つれづれ読書日記

SENとLINN、二人で更新中の書評ブログです。小説、漫画、新書などの感想を独断と偏見でつれづれと書いていきます。

マープルだけが知っている

2005-09-26 23:17:22 | ミステリ
さて、記念するべきなのか? な第300回は、

タイトル:ミス・マープルと13の謎
著者:アガサ・クリスティ
文庫名:創元推理文庫

であります。

ミステリの女王アガサ・クリスティの短編集。
今宵もまた、ミス・マープルが一つの謎を解きほぐす。

各人が、自分が過去に遭遇した怪事件を語るという会がある。
既に解決された事件の場合は真相を伏せておくのがルール。
そして、未解決の事件の場合は場の者に謎解きを求める。
各々が迷答、珍解答を疲労する中、鮮やかに謎を解いてみせるのは常にミス・マープルであった。

うーん……どうしても『黒後家蜘蛛の会』と比較してしまいます。
一応、十三編全部読んだのですが、綺麗さっぱり忘れちゃいました。
あっちに比べると各人のキャラが薄いのです、どれもミス・マープルの引き立て役としてしか存在していない感じ。

のほほんとしてるようで、実は細かい粗に目を光らせているミス・マープルのキャラクターは結構好きです。
でも推理は……ちょっと強引すぎる感じがしました。
過去の事例を持ち出し、人間は同じ事を繰り返すものだみたいな説明をされても、それが毎回はまるってのは如何なもんでしょう。

犯人当ても、こいつ以外ない! か、こいつに特定できるほどの情報が不足している! のどっちか。
特に最終話、人間性云々だけで犯人を特定するのは危険でしょう。
どうしても、勘で物を言ってるように見えてしまうところがマイナス。

私はミステリ・ファンと言うほどミステリ読んでないので、推理小説としてどうか、と言われると何とも言えないのですが、個人的にはオススメ出来ません。
短編集なのでさらっと流して読むのがいいのか……。

(うーむ、300回記念でも毒吐いてるなぁ)