つれづれ読書日記

SENとLINN、二人で更新中の書評ブログです。小説、漫画、新書などの感想を独断と偏見でつれづれと書いていきます。

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解説より

2006-06-30 20:31:16 | 小説全般
さて、昨日の天使繋がりでの第577回は、

タイトル:中国の鳥人
著者:椎名誠
出版社:新潮文庫

であります。

指摘されつつもやっぱり短編集であります。
表題作以下、8編の短編が収録されている。
例によってそれぞれを。

「中国の鳥人」
煌玉という貴重な宝玉が産出されると言う報を受け、主人公の「私」は仲介兼案内の沈増元と言う中国人とともに、何日もかけて中国の奥地へと足を運んだ。
煌玉が出るという場所を知る少数民族の村に到着した私は、そこで羽根をつけて飛ぶ鳥人と言う存在を知る。数少ない交通手段が不通になり、村に滞在することを余儀なくされた私は、鳥人のように空を飛びたいと思うようになり、鳥人の先生に飛び方を教えてもらうことになり……。

ラストはぼちぼちいい感じだが、それ以外にはさしておもしろみを感じない。
主人公の私と沈さんの軽妙なやりとりはけっこうおもしろいのだが……。

「月下の騎馬清掃団」
突然、夜も10時を回っているにもかかわらず現れ、ある家族の家を徹底的に掃除していく奇妙な集団の話で、極めてふつうの反応を示す夫婦と、ただひたすらに掃除以外のことを拒絶する清掃団との対比が、奇妙にくすっと笑わせてくれる。

「思うがままの人生」
念じるだけで様々なことが思い通りになる男の語り口調で進む話で、途中何か治療をしているのだろうとわかる描写が出てくるが、ラストにけっこういい感じのオチをつけてくれている。
ただし、裏表紙に「妄想が産み出す」とあり、そのまんまやなと言う気がする。

「ちくわ」
句集や小説を書いて生業としている男が、過去におなじ業界紙で仕事をしていた島本治と居酒屋で飲んでいたが相手が先に帰宅。ひとりになった私が居酒屋で繰り広げる話。
けっこう卑猥で暴力的だが、主人公の作家である「私」が滑稽で楽しい。

「蚊無し川」
渓流釣りの仲間である金村と辰っつあんは、忙しい仕事を終えてよく足を運んでいる蚊無し川へと釣りへ出かけた。3泊4日の予定の渓流釣りは、1日目はよかったが翌日は雨に降られ、ようやく見つけた小屋に辿り着く。
前日の夜、蚊無し川の前の呼び名を聞いたふたりは生活感がありながらも誰もいない小屋の中で……。

あれこれと想像するのが楽しいラストがいい。

「たどん」
世間を憚るつきあいをしてきた女に別れを告げるために、その女の家へ向かうため、タクシーに乗り込んだ私は、話し好きらしい運転手の問いかけが面倒くさくて、サラリーマンなのに「たどん屋」だと答えてしまう。まったくの嘘だと言うのにタクシーの運転手は、証拠を見せてもらうと車を走らせる。

そう滅多に使わないが、タクシーの運転手とのやりとりの中から起きた奇妙でけっこう怖い話。

「鯨女」
深腸社が経営しているホテルに缶詰めにされている作家の妄想を描いた話で、その作家が何でもかんでも深腸社やライバル出版社の醜栄社の策略だと思い込む主人公の壊れ加減がけっこう笑える。

「スキヤキ」
戦争に行った夫が帰ってくる。その一報にあった「スキヤキが食べたい」と言う言葉をかなえるため、不明瞭だが喋る犬や烏、奇妙な隣人、知人との間をすり抜け、スキヤキの材料を買い求めて帰ってくるまでの妻の物語。

かなりシュールで、帰路であかされる隣人の姿などはけっこうぞくっと来る。

……と、以上8編。
総じて言えることは、私にしてはめずらしく、基本的にどの作品もけっこう笑える、と言うことか。
「笑いに満ちた」とかと言う裏表紙の文句はまったく信用できないくらい笑えないほうなのだが、くすっとしたり、にやりとさせられたりするとこがお多々あるのはおもしろい。
特に各キャラのやりとりなどは軽妙でおもしろいし、ひとや物の名前などのネーミングも妙味のひとつではないかと思う。

ただ、「月下の騎馬清掃団」について著者があとがきで「不条理小説」と書いてあり、「つじつまあわせや意味を持たせるとつまらなくなる」という言葉通りで、その妄想や不条理を楽しめない=構成や意味を求めたりすると、ほんとうにおもしろくないのではないかと思う。
そう言う意味では、感性派の人間にはオススメできる短編集だろう。
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黒い天使が舞い降りて……

2006-06-29 20:23:40 | 木曜漫画劇場(白組)
さて、これの後にゴッドサイダーを読むと笑える第576回は、

タイトル:ブラック・エンジェルズ(全20巻)
著者:平松伸二
出版社:ジャンプコミックス

であります。

扇:何でエリザベスでクノイチなんだとツッコムSENでー ーす。

鈴:それはスタン・リーにつっこめよと思うLINNで~ ~す。

扇:スタン・リーって誰? 眼からビームとか撃つの?

鈴:いや、手から爪出したりすることはあると思うぞ。

扇:いや、それどっかのヒゲのオヤジだから。

鈴:親父か? 爪出すヤツはたくさんいるぞ、あのマンガ。
秘書呼んで銃ぶっぱなしたり、わざわざサイボーグになったりとか。

扇:まぁ、体中から骨出す奴がいる世界だからなぁ。
とりあえず、友達喧嘩やりたいなら市民の迷惑にならないところでやってくれ、と思うな。
(君のことだよプロフェッサー)

鈴:まぁなぁ。でも、テレパスと磁界王とどっちが強いって、見た目は完全に磁界王だよなぁ。
(なぁ、マグニートー)

扇:ま、私は視聴率のために戦う阿修羅もどきがいればそれでいいけど。(笑)

鈴:あいつはあのキレっぷりが楽しいよなぁ。
ただし、対戦じゃべらぼうに弱かったが(笑)

扇:弱い言うな。
剣六本呼び出してせこく立ち回り、超必で豪快にボコるのが楽しいのだ。
まぁ百歩譲って、どっかの氷ビーム・コメディアンより使い辛かったのは認めるがね。

鈴:まぁ、楽しいのはわかるがなぁ。
剣呼び出したときの隙のでかさは特筆ものだったが、あの「エッキンコー」の声は楽しかったな。
しかし、ビームコメディアンってな……。
氷じゃないのも約1名いた気はするが(笑)

扇:つーかなっ! 最速で剣出しても後出しアイスビームが間に合うって、どうよ!
眼からビーム男はいいんだよ、出が遅い上に硬直長いから。
どうにもならんと言えば、全身金属男どうにかしてくれ……強すぎる。

鈴:なに、その何故か間に合ってしまう弱さとあの豪快さ、あと超必があればスパイラルはよいのだ(笑)
最強だったな、あの金属男。
問答無用がこれほど似合うキャラは……ジャガーくんがいたな……(笑)

扇:ジャガー君、自分で使えるようになった途端弱体化したなぁ……無印の時はアースクウェイクがやたら強かったんだが。
ま、いくらキャラがいようと、磁界王が反則的に強かったのは間違いないんだがね。

鈴:弱体化したって言うな!
あの大味さと豪快さ、頭のなさが楽しいからいいのじゃ(笑)
磁界王はなぁ……。「いーおーにでいすたっこぉ~」ですらシャレにならんくらいだったからなぁ。

扇:褒めてねーぞ、それ。
だから、「いーおーにですたっこぉ~」って誰の台詞よ?

鈴:まぐに~と~様。

扇:どこにそんな台詞が出てくるんだっ!
フォッフォッフォッって笑いながら現れる登場シーンか? それとも、アイスビームで撃ち落とされて、自己嫌悪に陥ってる時かっ?

鈴:えーっと……掌から赤いび~むが出されるとき♪
しかし、ホントに氷男に落とされたら自己嫌悪しそうだよなぁ、あのひと。
マグネティックテンペストが雨霰のように下りてくるぞ、絶対。

扇:マグニートー様の掌ビームは青だっ! 上空からが赤で、地面を叩く場合は白だな。(笑)
プライド高いもんね、あの人。
ん……? 何か話題にも挙げてもらえない方々がいるような気がするのだが。

鈴:あー、いるような気がするなぁ。
まーでも、オメガレッドを除いては忘れられても大したことはない連中のような気はするがな(笑)

扇:いや、サムライは思い出してやれよ。
豪鬼使い損ねた時に必ず選ばされる、愛すべき変人ではないか。
名前がサムライなのに忍者だったりするのは理解できないけどさ。

鈴:まぁなぁ。あのおかげでサムライの使用率は極めて高かったはずだ(笑)
でも、このときはなぁ、CPUはべらぼうに強かったのに、自分で使うとダメダメなサイロックがいたおかげで、いまいち燃えんかったなぁ。

扇:忍術とか、分身とか、笑える技はあったんだが、いかんせん使い所が難しかったなぁ。
無印の時は連続技も鬼のように入るって程でもなかったし、中途半端なキャラだった。
特に対ジャーガーノート戦では、紙に等しい装甲が目立ったね。

鈴:あの防御力のなさは痛かったねぇ。
まぁ、続編でだいぶ楽しめるキャラになったのはうれしかったがね。
……って、そろそろ本題に入らんとあかんのではないかえ?

扇:それ、既に常套句と化してるな。
じゃあ、そろそろ原作X-MENの話をするか。

鈴:そうだな。
じゃぁ、主人公はやっぱりサイクロップスになるのか?
それともうるびんがいいか?

扇:何を寝ぼけたことを言ってるんだね、チミは。
主人公は雪籐に決まってるだろう。

鈴:……。
では、

扇:面白かった? じゃ~ね~。


































鈴:終わらすんかいっ!!!

扇:元々始めたのは貴様だっ!!!

鈴:ボケたのは貴様だっ!!!!

扇:不毛な争いはやめよう!!!

鈴:……そだね。
これ以上、読んでるひとを引かせてもしょうがあんめい。
じゃぁ、ストーリー紹介からだな。

扇:現代の必殺仕事人が結構残酷な方法で悪人をばっさばっさと殺っていく話です。
途中から超常バトル物に路線変更し、いわゆる『白い天使』とのサイキック・バトルに突入……何が何だか解らなくなりました。

鈴:ジャンプらしいわけのわからん展開の仕方だよなぁ。
じゃぁ、キャラ紹介……の前にCM~。


つれづれ読書日記


つれづれ読書日記、進化?

『作家別目録』、いつ更新したっけな?
『怪しいページ』は……存在自体が忘れられ……てるよな、絶対。
御覧になりたい方は、最新記事の『目録へのショートカット』、もしくはこちらから!


つれづれ読書日記


扇:では、主人公の雪籐。
まだ若いが、正義の殺し屋集団ブラック・エンジェルズに所属する凄腕の仕事人(違う)。
回転している自転車のタイヤからスポークを抜き取り、武器として使用、背後から忍びより、耳から脳を貫くのを得意とする。
姉を殺した極悪人を葬った過去を持ち、その顔には常に暗い影がある……わけでもなかったり。(爆)
黒い天使として覚醒した後は、超常的な力を発揮して読者を唖然とさせた。
なお、連載中は彼の真似して回転中のタイヤをじっと見つめる怪しい小学生が多数存在したとか、しなかったとか。

鈴:じゃぁ、次はヒロインのジュディ・オング……もとい、ジュディ。
父親が傭兵で、その影響で傭兵=ブラック・エンジェルズになったキャラで、武器は鞭の先につけた刃。
ただし、少年マンガのヒロインらしく、ブラック・エンジェルズのわりに、弱いし、敵に捕まってばかりで雪藤に助けられるなど、実力的にその他ブラック・エンジェルズのメンバーと較べて、か・な・り劣る。
まー、ひとりくらいヘタレがいないとねぇ、と言う理由のみでOKなキャラ。

扇:では、太陽にほえろな元刑事・松田鏡二。
当初は、刑事として殺しを否定していたが、敵のあまりの外道っぷりに開眼、ブラック・エンジェルズのメンバーとなって、得意の空手で悪に天誅を下す。
熱く、強く、その上グラサンが似合うという絵に描いたような二番手キャラで、水鵬と並んでこの漫画の人気を支えた。
メンバーの麗羅と恋仲となるが、額を撃ち抜かれて死亡……結局、幸せにはなれなかった。
もっとも、続編(?)の『マーダーライセンス牙&ブラックエンジェルズ』で、「細かいことは気にすんな」の台詞とともにあっさり復活、色々な意味で読者の土肝を抜いた。

鈴:では、その松田の相方で、元殺し屋集団竜牙会の殺し屋麗羅。
ナイフ使いで登場当初は、組織から抜け出し、いかにもな必殺仕事人ぶり(金額が4ならばすべて死とする)だったが、結局ナイフというありきたりな武器のため、人間離れした連中との相手には不足、もしくはサブ以外の役割は与えられなかった。
松田とはいい感じにラブラブだったが、妊娠発覚後、あっさりと殺されてしまうあたり、ジュディ・オング……もとい、ジュディほどの重要性は薄かった。

扇:他にも、復活しまくる水鵬とか、雪籐の育ての親でブラック・エンジェルズの元締め鷹沢神父、松田と水鵬の交代要員として登場した牙亮と飛鳥とかいるんだけど……割愛。

鈴:いろいろいたねぇ。
まぁでも、基本的には前のキャラの踏襲でしかなかったから、しょうがあんめい。
……とは言うものの、少年マンガにしては人死には最高レベルだし、必殺仕事人とは言うものの、殺し屋同士の戦いだったりと、少年マンガにしてはダークな話ではあったねぇ。

扇:「地獄に落ちろぉ~!」という台詞を全国に流行らした漫画でもあるな。
外道が犯す残虐行為も、仕事人達の暗殺シーンも容赦無用だったので、子供ながらに、「こりゃやばいんでないかい」とは思ったな――読んでたけど。
第一部で真面目に仕事人やってる頃は好きなんだが、それ以降はちょっとなぁ、と思います……どう考えても展開グダグダだし。(間違いなく、無理矢理続投させられたんだろうが)

鈴:続けさせられるのはジャンプの伝統だな。
まぁ確かに、竜牙会ので終わっとけば綺麗に終わってたんだろうがねぇ。
でも超能力WARSまでは、まだマシだったとは思うけどね。

扇:それでいくと、第三部はもう終わってたな。
ともあれ、少年漫画の限界に挑戦した作品ではあります。
女性が、「けだもの~!」と叫ぶシーンが頻繁に出てくるので、御子様の目の届かないところで読みましょう。(それをリアルタイムで読んでた自分って一体……)
では今日はこのへんで、さいならさいならさいなら……さいならっ。

鈴:まぁ確かに、いまならPTAが黙っていない……昔もかな。
それくらい過激な内容のマンガではあったねぇ。
しかし、あの泣き顔の臭さとざーとらしさは、けっこう引く気はしないが~(笑)
まー、とりあえず、相棒も落ちることだし、追随して…。
さよならっ、さよならっ、……さよならっ!
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神々の黄昏

2006-06-28 23:53:01 | マンガ(少女漫画)
さて、漫画紹介するのも久々かも知れない第575回は、

タイトル:ニーベルングの指輪(
著者:あずみ椋
文庫名:角川文庫

であります。

かのワーグナーの大作『ニーベルングの指輪』のコミック版です。
この方、他の作品読んだことないのですが、少なくともこれは凄く出来が良かった。

原作、『ニーベルングの指輪』は全四部から成る壮大な歌劇です。
北欧神話や英雄伝承をモチーフにした神・人物が多数登場し、持つ物に強大な力を与えるという指輪を巡って、醜い争いを繰り広げます。
ざっと概要を説明すると――。

『序夜 ラインの黄金』……ラインの川底に輝く至宝・ラインの黄金。愛を断念した者だけが、その黄金を鍛え、世界を手にする指輪を作ることができる。ニーベルング族のアルベリッヒは、指輪を得て地下世界の王となった。それに呼応するように、天界でも問題が発生する。神々の王ヴォータンが、城を建設させる代わりに巨人族と取り交わした約束――女神フライアの引き渡し――を反故にしたのだ。神対巨人、一色触発の状況の中、炎の神ローゲは一計を案じる。

『第一夜 ワルキューレ』……ヴォータンの血を引くヴェルズング一族は戦いに敗れ、滅亡した。兄のジークムントは父とともに放浪者となり、妹のジークリンデは山賊によってフンディング家に売られる。父ヴォータンの手引きによって再会した二人は愛し合い、フンディングの元から逃れるが、二重の禁忌を犯したことで女神フリッカの怒りを買ってしまう。そしてジークムントの元に、ヴォータンと知恵の神エルダの娘ブリュンヒルデが遣わされた。

『第二夜 ジークフリート』……時が過ぎ、ジークムントとジークリンデの息子ジークフリートは逞しい青年に成長していた。育ての親であり、アルベリッヒの弟でもあるミーメにけしかけられ、彼は恐れを教えてくれるという巨竜に戦いを挑む。竜の宝物の中から例の指輪を発見したジークフリートは、殺意を抱いて迫ってきたミーメを返り討ちにし、旅に出る。彼が求めるのは、炎の中で眠るブリュンヒルデ!

『第三夜 神々の黄昏』……再び指輪が世に放たれ、呪いが世界を犯し始めた。ヴォータンはワルハラに座して終末を待ち、ジークフリートはアルベリッヒの息子ハーランの罠に落ちる。そして、誰にも止められない破局が迫ってくる。

指輪って、持ち主に力を与えるどころか、呪いの効果しか発揮してないじゃん! というツッコミは入れない方向で。(笑)
最後のカタストロフは北欧神話のラグナロクの方が好きだけど、神話伝承ごっちゃにしてワンパックにまとめたストーリーは結構好きです。
ちなみに元ネタはあるものの、各キャラクターの性格は殆どワーグナーのオリジナルです。特にヴォータン(オーディン)とローゲ(ロキ)は変わりようは凄い。

で、本書ですが、かなり忠実に原作を再現しています。
非常に長い台詞を簡略化して会話として成立させていたり、舞台を意識した構図を使うことで雰囲気を出してみたりと、漫画ならではの工夫が随所に見られるのもポイント高し。
オリジナル要素で特に気に入ったのは、トリックスターであるローゲを全体の見届け役として抜擢したことと、そのキャラクターがとにかく格好良かったこと。どう考えても作者はローゲのファンだな、こりゃ。(笑)

絵は綺麗だし、原作知らなくても充分面白いし、かなりオススメです。
内容的には少年漫画に近いので、少女漫画が苦手な男性諸氏でも楽しめるかと思います。



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冒険はしません

2006-06-27 23:36:04 | 小説全般
さて、久々にお初の方な第574回は、

タイトル:冒険の国
著者:桐野夏生
文庫名:新潮文庫

であります。

名前は知ってたけど、また読んだことがなかった方の『幻の処女作』です。
崩れかかった家庭、寂れつつある旧市街、忌まわしい過去、様々な要因に追いつめられていく女性の姿を描きます。
(って、さりげに相棒が別の作品読んでたりするしっ!)

五歳年上の姉、老いてなお働く母、失職して主婦代わりをしている父に囲まれて暮らす永井美浜は、埃を被ったような家庭に嫌気がさしていた。
母の同僚に紹介してもらった関係で、職場に両親の昔馴染みが現れ、しきりに結婚をほのめかすのも鬱陶しかった。
美浜は思う、自分はこうしたいという強い願望が持てなくなったのはいつ頃からか、そして、何かを諦めることが生き方になったのはいつからだろうか、と。

偶然にも、美浜は職場で幼馴染みの恵一と再会する。
一通り、昔話やその後の話をした所で、彼の弟の英二の話題が出た。
二十歳の時に自殺した英二……事件の前日に彼と喧嘩をしたこと、彼の死に関して周囲から疑いの眼を向けられたことが脳裏をよぎり、美浜の心は曇る――。

窓からディズニーランドが見える新築マンション、そして取り残された旧市街を舞台にした、淡々と進む、暗いトーンの物語です。
と言っても、若竹七海のように、世界が悪意に満ちている感じではなく、登場人物達が自分で自分を追い込んでいっている印象が強い。
特に主人公の美浜はそれが顕著で、耐えきれなくなった時に毒をぶちまけることで、さらに自分自身を追い込んでいきます。

美浜は常に『取り残されることの恐怖』に支配されています。
作中で幾度となく描かれる、くたびれた家族への嫌悪感、周囲への不満、友人に対する複雑な感情は、すべてここから来ている。
英二の死にこだわっているのも、彼が何も告げずに死を選んだからです……自責の念もあるのですが、どちらかというと憎悪の方が強い。無論それは、自分が取り残されたことに対する怒りにほかなりません。

物語は、美浜が英二の記憶を掘り返すことで始まり、それが元から存在していた家族の亀裂を深めていく形で進行していきます。
さらに、ある疑惑をきっかけに、美浜は長い間抱いていた疑念を口にしてしまいます……まさに、誰も幸せになれない展開。(笑)
ここらへんの描写は、読んでて嫌な気分になるものの、上手く書けているなと感じました。

気になったのは、美浜の英二へのこだわり方。
彼女は英二という人物にこだわっているのではなく、英二が自殺したという状況にこだわっているに過ぎません。だから出口がどこにもない。
一応、最後の恵一との対決(?)シーンで英二に対する心情を吐露するのですが、この時の美浜はもう支離滅裂で、単にやけくそになっているとしか思えない。
回想で登場する英二のキャラクターも薄いため、オチで美浜が思う『もし英二が生きていたら?』という部分が殆ど無意味になってしまっているのはかなり不満。

何とも言えない作品です。
他の作品を読んでいないので、ファンに勧めて良いかも不明。
美浜が他人を観察する時の描写はかなり上手く書かれているので、同じ年代の女性ならば共感できる部分があるかも知れません。
ただ、当の美浜を好きになれるかどうかは保証しかねますが……。



ところで、これのどこが『冒険の国』なんだ?
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密航は犯罪です

2006-06-26 23:23:31 | ミステリ
さて、このところ読む作家がマンネリだなと思う第573回は、

タイトル:名探偵は密航中
著者:若竹七海
出版社:光文社文庫

であります。

若竹七海の連作短編ミステリ。
横浜~倫敦行きの客船・箱根丸の上で起こる様々な事件を描きます。
例によって一つずつ感想を書いていきます。

『殺人者出帆』……酒癖・女癖が悪く、誰にでも借金を申し込む嫌われ者・山城新吉が殺された。容疑者として箱根丸に乗船予定だった内藤五郎の名が浮かび上がるが、新聞記者の舟木は彼の犯行に疑問を抱く。
一応、犯人当てミステリ。ただ、真相については……をいをい、と言ったところ。その後の話にも登場する人々の紹介編でもあるが、どのキャラクターも印象が薄い。

『お嬢様乗船』……終着地・倫敦で結婚する予定の山之内男爵令嬢が、上海にて脱走騒ぎを起こした。親の決めた理不尽な婚姻に反発したのだ。随行者の心配をよそに、彼女は再度脱出計画を練るが――。
本作で一番キャラの立っている(それでも薄いが)山之内初子嬢&沢田ナツ大活躍の巻。脱出が成功していたら、自分はもっと素敵な人生を送っていたとナツを脅すお嬢様も凄いが、そんなお嬢様を手玉に取ってしまうナツはもっと凄い。手紙の罠がちと単純だったものの、ミステリとしてはすっきりとまとまっている。

『猫は航海中』……博打で大勝し、いい気分で酔っぱらっていた池澤二郎が自室で殺害された。空き部屋となった彼の部屋は一匹の猫が占有することになるのだが、そこに幽霊が出るという噂が立ち始める――。
猫の視点で情報を集めていくというミステリ。真相については……間違えるか? というのが正直な所。見た目で騙されても、しゃべった瞬間にバレると思うのだが。

『名探偵は密航中』……開き直って金を使いまくる初子を妬ましく思う裕子。裕子のセンスに嫉妬する初子。仲が良かった筈の二人は、ある二人の男の出現によってぎくしゃくし始める――。
古典的なワントリック物。特に印象はない。

『幽霊船出現』……藤波啓介事務員は人けのない甲板で、前方から見知らぬ船が迫ってくるのを目撃した。だが、衝突を覚悟した瞬間、向こうの船は幻のように消え去ってしまう――。
一押し。暑い船上で各人が怪談話を披露するという趣向で、ミステリというよりホラーに近い。どの話もショートショートとして良くできているのだが、何と言ってもラストの話が秀逸。さて、本当のところどうだったんでしょう。(笑)

『船上の悪女』……悪戯ばかりしている子供が、睡眠薬を大量に飲んで階段から転げ落ちた。意識不明の重体にも関わらず、父親の態度は極めて冷たい。手当てを担当していた神谷桜は子供の手帳を発見するが――。
これまた、真相がかなりイマイチなミステリ。父親の不審な行動に関するヒントがゼロで、最後の最後に実はこういうことだったんだ、と一気に明かして終わる。

『別れの汽笛』……男を食い物にして世界を渡るマダム・ミネルバ・ハザードが仮装パーティを開いた。しかし、その最中に停電が起こり――。
初子が決断する、そのためだけの話。

中途半端な作品でした。
シチュエーションは『海神の晩餐』に似ているのですが、こちらはあれに輪をかけてキャラクターが薄い。
ミステリ色は濃くなっているものの、代わりに船旅の情緒が大幅に削減されてしまい、はっきり言って退屈。
で、ミステリとして出来がいいかというと……これがまたひどくて。

『幽霊船出現』以外、褒めるところが見つからない作品でした、残念。
ただ、『海神の晩餐』と違ってラストが極甘なので、ハッピーエンドが好きな人にはこっちの方が向いてる……の、かも。



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それも入るんかいっ!

2006-06-25 17:57:29 | 事典/図典
さて、人間から人外への第572回は、

タイトル:天使の事典 KNOW YOUR ANGELS バビロニアから現代まで
著者:John E. Ronner 訳:鏡リュウジ・宇佐和通
出版社:柏書房

であります。

その名のとおり……と言うか、これ以上説明のしようがないくらい、タイトルどおりのストレートな本。

構成としては、原書のアルファベット順から五十音順に改められており、誰もが知っている大天使ミカエルなどのキリスト教の天使はもちろん、ユダヤ教、イスラム教と言った一連の宗教に登場する天使も扱っている。
また、堕天使ももともとは天使と言うことで、サタンやルシフェル、ベールゼブブなどの悪魔も収録。

さらには天使に関する詳細な著述を行ったトマス・アクイナスなどの人物や、テレビドラマや映画に登場する天使などもあり、はたまた天使関係の本を著した作者や、いわゆる天使関係のフリークで作られた団体まで入っていたりする。
(おまけに、そこの連絡先住所まで書いてある)

挙げ句の果てには、菩薩まで天使扱いである。

……をい……。

確かに、訳者あとがきにあるように、内容的にはけっこうお手軽で、本の下段2センチ程度のスペースに解説や天使に関する宗教画などが挿入されており、文字だけではない魅力があるにはある。
事典としても、ただ単に天使だけの紹介ではなく、天使にまつわる周辺の宗教家や団体、概念などにも触れており、広く浅くにはいいかもしれない。

……しれないが……、無節操すぎるぞ。

確かに、神の意志に従って人間に影響を及ぼす存在、と解釈すれば何とか理解できる神話や他宗教の神もあろう。
とは言え、菩薩は如来とは異なる存在ではあるが、仏は仏で神の僕というわけではなかろうし、ヴァルキューレもオーディンの命に従って活動はするがれっきとした女神であろう。
それを一緒くたにして「天使」と銘打った事典の一項目にするのもねぇ……。
もともとアメリカで出版されたものだが、向こうの人間にいらん誤解を与えそうな内容だ。

まぁ、だからと言ってまったく見るべきところがないかと言えば、ときおり見られる天使に助けられたとする体験談は興味深い。
いろいろと思うところはあるが、それを天使にせずにいろいろと別のに当てはめたりしていけば、物書きのひとつのネタにはなるかな、とね。
……逆に言えば、それくらいしかおもしろみがない、とも言えるが(笑)

まぁ、天使だけのことでいいながら、Wikipediaで検索したほうが早いし金もかからないのはホント(爆)
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このひとと言えば

2006-06-24 20:01:18 | 恋愛小説
さて、当然「世界ふしぎ発見!」だろうの第571回は、

タイトル:冬虫夏草
著者:竹内海南江
出版社:幻冬舎文庫

であります。

夢と希望を抱き、大学進学を機に都会に出てきた幸一郎は、大学生活の中でいつしか上京当初抱いていたものを見失い、卒業して就職してからも、ただアパートと会社を往復するだけの日々を送っていた。
そんな幸一郎がシャワーを浴び、鏡の前で髭を剃っていると突然、鏡の中に沙羅と名乗る紫の瞳が印象的な美女が現れる。

沙羅は幸一郎を鏡の中……幸一郎の心の中でもある世界へ導き、そこにある深層心理を見せつける。
忘れたい過去や思いを見せつける沙羅に、しかし幸一郎は惹かれていくが、沙羅は鏡の中の存在。
その代わり、のような昔は羊飼いの神様だったと言う老人パンや、登校拒否で家出少女の高校生伊織との出会いや出来事を経て、幸一郎は自らを再確認し、受け入れていく。

……結論から言うと、まぁ作家ではないしと言うことでぎりぎり及第点と言ったところだろうか。

ストーリー自体は、ある人物との出会いやその人物との関係で起きる出来事などを通じて主人公が自分を見つめ直し、成長していく成長物語。
ヒロインである沙羅やパン、途中出てくる薬屋の海亀屋など、様々な世界を旅し、様々な文化に触れてきた著者の持つ知識、感性と言うものが感じられるが、あくまでこれは設定上の問題であって、定番としてのストーリーに意外性や新鮮さを加味するには心許ない。

ただ、誰もが持っているであろう弱い部分をしっかりと真っ向から描いていることに関しては評価できる。

文章的には比較的簡潔明瞭で、読みやすく、過不足はない。
当然、そういう表現はいかがなものかと思わせられるところもないわけではないが、そこはやはり本職ではないことを差し引いてもらえればよいだろう。
そう言う意味では、表現力は十分と言える。

まぁ、甘めにつけて○……小説としては及第なんだけど……。

えーっと、この私に最後のオチを丸々予測させてしまう定番さは、どうよ? と言う気はするぞ(笑)
自他ともに認めるオチなんてこれっぽっちも予想しない感性派の私が、ラストのオチを読んで、

あ、やっぱり……。

なんだもんなぁ(爆)
まぁ、そういう安心感は嫌いではないが、なんかねぇ……。
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入門用

2006-06-23 21:31:49 | 事典/図典
さて、第570回は、

タイトル:陰陽師列伝 日本史の闇の血脈
著者:志村有弘
出版社:学習研究社

であります。

安倍晴明に代表される陰陽師。
その晴明を筆頭に比較的名の知れた奈良時代から鎌倉、江戸時代に至る陰陽師を紹介したもの。

構成は、

序章 秘法
初っぱなから何だが、秘法なんて大仰なものではなく、陰陽道とは、そして陰陽師とはどんなことをする者なのか、そんなことを短く解説しているだけである。
それなりに知識のあるひとにとっては、斜め読みで十分。

第一章 列伝
陰陽道を日本に導入したとする吉備真備から、晴明関係で有名な賀茂忠行、保憲親子、安倍晴明とその子孫などを各人物ごとに紹介。
「今昔物語集」と言った物語や「小右記」と言った日記などに記載されている事柄から、各人がどういうことをしたのかなどを描いている。

もちろん、文献の中での扱いによって内容の多寡は生じてしまうが、概して有名な話を収録しており、入門書としてはいいが、やはりここも多少の知識があれば物足りないだろう。
実際、「今癪物語集」とかを読んだこともあるし、それなりに陰陽道関係の本を読んだことがある私にはかなり物足りない。
ほとんどが知っている話だったりするし。

第二章 奇談
列伝よりもむしろこちらのほうが興味深かった。
上記の文献などに名は乗らないものの、逸話、説話として残っている民間の陰陽師の話を紹介している。
もっとも、何となくこれは聞いたような気がするものもあったりするけど。

参考 カラー口絵
中国から渡来した妖狐玉藻前たまものまえを、晴明の子孫安倍泰成が妖狐と看破し、それを上総介かずさのすけ三浦介みうらのすけが退治する物語の紹介。
なんでここだけカラーで、絵物語が入っているのか疑問。

第三章 暗躍
ここでは主に源平の時代に、ときの権力者に伺候した陰陽師の紹介をしている。
藤原頼長、平清盛、源頼朝、実朝と続く。

第四章 残照
陰陽師たちのその後、と言うことで、第三章の暗躍以後、江戸時代などでの主に晴明の子孫である安倍家(土御門家)を中心に紹介。

……と言うのが主な内容で、あとに付録が収録されている。

しかしまぁ、タイトルにも書いたし、中にも書いたけど、入門書だぁね。
夢枕獏の「陰陽師」シリーズや映画など、興味を持ったひとが最初に手に取るには、解説も冗長にならずわかりやすいのでオススメできる。
そうでなければ、他のもう少し専門的な部分にも触れたもののほうが満足できるだろう。
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定番!

2006-06-22 20:38:37 | 木曜漫画劇場(紅組)
さて、企画第3弾はこちらっ! の第569回は、

タイトル:彼方から(全14巻)
著者:ひかわきょうこ
出版社:白泉社 花とゆめコミックス

であります。

鈴:まだバポナ買ってないなぁと思っているLINNで~す。

扇:だから吊して一夏過ぎたら白骨化するってば、と思うSENでーす。

鈴:コバエが?

扇:君が。

鈴:いくら劇薬だからってなるかいっ!!

扇:だって食べたら死ぬんでしょ、あれ。

鈴:あぁ、初めて買ったときは薬局で名前、住所、電話番号を書かされたくらいやばいものを使っているらしいしな。

扇:ほう、それは知らなんだ……って、バポナの話はもうええっちゅうねん!
今、旬の話題と言ったら――。

鈴:茄子?

扇:いや、話題じゃないから、それ。
今、旬の話題と言えば――!

鈴:プロ野球交流戦?
ワールドカップなんて言うなよ。
オーストラリアに負けた時点でもう興味ゼロだから。

扇:異常なまでの反感買いそうだから、その話題はオミットとしておこう。
今、旬の話題と言えば……島本&ひかわ特集で六週間ごまかしてきた木劇のネタがないということだっ!(超内輪ネタ)

鈴:……そういえば、そうだなぁ。
もう企画ものでしばらく決まってたから、次に何をやるか、1ナノメートルほども考えてなかったなぁ。

扇:考えろよ。
いかにしてお前に少年漫画を読ませようかと悩んでいる俺の苦労も少しは知ってくれ。

鈴:なんのことかな?

扇:あっさり返しやがったな、をい。
だったら、昔の少女漫画を読めっ。
せめて萩尾望都、和田慎二、山岸凉子ぐらいは押さえとけっ!

鈴:……「超少女明日香」くらいしか読んだことはないのぅ……。
萩尾とか山岸はさっぱりだのぅ。
1ページたりとも読んだことはないっ!(威張り!)

扇:読めよ。
萩尾の構成力は凄いぞ、おかげで少女漫画界にやたらとフォロアーが出た。
山岸はどっちかつうとホラーメインの人だから、君には合わんかもねぇ。
やはりここは電○でDに出馬願うしかないのか……。

鈴:ん~、とりあえずはどっかでちょろっと立ち読みでもしてみんと何とも言えんなぁ、萩尾も山岸も。
おぉっ、○車でDかっ!
あれはよいぞっ! あまりのバカさ加減に常連さんがとらのあなHPに殺到すること間違いなしだ!
宣伝費もらわんとあかんな(笑)

扇:出ねーよ。
しかし……読んだことはないが、あれは笑った。
つーか、国電でドリフトかましてんぢゃねぇっ!

鈴:なに、それだけではないぞ。
隣の線路に前輪を乗せて曲がれない速度でコーナーを曲がる、と言う技を出したりするからなっ。
電車で。

扇:電車ってとこがミソだよな。
ギヤの代わりにマスコン握って、俺の前は何人たりとも走らせねーっ! って。

鈴:何人たりとも~は別のマンガだ(笑)
しかし、電車でDは1冊だけ、総集編みたいなのを読んだことがあるが、これがまぁ、ホントによく似てるんだよなぁ、キャラが。
驚き具合までそのまんまだし、ストーリーは基本的に原作踏襲してるから知ってると余計に笑える作品だな。

扇:後は、魁メモ○アルさえ読んどけば完璧だな。

鈴:あぁ、これはなぁ。
魁メ○リアルだけではなく、この魁のタイプのはどれを読んでも笑える(&きしょい)のがまたいいんだよなぁ。
つか、北斗の拳やら男塾やらでときメモとかやろうって発想が変だ(笑)

扇:つーか、劇画調の絵ってネタにしやすいんだろうねぇ。
ゴツイ男にセーラー服着せて北斗神拳て時点で笑わずにはおれん。

鈴:まぁなぁ。
男のほうがごつい劇画調でも、女性キャラがいかにもならそれだけだが、女性キャラが、告白する相手の女性キャラがラ○ウだったりする絵を見た瞬間に、引きつるほど笑えるのは必至だな。

扇:まさに、愛は戦いだな。(笑)
って、そろそろ真面目に次回何やるか考えないか?

鈴:あぁ、空が落ちてくるくらいだしな、愛で。
……って、そうね、ホントに次なにやろう?
少年マンガだよなぁ、次。

扇:うむ、ユーはショックという奴だ。
少年漫画と言えば、ブラック・エンジェルズやってなかったな。
少年? と言うとかなり疑問形な作品ではあるんだが……。

鈴:あー、そういえばやってなかったなぁ、黒天使たち。
じゃぁ、次はこれにするとして、その次の少女マンガはどないすべ?

扇:エイリアン通り、緑野原学園シリーズ、アクマくんシリーズ、赤い牙――ブルーソネット、V-Kカンパニー、どれか一つでも覚えがあるかね?

鈴:エイリアン通り、緑野原学園シリーズは憶えがあるぞ。
やるとするならエイリアン通りだろうなぁ。緑野原~はかなり、と言うか、すんごい痛いとこがあるしなぁ。
って、樹なつみはどうよ? 「花咲ける青少年」あたりはけっこう好きなんだが。

扇:実は『OZ』しか覚えてないのだ。
アフタヌーンで書いてた奴もちらっと読んだんだがパスしたし、『八雲立つ』は長くて……。
そいや、『獣王星』がアニメ化されてるな。

鈴:アニメ化か……。
まだアニメ化ならマシかなぁ。声のイメージ合わないと駄作の烙印を平気で押しまくるが(笑)
まぁだが、樹なつみは候補としてはよかろう。
……って、そろそろ本題に入らんとあかんのではないかえ?

扇:そうそう、藤臣君シリーズの話だったな。

鈴:をい
「星のハーモニー」だ!(違う)

扇:違うっ!
藤臣君シリーズの第一作は『春を待つころ』だっ!

鈴:ずれてるぞ。

扇:フッ……どれだけズラして相手を苦しめるかが俺達の友情の証だな。

鈴:……。
さて、本題に入って、ひかわきょうこの代表作「彼方から」であります。
突然、異世界に連れ込まれた主人公が、ヒーローキャラとともに様々な国を旅し、ふたりが持つファクターから様々な困難を乗り越えつつ、ハッピーエンドに向かうごくごくありきたりな、ひねりも何もない、定番的な異世界ファンタジーものであります。

扇:つーか、私に言わせると――
藤臣君シリーズの千津美と『荒野の天使ども』のダグラスを異世界で引き合わせただけの作品です。
他に何があるかと言われると何もありません。(今日の木劇は嵐の予感!)

鈴:さすが相棒。
古っ!
さておき、ストーリー紹介は終わったのでキャラ紹介といきませう。
と言うわけで、CM~。


つれづれ読書日記


つれづれ読書日記、進化?

『作家別目録』、いつ更新したっけな?
『怪しいページ』は……存在自体が忘れられ……てるよな、絶対。
御覧になりたい方は、最新記事の『目録へのショートカット』、もしくはこちらから!


つれづれ読書日記


鈴:では、主人公の立木典子。
小説家の父を持ち、普段から空想家として友人たちに知られていたが、突然異世界に飛ばされ、破壊の神(?)のような天上鬼を呼び出すことができる「目覚め」として認識される。
本人は、至ってまじめで、けっこう前向きな女の子で、その天上鬼でもあるヒーローと旅をするうちにくっつき、悪とされていた天上鬼を世界を救う力へと変貌させることが出来る作品のキーとなる。
ある意味……というか、ひかわきょうこらしい、平凡で、前向きな、表情豊かなヒロインである。

扇:何度も言うけど、性格は藤臣君シリーズの千津美そのまんま……解らん世代の方が多いのだろうが。
一巻で赤面グラフィックを見た瞬間、「ひかわきょうこ、一ミリたりとも絵が変わってねぇ……!」と思った、これに関しては偉大だと思う。
千津美&藤臣のカップルが微笑ましかっただけに、同じ性格の典子がダグラス(だからイザークだってば)と一緒にいるのは何か違和感がある……って、もしかしてただの懐古主義?

鈴:いまさらだな>解雇主義。
……さて、名前も出たことだし、ヒーローのイザーク。
某種でブルーポイントためまくって、いつの間にか顔キャラ殺すまでに復活したひととは無関係(笑)
天上鬼とは、過去にいろいろあったためだが、典子と出会ってから恥ずかしいくらいのヒーローに変貌する。
少年マンガにも出てきそうな強さとぶっきらぼう、女性に対する不器用さなど、定番だがツボを押さえたキャラである。

扇:一言多いんだよ、てめぇは。
悪神とも呼ぶべき強大な魔・天上鬼を内に抱え、常に暴走と戦っている不遇のヒーロー――の筈なのだが、陰湿な話が苦手な作者らしく、シリアスさはあまり伝わってこないのが難点。
つっけんどんではあるが拒絶までいけないため、中途半端な性格になっているのもダグラスと同じ……『荒野~』はコメディだからいいが、こっちだと問題。
ん~、やっぱりコメディ向きだよなぁ、ひかわは。

鈴:いつものことだ。
コメディ向きってのは、まぁ納得だわね。
そもそも、ヒロインの典子自体、コメディ体質だし。
……で、あとのキャラ紹介どうするよ。

扇:いらん。

鈴:だろうなぁ……(笑)
個人的には、あのいかにもなバカ殿様な感じがすんごい楽しかったんだけどなぁ。

扇:アゴルとジーナハースの親子も悪くはないんだが、薄かったのは否めんな。
まぁ、ただの寂しがりのラチェフとパワー馬鹿のケイモスが敵って時点でバトル物としては終わってるんだがな。

鈴:そうね。脇キャラとしてはそれなりに個性的なのはけっこういるんだけど、影が薄いんだよなぁ、このマンガ。
でも、バトル物ではないのだから、それはいいではないか。
とにかく、異世界ファンタジーとしては、下手な少年マンガやラノベよりはあっさりとしてて読みやすいし、ちと長いがそこまで非難するほどのものではなかろう。

扇:まぁ、酷評するほどかと言われるとそうでもないんだが、いかにも合わないジャンルを選んだねってのが本音だ。
シリアスとほのぼのの使い分けがイマイチってのはかなり痛いぞ。(まだ言う)
というわけで私には合わなかったのですが、異世界ファンタジーものの一つとしてさらりと読める作品ではあると思います……長いけどね。
これ以上喋るとさらに毒吐きそうなので、今日はこのへんでさようならぁ~。

鈴:まぁねぇ。
私的には、いまどき捻って破綻するばっかりのファンタジーよりも、定番だけど安心できる設定や展開って言う意味では、オススメできるマンガだとは思うけどね。
と言うわけで、なんか微妙な評価な気はしないでもないけど、総括すると「悪くない」という程度で締めておきませう。
と言うわけで、この辺で、さよ~なら~
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ネメゲトサウルスって、×かよっ!

2006-06-21 23:50:24 | ミステリ
さて、クロスレビュー継続中な第568回は、

タイトル:ガラスの麒麟
著者:加納朋子
文庫名:講談社文庫

であります。

加納朋子の連作短編ミステリです。
通り魔によって命を断たれた少女の内面、及び、彼女に関わった人々のその後の姿を描いています。
例によって一つずつ感想を描いていきます。

『ガラスの麒麟』……娘の同級生・安藤麻衣子が刺殺された。葬儀の席で出会った養護教諭・神野から故人の話を聞く内に、私の中に一つの衝動が沸き上がってくる。そして、唐突に口にしてしまった、自分は犯人のことを知っていると――。
この物語の狂言回し・野間と、探偵役の神野先生の出会い編。イントロからして、実は野間が犯人! とか、実は娘・直子が犯人! とか想像してしまうが、そういう犯人当てミステリではない。野間が挿絵を描くことになった童話『ガラスの麒麟』が麻衣子の作品だったり、葬儀の席で出会った神野も麻衣子にこだわっていたり、さらに、殺人事件直後から始まった直子の奇妙な行動も麻衣子絡みだったりと、野間が本書終盤まで麻衣子という少女にこだわることになる下地がしっかり書かれているのはさすが。ただ、最重要ファクターである『ガラスの麒麟』には納得しかねる部分があった。これについては後述する。

『三月の兎』……小幡は雪の中を歩きながら、教師ならではの悩みについて色々と思いを巡らせていた。理解できない存在に囲まれているのに、なぜ自分はこの仕事を続けているのか? ふと、半月前に亡くなった一人の生徒のことを思い出した――。
安藤麻衣子の担任・小幡の視点で、女生徒達の姿を描いた作品。孤高の存在だった麻衣子を慕い、同時に憎む生徒達の心理を探る内に、小幡自身も葛藤に放り込まれていくくだりはかなり上手く、読ませる。直子が再登場し、ガラスの麒麟を越える不思議ちゃんっぷりを披露しているのも見所。神野先生も登場するが、悩む小幡に福音を与える役と言うより、飽くまでミステリ解決のためだけといったところか。ラストはいい意味で反則。駄目だよ、悩める先生泣かせちゃ。(笑)

『ダックスフントの憂鬱』……高志はむくれていた。幼馴染みの美弥から電話がかかってきた、と思ったら、両親が仕掛けた茶番だったのだ。しかしその後、本当に美弥から電話が入り、助けて欲しいと頼まれる――。
珍しく、麻衣子の話が出てこない番外編(実はまったく無関係というわけではないが)。犬が怪我をしたという事件、その背後に潜む悪意……神野先生の推理が冴える。彼女がそれを感じ取れるのは、自分もまた近い部分を持っているからにほかならない。これは最終話で明かされる。それにしても、加納朋子って恋愛書くのだけは物凄く下手だなぁ……。

『鏡の国のペンギン』……安藤麻衣子の幽霊が出る。学校で、そんな噂がまことしやかに流れていた。そんな折、トイレで奇妙な落書きが発見される。「けいこく!」で始まるその文面には――。
麻衣子の死を巡って起こる事件。ホラータッチのイントロだが、すべては生者の為すことであり、きっちりミステリとしてオチを付けている。本当の幽霊話もそうだが、故人に対する複雑な想いを書かせたら、加納朋子の右に出る者はそんなにいない(弱気)。本書全体を支配する少女・麻衣子の一面が出てくるが、ここに至ってもその姿はまだおぼろで、はっきりと見るには次編『暗闇の烏』を待たねばならない。

『暗闇の烏』……窪田由利枝と付き合い始めて一年、山内伸也はついにプロポーズを決断した。彼女は純粋で、無垢で傷つきやすくて、誰かが守ってやらなくてはならない。だが、由利枝はそれを断り、自分は幸せになってはならない人間なのだと明かした――。
神野先生の元生徒であり、麻衣子同様保健室の常連だった由利枝が登場。由利枝の過去を知りたがる麻衣子、麻衣子から手紙を受け取った由利枝、由利枝の中にまだくすぶるものを感じる神野先生、三人の姿が並行して描かれる。由利枝が心に抱える罪を軸に、麻衣子という少女の実体がある程度明らかになる、ある意味本書中最も重要な作品。ただ、些細な問題が一つある、麻衣子のキャラクターがどうしても好きになれないという点だ。

『お終いのネメゲトサウルス』……本の打ち合わせの後、私は神野先生とばったり出会った。その場の流れで、彼女とともに麻衣子の母を訪ね、『お終いのネルゲトサウルス』という作品を見せられる――。
麻衣子を殺害した犯人が判明する完結編。麻衣子の暗部、神野先生の暗部を野間が読み解いていくという形式になっており、小幡先生も面白い役所で出演している。他人の傷口を開いてでも救いを求めた麻衣子の末路(敢えて末路と言わせてもらおう)はやはりそれしかないか……とダークな納得の仕方をしたのは秘密。連作短編のトリの見本のような作品だと思うが、ラストの救われ方は何だかなぁという気がしないでもない。

微妙な作品です。
面白かったかと聞かれたら、面白かった方……なのですが、引っかかる部分があるのも事実。
特に違和感を感じたのが麻衣子が書いたという作中作『ガラスの麒麟』、『お終いのネメゲトサウルス』。

どちらも麻衣子が書いたというには内容的に不自然で、短編全体をまとめる核である筈が、逆に浮いてしまって世界を壊してます。
麻衣子が自分を他の誰か(それが誰かは明かせませんが)と同一視して書いた作品、といった感じにしたかったのだろうけど、どうも上手くいってない。
特にネメゲトは謎解きの手がかりとしてあざとすぎる感じもあり……どうにも。

珍しく、ミステリ色の濃い作品です。
極めて自然に超常現象が発生する加納ワールドですが、今回はそれもありません。
合う合わないが激しいと思うので、ファンの方もそうでない方も慎重に。


☆クロスレビュー!☆
この記事はSENが書いたものです。
LINNの書いた同書のレビューはこちら
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