜劇場っぽく、退場致しませう。
ではでは、この辺で、さよ~なら~


to be continued……

何とな~く何となく

2008-01-06 20:48:31 | 小説全般
さて、やばいやばい落とすところだったよの第935回は、

タイトル:いつかパラソルの下で
著者:森絵都
出版社:角川書店(初版:H17)

であります。

先々週に引き続いて、森絵都の本です。
前のは不思議な雰囲気のショートショート集だったけど、今回のは1本の長編です。

では、ストーリーをば。

『柏原野々は、父親の一周忌の話し合いをするために実家に戻ることになっていた。
そんなことよりも恋人の達郎とだらだら過ごすほうがいいと思っていても、妹、花のきついお達しで実家へ。
そこで母親の毎日のような病院通いのことを知り、いつかのときのことを思い出す。

それは異常なまでに厳格な父と浮気をしたと言う会社の女性からの告白で、母親の病院通いの原因のひとつではないかと思われたことだった。
その後、別の女性からも父と浮気をしていたと言う事実を知らされ、それを兄の春日と花に話した結果、事態は野々には思いがけない方向に向かうことになる。

父が浮気していた女性に語った「暗い血」、それにまつわる自分たちの祖父の話……厳格な父に反発して20歳になって野々とおなじく家を出た兄、春日と実家に残って父と折り合いをつけて過ごしてきた妹の花。
渋々ふたりに付き合う形で様々なことを知り、父が一度も語らなかった故郷、佐渡へすらも出向いた野々たち兄妹を待っていたものは……』

父の浮気だの、母の奇妙な病院通いあの、野々と達郎の関係だのと、タイトルからはおおよそ想像がつかないくらい重い話……になりそうなのだけど、読後の印象は何となくホッとするホームドラマ、ってとこかなぁ。

父親の一周忌を機会に集まった兄妹たち。
そこで明かされた真面目一徹で、厳格すぎる父の意外な秘密に端を発して、その足跡を追ううちに、野々を中心とする兄と妹、母親の変化が描かれている。
それぞれ、父親の厳格さに何かしら負い目があったり、がんじがらめにされている背景があって、そうしたテーマをふつうに書けば、重い話になりがちなんだろうけど、そこは書き方やキャラのおかげか、そこまで重くなっていない。

主人公の野々はフリーターをしながら恋人を変えては同棲して生活しているし、兄の春日も定職に就かずにフリーター。
妹の花は公務員と手堅く一番のしっかり者だが、どうしてもこの3人が集まると重いはずの話も微妙にずらされてしまっている感じがする。
野々個人では、達郎との関係という話があるものの、中盤以降はほぼこの3人兄妹が中心となって描かれていて、さらに父の故郷に渡ってからは意外な真実や、出会った親戚たちのおかげで、どこか拍子抜けする、と言うか気が抜ける行動があったりして、底にあるものは重いんだけど、作品全体としてはふわふわととらえどころのない雰囲気。

文体も野々の一人称で、野々の視点から見た様々な景色とかの描写も、そうした独特の雰囲気を醸し出す要因になっているように思える。

ストーリーそのものは、取り立てて珍しいものではないし、奇を衒うようなところもない。
父を失ったあとの家族が、それぞれ区切りをつけてって終わり方だし、いちおうハッピーエンドではあるので、裏にあるものをあれこれと想像しなければ、ホームドラマとしてふつうに読める。
もちろん、兄妹の名前や厳格な父によって形成された兄妹たちの性格など、様々なことを深読みしながら読むことも可能。

う~む、雰囲気に流されて読むのもあり、深読みするもよしと意外に奥が深い……。
でも「アーモンド入りのチョコレートのワルツ」のような優しい雰囲気の作品が好きなひとにはちょっとつらいかも。

そんなわけで悪い話ではないのだけど、ふつうのホームドラマであることや、ちょっと苦手なひとがいるかもしれない、と言うことで総評は及第。
それでもタイトル名も絡んだ内容やストーリー、ラストと言ったところからも、作品としてはきっちりしているので、良品にもう少しで届かない、ってとこかな。
Amazonの星つけるなら、三つ半ってとこかな。

白が来ればやっぱ紅でしょう

2008-01-03 18:49:47 | 木曜漫画劇場(紅組)
さて、第934回であります。

タイトル:花の名前(全4巻)
著者:斎藤けん
出版社:白泉社 花とゆめコミックス


扇:正月? それってつおい? とか聞いてみるSENででーーすす。

鈴:正月? それって寝ると食うの代名詞じゃないのか? とか聞いてみるLINNでい~いす。

扇:寝るな。
つーかお前の場合、親戚のお年玉頂戴攻撃から逃げ回らんといかんのではないか?

鈴:やだ
せっかくの休みはやはり寝て、起きてもごろごろ寝転んで怠惰に時間を過ごすのが正しい正月というものだ。
まー、単に実家に帰っても、PS2ないし、物書きデータないし、家のパソコンに一太郎入ってないしでやることないだけなんだがな(爆)
お年玉攻撃……まー、まだだいじょうぶだろう。
なんせ1歳と1歳未満だ。そーゆー年ではなかろう。

扇:あー、俺も実家には何も置いてないな。
親がスカパー契約してるので、延々とテレビを視るぐらいかねぇ。
しかしその歳だと、二年後ぐらいが貴様の命日だな。

鈴:やることは大した変わりはないじゃないか(笑)
2年後……そうだなぁ。
だいたい幼稚園とか、保育園とかに入って、少し物事がわかってくるようになると、用意せんとあかんかのぅ。
しかし、相場がわからん。なんか昔よりは高くなってるらしいとはよく聞くが。

扇:昔は年齢差によって千円札の枚数を変えてたが、今は新渡戸さんが底値かも知れんのぅ。
玩具の値段もどんどん高くなって、今じゃデラックス超合金が23100円もするんだぜ!
現物支給ってことにして、押し入れで眠ってるセガサターンとかPCエンジンをくれてやったら……消されそうだな。

鈴:新渡戸さんが底値……。3歳4歳で新渡戸さんが底値ってのは……。
現物支給もいいが、場合によっては現物のほうが高くなる可能性があるからなぁ。
う~、頭が痛い話や……。
しかし、超合金は確かにAmazonで見たが……これは30代以上のお子様のためのおもちゃだろ!

扇:多いよなぁ……30代以上のお子様のための玩具。
でも、超合金魂のイデオンを見て、ちょっと欲しくなってしまった自分が悲しい。(爆)
今の子供が喜びそうな現物支給品って言うと――やはりゲーム機本体(ソフト二本同梱)か……。

鈴:まぁ、玩具だけならいいが、DVDあたりは山のように出てるからなぁ。
いったい何回出たんだ、ZガンダムのBOX版! って気がする。
でも、確かにものによっては超合金も心惹かれるものがあるよなぁ。
しかし……ゲーム機本体+ソフト2本……それなら素直に新渡戸さん渡すわ。
いまだとWiiだろうが、この構成だけで4万円近くぶっ飛んでいくからな。

扇:DVDボックスもかなり痛いよなぁ。
ああでも、NHKでやってた『シャーロック・ホームズの冒険(完全版)』はかなり欲しいぞ、大人の玩具として。
もっとも、78200円するけどな!

鈴:高っ!
まぁでも、私もダンバインのDVDボックスふたつで確か7万くらいしたけど(爆)
……あ、でもいちばん費やしたのはやはりマリみてか……えーっと、初期TV7巻、2期6巻、OVA5巻……なんか10万超える気がするなぁ(爆)

扇:それに、文庫本とCDの値段を足してみ?

鈴:えーっと文庫が31冊、CDが……10枚くらいだったっけな。
……あー、たぶん軽く15万超えてるな……。

扇:さて、怪しい百合族空間に頭のつむじまで浸かっているLINN君はほっといて……。
今週は再び木劇で、定番の白泉社少女漫画の紹介です。
前回、「今夜限りの限定復活。LINN君十六時間喋りっぱなしノンストップトークマラソン」みたいなことを書いたような気がしますが、そんな昔のことは覚えていないので忘れて下さい。

鈴:つむじ……あながち否定できんとこが悲しい……。
あ、でもあと音楽CD揃えれば天辺までどっぷりだな(爆)
って、いったい誰が16時間でぶっ通しで喋るかいっ!
……さておき、えー、今回の一冊……ならぬ木曜劇場のネタは、私がLaLa DXでデビュー作のときからお気に入りだった新人さんの初連載、初単行本シリーズです。
ストーリーは、
『高校1年のときに両親を亡くし、親戚中をたらい回しにされた挙げ句、叔父で作家の水島京のもとに引き取られた水島蝶子。
両親の死で心を閉ざしていた蝶子だったが、京との暮らしの中で徐々に自分らしさを取り戻していく中、ぶっきらぼうだが立ち直るきっかけをくれた京に惹かれていくように……』
と言う感じの恋愛ものです。
でも、最初はふたりだけですが、蝶子ちゃんは高校から大学に進学し、そうした成長の中で京との微妙な関係が描かれている、しっとりと落ち着いた雰囲気のある私好みの作品です。

扇:いかにも私の好みとは正反対の作品ですね。
極めて珍しいことに、これは当たりだったけど。(笑)

鈴:せやね。確かに、珍しい作品ではある。
では、キャラ紹介……の前にCM~。


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鈴:では、ヒロインの水島蝶子。
連載時、高校3年生の女子高生で、性格はおとなしめ。一言で現せば、外国人が憧れる日本女性の典型=大和撫子。
高校1年のときに、京に引き取られ、それ以後、家事全般を任されるようになり、また京の何気ない一言で庭いじりをするうちに、園芸が趣味に。
おかげでその容姿と相俟って、近所の園芸じじいどものアイドルと化している。
京自身は、さして意味を持たせたつもりはないのだが、自閉気味のときに京に言われた言葉などから、両親の死のショックを乗り越えることが出来たことから、京に惹かれている。
ちなみに、作者の画力が連載を続けるに連れて上がっていったため、この蝶子ちゃん、後になるに従って、どんどん美人になっていってます。
つか、マジでかわいいよ(爆)

扇:長っ!
浮き沈みは激しいが、確かにいい子だったぁね。
京ぽんに拾われるまでは、親戚をたらい回しにされ、親の遺産を騙し取られ、吉原に売り飛ばされ、越後谷の妾になり、悪代官に独楽回しされるドン底人生を歩んでいたためか、回想シーンではこれでもかと暗い顔を見せてくれるんだが、苦労しただけあって、復活後は存在だけで場を和ませる菩薩と化したものなぁ。

鈴:ストーリーとまったく関係ない裏話を捏造するなっっ!!!
ったく、親の遺産なんてそもそもなかったし、吉原っていつの時代だ!? って感じだし。
まぁでも、菩薩状態は納得だが(笑)
では、次に蝶子ちゃんの相手役の水島京。
大学時代に作家デビューし、独特の人間の闇に迫る作風から純文学作家として大成。
一部コアなファンまでおり、直木賞も受賞したことがある人気作家だが、本人はとことん不器用。
自分の心の闇を切り売りするように作品を作ってきたが、蝶子を引き取ってからはだいぶ丸くなったようで、無意識に蝶子を籠絡するワンポイント攻撃を繰り出すこと多数。

扇:でもさ、京君が書いた、『花名』はちょっとどうよ?
精神を煩った男と、失語症の少女のラブストーリーって、私小説にしても腐ってると思うぞ。
せめて、キャラ設定ぐらいは変えれ、見苦しい。

鈴:おーい……。
別にいーじゃん、作中作で詳しくは語られてないんだしさ。
それに、あれがあるからこそ、あの1話のラストが生きるわけだし。
では、次は秋山慎一。
京が本を出している出版社の編集者で、大学時代に京の読んだ小説に惚れ、自称京の親友として何かとつきまとっている。
京にはよく邪険にされているが、それでもめげずに親友を続けているところを見ると、かなり心の広い人物である。
ただし、本人はけっこうお調子者で京に邪険にされて蝶子ちゃんに泣きついたりと、シリアスな面もないわけではないが、作品の中では明るさを演出する位置づけのキャラとなっている。
ちなみに、かなりの純文学マニアで、蝶子ちゃんの大学の純文学サークルの連中を複数人相手にして知識でひけを取らなかったと言う頭脳の持ち主。
……なんか書いてると単なるお調子者っぽいけど、ある意味、京よりもゼッタイ秋山のほうが頭いいよな。

扇:さらに長っ!
ところでこの秋山さん、京君に対してかなり後ろめたい気持ちがあるみたいなんだが……。
京が自滅した時に、手を引いただけだろ? 要は?
その割に、本人は相当責任感じてるみたいだし、京は京で、お前の顔なんぞ二度と見たくないてな感じのことを言いつつ、二度見捨てたら殺すぞみたいな顔するし、苦労人の割には報われないよね、秋山さん。
まー、三巻で蝶子に認めてもらったのが、救いと言えば救いか。

鈴:自滅したと言うより、自滅させられたと言ったほうがいいんではないかえ?
まぁ、このあたりの話はいまいちうまいこと描いてないから、あんまり触れんほうがいいとは思うがね。
でもまぁ、結局、京は秋山がおらんとどうにもならんわな。
蝶子ちゃんが来るまでは、完全に秋山がいないとこいつ、俗世間に1ミリたりとも適合できないからな(笑)
で、あとは……おらんのぅ。
あえて出すとすれば、大正文士の会の連中くらいか。
3人がかりで秋山と文学談義をして、勝てなかったと泣いていたシーンはけっこう笑えたな。
意外に、純文学系大好きなサークルにしては明るくて毒がなくて、うんちくも出てないからいいサブ連中ではあったな。

扇:いま、さらっと物凄い偏見を口にしなかったかね、LINN君?
まぁ、それは置いといて、蝶子にマジ惚れしてしまった唐澤君以外はモブキャラだったな。
もうちょっと頑張れば唐澤君も対抗馬ぐらいにはなれたかも知れないが……身ぃ引いちゃったんだよね――若いなぁ。(笑)

鈴:ほえ? 何を言っている。そっちだっていつも言ってるではないか。
純文学大好き連中は○○……だなんて(笑)
さておき、モブってなぁ。
美妃さんなんか、美容学校に通ってたから、蝶子ちゃんの美人化計画にかなり割合で貢献してたではないかっ!
でもまぁ、唐沢くんはそのとおりだな。
もうちょっと頑張ってくれればよかったのかもしれないが、そもそも京の作品のファンで、年齢もかなり違って貫禄負けしてるし、対抗馬にすらならない要素がありまくりだったからなぁ。

扇:文学好きがどーのと言った覚えはないぞ、文学なんて所詮××の×××さ(極めてたまに例外有)と言っただけだ!
ともあれ、大分長くなったのでそろそろまとめに入りましょう。
上記の三人で二人ずつの組み合わせ三つを作り、それを使い分けることで少しずつ各キャラの関係を描いていく話です。
京に会うまで抜け殻状態だった蝶子、気付かぬ内に彼女に光を求めてしまった京、二人を見守りつつ自分の葛藤にもケリを付けようとしている秋山と、時間経過による変化が付けやすいキャラ設定がされており、それぞれの距離も四巻まで二転三転します。
蝶子は物語が進む毎に成長し、どんどんライトサイドへと流れていくのですが、京の方はそんな彼女に触れるのを恐れてダークサイドに落ち込み、三巻で遂に――と、そこは本編で。
とりあえずこの二人は幸せにはなるんで、ハッピーエンド好きの方は御安心を。
ただ、京と秋山さんの関係については、二巻で登場したお邪魔キャラのおかげで少し消化不良な感じで終わってます、そこが残念と言えば残念。

鈴:あぁ、あいつか。
あいつは特にいてもいなくてもいいし、別の方法で描いたほうがまだよかったかもしれん。
とは言え、新人さんにしてはいい話を描いてくれる方で、早速連載になるのもわかるだけの作り方をしてくれるので、雰囲気を楽しみたいひとにはうってつけの作品です。
と言うわけで、白組紅組と一通り復活した木劇の紅組はこの辺でお開きであります。
それでは、いつになるかわかりませんが、次回をお楽しみに。
再見~

扇:相変わらず雰囲気重視だのう。
メイン三人とも暗~いバックグラウンドがあり、何かと重くなりがちな話なのですが、質は違えど蝶子も京も天ボケ体質だったり、秋山さんはひたすら京をからかうのが好きだったり、モブキャラの面々は騒ぐのが大好きだったりと、上手いこと息抜きのシーンは入れてくれてます。
三巻で事実上、蝶子と京の関係には一つの決着が付くので、四巻はやや蛇足な気もするのですが、それをさっぴいても流れ的には無理のない話作りをしてるので、某相方のように雰囲気に浸かるタイプの読者でなくてもオススメ。
うーん……珍しく、二回連続で毒を吐いておりませんが、ひとまず復活の木劇がこれにて終幕です。
では、また復活する日をお楽しみに、チャオ~