つれづれ読書日記

SENとLINN、二人で更新中の書評ブログです。小説、漫画、新書などの感想を独断と偏見でつれづれと書いていきます。

甘々です(代理)

2007-12-30 18:41:22 | マンガ(少女漫画)
さて、代理とはいかに? の第933回は、

タイトル:告白倶楽部1
著者:山本修世
出版社:白泉社 花とゆめコミックス(初版:'04)

であります。

代理です。
ほんとうは、某所で森生まさみさんの話をしていて「夢限宇宙で恋をしよう」が読みてぇ! と思って探してみたのですが……ない……。
そんなわけで最近の作品で甘々で好きな作品、と言うことで選出。

最初に言っておきます。
タイトルからもわかるとおり、ベッタベタの甘々な短編集なので、さぶいぼ症候群の方は読まれないほうがいいでしょう(笑)

では、各話から。

○告白倶楽部
『読書部に所属する上田友來は、借りた本を忘れたことに気がついて図書室へ戻った。まだ開いていた図書室には、おなじ読書部で友來が好きな相手……真霜現の意外な姿が。
そんな姿を見てしまった友來は、現に口止めを要求される最中、現が好きな相手のはずの読書部の先輩に告白するための練習台になろうかと持ちかける。
告白倶楽部と名付けたそれにより、友來は現の練習台を勤めることになるのだが……』

ベタです。
と言うか、ストーリーは完全お約束。
身長176センチで見た目は凛々しく、お姉さまな雰囲気の友來だが、中身は少女小説大好きの女の子らしい女の子と言う設定だし、思わず口走ってしまった練習台で浮き沈みしたりと定番ネタはきっちりと押さえている。

まぁ、タイトルらしいお話で、ベタで甘々が好きなひとにはたまらないとは思うものの、これが読めなければこの後の話は読めないでせう(笑)

○Please tell me if you love me
『学校の理事長の孫で物腰柔らかく、人当たりがよくて人気者の花敷が好きな松宮雛子は、いつか告白したいと思っても出来ないでいた。
それは高校生になっても直らない幼児語。「さしすせそ」がまともに言えないからだった。
きちんと「好き」だと言いたい雛子が、放課後誰もいない教室で練習していたところにいつもの優等生とは違う花敷が現れ、幼児語のことを知られてしまうと同時に、花敷の意外な姿を見てしまう。
秘密を守るために出した花敷が出した交換条件。それは雛子の幼児語を矯正してやる、と言うものだった。』

幼児語が直らないと言うトラウマ、ってシチュエーションは初めてかも。
これはけっこう単純にヒロインの雛子の頑張る姿がかわいらしい作品。

○カウントダウン
『師走。突然、両親が福引きで当てた温泉旅行に行くことになり、美音子は同い年の弟、史郎とふたりで留守番をすることに。
受験間近というこの時期、そんな状況に置かれるとは夢にも思わなかった美音子は焦っていた。
史郎は両親の友人が事故で亡くなったことで引き取った血のつながらない弟で、ずっと好きだったから。
けれど、家族だからずっと一緒にいられると思っていた美音子だったが、史郎は全寮制の高校に推薦ですでに合格していた。
全寮制と言うことをそのとき初めて知った美音子は、この二日間をどう過ごせばいいのか、悩んでしまう。』

これは定番、血のつながらない姉弟もの。
内容も定番なので、さして見るべきところなし。
5編中、いちばんふつうの話でいまいちおもしろみに欠ける。

○空耳天国
『中学卒業も間近。伊藤綺沙は突然、彼氏から別れを宣告されてしまう。
問答無用のそれに愕然とするとき、元彼のいちばん好きだった声とよく似た芝に告白され、なし崩し的に付き合うことに。
派手めな容姿に似合わないおっとりした性格の綺沙は、いつその声にほだされただけの誤解だと言おうとしたが、見た目ではなくおっとりした性格をきちんと見てくれていた芝に次第に……』

これは1話目の告白倶楽部と同タイプのお話。
インパクトとしては初手の告白倶楽部があるので、どうしても二番煎じっぽい感じで見劣りしてしまうのが残念。

○少女眼鏡
『湖池春季は、1年生の中で最も怖いと評判の小野塚愁の眼鏡を踏んで割ってしまう。
極度の近眼でセミオーダーの眼鏡だったそれを割ってしまったことで、眼鏡が出来るまでの5日間、眼鏡代わりにさせられることとなった春季は、容赦なくあれこれとこき使われる日々を送ることになったのだが……』

う~む、これも定番、見た目怖いが中身は……と言うタイプの小野塚と天然で幼児体型の春季と言う凸凹カップルのお話。
ただ、それまでの4話と違ってヒロインの春季が見た目よりもしっかりしているのが特徴かな。
あと、目が悪くてむしろ手の感触から得る形とかを重要視する小野塚のクセがうまい具合に使われているところがいい。

……と言うわけで、久しぶりのマンガ。
つか、よくまぁ、私もこんなベタ甘のを平気で読めるもんだとしみじみ……(笑)
でも、定番好きで、甘い恋愛ものが好き、さらにハッピーエンドが好きなひとにはオススメできる短編集でしょう。
そういうのが苦手なひとは手に取らないことをオススメ(爆)

と言うわけで、個人的には好きな短編集になるんだけど、さぶいぼ症候群には向かないと言う時点で、良品の総評が勝ち取れるはずもなく、当然、及第ってとこで。



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暫定復活!

2007-12-27 09:45:04 | 木曜漫画劇場(白組)
さて、確かこのひとのマンガって初めてかもの第932回は、

タイトル:チェーザレ 破壊の創造者(1~4巻:以下続刊)
著者:惣領冬美
出版社:講談社 KCデラックス

であります。

鈴:いまごろ、サモンナイト2をやってるLINNで~す。

扇:フリーのアドベンチャーゲームを漁ってるSENでーす。

鈴:相変わらずフリー三昧じゃのぅ。
なんか前はツクールシリーズかなんかのRPGだか、格闘だかを漁ってたんじゃなかったか?

扇:えーと、前の前が格闘で、前がRPGで、今はアドベンチャーだ。
オススメの作品とか知りたきゃ教えてやるぞい。

鈴:いまサモンナイト2やってんだから、これ以上やるゲームを増やしたくはないぞ。
しかし、ゲームもそうだが、いまサモンナイト2の攻略本なんかないからあれだが、攻略はネットでいくらでも探せるってのは、これも昔とは違うわなぁ。

扇:でも、攻略本自体は出続けてるんだよねぇ。
何だかんだ言って、人間はアナログを捨てきれんってことか。
で、今回のオススメだが――。

鈴:捨てきれん……と言うか、いろいろと絵やら設定やらインタビューやら付随物があるからじゃないか?
攻略するだけならネットで十分……というか、ネットのほうが早いし(笑)
でも、私は単に手元に置けて見やすいのと、あれこれ考えるのがめんどくさいから買うんだけどな(爆)
……って、ゲームの紹介は電脳でやれいっ!!

扇:そういう意味で言うと、私は持ってないゲームの攻略本沢山持ってるなぁ。
単に、イラスト目当てなんだけどさ。
ゲームの攻略本は旬があるから、値崩れ早いんだよね。だから画集代わりに買ってる。
先週拾って速攻で全エンディング攻略した、『鴉の断音符』は良かったなァ……。
現代の平凡な町を舞台にしたサウンドノベルで、主人公の鴉(!)が、殺人事件を解決したり、病気の女の子を励ましたり、森の仲間を救うために革命を起こしたりする話だ。

鈴:やはり画集代わりか。
まぁ、それはわからんでもないわなぁ。全キャラの絵とか、説明書にはない絵がたくさんあったりするし。
……ただ、ものによって画集並の値段になるけど(笑)
しかし、鴉が主人公とはねぇ……。こういうとこはフリー(又は同人)ならではかのぅ。
……ん? 鴉……と言うことは、夕方になると事件だの何だのをほったらかして七つの子のために帰っていってしまうんだな?

扇:メガテンなんかは、全悪魔のグラフィックが掲載された本を毎回出してるから、完全に画集だよなぁ。
ちなみに、『鴉の断音符』の主人公はオスだぞ。夕方になると巣穴に帰ってしまうのは合ってるが。(笑)
行ける場所が八つあって、一日に一回だけそこを訪問し、それを六日間繰り返すという実にシンプルなゲームだが、主人公の『ヤタ』が人語を解するという設定を利用して、悪くないストーリーを構築している。
どこに行くかは毎回好きに選べるので、事件を追っかけるもよし、一人の人物を観察し続けるも良し、残飯漁りするも良しと、意外に自由度は高い。
エンディングもサブ含めて16個+後日談3個と豊富で、結構楽しめた。1プレイの時間も短いので激しくオススメ。

鈴:それで攻略本と言って出したのなら、出したほうがすごいな。
しかし、せっかくボケのつもりだったのに合ってるなんて……ちっ……
だが、話を聞いてると、短いってのはいいなぁ。
あんまりダラダラ長くやるのはシミュレーションだけで十分だ。
アドベンチャーはいらん作業が多すぎていまいち好きになれんのだよなぁ。

扇:あ~、確かに、エンディングの数が多いから、途中からはメッセージスキップを利用した作業にはなってしまう。
ただ、シナリオの出来はかなり良かったぞ。しっとりした話から、ひたすらブラックなものまで色々あるが、どれもなかなか読ませてくれる。
ルートによってヤタの性格もかなり変わるから、選択肢なしの一本道作品と違って、ちゃんとゲームしてるのも俺的にポイント高いな。
というわけで興味を持った方は、『鴉の断音符』でググってみて下さい、簡単に見つかります。

鈴:それなんだよなぁ。
まぁ、シミュレーションでも最近はマルチエンディング多いから、めんどいっちゃぁめんどいんだがな。
たいてい1回クリアすると、しばらく……ん~、1年以上はやる気にならん(爆)
だから、サモンナイト3で「番外編」なるものがあるのを知ったのが1年以上あとになってからなんだが(笑)
だが、東方系のシューティングもそうだが……同人とかフリーのレベルってかなり高くなってんのね。

扇:でも、エンディングが一つだったら、それはそれで寂しいだろ?
サモナイ3の番外編は面白かったな、2やってるとかなり笑える。
ともあれ、ゲーム会社の人がこっそりと同人ソフト作ったりするのが当たり前の時代だから、大分フリーのレベルって底上げされた感じはあるね。
もっとも、作成ソフトの性能向上に伴い、猫も杓子もゲーム作るようになったおかげで地雷もかなり増えたが。(爆)

鈴:そうなんだよなぁ。コンシューマだと特にな。
なんか制作者が楽しようとしたんじゃないかって気になるし(笑)
しかし、フリーとかが玉石混淆になるのは仕方あるまい。コンシューマだっておんなじようなもんだしな。
まぁ、私はもう東方系があればシューティングは満足だが(爆)

扇:つーかシナリオ担当としては、グッドとバッド二つのエンドだけって方が楽なんだろうけどね。
しかし、ゲームに限らず、のめり込むと本当に長いなお前。
ハマるのも早いが、飽きるのも早い俺とは偉い違いだ。

鈴:まぁ、それでもいいけどね。
ただし、シナリオが素晴らしくよくなければだけど。
なんのかんの言っても、その熱しやすく冷めやすいのは広島県人だな(笑)
……なんか、久々だとなんかもっと続きそうだが、際限なくなりそうなので、そろそろ本題のほうに行くかね。


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つれづれ読書日記まったりと営業中

微妙にですが、新規作家増えてます。
初回からの総目録、作家一覧、どちらも継続更新中。
数は少ないですが、つれづれ号外専用の目録もあったりします。
ちなみに、姉妹サイト『閃鈴電脳遊戯館』は……すいません、更新止まってます。(爆)

御覧になりたい方は、最新記事の☆『目録へのショートカット』兼『総合案内板』、もしくはこちらから!


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扇:さて、今週の一冊ですが――。

鈴:初手で紹介してるぞ。(素)

扇:!Σ( ̄□ ̄;)
そう言えば今日は、『今夜限りの再結成! 緊急企画! 木曜漫画劇場12時間ぶっ通し黒ミサロードショーリターンズ!!!』だったな。

鈴:ええいっ、今夜限りでもないし、12時間ぶっ通しもせんし、そもそも黒ミサじゃねぇだろっ!!
いつからそんな怪しげな団体(?)になったんだ、オレらは!

扇:え?
霧の立ち込む森の奥深くで、地獄の皇太子の誕生を眺めつつ、黄金郷の夢を抱きながら書評をするんぢゃないのか?

鈴:それはてめぇの個人ページで勝手にやれいっ!!
ったく、久々の木劇だってのに何をやってんだか。
えーっと……。
……。
……。
あっ、そうか、最初はストーリー紹介だ!

扇:ストーリー紹介って、CMの前じゃなかったか?(素)

鈴:!Σ( ̄□ ̄;)
……ま、まぁ、7ヶ月以上経ってんだから、忘れててもしょーがねぇじゃねぇかっ!(爆)
と言うわけで、ストーリー紹介よろしく!(逃)

扇:自爆してそのまま撤退とは、情けない……。
えー、では簡単にストーリー紹介を。
イタリア三大有名人(他が誰かは聞かないよーに)の一人、チェーザレ・ボルジアの若き日を描く歴史漫画です、以上。

鈴:短っ!!
まぁ、でもそれくらいのもんだよなぁ。
ではキャラ紹介に行くか。
えーっと、最初は、タイトルは「チェーザレ」なのに、主人公のアンジェロ・ダ・カノッサ。
某田舎からロレンツォ・デ・メディチの推薦でピサのサピエンツァ大学に通うようになった青年。
もともと彫刻師のおじいちゃん子で、職人現場しか知らないため世情に極めて疎く、しかも性格は天然。……なんか、「かわいい」という表現がすごく似合う子。髪型もちょっとクセっ気のある感じで、絵柄もかわいい感じだし。
ただし、天然で純朴だが、頭はかなりいい。
それでいいこともあれば、悪いこともあるんだけど(笑)

扇:役所的には狂言回しなのだが、キャラがしっかりしてるんで、見てて楽しい子ではあるね。
天然らしく、自分がトラブルメーカーであることを全く自覚してないのもいい。
ただ、これも自覚はないんだろうが、優れた感覚とそれを言葉に変換するだけの知性を兼ね備えた結構優秀な人物だったりもする。
この子の最大のネックは、常に一つの対象(人物含む)に集中してるので、場の空気とかが全く読めないことだろうね。

鈴:完全に職人やねぇ、この子は。
大学なんて行ってないで、じいちゃんについて彫刻師とか、そのあたりになったほうがよかったんではないか、って気がしてくるぞ、私は(笑)

扇:でも、チェーザレとの出会いは、確実にプラスになってると思うぞ。
てなわけで、タイトル・ネームだけどサブ主人公のチェーザレ・ボルジア。
本来なら婚姻が許されない筈の枢機卿ロドリーゴ・ボルジアの実子で、政治上のライバルであるメディチ家に対する先兵として、ジョヴァンニ・デ・メディチのいるサピエンツァ大学に送り込まれる。
破天荒で怜悧で超美形という絵に描いたようなダークヒーローで、政敵であるジョヴァンニをいいように操ったり、大学の講堂で施政者の非道な行いを必要悪と断じたり、暗殺者相手に立ち回りを演じたりと、色々ヤバげなことばかりする御方。
もっともその一方で、裏表のないアンジェロをからかったり、人種的偏見に凝り固まったアホをやり込めたり、レオナルドと対面して子供のような顔を見せたりと、人間的な部分もかなりあったりする。
なお、部下のミゲルと話す時だけは限りなく素に近くなるのだが、相手の方は、それすらも仮面の一部と割り切っているようだ……ある意味不幸。(笑)

鈴:長っ!!
さておき、いろいろと歴史に明るくない人間でも、とんでもない悪役ってイメージだけはあるんだが、若いころの話だから、そういうイメージよりも人間味のあるキャラに描かれているわね。
まぁ、そういうところがいいんだが。
じゃぁ、ちょうど名前も出てきたことだし、チェーザレの側近のミケロット・ダ・コレッラ。スペイン語読みでミゲル。
幼少時代、母親から離れて暮らすことになったチェーザレの相手をするために買われてきた経緯があるものの、いまでは本当にチェーザレが最も信頼を置く側近。
ミゲル本人も、チェーザレのためならば、ごろつき(アンジェロが原因)に絡まれたときにあっさりごろつきどもを殺すなど、主人一筋の苦労人(たぶん、アンジェロが出てきて苦労は増えると思われる(笑))
ちなみに、先に言っとくが、小姓とか、そのあたりの役回りはないからな(たぶん)

扇:あー、そうか、お前さんまだ二巻までしか読んでないんだったな。
ミゲルは非常に優秀な側近だが、実は忠犬ハチ公でもチェーザレの友人でもないことが三巻で示されている。
ネタバレになるから詳しく書かないが、苦労人らしく徹頭徹尾リアリストだぞ、こやつは。
ある意味チェーザレより冷たいキャラかも知れん――アンジェロには激甘だが。(笑)

鈴:つか、アンジェロにはたいていの人間甘いだろ(笑)
じゃぁ、次が最後か。
大トリはこのひと、ルネッサンスに出てきた不世出の天才と言えば!

扇:ミケランジェロですね。
『最後の審判』は同時代の絵画作品をぶっちぎりで超越してます、天才っつーか神。

鈴:ぜんっぜんちゃうわぁっ!!
まぁ、美術の世界じゃ天才だろうが、もっと幅広く無節操に天才ぶりを発揮したのがいように。

扇:ああ、ヴィンチ村のレオナルドおじ様か。
では最後に、ルネサンスを語る上で避けては通れない万能の天才レオナルド・ダ・ヴィンチ。
初登場でいきなりチェーザレを煙に巻き、彼をして、あれは魔術師だと言わしめた化け物キャラ。
一般的なイメージだとヒゲのおじーさんなのだが、本作ではまだ若く、物静かだけど迫力があり、知性的だけどお茶目で、ビジュアルは修道士っぽいという、一風変わった感じに描かれている。
つーかぶっちゃけた話、これまで漫画で描かれた中で、最も格好良いレオナルドかも知れない。
今のところ二巻にスポット出演しただけなので、今後の活躍が非常に楽しみなキャラクターである。

鈴:確かに、あのハゲとヒゲの絵のイメージが強いからなぁ。
Wikiとか見ると、この話のとき39歳か。そりゃ、16歳のチェーザレと海千山千のレオナルドでは、さすがにチェーザレが切れ者とは言え、分が悪かろうて。
でも、2巻に出てからこっち、まだ出てないのか……。
ん~、なんかけっこう年齢の割に好々爺然としたキャラでおもしろいから、もっと出してもらいたいもんだな。

扇:同感……なんだが、この時代、まだまだ登場を待ってる人物は多いからなぁ。
キャラ紹介だけで大分熱く語ってしまいましたが、さすが惣領冬美、絵・人物・ストーリー三拍子揃って完成度が高く、とにかく読み応えのある作品に仕上げてくれてます。
とてつもなくオススメ! つーか、読め!
そんなこんなで、久々に復活の木劇でしたが、息継ぎなしのカオスなおしゃべりはやっぱり楽しいですね~。
二人揃ってオススメの作品を読んだ時はまたやりますので、気長にお待ち下さい。
では、アンジェロ君がルネサンス最高の画家(本人は彫刻家と言うだろうけど)として目覚める瞬間を楽しみにしつつ、今日はこれで退散致します。さよなら~~~

鈴:そうね。
あんまり青年マンガは読まないし、これは2巻までしかまだ読んでないけど、歴史ものとかうんたらって関係なく、おもしろい作品だぁね。
しかし、久々だから長ぇなぁ(笑)
まぁでも、ときどきネタがあれば、木曜劇場もやっていこうと思います。
では、Wiki見るとアンジェロはミケランジェロじゃねぇって著者本人が言ってるぞと突っ込んでおいて、退散。
と言うわけで、再見~~~~

何も考えてはいけない(笑)

2007-12-23 13:26:43 | 小説全般
さて、なんかみょ~なのを手にしたなの第931回は、

タイトル:ショート・トリップ
著者:森絵都
出版社:理論社(初版:'00)

であります。

私的に2005年7月以来の森さんの作品。
つーか2年以上も前かよ。
けっこう評価がよかった割には、そっから読んでなかったなぁ、と最近になって気付いたもので……(^_^;

さておき、本書はタイトルにもあるように、ショート、つまりショートショートを集めた短編集。
「毎日中学生新聞」と言うもので1年間連載されていた52編のうち、40編を加筆などをして収録している。

ストーリー紹介は……40編もあるとさすがに全部出来ないし、そもそも1編の平均ページ数が3ページ、なんてヤツなので、いつもとは違った体裁で書いていきます。

まず、読み終わったときの初手の印象は、あれこれ考えずに読むべき短編集、ってところかな。
これもタイトルにあるとおり、各作品のベースとなっているのはトリップ=旅。
3ページという短い中に、様々な「旅」の物語が描かれている。

これから旅をしようとする者や旅の途中の者、旅の終わりに差し掛かった者、故郷へ帰ってきた者、物語の中で旅をさせようとする者、罰として旅をさせられている者などなど。
いろんなシチュエーションでの旅が描かれている。

……のだが、キャラや地名とかのネーミングがすんごい安直だったり、旅の目的が「それでいいのか!?」ってツッコミ確実なくらいくだんなかったりと、かな~りの頻度で、「あまりのバカバカしさに笑ってしまう」状態(笑)
たとえば、「時間旅行」という作品。

『西暦2800年、人類はついにタイムマシンを手に入れ、時間旅行をすることが出来るようになった。
全世界が注目する中、初の時間旅行は、タイムマシンを発明した人物が住む村にある「お河童様像」の頭に、昔は孔雀石が乗っていたことを確認しに行くことだった!』
……初めてでそれかい!(笑)

たぶん、誰もがツッコミ入れるでしょう(笑)
まぁ、突っ込もうと思えば、村の名前が花葉波村かぱぱむらだったりするとことか、時間旅行をするのが花葉スケ氏と花葉カクだったりすることとか、西暦2800年なのに、このふたりの会話はすべて語尾に「ござる」がつくこととか、いくらでもあるんだけど。
そんなあからさまにバカバカしい作品がけっこう入っていて、思わず吹き出してしまうこと請け合い。

もちろん、そういうのが40編もあるわけでもなく、中には不思議な雰囲気の謎めいた物語があったり、ちょっとしんみりさせられるような物語があったり、皮肉の効いた物語もあったり、ちょっとネタ的にいいのか? ってくらいダークなのがあったりと、さすがに数が多いだけあって、多彩。

皮肉の効いた物語だと、最初にそういうのが出てきた、と言うことで8編目の「大きなダディ、小さなフランツェ」が好みかな。

『小さなフランツェは宿題のために、わがままなモグラと親切なロバと凶暴なペルシャ猫が相談をして旅に出る、と言う話を作ろうとしていた。
そこへダディが現れ、人間も動物もそんな一面で判断は出来ない、とフランツェを優しく諭した。
仕方なく、フランツェはダディの言うとおりに書き直し……。』

これは最後のフランツェの一言がぴりりと効いていて秀逸。

哀愁と子供らしい素直な残酷さが見えるのが34編目の「帰郷」

『ナデルは朝から絶好調だった。苦手だったりイヤなことだって、我慢してこなしていた。
それは8年前にふらりと旅に出ると書き置きを残して出て行ってしまった父さんが帰ってくる日だったからだ。
放課後、魅惑的な上級生の遊びの誘いも断り、家に帰って父さんに出会ったナデルは、待ちに待った一言を父さんに告げた。
「おみやげは?」』

まぁ、ここまで書いておいてオチがわからないひとはいないと思うので、書くけど、もちろん、おみやげなんかあるわけがない。
父さんのあからさまな態度に、ナデルくんは誘われた遊び「ひよこを追いかける」ほうにあっさり方針転換。
……父さん、撃沈(笑)
きっと、背中を見せて走り去っていく父さんの姿は哀愁に満ちていることだろう。

……とまぁ、いろんな物語があって、作品によっては、いろいろと名称とかを深読みしようとすれば、いろんな裏が想像できたりするんだろうなぁ、とは思うけど、でもこの笑えるショートショートにあれこれ理由をつけるのはちょっと野暮じゃないかな。
単純に短い旅の物語の中にある笑いや皮肉、哀惜みたいなものをさっと読んで感じる、ってのがこの本の読み方ではないかと思う。

そう言う意味では、感性型の人間にはけっこう合う短編集だろうね。
個人的にはオススメできる短編集だとは思うけど、感性型限定のオススメ、なので総評としては及第ってとこで。

5歳児? ウソくせ~(笑)

2007-12-20 21:41:50 | おしゃべり
さて、第930回であります。


扇:最近、飲み会が続いているSENで ー す。

鈴:胃炎にかこつけて飲み会を断ってるLINNで ~ す。

扇:いいよね、金が飛ばなくて。

鈴:その分、ヤクに金が飛ぶけどな(爆)

扇:やばいネタを持ち出すなっ!
俺は今のところ薬の世話にはなってねぇなぁ。
キャベジンとかも飲んだことないし。

鈴:昔から胃腸は弱いほうだったから、胃腸薬だけはよく飲んでたなぁ。
「強力わかもと」は一時期愛用してたし。
だが、最近はガスター系がいいなぁ、胃酸過多の人間にはよく効くから(爆)

扇:どちらも、全くお世話になってないなぁ。
辛・酸・驚・異跳躍・花柳~♪ は?

鈴:どういう薬だ、それはっ!
まぁ、字面からでも、驚異になるくらい辛酸を嘗め、飛び上がってしまうくらいのお宿で出てくる薬って感じだな。
ちなみに、こっちのATOKは新山峡胃腸薬・下流……うわぁ、なんか下剤みてぇ……(笑)

扇:新山峡って、どこの地名だ、それは。
しかしあれだ、さすがのATOKも、固有名詞を変換しようとすると素晴らしい誤変換してくれるね。
何か他に面白い変換ってあったかなぁ……。(考え中)

鈴:知らな~い。でも、検索したらどっかにありそうだよね>新山峡
って、ただの前フリおしゃべりにいつまで変換ネタを続けるつもりだ。
とっとと次行くぜよ。


『振り返れば目録』


扇:というわけで誤変換ネタは置いといて、今週の『降り黙』は、「2006年9月」の目録を振り返ってみたいと思います。

鈴:「フリ目」ってまだ引きずってんじゃねぇかっ!!
さておき、えーっと、最初はいいほうだっけか。
私の場合……加納朋子の「レインレイン・ボウ」もいいし、「玉の輿同盟」あたりも女性作家らしいお話でおもしろかったし、それなりにあるなぁ……。
あ、でもファンタジー系で見直したと言う意味では菅浩江の「末枯れの花守り」か。
ちょうどこのころ、菅さんのはけっこうSFとか、いいのが多くてたくさん借りて読んでたからなぁ。

扇:買えよ。
菅浩江はお前さんの独壇場だな……俺は、別に敬遠してるわけじゃないんだが、縁がない。
で、こっちだが、漫画が豊作過ぎてかなり悩んでいる。
藤野もやむの『ナイトメア☆チルドレン』、有栖川るいの『モーツァルトは子守唄を歌わない』、SUEZENの『DEAD SPACE』、どれも好きだし、オススメな作品だったりするからなぁ。
敢えて選ぶなら、三重丸のオススメを付けた、コーリングが妥当な線か。
性別、年齢を問わず読める非常に贅沢なファンタジー漫画だと思うぜよ。

鈴:こっちは小説、そっちはマンガと見事に分かれたな。
だが、そっちのオススメをひとつも読んだことがないな、私は(爆)
けっこうあるよな、こういうことって。

扇:結構どころか、そもそも相手のオススメを読むことの方が少ないな。
初期の頃はクロスレビューもやってなかったから、読んでも記事に出来ないってことで避けてたし。
とりあえずだ、青年漫画読めよ。

鈴:もともと好みのジャンルが違うからなぁ。
なかなか手が出ない、ってのと、あと私の場合、図書館にあるかないかがすべてだからな。
まぁでも、いっぺん企画ものとしてやってみるのはいいかもしれんね。
いつのまにかクロスレビュー、じゃなくて、クロスレビュー企画ってね。
しかし、青年マンガかぁ……。
まぁ、そのうちね(笑)

扇:そのうちとか言ってるとネタが尽きるぞぉ~。
まぁ俺も、マリみて読めって言われたら思いっきり尻込みするが。

鈴:まぁ、さすがにそれはオススメせんって。
これは完全に趣味だし、そもそもオススメできるなら、「狼と香辛料」みたいにきちんと続刊が出るたびに、記事にするし。
とは言え、そういうのをやってみたい気はたまにするけどな。
お互い、これはダメだろう、ってのを読ませてやってみるとか(笑)
それはそれでなんか怖い結果になりそうでイヤだけど。
さておき、オススメなのはこれくらいにして、ワーストのほうに行くか。

扇:ほいや。
こっちは全三巻の内、IとIIが引っかかってる星界の紋章しかないね。
「直接」を平仮名で書く作品見たのはこれが初めてだよ、小説書く前に小学校で作文の勉強し直してこいって本気で思ったね。

鈴:……ま、まぁ、気持ちはわからんでもないな。
いちおう、好意的に見れば、そんな漢字変換のことよりも〆切のほうが重要、って考えればいいんだろうが……。
……過去記事見たら、他にもいろいろとひらがなになってんな……。ここまで来るとフォローのしようがないかも……。
では、私のワーストは……意外に×がないなぁ……。
銀河の約束」「人事異動」……げっ……
見てはいけないものを見てしまった……ここにいたか、ドクターペッパー並のジュースめ……。

扇:ああ、清涼飲料水か。
先週さんざんけなしたが、今週もやるかね?

鈴:やらいでかっ!!
……って、前にさんざんやったからいいや。
どうせ大言壮語癖があって妄想癖があるだけの腐れで作家名乗るなよボケってだけだし。

扇:ついでに自己陶酔の気もあると言っておこうか。
お馬鹿も度が過ぎるとどうしようもなくなるって見本だね。
と、程良く毒も吐いたことだし、次のコーナーに移りましょう。


『今週の一冊』


扇:さて、今週の一冊ですが、以前紹介した『ほしのこえ』を描かれていた方の新作、『マイガール』第一巻(著者:佐原ミズ)です。
五年前に胎ろさせた筈の子供がやってきたことで、じわりじわりと現在の家庭を破壊されていく男の恐怖を描くモダンホラー。
いや~、この人の絵ってホラー向きだよなって思ってたんだよね、前から。

鈴:ほんわかホームドラマを勝手に幽霊(水子)込みのホラーにすんなっ!
ったく、えー、ちなみに、ほんとうは、5年前に留学するために別れた彼女をずっと引きずっていまに至る青年(23歳)のもとへ、その彼女の死の知らせと、5歳になる娘が突然現れ、ちょっとした紆余曲折のうちに家族として暮らすようになる主人公と娘の姿を描いた家族モノです。

扇:存在しない筈の娘が突然やってきて、「貴方の子よ」って言うんだぞ、ある意味ホラーだとは思わんかね?
ちなみにこれ、白泉社で出したとすると、一冊完結物のネタですな。(いきなり毒)
載ってる雑誌はコミックバンチだけど、どー考えても、アフタヌーンでまったり描くタイプの作品じゃないかとも思ってみたり。

鈴:そりゃ確かに青ざめるけどよ。
だが、ホラーとは言えんだろうに、このネタは。
しかし、一冊完結ってのは……まぁ、否定できんし、アフタヌーンに連載してるほうが似合ってる感じの作品ではあるな。
そういや、この本、お初だからキャラ紹介もしとくかね。

扇:俺だったら、ふりだしに戻って人生やり直すね。
じゃ、久々に木劇っぽく紹介してみるか。
主人公の片割れ、笠間正宗。(「かさま」ではない、「かざま」である)
何度手紙を出しても返事をくれない恋人・塚本陽子を五年間も待っていた、現代では絶滅保護品種と言っても過言ではないぐらい純情な青年。
陽子の陰謀(?)により、五年前の種付けが成功していたことを全く知らないままいたが、彼女の死をきっかけに顔も知らなかった娘・コハルと接触、そのまま新米パパになってしまう。
性格は、押しが弱い癖に頑固、楽天家な割には落ち込みが激しいという、典型的なヘタレ一歩手前タイプ。

鈴:サイコロがうまく出ればいいんだがな。
まぁ、こういうときは得てして、どんどん子供が増えていくんだがな、人生ゲームだと(爆)
では、正宗の娘になってしまったコハルちゃん。なお、結婚してないので、名字は塚本だと思われる。
5歳にしては、かなりしっかりしている。
以上。
……つか、これ以上書きようがない……(笑)
ではダメなので、少し書いてみると、母親の陽子よりも父親である正宗似の面が見えるが、根っこはどう考えても母親似のしっかり者で、1巻では突然父親をやることになった正宗をフォローすること多数。
と言うか、正宗とレベルと一緒なんだけど、この子(笑)

扇:つーか、この子の思考レベルって五歳ぢゃないよな。
絵の問題もあるんだが……時々、笑顔が妖怪じみて見えることがある。
あーでも、正宗君にぬいぐるみみたいに抱えられて出勤するシーンは好きだな、笑える。(ただし、現実にあんなことはまずできんが)

鈴:どう考えても5歳ではない。
あえて好意的に見れば、正宗が5歳に合わせている、と言えるやもしれぬと言えないこともない。
で、好きなシーンかぁ……。
やはり、9話の笑顔になるシーンかのぅ。幼稚園のクリスマス会で、正宗が来たときに笑顔になるところは、年相応に見えてかわいい。
……と言うことは、そこ以外はたいてい年相応ではないということか……恐るべし、コハルちゃん(笑)

扇:私もあのシーンは好きだな、本巻で一番綺麗な場面だと思う。
しかし、それ以外の場面のコハルは冴えまくってるな。
正宗が子供っぽいのか、コハルが成熟し過ぎてるのか、その両方なのか。
とりあえず、普通に考えたらコハルの台詞は全部ひらがなの筈だ。

鈴:まぁ、いちおう、両方と言うことにしておこう。
でないと、正宗くんがかわいそうだ(笑)
しかし、確かにひらがなだよなぁ。幼稚園児だぞ。
漢字書けたら、保育士さんに褒められる年齢だぞ!?(笑)

扇:まぁ、必死でパパやろうとしてるけど、自分の年齢が追っついてこない……ってことにしとこう。
漢字どころか、ひらがな書けるだけで凄いと思うぞ。今はどうか知らんが、俺らの年代はそうだった。
って、何かこのままいくと子供時代の話を延々やってしまいそうだ。(爆)

鈴:そうだな。それに、作品そのものの評価もしていない。
とりあえず、じゃぁ、私から言うと……いまいち……
確かに、いい話なんだが、1話1話の話の展開が性急だし、おかげで雰囲気損なってるし、余韻もないし。
ホント、アフタヌーンでまったり、もっと話数かけて書いていけば、絵柄と相俟っていい雰囲気の作品になりそうなんだがねぇ。

扇:何か……非常に冷静に駄目出ししてるな。
まー、俺も別に大好きな作品というわけではない、一歩足りないというのも同意見だ。
でも、ロリコンの君なら、コハルちゃん可愛いからオッケーで済ますと思ったんだがなぁ。(笑)
つーか、この娘はLINN的に駄目っすか?

鈴:まぁなぁ。いちおう、もっとうまく描けば好みになりそうなだけにな。(ということにしておこう。)
つか、いつまでも私をロ○コン扱いすんじゃねぇっっっ!!!
別に悪いとは言わんが、子供らしいかわいらしさが少ないんでな。ただ、現実に娘にするならこれくらい物わかりがいいといいよなぁ、とは思うが。


to be continued……

締めって大切よね

2007-12-16 16:20:43 | ミステリ+ホラー
さて、このカテゴリは2冊目だわの第929回は、

タイトル:ヘカテの時間
著者:山崎洋子
出版社:双葉社 双葉文庫(初版:'98)

であります。

そういや、このカテゴリってあんまり使った憶えがないなぁ、と思って探してみたら、クロスレビューの「失踪HOLIDAY」だけだった……。
まぁ、もともとミステリ系は相棒の領分なので、ほとんど食指が動かない……はずなんだけど、これ始めてからふつうに読んだりしてるなぁ(笑)

さておき、本書ですが、1冊完結のミステリです。
ストーリーは、

『出版社に勤める今岡晃子は、雑誌「光海」の記事のために、美人実業家として名を馳せ、その後殺人を犯しながらも心神喪失を理由に無罪となった若平未来の取材を持ちかけられる。
それは、殺された相手が、実質は何もなかったとは言え、晃子の婚約者とされていた男だったからだった。
つまらない仕事ばかりに独り立ちの機会を窺っていた晃子はこの話に乗ることにした。

一方、ゴーストライターを生業にしている森山真也は、突然未来の訪問を受ける。
退院したばかりの未来は、一度だけゴーストライターとして仕事をし、入院したときに親切な手紙をくれた真也を頼ってきたのだ。
そこへ、真也のもとに身を寄せていると聞いた晃子が訪れ、取材の申し込みをする。

婚約者だった、と言う背景で取材に応じるよう迫る晃子に、釈然としない真也、意外にも応じる姿勢を見せる未来の3人のところへ、真也の恋人だった女性が押しかけてくる。
嫉妬にかられ、騒ぐその女性を晃子は不運にも身を守るために殺してしまう。

誰もが混乱する中、晃子は自分たち3人しかいないことを利用し、このまま死体を隠すことを提案し、未来も同意、真也も渋々ながら協力することに。
そうして3人は不慮の事故によって否応なしに行動を共にする運命共同体となった。』

体裁としては、章ごとに晃子、真也、未来の3人の名前を挙げて、その人物の一人称で物語が進むもの。
そうすることで、不慮の事故で殺人を犯してしまった晃子や、付き合わされる格好になった真也、キーパーソンでもある未来などの心の動きや考えなどが、しっかりと、丁寧に描くことが出来ている。

と言うか、ミステリとか、ホラーとか、そういうところよりも主人公である3人の人物がほんとうに丁寧に描かれているところは秀逸。
晃子の、結婚を延期してまで独り立ちの機会を逃すまいとする姿や、不慮の事態とは言え、殺人を犯してしまったあとの思考、行動など、確かに現実にいそうな女性像としてうまく描かれている。

真也も、どこか冷めた最初の姿から恋人のような存在だった女性の死と、共犯関係にされてしまったあとの悩み、心の脆さなどと言った部分などがうまく描かれ、納得させられるだけのキャラになっている。

未来は……最初は、晃子と真也がほとんどで、さほど一人称として出てこないのだが、3人の中で異質な存在として、晃子、真也の目を通して描かれ、さらに時々一人称で語られることでミステリっぽい雰囲気を醸し出している。

ほんとうに、人物を描くと言う点に関してはすごい。
ただし、ミステリとしてどうかと言うと、はっきり言って、不可解な事態のほとんどは中盤に至るまでにわかってしまうくらいだし、ホラーとしての要素も、怖さと言った部分はほとんど感じられないくらい弱い。
いちおうカテゴリとしては「ミステリ+ホラー」に分類したけれど、そういうところを期待するとバカを見そうだぁね。

構成とか、人物描写とかはまったく問題ないし、文章も丁寧に心理描写などが書かれているだけに、読みやすいから、余計にミステリとしてもホラーとしても中途半端なのは残念。

……比較的、いいことを書いておきながら、ぢつは総評としては×。
ジャンルとしての中途半端さとか、人物の描き方がうまいとか、そういうところは十分評価できるのだが……。
ラストがダメダメすぎ。

最後の最後で、「なんじゃ、そりゃ」って感じの部分があって、それがそれまでのを思いっきりぶち壊してくれた感じで、通勤時のバスの中で読んでてそのまま投げ捨ててやろうかと思ったくらいだったわ。
まぁ、図書館の本なのでさすがにそれは出来ないけど、もし買ってたら、その辺のゴミ箱行きなくらい、げんなりするラスト。

これさえなければ、良品に近い及第、と言ってもよかったのに……。
てなわけで、総評は上記のとおり、落第。
もし読むなら、ホントに最後の最後の15行だけは読まないほうがいいと思う。

ターイムショック!! ってタイムじゃなかったな

2007-12-13 19:54:28 | おしゃべり
さて、第928回であります。


鈴:買って1週間もしないうちに「スゴ録」の番組表って使いづれぇと思ったLINNで~す。

扇:番組が双六調で書かれてるのか?(例:3が出たら三時間後の作品に進む) とか聞いてみるSENでーす。

鈴:双六……それはそれでおもしろそうなんだが、使いづらいだろうなぁ。
いや、単に文字ベースなだけで一覧性が皆無だからだな。

扇:いまいちピンと来ないが……要するにあれか、テレビの週間天気予報が見たいのに、諸事情により177の天気予報しか聞けない、ってレベルかね?

鈴:いや、177だけと言うわけではないが……。
単に、翌日とか先の番組表を見るのに「1日先」とか、そういう項目もないし、カーソルキー押しっぱで先に進めるしかすることがない、とかな。
まぁ、どうせジャンル選択で「アニメ」にしか用がないから、いまのところ、不便はあまり感じてないが(爆)

扇:せめてニュースは視ろよ、社会人。
俺はテレビ自体視てねぇけどな。

鈴:どこの世界にニュースを録画するヤツがいる!!
しかし、テレビ自体見てねぇってほうが、どうかと思うぞ、同じ社会人として。
ったく、まぁ、テレビの話をし出すといろいろと止まらんので、いつものネタに行くとすっか。


『Wikipediaに聞け!』


鈴:さて、今週のWikiですが、日本の会社でありながら世界的に極めて有名な「Sony」であります。
どっかで聞いたことがあるけど、なんかアホな毛○が「え? Sonyってアメリカの会社じゃないの?」って勘違いどころか、無知丸出しの○唐らしいことをほざいた、と言う噂があるくらい、グローバルな会社です。

扇:え、火星の会社ぢゃないの?
それから、毛○って言うな。差別用語だぞ、多分。

鈴:地球ぢゃっ! 地球っ!!
しかし、それって差別用語だったのか……。
別に、どーせあっちだってジャッ○とか、イエ○ー何とか言う低レベルで「オレたちが世界一だぜ!」って勘違いしてるバカ丸出しアホ一直線の考えのヤツがたくさんいるから、別にいーんじゃね?

扇:そうか……地球の会社だったのか。
ク×ラギとかって名前の宇宙人が重役やってるから、てっきり地球外の会社かと思っていた。
しかし、その話題は深く突っ込んでいくとヤヴァイことになりそうなので、ここらへんでやめておこう。

鈴:そうだな。いろいろと暴言(とはぜんぜん思ってないが)が続きそうなので。
さて、今回のネタのSonyですが……ってその前に見出しを決めてないな。
まぁいっか。とりあえず、目についたネタで話をしよう。
と言うわけで、気になったひとつ目。
「技術のソニー、経営の松下」とはあまりに有名だが、アメリカでは「マーケティングカンパニーのソニー、技術の松下」ってのは意外な感じ。

扇:うーん、個人的には前者で合ってると思うんだけどなぁ。
マネシタ電機は、マーケティングで他を押し倒していったイメージが強いので。
ま、セコイやり方で一太郎を潰そうとしたクソ会社なんぞ、いくらけなしても心が痛まないがね。

鈴:あー、その話題か……。
私は泥酔した勢いで、ジャストシステムに「松下なんかに負けんな!」ってメール出したら、丁寧なお返事が返ってきたな(笑)
しかし、確かにアメリカ側の言い分もわからんでもないが、やっぱりソニーと言えば「技術」ってイメージだよなぁ。
じゃぁ、とりあえず私のほうは一個出したんで、そっちでなんか目についた記事はあるかね?

扇:さすがジャストシステム、地道に頑張ってるねぇ。
目に付いた記事と言えば……誰でも一度は聞いたことがあるであろう、ソニータイマーとかかな。
都市伝説ではあるんだが、信憑性がありすぎるのが問題だったね、これは。(笑)

鈴:あぁ……、それはまぁ、確かに……。
先進性があって、アイデアも豊かだが、出した製品が壊れやすい、と言うのは未だに先入観としてあったりするもんなぁ。
とは言え、いまのところ、2年前に買った「スゴ録」は壊れてないぞ(笑)
あ、そういや、「独自企画のこだわり」って項目で、ベータマックスに最後まで付き合った東芝とDVDの新企画で対立し、いままで犬猿の仲だった松下と手を組んでるってのはおもしろいな。

扇:ビデオ規格戦争はよく覚えてるなぁ。
明らかに画質はベータの方が良かったんだが、クソ会社の松下が力任せにVHSを売り込んで、結局後者が勝った。
もっとも、そうやって喧嘩したソニーと松下が協力って……落ち目同士が手を組んだって気がするのは俺だけか?
ケツに火がついたら呉越同舟ってのは、いつの時代でも変わらんねぇ。

鈴:そうねぇ、画質はベータのほうがいい、ってのはよく言われていたな。
確か、機構的にもテープの劣化が遅いから、だいたいマニアはベータがいい、と言っていた、って記憶している。
しかし、落ち目同士ってな……。
確かに、永遠のライバルのはずの2社が手を組んでるんだから、そう見られても仕方がないかもしれんが……。

扇:うちもベータだったよ、あれはいい製品だった。
永遠のライバル……? ライバルと呼べるかなぁ……あそこまで蹂躙されてて。(爆)
はて、後はデスマーチかね。つーか、ソフト作ってる会社はどこもデスマーチ抱えてる気がすっけど。

鈴:デスマーチは、ソフトウェア系のところは何かしらそう言われても仕方がないところはあるだろうなぁ。
まぁ、私もシステム開発関係に関わったことはあるが……顧客側だったらけっこういろいろ無理言ってたしなぁ(爆)
しかし、なんかWikiの記事見てると、下に行くに従って黒歴史ばっかり並んでるし、いちおうソニー好きを自認してるから、あんまりネタにしたくねぇなぁ。
次、行っとく?

扇:まー、俺もソニーは嫌いじゃないからこれぐらいにしとくか。
下の方の記事って、不祥事だの不具合だののオンパレードだしねぇ。


『今週の一冊』


鈴:では、今週の一冊、おそらく、回数的にそろそろではないかとお気づきの方もいらっしゃるのではないかと……思わねぇか(爆)
ともあれ、今回の一冊は約2ヶ月くらいのご無沙汰、十二国シリーズ「図南の翼」であります。

扇:略して、「南図」ですね。
別に、「ヒョオォォォ~ッ!」とかいう掛け声で、敵を輪斬りにする世紀末拳士とかは出てきません。

鈴:出てこねぇって。どう読んでも、「なんず」だし、それ。
それならまだ「南翼」とかにして、どっかのスーパーサッカー少年が出るとか、何とか言ったほうがまだネタになったような気がするぞ。
さておき、「図南の翼」ですが……いちおう、ストーリー紹介、しとく……かね。

と言うわけで、ストーリーは、
『恭はもう何年も王が不在だった。豪商の元に生まれた珠晶は、誰彼かまわず、昇山しないのかと言うものの、たいていは「自分は器ではない」と言われるばかり。
ならばとばかり、自分が昇山し、目の物見せてくれると出奔して昇山の道へ。
道案内の頑丘、得体の知れない青年利広の仲間を引き連れ、困難な麒麟との面会に向けて、弱冠12歳の少女である珠晶は、蓬山への道を歩む!!』

って感じでどうかね?

扇:『南図瑞兆剣(なんずずいちょうけん)』……しまらねぇなぁ。
あ~、真面目にストーリー紹介してくれるのはいいんだが――俺の書くこと何もねぇぢゃねぇか。

鈴:そか?
なんかないかのぅ。
そもそも十二国記シリーズは、クロスレビューをやろうと言いながらぜんぜん実現してないから、この際、そういうところをやってみるのもいーんではないかえ?
まぁ、私はもう書いてるから、何だが。

扇:えーっとじゃあ、私の解説を。

『大金持ちの娘で世間知らずのガキンチョが昇山する物語です。王様が必要なのに誰もやろうとしないという現状に腹を立てる心意気は認めますが、理想の通らない地で理想を主張するので現実主義者のにーちゃんと大喧嘩になります。ちなみにこの子、王様になって後に大王朝を築くのですが、百年経っても性格変わってないのに、いい政治やってるらしいです。うわっ、嘘くせっ!』

こんなところかな?

鈴:うわっ、相変わらずの毒まみれ
いーじゃん、別に。
現実主義のにーちゃん(頑丘)と衝突するのもお子様だからだし、基本、いわゆるツンデレだけど、中身……と言うか、考え方はしっかりしてるから、90年経っても王朝続けてるってのも、別に納得いかないわけじゃないし。
まぁ、私のばやい、珠晶がかわいくてかっこいいから、いーってのがだいぶあるけどさ(爆)

扇:君が珠晶に萌え萌えだってのはよく知ってるがね。
俺は子供は好きだが、ガキは嫌いなんだよ。
結局、俺がこの話をあんまり好きになれんのは、最後に書いた、「嘘くせっ!」ってとこだろうなァ。
もっとも、作品的にフォローはちゃんと入れてあるがね。
本巻のラスで最強国の王様が後ろ盾になってくれてるし、補佐役の供麒は普通にいい子だし、まー、珠晶が無茶な性格でもどうにかなるんぢゃねぇの? って感じにはしてる、一応。

鈴:その線引きがよくわからんが、まぁいい。
珠晶が無茶苦茶なのは確かだが、はっきり言って供麒がいないとこの王朝、長続きしねぇってのは同感(笑)
だいたい、「だったら、あたしが生まれたこきに、どうして来ないの、大馬鹿者っ!」って引っぱたかれて、それでもOKなマ○だからなぁ。
王と麒麟の関係で言えば、ぢつはいちばん合ってるのって、このふたりじゃないか?(笑)
つか、でなけりゃ、本気で90年以上続かなねぇって。
もっとも、90年経っても、玉座から足をぶらぶらさせて、靴が脱げたっつって供麒に取りに行かせる珠晶も珠晶だと思うが(笑)

扇:この世界の王と麒麟って、変人コンビばっかりだからなぁ。
完璧超人&ただの口うるさいガキ、暴れん坊将軍&うっかり八兵衛、寡黙な武人&お稚児さん、ビジュアル系&着せ替え人形、他にも沢山いるが割愛。
そう考えると、漫才コンビとしてはまともな方かも知れん。
あ、でも、漣国の御百姓さん&奥様コンビはほのぼのしてて結構好きかも。

鈴:……割愛もクソも読んでる人間にゃぁそのまんまやないかい。
でも、漫才コンビというか、いいコンビには違いないがね、珠晶と供麒。
つか、供麒がいなけりゃ珠晶もやってらんねぇだろうな。だいたい陽子でさえ、苦労しまくった海千山千の妖怪ども相手だし。
って17歳の陽子と12歳の珠晶じゃぁ、苦労もまた格別だろう。
しかし、この本の話ではないが、漣のふたりは、まぁ確かに、夫婦としか言いようがないふたりだったな。
よくあれで王様務まってんな、って気が480%くらいしそうだが(笑)

扇:南北格差激しすぎだよな。
漣って、王様が何もしなくてもどーにかなるぐらい豊かなのに、戴ときたら、わずかな食料を争わにゃならんぐらい貧しいって……をい。
何か、別巻の話がおおくなってきたので、ここいらでまとめに入りますか。
ズバリ、本巻のポイントは?

鈴:珠晶がかわいい&かっこいい!!

扇:聞くだけ無駄だったな……。

鈴:なら聞くなよ……(笑)



to be continued……



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意外な効能

2007-12-09 16:10:53 | ファンタジー(現世界)
さて、「振り返れば目録」も意外に役立ってんなぁの第927回は、

タイトル:我が家のお稲荷さま。3
著者:柴村仁
出版社:メディアワークス 電撃文庫(初版:'04)

であります。

目録ネタをやっていて、2巻の記事を読み返してみると3巻に期待したいと言ったのが一昨年の7月……。
素で2年以上経ってんのに気付いて予約を放り込み、読んでみました。

では、ストーリーは、

『高上家ご一行……兄、昇と弟の透、ひょんなことから居候になっている天狐空幻ことクー、兄弟を護るために同じく居候になった護り女のコウは、昇の学校の文化祭に来ていた。
女姿のクーにまとわりつかれて男子どもの痛い視線を浴びながら、ともに微妙な好意を持っている佐倉美咲にプチ嫉妬されたりと何となく受難。

そんな文化祭の最中、クーはおなじ天狐の玉耀に、巷で鬼が起こしていると言う事件のことを聞き、一緒にそのお宝を横取りしないかと誘われる。
興味を惹かれないクーはあっさり断ったそんなころ、コウとともに文化祭を楽しんでいた透は、何故か修道服を着ていた女性に出会う。

とは言え、文化祭は昇の受難以外、さしたる問題もなく終わり、10月。
透宛にクロネコ便……ほんとうにクロネコが配達してきた宅急便が届く。
大きなダンボールには、全身をぐるぐる巻きにされ、拘束具で厳重に縛られたひとりの少女。

ついでに透は野球チームの試合のときに黒ずくめの少年に出会い、似た時刻、昇はダウジングに勤しむ怪しげな女性を目撃する。
怪しさ満載の日常の中、昇は下駄箱に手紙が入っているのを見つけ、好奇心と期待を押し殺しながら、手紙の場所に向かった途端、怪しげな男二人組に拉致されてしまう!』

えー、素でふつーに、あっさりすっきり楽しんで読めました(爆)

いちおう、著者あとがきにあるように、4巻に向けて微妙に引いている作りにはなっているけれど、メインの鬼絡みの話はきちんとオチをつけてくれているのでOK。
引きも「そんなとこで終わるんかいっ!」と怒マークを付けたくなるほどではなく、微妙に続きが気になるくらいのものなので、逆に興味をそそられたり……(^_^;
まぁ、実際、4巻の予約がなかったのであっさりと図書館で予約してしまったけど(笑)

さておき、実際のところ、印象としては1巻にあったような「日常」をベースにした展開がメインでほのぼの感は十分感じられる出来。
怪しげな新キャラも、いまのところ、作品の中の「日常」を壊さない程度の「怪しさ」なので、作品全体の雰囲気を壊すことはない。

クライマックスとなる後半は、お約束の戦闘シーンがあるわけだけど、これも意外にあっさり。
2巻ほど戦闘に比重が傾いていないところはいい。
あっさり、と言う言葉通り、ホントにけっこうあっさりと戦闘シーンは終わってくれるので、そういうところを期待するひとには物足りないだろうと思うが、作品としてはこれくらいが妥当だろうね。

文章は……ん~、地の文に会話文が続いたり、間に挟まっていたり、と言う文体は正直あんまり好きではないけれど、個人的な好みを除けば過不足なく、及第。
引っかかるようなところも特にないし、重くなりすぎず適度に軽い文章は作風にも合ってる。

久々に読んだけど、2巻ほど目立って悪いところはなく、あっさりと軽く読むにはかなりいい。
ただ軽すぎるきらいがあるので、200ページあまり、1時間半もあれば読めてしまうのはちと残念。
ってか、私、1時間半もかかったかな、これ……(爆)

ともあれ、1巻にあるようないい雰囲気が戻ってきた、と言うところもあって、おもしろく読めたので、ラノベ点を加えて良品、と言うところにしておこうかね。
久々だし、かなり甘々な点の付け方ではあるけれど。

……って、4巻車ん中に置き忘れたまんまだ……取ってこよ……(爆)



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福本三部作完結編

2007-12-06 14:45:11 | おしゃべり
さて、第926回であります。


扇:gooブログも遂に書籍化始めたかぁ……と思うSENでーす。

鈴:だいぶん遅かったなと思ったLINNで~す。

扇:まー、エキサイトはかなり前からやってたからなぁ。
てことで、つれづれ書籍化計画を発動したいのだが――。

鈴:そう、exciteはかなり前……つか、電脳始めたころからすでにあったんじゃなかったっけか?
しかし、書籍化すんのか!? すんのか!? ホントに!?
金以前に、本気でするなら100回までの記事をどうにかしたいぞ、私は(本気(笑))

扇:いや、二桁台の記事は黒歴史として封印しといて、真のつれづれは108回から始まったことにすれば無問題だ! …………………………………………………………多分。

鈴:多分かよっ!
まぁでも、マジで黒歴史だよなぁ。
私としては130回くらいからにしてもらいたい気はせんでもないが……(笑)
108回超えてもいまいちなのはけっこうあるし……。


『振り返れば目録!』


扇:てなわけで、そんな危険地帯の130回以前を避けまして、今週の『振り目』は、「2005年7月」の目録を振り返ってみたいと思います。

鈴:じゃぁ、前回と同様にベストのほうから選ぶとするか。
……って、ん~……、マンガなら「大きく振りかぶって」、小説なら「アーモンド入りチョコレートのワルツ」あたりなんだが……。
あぁ、見てみると、ろくでもないのに囲まれて唯一「○」をゲットしてる「我が家のお稲荷さま」かのぅ。
ラノベ企画で読んで、これだけはかなりマシだったからな(笑)

扇:その、「我が家のお稲荷さま」の「○」って……他が悪過ぎて、比較評価が良くなっただけなのでは?
実際のとこ、続き読んでね~だろ、お前さん?

鈴:……ま、まぁ、そういうところもないわけではないだろうがな。
その前後のが……っつーか、そのあとがあまりにも酷すぎたんでなぁ~。(ただし、一部黒歴史あり(笑)。知ってるひとは知っていると言うものだが)
まぁでも、ラノベ点入れても「○」な作品だとは思うけどね。
ただ、2巻のところで「3巻に期待したい」と書いてたのに、読んでないのは事実だな(爆)
だが、いいのだ、図書館のHP検索したら予約なかったから、予約入れたから!

扇:『御稲荷様~』の後に読んだ奴? ああ、『ご愁傷さま二ノ宮くん』か。
あれの黒歴史ってぇと――審査員に喧嘩売った後、さすがにやべーと思って記事修正かましたことかな?
個人的には、無修正の方が面白かったんだがねぇ。

鈴:……まったく否定のしどころがないな(爆)
まぁ、あんときゃぁ、確か飲みながら書いてた気がするし、気が大きくなってたってのもあるんだろう。
でも、いまでもあの程度の作品で「佳作」ってのはどうよ!?って気持ちは240%くらいあるけどね(笑)
でもまぁ、いま考えると、うちの読者層考えると、修正しなくてもよかったんかもしれんね。
とは言え、ネット社会は怖いから、っていうのもあって修正したんだけどね。
……って、そっちのベスト、ぜんぜん書いとらんぞ?

扇:つーか、ここで思いっきりバラしてる時点で、どうよ?
あ~、こっちのベストか。
私のベスト1は、文句なしに『ハーメルンの笛吹き男』だな。
こん時やった火サスネタはかなり気に入っている。またこういうのやりたいね。

鈴:本の内容とぜんぜん関係ねぇじゃねぇかぁっ!!
ちゃんと本の紹介をせいっ。

扇:歴史ミステリー好きなら必読、かな。
笛吹き男伝説自体、ネタとして面白いんだけど、これに中世暗黒期に関する考察を絡めてあるのでかなり骨太な内容になってる。
事件が起こったのが1284年6月26日と無茶苦茶古いので真相は不明のまんまだが、可能な限り資料を揃えてくれてるから、自分で色々想像出来て楽しいぞよ。

鈴:あぁ、この手の本はそっちが多いな。
だが、この手の本は読むのにホントに気合いがいるからなぁ。
目録で、「文学」とか「古典」が増えないのは、そのあたりの理由がでかいんだよななぁ。
……じゃぁ、そろそろ……と言うか、何というか……どう考えてもベストよりも盛り上がるに違いないワースト行くか(笑)

扇:あ~、これも読むのに半月ぐらいかかった。
いくら興味がある題材と言っても、論文読むのはやっぱ気合いがいるわなぁ。
で、ワースト1だが、これまた文句なしに『ピラミッドの謎をハイテクで探る』だろう。
俺はこれ読んで、吉村作治が大っ嫌いになった。(笑)

鈴:まぁ、別に私はこのひと、好きでも嫌いでもないけどね。
確か、調査のためにムスリムに改宗して結婚した根性は認めるけど(笑)
では、私のワースト……って、なんかベスト書いてる中にすでに語られる気がするんだけど……まぁ、いいや。
この際だ、デカ文字で大々的に発表して差し上げよう。
「ご愁傷さま二ノ宮くん」
これ以外にあり得ないっ!!

扇:夢を追う男と言えば聞こえがいいが、要は単なるワガママ野郎だと思う、吉村って。
それはいいとして……やっぱり来たか、『にのみ~』。
これに匹敵するけなし方をしたのは、清涼飲料水ぐらいだね。(笑)

鈴:まぁ、この月のワーストを決めるならこれ以外にあり得んだろう。
ただ、匹敵?
匹敵なわけないだろう。
小説してる「二ノ宮~」としてない清涼飲料水とじゃぁ、較べるのが間違っている。
いまなら断言できる。
ごめんなさい、鈴木大輔さん、あなたは清涼飲料水よりは100倍マシです(爆)

扇:あー……まぁ……料水微説の人はほっとこう、頭痛くなるから。
しかし、これで二回目だけど、どんどん読者を敵に回してる気がするねぇ……。

鈴:回してんなぁ、ゼッタイ。
まぁ、別にあいつのファンを敵に回したところで痛くも痒くもないけどな。
それより自分の胃炎のほうが大事(爆)
……なんか、とてつもなく変な方向に行ってる気がするから、気分を変える意味でも次の今週の一冊のほうに行こう。


『今週の一冊』


扇:さて、今週の一冊ですが、11月2日のWiki11月29日の一冊に続く福本先生三部作の完結編、「どこかで誰かが見ていてくれるFINAL ~そして伝説へ~」です。

鈴:どこぞのRPGと一緒にすんなっ!
ったく、なんか最近マンネリなので、素直に行きます。
「おちおち死んでられまへん -斬られ役ハリウッドへ行く-」であります。
前回に引き続き、大部屋俳優なのに何故か有名になってしまった福本清三さんのインタビュー本第2弾であります。

扇:マンネリ言うなっ! たとえ事実であっても!(自虐発言)
やっぱ第一章に尽きるね、これは。
ハリウッドに行くまでの経緯と、向こうでの四方山話が面白すぎる。
個人的には――「ハリウッドからオファーがあっただけでも凄い、そんな親父を誇りに思う!」みたいな台詞を吐く息子さんに対して、「そんなに誇りに思うならさっさと孫の顔を見せや」と冷静に突っ込む福本さんが素敵過ぎ。

鈴:まぁなぁ。過去の木劇見てるとそんな気がしてならんのだよ、明智くん。
さておき、ハリウッド関係の話はおもしろったねぇ。
まぁ、還暦来てるのに、未だに孫の顔が見れないってのはまぁ、確かに、ねぇ……。
そこはあんまり突っ込まないほうがいいだろう、お互い(爆)
だが、ハリウッド関係の話としては、最初の「どこかで誰かが見ていてくれる」にもあったが、映画の作り方の話あたりは、このひとの時代劇への情熱が垣間見えていいところではあるな。

扇:前作でも、今の時代劇にもの申す! みたいなことは言ってたけど、ハリウッドのプロ根性に刺激されて、ここでも色々語ってるな。
少なし、裏方が自分の仕事にプライド持って、相手が監督だろうが人気役者だろうが平気で文句を口にするってのは、映画に限らず、必要なことだとは思うねぇ。
まー、日本の場合……先立つものが少なすぎるってのもあるんだろうけどさ。(爆)

鈴:先立つもの、と言うより、やっぱ予算だよなぁ。
この本にも書いてあるけどね。
時代劇に人気がないから予算が削られ、削られるからろくなものが作れない、作れないから余計にひとが集まらない、集まらないから売れない、売れないから作れない……この手の悪循環を、福本さんはことあるごとに嘆いてるわねぇ。
ただ、最近、映画でも時代劇が出てきて、いいのが出来てるってのは喜んでたね。
それでも、この人は主役はろうとか、そういうのはぜんぜん考えてないんだけどね。

扇:本当に寂しそうに言うんだよなぁ……。(しみじみ)
うんうん、『たそがれ清兵衛』の話とかしてた。あれは本当に評価高かったからねぇ。
主役? 多分、「そんなんできまへん」って断るぞ、絶対。
でも、映画村でやってる舞台では、どー足掻いても主役扱いだけどね。(笑)

鈴:断るだろうなぁ、ゼッタイにこのひと……。
なんか、「いや、うちはただの大部屋俳優ですから」とか言ってるのが想像できる……つーか、ゼッタイ言ってる(笑)
でも、実際映画村のあれは主役扱いだな、どー足掻いても。
そもそも、福本清三の名前で売り出してんだから、斬られようが斬られまいが、あんたが主役だよ、って言いたいぞ、わしゃ(笑)

扇:『時代劇スペシャルショー 新撰組義勇伝 福本清三斬られる!』って……明らかに、タイトルより文字がでかいしな。(笑)
えーと……他の章だけど、二章の『定年』は、いかにもリアリストらしいとこが出てたね。
ハリウッド映画に出たところで何が変わるわけでなし、自分は還暦迎えて無職になっちゃうわけだし、これからどーしたらえーんやろって……いや、ほんと貴方って、増長しませんね。

鈴:増長とかそういう感じじゃぁないよなぁ。
ふつう、映画村で個人名出されりゃ主役だろうし、ハリウッドなんかに呼ばれた日にゃぁ有頂天だろうに、このひと、ホントに現実しか見てないもんなぁ。
まぁ、そこがまたいいんだがねぇ。
つか、ハリウッドに呼ばれて、「めんどくせぇ」って思うのはあんただけだよ!(笑)

扇:確か……めんどくさいって表現三回ぐらい見たなぁ。
御家族一同は盛り上がってたがね、特に、ファンクラブ会長・五十嵐マヤ氏と結託して福本さんをハメた奥さん最高!
ホラ話は大きい方がいいって、ホラで終わってないところが凄まじいよな……旦那さん置き去りだが。(笑)

鈴:まぁ、奥さんはなぁ……前の本のときから、飄々としながら内助の功を地でいってたひとだからなぁ。
ちょいとハリウッドってことで一旗揚げるのに、旦那を騙したところで罪はなかろう。
つか、ハリウッドに行って収入ない一家を支えてたの、この人だし。
だいたい、なんか「フフフのお姉さん」とか奥さんとか、いい女性多いよなぁ、福本さんの周り(笑)

扇:娘さんもな……、「ギャーッ、パパが死んだ! パパが死んだ!」で大泣きした後、夜になって帰宅したら、「あっ、パパ、生きてた!」の人だからなァ。(笑)
話を本書に戻して……三章の『カレーライス』はおまけだね。
聞き書きの小田さんが、福本さんの料理さんの料理を食べたくてキャンプに誘った、ただそれだけ!
最後に、「そんなアホな」と突っ込んだ福本さんの気持ちが良く解る……つーか、仕事しろ。

鈴:まぁ、おまけはおまけだね。たぶん、聞き書きのひとが、料理するって話聞いて、たぶん、作ってもらいたかったんだろうなぁ。
仕事にかこつけて作らせるたぁ、なんてぇふてぇやろうだ。
私だって食いたかったよっ!!

扇:それが本音か、をい。
俺だって食いてぇぞ! つーか、福本さんにカレー作ってもらって、まったりとお喋りだと? 仕事にかこつけて、何て美味しい時間を過ごしてるんだこの野郎!
俺も混ぜろ、つーか参加させて下さい。

鈴:てめぇもそれが本音じゃねぇかよっっ!!



to be continued……

実はこれが初めての紹介だったり ~つれづれ号外~

2007-12-04 23:18:17 | つれづれ号外
さてさて、一週飛ばして号外肆回目は――。

タイトル:HELLSING 第9巻
原作:平野耕太
文庫名:ヤングキングコミックス

であります。

実は、つれづれで紹介するのは初めてだったりしますが、号外なので続けて読まれていることを前提に書きます。あと、ネタバレ満載なので、未読の方は注意。

倫敦市民の姿は既に無く、ミレニアムの先発隊は壊滅、マクスウェル率いる十字軍も破れ去って、本作はいよいよ人外連中のボスバトルへと突入しました。
前巻で何かよーわからんものと化したアンデルセン神父、同じく前巻で30歳近く若返った死神ウォルター、登場からずっと無言のままで、変身してもやっぱり喋らない大尉と、強敵のオンパレードなのですが、アーカード強すぎるんでこれでも不足なのでは? と思っていたら……実際そうだった。(爆)

神父様さっくり殺されます。臨終の際の台詞は結構好きだけど、前巻でアーカードと交わした、まさにライバル! といった会話を考えるとちと寂しい気も。
アーカードとウォルターはまだ交戦中。ただ、決着はもう付いちゃってる感じですね。アーカードも言及してますが、ウォルターは老人の時の方が格好良かった気がします。
一番貧乏籤引いたのは大尉で、交戦相手がセラス(笑)。えーっと……貴方、ミレニアムの最強戦力ぢゃないんですか? まー、少佐も、『所詮、物理攻撃じゃアーカードにゃ勝てっこない』と割り切ってるみたいだから、ここで失ったところで痛くも痒くもないんでしょうが……。

それはそうと、本巻最大の目玉は――少佐が寄生獣ごっこをやったことでしょう。
例の演説をピークに、どんどん毒が薄れて『単なる自信家』まで落ち込んでいた彼ですが、これでさらに威厳が失われました。倫敦血戦が始まってからこっち、どんどん漢っぷりが上がっていってるインテグラとは偉い違いです。
もっとも、ラスボスは主人公に負けるためにいるので、こうなるのは必然かも知れないけど。

とりあえず、神父様以外のキャラのケリはまだ付いてないので、次巻に期待といったところでしょうか。
(あ~、そう言えば、別作品からの出張キャラが一人死んでたなァ……どうでもいいけど)

ちなみに、バレンタイン兄弟の巻末コント、カバー裏のギャグネタは相変わらず笑えます。
つーか、バキネタはともかく、動物のお×者さんネタってこの本の読者に通じるんだろうか?

まぁ、いいのはいいんだけどね

2007-12-02 00:40:25 | ファンタジー(異世界)
さて、号外入れて週2が基本だと意気込みだけはあるんだけどの第925回は、

タイトル:煌夜祭
著者:多崎礼
出版社:中央公論新社 C★NOVELS(初版:H18)

であります。

今年の1月に相棒が読んでいて大絶賛しているもので、当時図書館になかったので読めなかったんだけど、ちょいと話題に出たので検索してみると……。
あるじゃん。
ってなわけで、借りてみました。

ストーリーは、

『ある廃墟にひとりの仮面を被った者が訪れた。そこにはすでにおなじように仮面を被った先客がいた。
十八諸島の世界を巡り、各地で話を集め、語り伝えていくことを生業とする語り部たる証拠の仮面をつけたふたりは、語り部が集まり、冬至の夜に語り明かす煌夜祭のために、ここに集っていた。
先客はトーテンコフと名乗り、もうひとりはナイティンゲイルと名乗った。

そして若い者からと言う習いに従い、ナイティンゲイルのほうから、ある貧しい語り部と魔物との物語を始めた。
語り終えたあと、いくつかの言葉を交わし、今度はトーテンコフが十八諸島のうち、ゼント島とヤジー島との関係の中で活躍した少女の物語を語った。

たったふたりだけの煌夜祭は、こうして始まり、次第にふたりの語る物語は十八諸島に渡る謎に迫っていく。』

ん~、毒舌に定評のある相棒が手放しで褒めるだけあって、物語の作りはいい。
体裁はいちおう短編連作か。
語り部が語る物語、と言う体裁で最初にふたりの出会いが入っているので、それを踏襲して、語り終わると同時に、ふたりの場面に戻る。

で、作りの部分だけど、最初にナイティンゲイルが語った話や、トーテンコフが語った話は、ほんとうにただ漂泊の語り部が稼ぐために語るような、そんな物語に見える。
見えるのだが、それぞれが語っていく物語と、ふたりの会話の中にこの作品の全容のために散りばめられた伏線が、ごくごく自然に配されている。
また、語られる物語の数が増えるに従って、当然情報量が多くなるわけで、そういうところがトーテンコフとナイティンゲイルのふたりの正体などの隠れた部分の想像を掻き立ててくれるし、あれがこういうところの伏線になっていたのか、とか、感心させられるところは多い。

文章面も及第で、いくつか気になるところはあったものの、読みやすい部類に入るだろう。
名前の付け方が独特で、これは取っつきにくいところがあるだろうが、慣れてくればどういうことではないので、さしてマイナスになることではないだろう。

語り部が語る部分の短編も伏線云々というだけでなく、ありふれたネタもあるものの、そう作品全体のキーとなる魔物と人間の話など、きちんと読ませてくれる作品となっていて、出来が悪いと言うわけではない。
各短編も、そして全編通して高いレベルでまとまっている作品であると言えよう。

うまい、というのはわかるが、著者あとがきに「こんな地味な作品に素敵な絵を~」とあるとおり、地味。
まぁ、地味なのは別にかまわない。
地味だろうが何だろうがおもしろい話はあるもの。

それでも手放しでおもしろい! とは私は言えない。
感性派の私にとって重要な要素が作品の雰囲気に浸れるかどうかなのだが、これはかなりそうした雰囲気に乏しく、ほとんど作品に入っていけなかった。

作品はいいし、話もおもしろいほうだとは思うし、作り方はうまいが、私の場合、浸れないのはマイナス。
まぁ、逆に浸れれば少々構成がいまいちだろうがおもしろく読めてしまうんだから、これは完全に個人の趣味の問題ではあるんだけどね。

と言うわけで、趣味の問題を除けば相棒の言うとおり、いい作品だとは思うので、総評としては良品。
個人的には崖っぷちの良品だけど(笑)


☆クロスレビュー!☆
この記事はLINNが書いたものです。
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