つれづれ読書日記

SENとLINN、二人で更新中の書評ブログです。小説、漫画、新書などの感想を独断と偏見でつれづれと書いていきます。

続きはこちらに書いちゃいますねん♪ ~つれづれ号外~

2012-10-28 01:28:47 | つれづれ号外
読んでみましたけどマンガじゃないのよの号外拾参回目は――

タイトル:茨姫はたたかう
著者:近藤史恵
出版社:祥伝社 祥伝社文庫(初版:'00)

であります。

前作「カナリヤは眠れない」がミステリっぽくなくて、どっちかって言うと成長物語だったので、個人的によかったので続きとなる本作を読んでみた。

本作は前作よりもミステリ度2、3割増し、って感じかなぁ。
煽り文句ではサイコ・ミステリらしいのだが、ストーカーを扱ったミステリっぽい話、って感じでやっぱりミステリっぽくない(笑)

主人公は臆病な性格の書店員、梨花子が弟のできちゃった婚で家を出るハメになり、ひとり暮らしを始めるところから始まる。
陰気なマンションの管理人や、ずけずけとものを言うひとりと、天衣無縫でホステスをしている隣人たちに最初は嫌悪感を抱くものの、最終的には探偵役でもある整体師の合田力の助言を得て、力やローカル雑誌の編集部に在籍している雄大など、男性陣とともにストーカー退治に挑む、と言うもの。

2、3割増し、と言うだけあって、いちおうストーカーは誰なのか? と言う謎は提示されているものの、やっぱりそれよりも梨花子が自分を克服すると言うほうに主眼が置かれている感じ。
ただ、あれだけ臆病なほど慎重に生きてきた梨花子が、力の助言だけでストーカーに立ち向かう――もちろん、力や雄大の手助けもあるが――ようになるのは、ちょっと唐突に過ぎる感じがある。

ここだけがちょっと残念かなー。
それ以外は前作同様、梨花子と雄大の視点が交互に描かれ、雄大の視点では合田接骨院で働く歩との関係も描かれていて、けっこうこのふたりの今後は気になる(笑)

どうやら次の「シェルター」でこのシリーズ、完結らしいので読んでみようとは思ってる。
フレによると前作と本作よりも劣る、と言うことだったのだけど、3巻完結で手に取りやすいし、ミステリよりも人間に重きを置いた作風は私の好みとも合うのでね。

と言うわけで、唐突感はあるものの、全体的にまぁよかったかな。

海皇紀36巻についてつらつらと ~つれづれ号外~

2008-07-15 23:53:55 | つれづれ号外
さて、さりげに買ってたりする号外拾弐回目は――。

タイトル:海皇紀36巻(以下続刊)
著者:川原正敏
出版社:講談社 月刊少年マガジンコミックス(初版:'08)

であります。

当ブログでは初の紹介となる、ファンタジー海洋冒険活劇『海皇紀』の最新巻です。
戦闘力は大陸一の兵法者トゥバン・サノオ並み(つーか、実際にやり合ったら陸奥の技とかで勝っちゃうんだろうなァ……)、知謀は放浪の大軍師チャダの弟子であるアル・レオニス並み(唯一、ファンに土を付けた? でも、その後で完敗)、な主人公ファン・ガンマ・ビゼンが悪知恵と操艦技術を駆使して、大国ロナルディアに戦いを挑む物語ですね。
つーかぶっちゃけ、どんな能力を持ったキャラが出たところで『ファンには劣る』って注釈が付くから、主役は放置プレイかまして、他のキャラ達の二番手争い見てる方が楽しい漫画だと思ってるのは私だけ?(これは同作者の作品『修羅の門』にも言える)

例によって、既刊読了前提&ネタバレ満載で参ります、未読の方はくれぐれも御注意下さい。(定型文)


さてさて、属国であった大陸一の農業国ガルハサン(倉庫とも言う)を落とされ、いよいよ本腰を入れ始めたロナルディア陣営。
必勝を期して東部戦線に大部隊を送り込むものの、雨の中奇襲をかけたウォルハンによって魔道部隊5万を殲滅させられ、逆に足下が危うくなります。
しかし、神速を誇るウォルハンと言えど無補給で西進を続けることは出来ません。そこでロナルディアは、海上からウォルハンを支援する海の一族を叩くべく、ナルド海入口ホルアフト海峡に主力カノン艦隊を終結させるのですが――ってのが前巻までのおおまかな粗筋。

で、本巻ですが、いよいよ海の一族対ロナルディア海軍の大海戦が始まりました。
影船八隻+海将の乗る大型艦七隻が北西に進路を取り、西から来たロナルディア第一・第二・第三艦隊がターンしてそれを追っかける展開。
カノンを避けつつ進むファン達は、次第に陸に追いやられていきます――超遠距離兵装がないからこれは仕方ないよね。

風上にいるロナルディア側が次第に距離を詰め、砲弾によって影船の帆が破られ始めたところで海将達の艦が間に入ります。
各艦、乗組員全員を艦内右舷側に待避させ、海将が舵を取って影船の盾になる構え。
どうやら、トーマ率いる主力艦隊が西からやって来るまで耐えるつもりのようです。(←他人事)

炸薬を詰めてないとは言え砲弾の威力は凄まじく、真っ先にヴィナン・ガルー(ウォルカ・ベアスが死んだ後、海将に復帰した方ですね)が戦死。
エピソード的に優遇されているジト・サントニウスも、負傷しながら舵を握り続けます。
他の方々も、「海の一族を甘く見るなよ」とか言いながら格好付けて下さるんですが……殆ど顔見せ程度の出番しかもらってなかったせいか、とっても薄い。

そいでもって、岬に追い詰められたところでトーマ到着!
このまま挟み撃ちか? と思われたのですが……ここで、怪しい動きを見せていたエラウド・オルデン君率いるロナルディア第三艦隊が間に割って入ります。
「海の一族の大海帥とやら‥‥よくやったよ君は‥‥しかしここまでだ」とか言っちゃうあたり、『主人公舐めた奴はヘコまされる法則』に忠実ですね。いや~真面目な子だ。(笑)

その2ページ後、例によってファンが1ページ丸々使って余裕ぶっこきます。
割って入ってくれてむしろ好都合なんだそうです――要するに、罠にかかる獲物が増えたってことね。
トーマはトーマでZ旗を振り、そのまま、カノンを撃ちまくる第三艦隊に突入! あ、よく考えたらこの状況ってトーゴー・ターンのオマージュなんだ、立場が逆だけど。

くたびれたので、後はダイジェストで。
トーマ率いる艦隊はその三分の一が火艦でした。
しかも、二つの艦の間に綱を張って逃げ道塞いでいる鬼仕様――この攻撃により、第三艦隊はあっさり潰滅します。

どうにかエラルド君は岬側に逃れたのですが、トーマの特攻を喰らって爆散。(ち~ん)
さらに、第三艦隊に当たらなかった火艦が第一・第二艦隊をも襲い、それを逃れた艦も、混乱に乗じて火矢を放つ影船で海の藻屑と化します。
味方を残してすたこら逃げる第二艦隊の旗艦を影船八番艦が追っかけていくところで、次巻に続く――まぁ、沈めちゃうのは解ってますが。

以上――大変盛り上がらない大海戦でした。(爆)

というか、陸軍もそうなんだけど、ロナルディア無能者多すぎ。
せめてもうちょっと敵側の顔キャラの扱いを上げて下さい……唯一役に立つエラルド君からして、せいぜいアグナにぶっ殺されたウォルカ・ベアス程度ってのはどうかと。
艦数を多くしてカノン撃ちまくっても、結局最初から最後までファンの手の内で全員踊ってるだけじゃ、一大決戦(?)って感じはしませんよ~――アレア・モスやイバト・ルタといった味方側の顔役も持ち味を全然発揮してませんし。(むしろ、ファンの側でツッコミ役を担当しているアグナの方が断然目立っている)

個人ドラマが気になるので次も買いますけどね……。(爆)



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ヴィンランド・サガ6巻買いました! ~つれづれ号外~

2008-07-04 18:43:15 | つれづれ号外
さて、実は本記事よりこっちの方が人気あるんじゃないかとか思ってしまう号外拾壱回目は――。

タイトル:ヴィンランド・サガ6(以下続刊)
著者:幸村誠
出版社:講談社 アフタヌーンKC(初版:'08)

であります。

お待ちかね、キングダムと双璧をなす、歴史漫画の決定版、『ヴィンランド・サガ』の最新巻です。
以前、五巻まで紹介したので、ちょうど続きになりますね。(ウチにしては珍しい!)
例によって、既刊読了前提&ネタバレ満載で参ります、未読の方はくれぐれも御注意下さい。(定型文)


道中色々ありまして、遂に最凶トルケル軍団に追いつかれてしまったアシェラッド達。
トルケルの放ったヴァルキリーズ・ジャベリン改(2141236+強P。ゲージ2消費。ガード不可)によってザコ四人を殲滅され、一同はパニック状態に陥ります。
いつもの如く冷静に対処するアシェラッドでしたが、燻っていた反乱の火種を消すことはできず、敵を目前にして仲間同士の不毛な争いが――ってのが前巻までの大まかな内容。

で、本巻、いよいよトルフィンVSトルケル最終戦が始まりました!
アシェラッド先生は、「ねずみが熊にケンカを売ってやがる……」とかおっしゃってましたが――いや、そんなレベルじゃないでしょう。
敢えて言うなら、「スズメがプテラノドンに喧嘩を売ってやがる……」ってとこでしょうか。(ん? 大して変わらないか?)

つーかね、相手は廬山昇龍覇(623+P)で、突進してくる馬を真正面から吹っ飛ばす戦闘生物ですよ!
いくらトルフィンが加速装置を備えているからって、真正面からやり合って勝てる相手ぢゃないです。
まー、主人公特権って奴でかなり差は縮められますけどね……。

すいません、不毛なツッコミでした。
大方の読者の予想通り、序盤はスピードで勝るトルフィンが微妙に優勢。
トルケルの力任せの攻撃を紙一重でかわしつつ、ナイフでちょっとずつダメージを与えていきます。

トルケル御大、気付いてみれば服はボロボロ、手足は血だらけ。
手下達が驚愕する中、「いいぞトルフィン。お前に敵う奴ァ、オレの手下にも5人といないだろう」と、好敵手を絶賛します。(でもその言い方だと、アスゲートの方が強いってこと?)
もっともその直後に、「だがなァ、トルフィンよ。確かに強いが、お前の剣はなにか……なんかこー…フツ~~~ってカンジ?」と続けるあたり――あンた本当に挑発上手いね。(笑)

怒りゲージMAXで突進するトルフィン! 対するトルケルはダブル・アクス・クラッシャー(41236+強K→追加入力46+K)で迎撃!
しかしこれは命中せず、再び二匹の獣は激しい戦闘に入ります。
再び斧を交差させるトルケル、またしても同じ技かと思われましたが――

「真・ダブル・アクス・クラッシャアアアァァァ!」(236236+強K→追加入力46+K。ゲージ1消費)
※音声はイメージです。実際の台詞とは多少異なります。

斧で雪を吹き飛ばして視界を遮り、その隙に蹴りを放つトルケル!
しかし、オートガードを実装しているトルフィンは、それすらも防ぎます。
足のバネで蹴りの衝撃を殺し……「え?」――

トルフィンは人類初の有人飛行に成功しました。

ああ……地上があんなに遠いよ、父上。
トルケルだって豆粒みたいに見えるさ! あははははははは!
――その高さから落ちたら、普通は死にます。




閑話休題。
アシェラッドの手引きで本隊から離れたクヌートですが――夢の中でラグナルと最後の別れをしていました。
相変わらず、「王子なんてやだよぅ~」と嘆く彼に、ラグナルは自分の行ったゆとり教育を詫び、教育係として助言を与えます。
一言で言ってしまえば、諦めてハイパー・クヌートとして覚醒しようねってとこ。

目覚めたクヌートを待っていたのは、自分を賭けて争うビョルンとザコ十人、そして、相変わらずやさぐれているヴィリバルド神父でした。
もはや地上に自分を愛してくれる者はいなくなったと語るクヌート。
しかし、ヴィリバルド神父はラグナルの想いを否定し、愛とは何かを改めて問います。
(ここの問答は実に面白いので、ぜひ本編をお読みになって下さい! ……書くのが面倒になったわけじゃないです、多分)

かくて、この世に愛などないと悟ったクヌートは、自らの手で楽園を掴み取るために立ち上がる!
暴走ビョルンを正気に戻し、後からやってきた追っ手をも従えて、堂々凱旋。
トルフィンとトルケルの決闘が終わった場に現れ、威厳バリバリの言葉で全員をシメます――凄ぇ。

……あ、そう言えば、トルフィンVSトルケル戦、決着付きました。
アシェラッドをセコンドにしたトルフィンが、トルケルの弱点を攻めて逆転勝利――なのですが、実際は痛み分けに近かったですね。
泥仕合になりかけた所でトルケルの舎弟アスゲートが横槍を入れ、プライドが傷ついたトルケルが負けを認めた、そういう終わり方でした……つーか、これ以外にトルフィンが勝つ方法はないとも言えるが。(笑)

「父王とケンカだ」と宣言するクヌート! 「そのケンカ、助太刀しよう」と申し出るトルケル! ラグナル殺害を告白し、許されるならば自分を使って欲しいと願い出るアシェラッド! 顔キャラ達が歴史の大きな流れに乗る中、話に全く付いていけないトルフィン(主人公)の明日はどっちだ!?(笑)


いやマジでね、途中まではしっかり主人公だったんですよ。でも、ボロボロになってようやく愛しのアシェラッド(?)を取り戻したと思ったら、クヌートに美味しいとこ全部もってかれちゃって……何というか、この先の運命を象徴してる感じですね。そう言えば『聖戦士ダンバイン』のショウ・ザマも、戦いがシーラVSドレイクの様相を呈してからは、単なる一兵士に成り下がったなァ……。



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無限の住人23を拾ったのですよ ~つれづれ号外~

2008-06-27 03:05:24 | つれづれ号外
さて、そういやタイミングを失って紹介しないままだったなァ……と思う号外拾回目は――。

タイトル:無限の住人23(以下続刊)
著者:沙村広明
出版社:講談社 アフタヌーンKC(初版:'08)

であります。

さりげに、これが初の紹介となるネオ時代劇『無限の住人』の最新巻です。
一応、初巻からずっと買い続けてはいるのですが……『不死力解明編(?)』の間延びっぷりに大分萎えて、現在は半ば惰性だったり。(爆)
例によって、既刊読了前提&ネタバレ満載で参ります、未読の方はくれぐれも御注意下さい。(定型文)


本巻の内容ですが……逸刀流選抜メンバーの天津、凶、馬絽、怖畔が、江戸城に乗り込んで好き放題に暴れます。以上。






いや、冗談抜きで、殆どそれだけなんですってば。
ページ換算すると150頁強の間、ひたすら斬って斬って斬って斬りまくり!
直刀で撫で斬りにする、二刀でひたすら突きまくる、笛の音で撹乱して曲刀で貫く、穴あき長刀でまとめてぶった斬る、しまいにゃ爆弾で門ごと吹っ飛ばす!

久々の見せ場に、天津君はしゃぎまくりです。
んで、本丸に辿り着いて何をやるかと思いきや……壁に落書き。(をい)
ちなみに、内容は広告でした。中間管理職の英君から、「JAROに訴えてやる!」と厳しいツッコミが入りますが、そんな雀のさえずりは丸無視ぶっこくのが逸刀流クオリティ。

かくて、やることやっちまった四人組は撤退戦を開始します。
しかし、散々コケにされた江戸城ガーディアンズも黙ってはいません。
ありとあらゆる罠で進路を妨害しつつ、剣士最大の敵である鉄砲(映画『七人の侍』で猛威を振るいましたね)を持ち出して各個撃破を狙う。

まず怖畔がはぐれ、次いで、馬絽が被弾して重傷を負います。
統主を確実に逃がすため、「しからば、いずれ涅槃にて」と格好良すぎる台詞を吐きつつ、死地へと向かう馬絽。
たった二人となった天津と凶は、仲間達が待つ水戸を目指すのですが――続きはまたの講釈にて。

えーと……その他の方々も登場することはしました。
主人公二人は吐のクノイチ二人組&お医者さんと再会、ちょっと情報交換したり、過去を振り返ってみたりして終わり。
それと何故か尸良が登場し、英の手下数名と対決。男はすべて惨殺、女は手足を切断し、腹を割き、両胸を刀で貫いた後で×××××××××と、相変わらず外道モード全開。
あ、六鬼団も一応出ます、5頁だけ。(爆)

そんなところでしょうか。
アクションメインなので、ストーリーは殆ど進んでいません。
つーかもう、キャラを一人ずつぶっ殺していく以外、やることない気がするのは私だけ?

てなわけで、以下、各キャラ死亡予測リスト。


『アンデッド万次』/普通に考えたら死ぬよね♪(鬼) でも誰に殺されるかと聞かれると思い浮かばない……まさか錬造? まぁ、少なくとも天津ぢゃないのは確かだ。最悪のパターンは――凛を不死にして、自分は死ぬ。えーと、方法は聞かないで下さい。(爆)
『黄金虫の凛』/この子死んだら物語としてどーかと思うんだけど、沙村だから油断は禁物。あ、万次さんと一緒に死ぬってオチがあるか? つーか、天津ぶっ殺すって目的が霧散した現在、主人公二人の話に意味があるのか激しく疑問だったり。
『天津くん、ハイ!』/絶対死ぬ。問題は殺す相手だが……ええ~? 吐鉤群ぁ~? せめて偽一クラスにして下さい。それか、偽一と相討ち状態→百琳で。
『シスコン凶』/逸刀流で唯一生き残る可能性のある男。ただ、燎を見逃したことで、死亡フラグ立ったっぽい。死ぬとすれば、燎に殺されるか、尸良が燎を××してるところに乱入、相討ちになるか、だと思います。
『デンジャラス尸良』/こいつが死なないと思っている読者は一人もいない筈。誰が殺すかは選り取り見取りで、凶を筆頭に、万次さん、百琳、偽一、錬造、凛、場合によっては天津、槇絵すらあり得る。今までの悪行を考えると、女性陣に斬られるのが一番妥当か? むしろ誰を道連れにするかが問題で……少なくとも万次、凛、凶は射程圏内にいる。
『戦う公務員・吐鉤群』/死ぬしかないんだけど、滅法強いので五人以上道連れにするのは確実。阿葉山宗介とのリターンマッチで相討ちになるか、それを生き延びたとしても天津に斬られる線が濃厚。切腹は……まずないよね。


沙村広明と言えば、つい先日、太田出版から発売されている『ブラッドハーレーの馬車』を読みました。
著者の外道っぷりが炸裂しているばかりか、まったく救いがないという素敵なお話で、読めば『むげにん』がヌルく思えてくること請け合いです。
正直、女性にはオススメ出来ませんが、寓話として非常に完成度の高い作品だと思うので、自分はド外道だと自覚している方のみ拾ってみて下さい。
(あー……いずれレビュー書くので、それを待って頂いても結構です)



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キングダム10巻発売! ~つれづれ号外~

2008-06-23 20:44:16 | つれづれ号外
さて、新刊は号外に回すのが定番化している号外玖回目は――。

タイトル:キングダム10(以下続刊)
著者:原泰久
出版社:集英社 ヤングジャンプコミックス(初版:'08)

であります。

やって参りました、まだ連載中の作品の中で最も面白い中国歴史漫画の最新巻!
今、一巻ずつ紹介してる漫画って、もしかしてこれと『クレイモア』ぐらいかも……。(爆)
例によって、既刊読了前提&ネタバレ満載で参ります、未読の方はくれぐれも御注意下さい。


これまで、秦王・政は数多くの危機に立ち向かってきました。
弟の反乱、魏との戦い、羌カイ+その他大勢による暗殺未遂事件。
どれも一歩間違えば秦がひっくり返るほどの大事件でしたが、信や昌文君の活躍でどうにか事なきを得ました。

しかし、今度の敵は一味違う。

あの男がやってきたのです。
竭氏が乱を起こした際、わざと帰国を遅らせて漁夫の利を得ようとした奴。
そう、秦国の影の支配者、丞相・呂不韋です。

ってのが、前巻ラストの引きで、本巻はその呂不韋が参内するとこから始まります。
秦国最大勢力の登場にビビリまくる政陣営ですが、そこはそれ、例によって信君が全員を叱咤!
テンションゲージが2ゲージぐらい溜まったところで、一同は呂氏陣営を待ち受けるのですが――。

……平均身長5メートルぐらいあるんですけど、呂不韋軍団。

いやいやいや、これは単なる目の錯覚です。
きっと、男塾の帝王・大豪院邪鬼と同じく、気と迫力のためでっかく見えるだけなんです! そうに違いない!
邪鬼先輩は、でっかい酒樽をお猪口代わりに酒飲んでた気がするけど、そういう細かいことは気にしてはいけません、駄目なんですってば。(爆)

冗談はさておき、取り巻き達の後から悠然と呂不韋登場。
開口一番、ぬけぬけと「御無事で何よりでした、大王様」と、お約束のボケをかまします。
さらに、「昨夜の大王様暗殺事件の黒幕は――この呂不韋めにございます!」と続けるあたりはさすが悪の枢軸。(笑)

つーか――完全に舐められてますね、政。

その後も、呂不韋&手下が面白トークを連発してくれるんですが、長くなるんで割愛。
代わりと言ってはなんですが、呂不韋陣営の中核を成す『四柱』ついてさらっと解説しておきます。


『蒙武』/リョレッド。戦術担当でやたらと態度がでかく、呂不韋はおろか政にまでタメ口をきく。自分が中華最強だと信じ込んでいるようだが、顔が王騎将軍に1コマで瞬殺された魏興そっくりなので、三下臭さ全開。
『昌平君』/リョブルー。戦略担当で、四柱一のイケメン。国内最高峰の軍師育成機関のトップも兼任しており、羌カイの推薦でやってきた河了貂を食客に迎える。実は呂不韋よりタチが悪いという噂あり。
『李斯』/リョグリーン。法律担当で、ついでに汚れ仕事も行っているらしい。今のところ印象薄。
『蔡沢』/リョブラック。今でこそ外交官の最高位だが、元は昭王に仕えた丞相。呂不韋からは先生と呼ばれる。妖怪じみた老人で、政に向かって堂々と、「早う大きゅうなりなされィ大王。この蔡沢は、強き者にのみお仕えいたしまするぞ」と言い放った。


以上、呂不韋の愉快な手下達、でした。
束になっても王騎将軍には及ばないけどね。(笑)

呂氏が去った後、政達は肆氏を仲間に入れ、戦力の立て直しを計ります。
前巻からの引きで、河了貂は信君と別れ、軍師の道へと。
そして、信君は新たな強さを求めて、ある将軍に会いに行きます。

そうそう、しばらく出てこないと思っていた羌カイが再登場しました。
河了貂が旅立ったことを伝えるために信の家を訪れ、色々意味深な会話を交わします。
もはや敵対する必要がなくなったからか、ギャグシーンが結構多いのはちょっと笑いました。


信「羌カイ!? てめェここで何してる!!」
羌「散歩」

(……をい)

羌「料理ができてるぞ」
信「勝手に見るなよ(怒)。――あいつが作って行ったんだろ。食ってみろよ、うめーぞ」
羌「パク(あまりの美味さに、白目むいて卒倒しそうになる)」

(羌カイって、生活能力なさそうですよね)

信「すっかり夜になっちまったな。泊まってっていいぞ、お前。――あ、そう言やお前女だったんだよな……」
羌「……」
信「カカカ、何、急にこわばってんだお前!」
羌「……(誰もこわばってないぞ)」
信「今さら関係ねーだろ。伍であれだけ一緒に寝泊まりしてたんだ」
羌「……そうだな」
信「しっかし誰も気付かねーから笑うよなー。気付かれねーお前にも大分問題がある…ぞっ……!(素顔を晒した羌カイの美貌に絶句)」

(ちなみに信君、朝一人で目覚めた後で、「チッ、おしいことしたかな」とか言いやがります。コラコラ、いつからそんな不埒なことを考えるようになったっ!)


すいません、脱線しました。
信君は新たな強さを求めて、ある将軍に会いに行く――と書きましたが、誰のことか当然お解りですよね?
そう、秦の怪鳥・王騎将軍です!(待ってました! やっぱあんたが最強!)


信「どうしたらもっと強くなれるか、教えを乞いに来ました」
王「ココココ。そうですか私はてっきり私に抱かれに来たのかと思いましたよォ。
ココココ、抱きませんけどねェ。本当ですよォ? ねぇ騰?


だから、あンたの言葉は洒落にならないんだってば……。



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怪・力・乱・神クワン7(最終巻)の話

2008-06-10 23:41:18 | つれづれ号外
さて、昨日死んだモニターは買い換えました……な号外捌回目は――。

タイトル:怪・力・乱・神クワン7(完結)
著者:志水アキ
出版社:メディアファクトリー MFコミックス

であります。

二十面相の娘』の娘と並んで、コミックフラッパーの顔だった作品の最終巻です。
ちなみに、以前紹介したのは十ヶ月前……おや、意外と近いな。(爆)
例によって、既刊読了前提&ネタバレ満載で参ります、未読の方はくれぐれも御注意下さい。

大仙人・左慈の導きによってダキと再会し、彼女こそが失われた自分の半身であることを知ったクワン。
しかし喜びも束の間、混沌に力を与えられた黄巾族が現れて二人を襲い、そこに、クワンの力を手にせんとする于吉まで乱入して事態は混乱するばかり。
地上平和のためにクワンを天に返すべきだと主張する左慈と、人類のさらなる進化のためにクワンを欲する于吉に挟まれ、「オレはどうすりゃいいんだよォ!」と叫ぶクワン。

そこに、クワンも地上も見限った混沌が降臨、唐突にラスボス戦開始!?
――以上、前巻のおおまかな粗筋でした。

というわけで、やって参りました最終決戦。
敵はマジモード入った混沌、こちらはクワン(スーパーモンク)、ダキ(黒魔道師)、于吉(黒魔道師)、左慈(赤魔道士)の最強軍だ……ん?
つーか、相変わらずパーティバランス悪すぎだなお前ら。

それはさておき、完全体クワンと同レベルのパワーを誇る混沌は、口からブルーレーザーを吐きまくって地上破壊を始めます。
超一流の仙人である于吉と左慈ですら、これに対抗するだけの力は持ち合わせておらず、天を貫く蒼い光をただ見詰めることしかできません。
窮地に立たされた人類に残された手段は、太平清領書の力を用いてクワンとダキを合一(ウルトラマンA?)させ、混沌に対抗する――ただそれのみ!

えーと……以下、覚醒クワンと混沌の天地を揺るがすスーパーバトルが展開されるんですが、文字で書くの虚しいんで端折ります。(それでも長いので読み飛ばし可)


完全でないため、混沌にボコられるクワン。于吉と左慈は、ちゃっかり傍観モードに入る。(をい)
→張角として祭り上げられ、ズタボロになっていた智恵復活。『蒼天航路』の劉備みたいな大演説をかます
→帝江出現(こっちの方が重要)、何故かクワン全回復。怒った混沌、バックベアードに変身、次いで、巨人に姿を変える
→全員攻撃するも、駒不足で押し返される。そこに、『指輪物語』のゴクリみたいな姿をした遊糸が乱入。ミナデインが発動して、混沌倒れる。
→まだ生きていた混沌、プライドを捨てたか、覚醒クワンと同じ姿になって襲いかかる。
→お互いに、相手を吸い込んで喰ってしまおうとするクワンと混沌、そこに巨大化した帝江(とっても不気味)が割って入り、すべてを飲み込む――!


はて、怒濤の展開なのにイマイチ盛り上がらないのはなぜなんでしょう?
何と言いましょうか……今まで必至扱いてレベル上げしてきたのに、最終決戦でいきなり物凄い力を与えられちゃって激しく虚しいものを感じる――あの感覚に似てます。
クライマックスで神様キャラが現れ、美味しいとこだけさらっていくという、俺達の存在って一体……? って軽く自己嫌悪に陥ってしまうよーな展開もどうかと。

結局、混沌は帝江がシメます。(爆)
彼は自分が調停者であることを語り、クワンにある決断を迫るのですが――さすがにこの後は本編で。
クワンと帝江の問答は、人間には悪いところもあるけどいいとこもあるんだ~、とゆー御子様仕様だったので、正直面白みもクソもなかったのですが、最後のクワンの選択は割と好きかも。

うーん……終わってることは終わってるんだけど、総評としては、微妙。
初期のメインキャラだった阿瞞にはもうちょっと活躍して欲しかったなぁ~。この巻、完全に蚊帳の外に置かれてるし。

十二秘色のパレット5を買いました ~つれづれ号外~

2008-05-26 18:42:58 | つれづれ号外
さて、今更という気がしないでもない号外漆回目は――。

タイトル:十二秘色のパレット5
著者:草川為
出版社:白泉社 花とゆめコミックス

であります。

前回の号外で、『龍の花わずらい5』を紹介したので、草川為もう一つの看板作品にも御登場願いました。
ちなみに、以前紹介したのは二年と四ヶ月前……敢えて何も言うまい。
例によって、既刊読了前提&ネタバレ満載で参ります、未読の方はくれぐれも御注意下さい。

パレットは読み切り形式の話が多いので、一話ずつさらっと書いてみます。
ちなみに、各話の副題は私が勝手に付けたもので、公式のものではありません。


第16話/ストップ・ザ・医務室
前巻のカメラ騒ぎの続き。本気で不機嫌になったグエル先生を避け続けるセロ君。セロ君の真意が読めず、逆に無視し返す先生。御子様かお前らはな話です。医務室の魔物の話が出た途端、同時に振り向くあたり、間違った意味で息ピッタリな二人でした。ちなみに、助演男優賞は学年主任のリッツ先生・29歳新婚。実は一話からいるらしいのですが……そうだっけ?


第17話/好きかもしれない
モスリンに指摘され、よーやく自分の嫉妬心に気付くセロ君。グエル先生ともなし崩し的に仲直りして、今日は先生が世話になった家の結婚式に参加することに。余興で屋根の上に上がったはいいけど足を滑らせて……な話。無論、受け止めるのはグエル先生の役目で、ここまでは普通なんですが――。
やったな、セロ君。
ニアミスを既成事実に変えやがりました、この子。(笑)
というわけで、五巻目にしてようやくキスシーンです。つられて、教師らしからぬ行動を取りかける(いや、手遅れか?)先生もいい。しかし、最後はしっかりお茶を濁したよーな気も……。


第18話/皆さんごきげんよう
オルガ主役の話。無論、今回のターゲットは、愛しのグエル先生に不埒な真似をしたセロ君。檻など軽く破壊して、いざ出陣!(つーかオパルの連中、鳥達の管理ずさん過ぎますな……)
いやもう何つーか、オルガ様最高最凶です。ヨーヨーを睨む顔怖すぎ、しかも踏むし! そう、弱者を踏みつけてこそオルガ!(をい)
オチは……まー仕方ないかって感じですが、最後の最後にセロ君をしばいたので良しとしましょう。
ちなみに担当さん曰く、パレットの中でオルガが一番キャラが立ってるんだとか。
まったく、とんでもないことを言い出しますね担当さん。
貴方は120%正しい。


第19話/肩を並べて
テオ君がグエル先生を追っかけ回す話。すいません、テオ君邪魔というか、ぶっちゃけ鬱陶しいんですけど。年齢はグエル先生よりかなり上の筈なのに、グラフィックも性格もそれらしいとこ全くないし……。最後の花火のオチは普通に綺麗でしたね。


第20話/ママじゃないったら!
モスリンの相棒ケチョンパの番外編。ケチョンパの弟×5がオパルにやってきて、という話。ある日突然、自分の縮小コピーが五人も現れたら、誰だって死にます。しかもそれが、自分の餌も友達も全部取っちまう上に、逃げても全員同時に自動追尾してくるとあっちゃあ……。しかしモスリン、相変わらずいい女だな。(←関係ない)


第21話/レベル7:3
ある花の影響で、グエル先生が真面目で厳格な性格になってしまう話。髪型を変え、眼鏡かけて変身って、暗悪健太みたい……って、あれは変身前か。セロ君から見たグエル先生って、怠惰・ルーズが個性の八割以上を占めているらしい。ところで、7:3分けより、9:1分けの方が厳格ってどういう理論ですか?(笑)


第22話/武者修行してこなきゃ
オルガに八つ当たり喰らったヨーヨーが、武者修行に出かける話……なんだけど、新キャラ登場のためのつなぎに使われた感じで内容的にはイマイチ。
でもグエル先生がオルガを評した――
「オルガはどんなささいなことからでも因縁をつけていびり倒す猛者。ちょっとやそっとの修行で倒そうなんて甘いよ」
の台詞が素敵だったので、私は満足してます。(をい)


以上。
何か号外らしからぬ長さになってしまいました。
とりあえず、次巻が出たらまたやるので、お楽しみに~♪



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龍の花わずらい5を拾いました ~つれづれ号外~

2008-05-15 07:09:36 | つれづれ号外
さてさて、さりげにずっと買い続けてたりする号外陸回目は――。

タイトル:龍の花わずらい5
著者:草川為
出版社:白泉社 花とゆめコミックス

であります。

これまた久々に登場な作品です。
以前紹介したのは……一年と七ヶ月前。まだ二巻までしか出てない頃ですね。(爆)
例によって、既刊読了前提&ネタバレ満載で参ります、未読の方はくれぐれも御注意下さい。

ルシンの師匠が登場&正体判明! シャクヤを庇ってクワンが大怪我! ルシンの記憶復活! 龍の宝珠なるマジックアイテムが出てきてさらに話がややこしいことに! と怒濤の展開が続く本作ですが、の割には三角関係にまったく変化が見られないのはどうなんでしょう?
つーか、一巻からこっち、クワン押しっぱなし。(笑)
ルシンも何もしていないわけではないけど……薄いんですよねぇ。

まぁ、パワーバランス崩れっぱなしの三角関係はほっといて、前巻は五年前のルシン暗殺事件に関わるツリ目の男(キコク)ルピナ(何故?)の馴れ初めでした。
恋情に流されたと見せかけて、しっかりキコク逮捕に協力するあたりルピナもなかなか素敵なのですが、生憎敵の方が一枚上手、仕掛けた罠は不発に終わって謎は解けず終い。
で、本巻、逃げたキコクを追って、シャクヤ達三人組とルピナは西方の都市クルクマを訪れるのですが――。

クルクマの近くには、16年前に砂嵐で滅びたオアシスがある。緑陰のオアシスを潰そうとした覆面軍団と何か関係が?(怪しい)
滅びたオアシスが、周囲の町から罪人を押しつけられた流刑地だったことが判明。(怪しい)
クルクマの宿にて、いまだかつてないセクシィモードでシャクヤに迫るクワン!(あからさまに怪しい)

何と言うか……ノッケから飛ばしまくってますね、色んな意味で。(笑)

しかし、事はまだ始まったばかりでした。
嵐が過ぎ去った明くる朝、一行はクワンとスウェ(ルシンの師匠)が行方不明になっていることを知ります。
二人の捜索を警察に任せ、廃墟となったオアシスに向かうも、建物の床が抜けて仲間と分断されてしまうシャクヤとルシン!

これでしばしの間、シャクヤとルシンは二人っきりで建物を探索することになるのですが――私はクワン派なのでそこらへんはどーでもいいです。(をい)
掻い摘んで言えば、例の覆面軍団と出会ってこれを退け、どこからともなく現れたクワンと再会しました。
一方、取り残されたルピナとキントラ(クワンの部下)は、再びキコクと接触、こちらも戦闘状態に。

う~、キャラがバラバラに動いてるので説明がめんどい。

再び覆面軍団が出現し、シャクヤとルシンは手負いのクワンを庇います。
そんな中、もう一人の行方不明者スウェが乱入し、衝撃の一言を――
「ルシン、シャクヤ――クワンから離れなさい…!

ええ~~~~~!

クワン裏切り者ですか?
そりゃ確かに今の三角関係のバランスは凄まじく悪いですが……。
まさかこういう方法で釣り合い取るとは思いませんでした。

クワンの株が急降下したからと言ってルシンの株が上がるとは限らないんですけどねぇ。
一応、諦めの悪い軟派男から、すべてを奪われた憐れな奴ぐらいには昇格しましたが……じゃあ、彼がシャクヤとくっついてめでたしめでたしかと言うとそうではないわけで。
ついでに言うとこの展開って――まるっきり『ガートルードのレシピ』の焼き直しじゃねぇかっ!
(サハラ→シャクヤ、ガートルード→ルシン、クロード→クワン)

続きは気になるんですが……テンションは一気に下がってしまいました。
しばらく放置状態の『十二秘色のパレット』に浮気しようかなぁ。(これも草川作品だけど)



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来たっ! クレイモア最新巻! ~つれづれ号外~

2008-05-03 22:41:52 | つれづれ号外
さてさて、放置状態からようやく復活の号外伍回目は――。

タイトル:CLAYMORE――クレイモア 第14巻
著者:八木教広
文庫名:集英社 ジャンプコミックス

であります。

完全に放置状態だった『つれづれ号外』ですが、クレイモアの最新巻が出たのでちょいと復活してみました。
以前に紹介したのが二年と五ヶ月前(爆)なので、間四巻ほどすっ飛ばしてますが、それについての話はまたいずれ……。
号外なので例によって、既刊読了前提&ネタバレ満載で参ります、未読の方はくれぐれも御注意下さい。

組織に復讐するため、遂に立ち上がったクレア達・七人の侍!(笑)
しかし南下した矢先、深淵の者リフルと組織の覚醒者討伐隊の戦いに遭遇してしまう。
再びクレアと対峙したリフルは、面白いものを手に入れたので自分に協力しないかと提案するのだが……。

一方、現ナンバー47のクラリスは、ナンバー4のミアータとコンビを組み、かつてのナンバー3・ガラテアの討伐に向かっていた。
精神的に不安定な面はあるものの、圧倒的な戦闘力で妖魔を屠るミアータに、クラリスは密かに恐怖を覚える。
旅の果て、遂にガラテアの潜伏地を突き止めた二人、そこは――。

――というのが、前巻のおおまかな粗筋。
で、本巻ですが、クレア達の動向はひとまず置いといて、丸々クラリス達の話になってます。
前巻と同じく本編四話+外伝二話構成なので、話の進行は遅いのですが、クオリティ高いんで無問題。
(エンジェル伝説の頃からそうだったけど、八木さん短編も上手いよなぁ……)

ガラテアの潜伏地は、かつてクレア達が訪れた聖都ラボナでした。
ってことで、二巻で登場したシドとガークのコンビがゲスト出演。
さりげに、シドの方は髪伸ばして前より格好良くなってたりします。七年歳を喰ってる筈なんですが。(笑)

肝心のガラテアですが、シスターに扮して教会に隠れてました……狙いまくってますね。(だが、それがいい)
フォロー専門(笑)なのに大見得切ってガラテアに喧嘩を売るクラリス、獣のように襲いかかるミアータ、そして……フードを外し、久々に読者の前に素顔を晒す防御型最強戦士!
問題は、ガラテアがどうやって数年もの間、人の都にいられたか、なのですが――

「目を潰してから…以前より妖気を読む力が上がったんでな…」

ガラテア様来たぁぁぁっ!
作者のお気に入りだからか、読者人気が高いからか、その両方なのかは不明ですが、鮮烈と呼ぶに相応しい見事な復活をしてくれました! 八木さん、凄くいい仕事してます!
しかも、自分の目を潰してまでラボナに残っていた理由が、この地に潜む覚醒者を倒し、町と人々を守るためってんだからもう、盛り上がるなって方が無理。ガラテア様、相変わらず最高です。

んで、クレイモアが三人揃ったことに呼応して、強力な覚醒者・鮮血のアガサ登場。
しかし、飽くまで組織の命令を実行することに拘るクラリスは、アガサを無視してガラテアを狙います。
アガサとミアータ、二体の化物を相手にして、さすがのガラテアも満身創痍になるのですが――後はコミックスの方でお楽しみ下さい、殆ど言ってしまいましたけど。

本編が四話と短いため、相変わらず凄くいい所で終わってます……そこだけがキツイところ。
外伝の方は、一つがプリシラ対イースレイの話、もう一つがクレアの修業時代の話でした。
イースレイがプリシラに惚れ込んだ理由が判明したり、少ない出番で強烈な印象を残した獅子王リガルドがゲスト出演してたり、クレイモアの(実にらしい)卒業試験が見学できたり、と見所満載でこちらも楽しめました。


あー! 早く続きが読みたいっ!



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実はこれが初めての紹介だったり ~つれづれ号外~

2007-12-04 23:18:17 | つれづれ号外
さてさて、一週飛ばして号外肆回目は――。

タイトル:HELLSING 第9巻
原作:平野耕太
文庫名:ヤングキングコミックス

であります。

実は、つれづれで紹介するのは初めてだったりしますが、号外なので続けて読まれていることを前提に書きます。あと、ネタバレ満載なので、未読の方は注意。

倫敦市民の姿は既に無く、ミレニアムの先発隊は壊滅、マクスウェル率いる十字軍も破れ去って、本作はいよいよ人外連中のボスバトルへと突入しました。
前巻で何かよーわからんものと化したアンデルセン神父、同じく前巻で30歳近く若返った死神ウォルター、登場からずっと無言のままで、変身してもやっぱり喋らない大尉と、強敵のオンパレードなのですが、アーカード強すぎるんでこれでも不足なのでは? と思っていたら……実際そうだった。(爆)

神父様さっくり殺されます。臨終の際の台詞は結構好きだけど、前巻でアーカードと交わした、まさにライバル! といった会話を考えるとちと寂しい気も。
アーカードとウォルターはまだ交戦中。ただ、決着はもう付いちゃってる感じですね。アーカードも言及してますが、ウォルターは老人の時の方が格好良かった気がします。
一番貧乏籤引いたのは大尉で、交戦相手がセラス(笑)。えーっと……貴方、ミレニアムの最強戦力ぢゃないんですか? まー、少佐も、『所詮、物理攻撃じゃアーカードにゃ勝てっこない』と割り切ってるみたいだから、ここで失ったところで痛くも痒くもないんでしょうが……。

それはそうと、本巻最大の目玉は――少佐が寄生獣ごっこをやったことでしょう。
例の演説をピークに、どんどん毒が薄れて『単なる自信家』まで落ち込んでいた彼ですが、これでさらに威厳が失われました。倫敦血戦が始まってからこっち、どんどん漢っぷりが上がっていってるインテグラとは偉い違いです。
もっとも、ラスボスは主人公に負けるためにいるので、こうなるのは必然かも知れないけど。

とりあえず、神父様以外のキャラのケリはまだ付いてないので、次巻に期待といったところでしょうか。
(あ~、そう言えば、別作品からの出張キャラが一人死んでたなァ……どうでもいいけど)

ちなみに、バレンタイン兄弟の巻末コント、カバー裏のギャグネタは相変わらず笑えます。
つーか、バキネタはともかく、動物のお×者さんネタってこの本の読者に通じるんだろうか?