つれづれ読書日記

SENとLINN、二人で更新中の書評ブログです。小説、漫画、新書などの感想を独断と偏見でつれづれと書いていきます。

僕は103歳まで生きるらしいよワトスン君

2005-09-12 18:21:55 | その他
さて、NHKでやってたドラマは名作だ、な第286回は、

タイトル:シャーロック・ホームズ――ガス燈に浮かぶその生涯
著者:W・S・ベアリング=グールド
文庫名:河出文庫

であります。

コカイン愛好家。
化学実験フェチ。
犯罪学者の弟子。
あと……なんかあったかな?

世界で一番名の売れている探偵シャーロック・ホームズの伝記。
当然架空のです、まさか実在の人物と思っている人はいない……よね?

ゆりかごから墓場まで、年代順にホームズの人生を追ってます。
つーか、ここまでやるかって細かさです。
多分、作者のコナン・ドイルより詳しい。(笑)

ワトスンの記述の誤りの指摘。(かなりある)
ホームズの犯したミスに対するツッコミ。(結構ある)
よく話題にされるワトスンが三回結婚したことの謎解き。
などなど作品の情報整理も充実。

問題は、これらの情報源には原作以外も含まれているということ。
つまり、ドイル以外の作家が書いた作品を元にした情報もある。
ディープな原作ファンからするとちと反則っぽいかも知れません。
特に、ホームズとアイリーンの息子がアメリカで探偵やってるなんてのは個人的に、やれやれ……って感じですね。

色々混ざってる割にはルパン対ホームズは取り上げられていない。
まぁ、ファンからするとあんなマヌケな男はホームズじゃないのかも。
相棒の名もウィルソンだし、やっぱり別人なのでしょう。(笑)

事件の解説も細かく書かれており、粗筋代わりとしても読めます。
この事件の最中に別のこの事件を追ってたとかが解るのも楽しい。
同時代のイギリスの歴史もちょこっと学べます。

シャーロキアンは必読。
原作を読んだり視たりする時のサブテキストとしても優秀です。
(ところで、モリアーティって間抜けだと思うのは私だけ?)