つれづれ読書日記

SENとLINN、二人で更新中の書評ブログです。小説、漫画、新書などの感想を独断と偏見でつれづれと書いていきます。

ブーン――ンンン――ンンン

2005-09-07 21:31:08 | ミステリ+ホラー
さて、怪しすぎるタイトルに引かれた第281回は、

タイトル:ドグラ・マグラ(上)(下)
著者:夢野久作
文庫名:角川文庫

であります。

多分、名前だけは沢山の人が知っている作品。
著者が「これを書くために生まれてきた」と語り、読んだ者は一度は精神異常をきたすと言われる一大奇書……らしいです。

なんとゆーか凄い話

正直言うとこれで終わりたいんですが……駄目?

解を求めると余計迷う話

うん、これならそれっぽいぞ。
というわけで終わりということで……駄目か。

強引に一本筋を通そうとすると――精神病患者であり記憶喪失者である主人公が医師と交わす奇妙な会話、ということになるんだろうけど、事はそれだけで済むほど単純ではない。

関係があるんだか、ないんだかよく解らないエピソードがいびつに連結していてぐるぐる回って元の位置に戻ってきて、またわけが解らなくなる……そんな話です。
人は連続した情報を読み取る時、そこに一定の意思を読み取ろうとする傾向がありますが、この作品にはそういった連想ゲームの出口が用意されていないのです、要するに迷ってばっかり。
言ってみれば、ロールシャッハテストの絶対解を探すようなものです。

もちろん、本書も一人の作家の手になる作品である以上、発想の元ネタ、あるいは参考にした……と思われる作品等は存在しますが、並べられたファクター(題名含む)にはどれも解答が与えられておらず、そこに存在するのは『解釈』のみです。

凄くだるい序盤に耐えてでも迷宮を覗きたい人にオススメ。
作者によって明確な解答が提示されている作品が好きな人は読まない方が無難だと思います、なんじゃこりゃってことになると思うので。

(うーむ、いつもに増して支離滅裂なレビューだ……)