つれづれ読書日記

SENとLINN、二人で更新中の書評ブログです。小説、漫画、新書などの感想を独断と偏見でつれづれと書いていきます。

悪魔式光源氏計画

2008-02-28 09:02:48 | おしゃべり
さて、第950回であります。


扇:広島の某ネットカフェから、生中継(嘘)でお送りしているSENでーす!

鈴:こういうとこにいると読む速度の違いがよくわかるLINNで~す。

扇:俺はじっくりと味わいながら読むタチなんだよ。
数多の作品を高速で読み飛ばして、「ふ~ん」の一言で奈落へ突き落としてきた貴様に、読むのが遅いとか言われる筋合はないっ!

鈴:まぁ、だろうなぁ。
流れ読みの人間はたいていこうだな。
そして、読み返しておぉっ、こんなセリフもあったんだ!と一粒で二度おいしい楽しみ方ができる、と(笑)

扇:要は真面目に読んどらんだけではないか。
まったく、苦労して決めた台詞をささっと読み飛ばされるとは、作家も報われんのう。
せめて、「ここの会話つながってねぇ」、「論旨がすりかわってる」、「このキャラがここでこんな台詞吐くかぁ?」って細かいツッコミを入れられるぐらいは読め、それが読み手のマナーというものだよ。

鈴:いいんだよ、話の筋がわかっておもしろければ。
それに、そうなら何度も読み返すし~(笑)
……やだ、めんどくさいから(爆)

扇:そんなだから、伏線入れまくる作品読めないんだよな、お前。
雰囲気重視の作品にはとことんノレるが、理詰めの作品になると途端に興味なくすからなぁ。
まー、俺とタイプが真逆だからこそ、このブログもここまで続いているわけだが……。

鈴:理詰めでも雰囲気よければいいぞ。
まぁ、だいたい両方OK! ってのが少ない……つーか、いまのところ、ほとんどないんだが(T_T)

扇:理屈と雰囲気の両立か……作家にとって永遠の命題だな。
どっちかに突出してる作品が爆発的な人気を得る、ってのはよくあるがね。
何かこのまま続けるとディープな真面目話になりそうなので、次のコーナーに参りましょう。


『Wikipediaに聞け!』


扇:さぁて、今週のWikipediaはぁ?

鈴:「大斬り」
某えせアイヌ少女戦士はあるひとの3斬りで昇天します。

扇:正しい武士道は、女子供も真っ二つっ!
いや~、奈子に断末奥義かますのって本当に楽しかったねぇ。
大自然だか何だか知らないが、チョロチョロ動き回って鬱陶しいキャラだったからな。

鈴:いや、正しくないから。
しかし、名古はなぁ……妹もろくでなしだったし。
……ってまたゲームネタかい!(笑)
ともあれ、今回のWikiは「大喜利」です。
言わずもがな、もちろん「笑点」の人気コーナーでございます。

扇:たったかたかたか、たったっ♪
たったかたかたか、たったっ♪
たらたたたた~たらたたた~♪
たらたたたた~たらたたた~♪
た~た~た~、たらたたた~、たらたらたった~♪
たたたたらたらたらたら、たった♪
たたたたらたらたらたら、たった♪
た~た~た、た~たらたらた、たたた~た~た~♪
ちゃちゃちゃちゃらちゃら♪
ちゃちゃちゃちゃらちゃら♪
ちゃっちゃ~~~ちゃらちゃ♪

鈴:では、今回のメンバーの紹介から……ってふたりだけだよ!!

扇:えー、隣に座るのがLINN君一人だけという色気もクソもない状態ですが、MSNでやってる時とは感覚が違うので今日は微妙にノリが良かったりします。
というわけで、いつも通りに参りましょう
1、2、3! ちゃら~~~~~ん! SENでーっす!

鈴:って山田くんかよ、次……。
あ、まぁいいや。
司会者ほっぽいて勝手に座布団取っていけるから(笑)
しかし、この大喜利、やっぱり時代が時代だからか、大喜利=圓楽師匠、って感じだったなぁ。
それでも4代目ってのがミソだけど。

扇:座布団と不幸せを運ぶLINN君、でした。(笑)
初代の立川談志は分かる(※決してリアルタイムで視ていたわけではない)が、二代目の前田武彦とか、三代目の三波伸介とかって名前聞いてもピンとこないな。
ま、実際、期間も1983年1月9日~2006年5月14日で圓楽さんが一番長かったしね。
メンバーも、好楽、小遊三、木久蔵(現:木久扇)、歌丸、楽太郎、こん平のイメージが強いんだけど、結構変わってるようだ。

鈴:う~む、談志師匠もいまいちイメージ湧かんのぅ。
2代目、3代目ははっきり言って1ミリたりとも大喜利の司会者のイメージに合わんなぁ。
評判は悪くなかったみたいだけど、3代目の三波伸介。
メンバーは……確かに、こん平師匠の個性は際立ってたよなぁ。つか、このひと、ホントに落語できんのか? って感じだったし。
まぁ、たぶんやらせたらやらせたで、いまの正蔵よりはマシだとは思うが(毒)

扇:圓楽さん上手かったからね。
メンバー最年少の楽太郎が腹黒キャラとして定着できたのも、圓楽師匠と歌丸がそれぞれ『馬面ネタ』と『死亡ネタ』を容認してくれたからだし。
しかし、マジでこん平さんは落語のイメージが薄いよなぁ……WIKIの個人ページ見ても、『卓球が得意な事でも知られており、三遊亭小遊三と共に「らくご卓球クラブ」を創設。「世界ベテラン卓球大会」にも出場経験がある』って……落語はどうした、落語は。(笑)

鈴:歌さんが楽さんにネタに困ったときに自分を使ってネタにすればいい、って言ったって、似たような話が載ってたな。
しかし、毎回必ず1回は歌さん死亡ネタをやるってのは楽さん……(笑)

扇:いや、あれがないと楽太郎ぢゃないから。(笑)
テレビ全然視なくなったから、最近どうしてるのかは知らないけどね。
後は、客に答えを言われちゃう木久ちゃんかなぁ。
答えになってるのかなってないのかさっぱり解らない珍回答は、たまに出るといいんだが、引っ張り過ぎるとダレるね。まぁ、そこらへんは司会がキッチリしめるけど。

鈴:まぁな>楽さん
でも、やっぱり時代が時代だけに、「こんぺーで~す!」がないいまはちと寂しいのぅ。
いまは……私も見んな。
正月特番でTOKIOと一緒にやってるヤツなら毎年見てるけど(笑)

扇:正月の特番は、今年だけ視たな。
とっちかと言うとTOKIOの方が目立ってた気はするが……。
はて、誰か二人ほど話題に挙げてない方がいるような気がせんでもないが、大分時間も経ったし、次のコーナーに移りますか。


『今週の一冊』


扇:というわけで今週の一冊ですが、何故か人間界で小説家をやっている美形悪魔と、園芸一筋に生きる薄幸少女の極甘ラブロマンス『悪魔の名前』(著:尾斗比佐武)であります。

鈴:少女マンガ家が悪魔辞典なんか描くかぁっ!!
ったく、えー、お初で2月に出た新刊ほやほや(冷めたときでもレンジ不可)、極甘ロマンスだけは合ってる「花と悪魔」(著:音久無)でございます。

扇:感想を一言で言うと、超劣化版『花の名前ですね。(毒)
まぁ、微妙に光源氏計画ネタが混じってたりもしますが、さほど意味はありません。

鈴:……もうちょい、解説してやれよ。
じゃぁ、私がストーリー紹介……って、某「空夢ノート」をご覧ください(爆)

扇:そうだな、りるさんの愛溢れる解説を読んで頂いて……って、をい。
思いっきり正反対の感想書いちゃった俺に死ねと? つーか、今日が命日?
えー、もうちょっと真面目に書くと、人間界に住んでいる悪魔ビビ(黒髪不機嫌面美形)と、彼に拾われた人間の少女はな(ロリータです。他に書きようがありません)の甘過ぎるラブロマンスです。
ちなみに、私は開始1ページでさぶいぼが大量に出て死にかけました。(爆)

鈴:死ねなんていうわけないじゃないか。
少し悶え苦しんでくれっつーくらいでOKだから(笑)
だが、実際、耐性の高い私でさえ、単なる極甘のみのストーリー的価値薄の展開に1話で隣の相棒に、「続き、読まなくていいか?」と訊ねたくらいだからねぇ(爆)
つーか、ベタな話はいいのよ、ベタは。
田中メカなんかベタっぷりの王道中の王道でも、ヒロインかわいかったり、きっちりストーリー作ってたりはしたけど……。
ちょいとこれはビビの惚れ度はすべて3~4話くらいまでおなじ言い回しと理由、ラストのクライマックス極甘シーンもおなじ展開、とくればよく単行本にしてもらえたなぁ(毒)

扇:俺よりヒデェこと言ってるよこの男……。
まぁ、一話からこっち、突っ込みの入らない回がないからな、この作品。
壱/悪魔の公爵様が暇潰しに捨て子を拾う(ベタ)→弐/十四歳になった少女は悪魔にベタ惚れ(ベタ)→参/悪魔は少女を愛しているが、壊すのが怖くて突き放す(ベタ)→肆/少女絡みのトラブルが発生し、悪魔がマヂで焦る(ベタ)→伍/二人ラブラブモードで周囲を置き去りにする(ベタ)→以下、弐から伍を三話まで繰り返し。
おりじなりてぃ、って言葉知ってる?(毒嵐)

鈴:どっちがひでぇんだよっ!!
まぁ、はっきり言って否定する気にもなれんところが悲しいところではあるんだが……。
しかし、なんか、キャラ紹介しようかと思ったが、相棒のその図式だけでもう満足おなかいっぱいって感じだな。

扇:んじゃ、私が一気にやろう。

はな/ビビにマジ惚れしているヒロイン。設定年齢は十四歳だが、行動は御子様そのもの。時々、狙っているとしか思えないことをやるため、一部男性読者には人気が出そうな気もする。ビジュアル的には可愛いと思うが、初巻故にデッサン狂いがしばしば見られる。

ビビ/少女漫画定番の、終始不機嫌内面甘々黒髪美形。設定年齢は200歳だが、中身はせいぜい二十歳前後の若造である。一応悪魔となっているものの、血を吸うこと以外に、らしい所が一つもない。あー、魔法使うシーンがちょっとだけあったか……? つーか仕事しろ。

フェルデン/悪魔その二。軽いノリで話に絡んでくる、カレカノどっちの世話も焼く、ヒロインに極甘、一連の奉仕活動に見返りを求めない、という実に主人公達に都合のいい存在。どこにでもいる定番お友達キャラをそのまま持ってきただけで、没個性っぷりはメインキャラの中でも群を抜く。こういうキャラを上手く使えるかどうかで作品の評価は格段に変わるのだが……これはちょっと。そう言えば、某マイナー少女漫画の彼はいいキャラだったなぁ。「僕達お友達でしょぉ~♪」「てめー……後で便所来い」って、悪友同士の会話の見本だった。(この会話だけで元ネタ解った人はかなり凄いです)

他は……どーでもいいや。
全キャラに言えることは、もうひとヒネリしなさい、かね。

鈴:まー、この3人でどーにかしてるしなぁ。
いちおう執事にトーニというのがいるが、簀巻きにされるシーン以外にほとんど印象がないな。
あ、もうひとり、なんかビビをライバル視してて、結局簀巻きにされたヤツも5話くらいにいたような気がするが……ま、いっか。
まぁ、なんかもう全部書き尽くした感があるから、この辺で今週の一冊は終わっとくかね。
……つーか、初出のマンガ家だったんだから、木劇でもよかったかも。
でもマンガ喫茶でぼちぼちネタ探しはしたので、少し木劇をやることもあると思いますので、お楽しみに~。
というわけで、木劇的に、再見~

扇:あ、終わった……エピソード全く紹介してないのに。
総評としては、異常なまでに少女漫画を読み漁っていて、王道パターンを熟知しているLINN君のような御仁にはオススメできない、ってとこでしょうか。
ただ、登場キャラに萌えられる方(男性読者含む)は、可愛らしいラブコメとしてすらっと読めるかも知れません……私は無理だったけど。
てなわけで、なし崩し的に今週の一冊は終了致します。
ファンの皆様に、「ごめんなさい」とだけ告げて、さよ~ならぁ~



to be continued……

私って時代遅れですか?

2008-02-24 14:39:44 | ファンタジー(現世界)
さて、まさかファミ通文庫を再び読むとは思ってなかった第949回は、

タイトル:学校の階段
著者:櫂末高彰
出版社:ファミ通文庫(初版:'06)

であります。

個人記事ではお久しぶりでございます。
最近方々で――
「ガガガ文庫だって読み漁ってやるぜ! でもスーパーダッシュ文庫だけは勘弁な!」
と叫びまくってるSENです。

今回、何を血迷ったのか、ラノベ三大地雷原と呼ばれる内の一つ、ファミ通文庫に手を出してしまったので、久々に筆を取りました。
薦めて下さった方曰く、「単に学校の階段を走り抜けるだけの部活のお話」(そのまんまやんけ)ということなのですが――さて、結果は?



特にこれといった目標も持たず高校に入り、何とはなしにバスケ部に入ろうとしていた矢先、神庭幸宏は奇妙な光景を目にした。
猫目の小柄な少女が、スカートを大きく翻して宙を舞っていたのだ――しかも階段の上を。
彼女は、「ごめーん」と軽く言うと、ポカンとした神庭を残して、あっという間に行ってしまった。

彼女の名は九重ゆうこ。
多くの生徒から忌み嫌われる非公認部『階段部』の部長である。
とにかく走りたい! というシンプルな欲求に従って、彼女達は校内を走り回り、仲間内でタイムを競っていた。

だが、神庭はそのことを知らない。
なぜ彼らが校内を走るのかも、自分の中に眠っている欲求も。
そして無論、これから始まる非公認な日常のことも――。



まず結論から言いましょう、超弩級地雷です。
と言うか、コメディ読んでこれだけ腹が立ったのは初めてかも知れません。
多分、派手に喧嘩売ることになると思うので、ファンの方は以下の文は読まないことをオススメします。

文章は、基本的に神庭視点の三人称。
流れ的には、何にも知らない主人公が階段部という奇妙な集団と接触し、次第に染まっていくというスダンダードな形式を取っています。
途中、神庭と家族の絡みもあったりするのですが、ほとんど添え物なので割愛。(つーか、「四人姉妹出して、ホームドラマもどきやってみました」ってだけなので、書く気が起こりません)

キモとなる、階段部というアイディアについてですが、かなり上手く処理していると感じました。
いかにして校内を速く駆け抜けるか、という命題に対して、部の面々が様々なアプローチを試みており、それが各人の個性ともリンクしています。
見てるだけだと簡単そうだが、その背後には驚く程多くの研究と鍛錬がある、というスポーツ物の基本を踏襲し、主人公が少しずつ階段走りの技術を学んでいって、ラストの一対一の対決でそれらを生かすという展開もお見事。

で・も・ね――(ここから毒ラッシュ)

最初から最後まで、他人にぶつからないよう注意して走ってるからオッケーで通すのってどうよ?

スポーツ青春物の皮を被った本作には、それが持つべき重要な要素がさらっと抜け落ちています。
一言で言っちゃうと、この主人公まったく成長してません。
普通に考えれば、これといったビジョンを全然持っていなかったのが、熱心に部活に打ち込むようになったことが成長、なのでしょうが、「情熱を燃やし、ひたむきに階段や廊下を走る」って……前半であれだけ強調されてた騒音公害だとか、危険行為だとかって話はまるっきりスルーですか? もっともこれは主人公に限ったことではなく、部員全員に言えることですが。

そう……この作品、階段を走るという行為のシミュレートは非常に面白く書いているのですが、それに伴って発生するトラブル関連のまとめがおざなり過ぎるんです。
階段部の行為を咎める人々は多数登場しますし、その主張も至極真っ当な感じに書かれています。でも、それに対する部員の反論があまりにも稚拙、と言うか幼稚で、かなり萎えました。
一応、そこらへんをまとめるキャラとして副部長がいるのですが、屁理屈こねるだけのインテリ崩れで他と大して変わりなし。要するに、揃いも揃ってただのクソ餓鬼です。
(ちなみに、部長の思考回路は幼児並み……つーか、こういう脳の腐ったヒロイン増えましたねぇ、やれやれ)

作者としては――悪いことだと解っていても、この気持ちは止められない! ってな感じの、いわゆる青春小説の王道に持っていきたいのでしょうが、生憎、爽やかさの欠片も感じませんでした。

一番引っかかったのは、俺達は自分達の迷惑行為を自覚してるんだ! とか、それでも走りたくてたまらないんだ! とか、部活が終わったらちゃんと清掃を行う! とか、色々言い訳を用意してる割には、何だかんだ言って、他人を障害物に見立てて走ることをゲームにしている点です。
人のすぐ側を駆け抜けてはいけない、ぶつかってもいけない、もし違反したら必ずお詫びする……ハァ? そういう事態が発生しても、走ることをやめる訳じゃないんでしょう? そんな形だけの謝罪に何の意味があるんですか? しかも、そういう事態が発生した時のため、部活の初めには必ず謝罪練習って、他人を馬鹿にするのも大概にしましょう。
それでも階段走りたいなら、休日に学校貸し切ってやって下さい。自分達が負うべきリスクを他人にも押しつける時点で、こいつらは下衆以外の何者でもありません。

仮に陸上部の人とかにぶつかって、選手生命断ったらどうするんでしょう?
それでも、走りたくてたまらないから走るとかぬかすんでしょうか? 言えたらもう人外ですが。
その程度の想定もできないんですかね、このゴミ集団は。

総評――反吐以下。
階段部という部活、及び、そこに所属する面々が生理的に受け入れられません。
敢えてちょっとだけフォローを入れるとすれば、「まぁ、ラノベに登場する学校はファンタジー空間だから、こういう連中でも生息出来るだろう」と割り切れる方なら、スポ根コメディの亜種として楽しめるかも知れません。
それでも、私は決してオススメしたりはしませんが。

(しかし、この作品七冊目まで出てる人気作で、映画化までされてるんだよなぁ……さっぱり解らん)



――【つれづれナビ!】――
 ◆ 『ライトノベル一覧表(その2)』へ
 ◇ 『つれづれ総合案内所』へ

お子様の手の届かないところに保管しましょう(笑)

2008-02-21 18:59:46 | おしゃべり
さて、第948回であります。


鈴:Amazonに頼んだブツは明日だなぁとわくわくしてるLINNで~す。

扇:そうか~、遂に『超合金魂GX-39 バイカンフー』に手を出してしまったかと呆れるSENでーす。

鈴:どぅあれがそんな高いもんに手をだすくぅぁっ!
なに、Amazonを見てたら「マリみて」のOVAファンディスクなんてのが出るってのがわかったから、思わず予約してしまっただけの話だ(爆)

扇:聞くんじゃなかった……。
つーか、ファンディスクまで買うかね、この男は。

鈴:何を言う! 前のファンディスクは、紅白黄すべて持ってるぞ!!
持ってるんだから、今回も買うのが義務と言うものだろう。

扇:セー×ー×ーンとそれだけは俺には理解できん世界だ。
せいぜい付いていけるのは、『はいからさんが通る』と『ベルばら』ぐらいまでかな。
『ときめきトゥナイト』も男性に受けが良かった少女漫画だが……私的には微妙。

鈴:あー、○ーラ○ムー○はなぁ……。あれはいつぞや、先輩がどえらいハマってたなぁ。
私は本屋でバイトしてたときに、原作読んで、原作のほうがまともな子供向け少女マンガやってんじゃん、とか思った憶えしかないな。
……と言うか、これよりもなんで「ときめきトゥナイト」とか「はいからさんが通る」とか、「ベルばら」とか、いったい相棒いくつだ? ってツッコミが入るもんばっかじゃねぇかよ。

扇:漫画とアニメでは、絵も内容もまるで違うってのは聞いたことあるな。
どっちもさっぱり知らんから、検証のしようがないが。
いくつだ? と聞かれても、お前と大して変わらんとしか言いようがないんだが。(笑)
ちなみにそこに挙げたのは、飽くまで『男性からも支持された少女漫画』の一例だ。決して、私の時代に流行っていた漫画というわけではない。

鈴:……まぁ、年齢に関してはそういうことにしておこう。
と言うと、なんか激しく、ソテツもないツッコミが入りそうなので、振目に逃げます(笑)


『振り返れば目録』


鈴:では、今回の年月は、「20006年12月」です。

扇:18002年後かよっ!
で、本当は「2006年12月」です。

鈴:……単に0を一個打つときに増やしちまっただけじゃねぇかよ。
さておき、恒例通り、まずは○から、と言うことですが、この月はまぁ、これしかねぇだろうなぁ。
バカさゆえ・・・。(著:姫野カオルコ
まぁ、好き嫌いはあるだろうが、パロディを許容できる心の広いファンならば、是非是非読んでもらいたい逸品ではある(笑)

扇:凄い作品だったよな……後にも先にも、章タイトルだけで笑えた作品はこれだけだ。(笑)
で、こっちの○だけど、百億の昼と千億の夜(原作:光瀬龍  漫画:萩尾望都)がダントツでトップ。
キリスト教徒から苦情が来そうな内容だが、非常に面白いSF漫画だった。

鈴:まー、確かにな。
そして中身を見て、さらに笑えると言うすばらしいパロディ短編集だ(笑)
しかし、原作付きとは言え、萩尾望都か……。
だが、その苦情が来そうってのが何だかなぁ。
でもレビュー読み返すかぎり、阿修羅王とか、インド系の神話を元にした話っぽいから、そっち方面から苦情が来るってのもいまいちよくわからんのぅ。


扇:原作の熱烈なファンを敵に回すのは確定だろうがな、『バカさ~』は。
ちなみに、『百億~』の敵側にはイエスがいます――パシリで。(笑)
つーか、仏教、キリスト教、ギリシャ神話、色々とごたまぜな世界なんで何でもあり。

鈴:確かにな。でもそれでも楽しいからなぁ、あのパロディ。
でも、「イエス!」 がパシリってのはいいな。別に大義名分かざして十字軍とかで虐殺かましたり、魔女狩りって言って虐殺かましたり、いまの灌木操ったりするような連中の親玉をこき下ろしたところで、笑えるだけで1ナノメートルほども心傷まないし。
さておき、じゃぁ、今度は毎回盛り上がる×のほうのに行ってみるかね。
そっちは何があるかえ?

扇:お前……酔ってるだろ。(定番台詞)
さて、×の方だが、私の方は珍しく一個しかないな。
神様のパズル(著:機本伸司)だ。
こいつは凄ぇぜ、やたらと蘊蓄たれるだけたれて、後は妄想を炸裂させまくって終わるという、およそ小説とは呼べねぇ代物だ!(笑)
「宇宙を作ることは出来るか?」という命題だけは面白いが、それ以外に1ミクロンの価値も見いだせない超弩級の地雷だ、是否読んでくれ。

鈴:是非読んでくれ……ってなぁ……。
確かに、前に記事にしたナショナルジオグラフィックとか、宇宙に関して興味はないわけではないが、そういうのを見ると、独りよがりの理論で「あっそ」って感じで終わりそうな気配がぷんぷんしそうだから、読まない(笑)
まー、図書館のシステムで検索して、もしかしてあったりしたら(あってほしくないけど)、予約するかもしれないかもしれなくもないけど(爆)
さて、こっちの×だが……こっちも意外に少ないな。
IX(ノウェム)」……は前にさんざんやらかしたから、「蝶の皮膚の下」か。
これは感性派の人間には気持ち悪いってのがいちばん似合う作品で、読み終わったあとの読後感が最悪だった憶えだけはあるなぁ。

扇:つーか……キャラ設定読むだけで、かなり萎えるな。
要は、マゾ二名、サド一名だったのが、性格逆転してマゾ一名、サド二名に変わった、って話になるのかな?
何にせよ、主人公の狂気が地の文まで浸食していく小説は、感覚派には辛かろうねぇ。

鈴:辛いっつーか、辛すぎ。
だいたいあのヒロインに共感できるかっつーって、できへんし。
まぁ、世の中には共感できる人間がいるんだろうが、そんなヤツと知り合いにすらなりたくないわな。
気色悪いし。
まぁでも、こういうのが作品として出るんだから、小説の世界ってぇなぁ、広いわなぁ。

扇:この手の主人公の精神が浸食されていくタイプの作品と言えば、真っ先に『ドグラ・マグラ』が思い浮かぶが、これはまた違ったタイプの話って感じだな。
どっちにせよ、主人公に共感しようがないってのは同感だ……つーか、ストレートに言って、気持ち悪いだけだし。
はて、相変わらず×の方が大盛り上がりの『振り目』だが、そろそろ次のコーナーに移るかね。


『今週の一冊』


鈴:と言うわけで、今週の一冊ですが、「アクション大魔王」(著:米沢りか)であります。
どっかのくしゃみで出てくるひととは関係ありません(笑)

扇:ああっ! せっかくくしゃみ一つで作者が呼び出されるルポ漫画って書こうとしたのにっ!

鈴:ふっ……、甘いな。くしゃみひとつネタくらい読むのは簡単じゃ
ただし、くしゃみじゃなくて、鼻血で呼び出される可能性はあるかもしれんが(笑)

扇:多かったなぁ、作者が鼻血吹き出すシーン……もっとも、それに触れると危険なネタのオンパレードになりそうだが。
というわけで、『こっぱみじんの恋』で知られる少女漫画家・米沢りかが、あっちこっちのお店を訪問する突撃ルポ漫画です。
当初は普通の作品だったのですが、ある回を境に作者が吹っ切れ(笑)、あんな所やこんな所まで行ってしまう凄い作品になりました。

鈴:まぁなぁ……あれが出るシーンは、決してお子様には見せられないネタばっかりだったし……。
しかし、突撃だよなぁ、ホント。
ただ、最初……と言うか、1巻は占いだの何だのと、女性には受けの良さそうな一般的なネタを扱ってたんだが……、2巻以降のあの取材先の変さ加減はかなり来てたよなぁ。
まぁ、なかなか伏せ字込みでなければ書けないようなところばかりだったり……(笑)
でも自分の過去記事見たら、伏せ字もクソもねぇな。素でそのまんま書いてるし(爆)

扇:見てみたが、今だと怪しいトラックバックのオンパレードだな、こりゃ。
ま、その手の怪しいネタを話し出すと、それだけで終わっちゃいそうだから、まともな方からいこう。
占いの話は……かなり怖かったね。ネタとして笑うには、オチがブラック過ぎる。

鈴:確かにな。よくこのころは……と言うか、まだロボット系のトラバがなかったころだったんだろうなぁ。
で、占いの話かぁ……。
確かに、著者もかなりビビってたが、読んでるこっちもかなり怖いネタだったな、あれは。
占いとか、心霊現象とか、さして興味もないし、霊感ないから見たことはないが……相棒も知ってるとある方のおかげで、ウソではないくらいまでは信じてるから、余計に怖かったな、あれは。

扇:つーかね、そっちの方面強い人を知ってると、自分は信じてなくても怖くなる話だよ、あれは。
何せ、ガチに生き死に関わってる占いだからな。
しかし、占う方も正確な数字言っちゃうかねぇ……。

鈴:……生き死にね……。
でもまぁ、確かに占うほうも正確な数字言うのはどうかと思うがねぇ。
著者本人もさんざん占ってもらって、占いってのはこういうもんだよ、ってフォローは入れてたが。
あと、他にお子様OKなネタで言うと……日帰り大阪食い倒れツアー(思いつき)ってのもあったな。

扇:そいや、食事ネタもあったな。
周富徳の店に行ったり、道場六三郎の店に行ったり、坂井宏行の店に行ったり――って、三大鉄人制覇かよ!
まぁ、実費みたいだったのでさほど羨ましくはないが……。(爆)

鈴:三大鉄人って……もうひとりは陳健一やぞ(笑)
あー、そういや、過去記事見て思い出した。
枕ネタ!
これはこのネタを初めて読んだとき、まぢで欲しくなったな(笑)

扇:おや? 俺の記憶違いか。
周、道場、坂井、どれか二人を倒したら、ラスボスの鹿賀丈史と戦えるって企画じゃなかったっけか?
俺は×××年ずっと無枕だが……目まいにつながるとか書いてあるな。
読み返したら、そっちと同じく枕が欲しくなってきた。(笑)

鈴:そんな企画があるかぁぁっ!!!
つか、そもそも鹿賀丈史がラスボスって、あいつ料理人ちゃうし。
しかし、ずっと無枕とは……知らんかった……。
でも実際、あれを読むと欲しくなるんだよなぁ、専用枕。
……とは言え、なんか「枕が変わると寝れないなんて……」って定番的な揶揄が来そうでそれはそれでなんかヤな感じ……(爆)

扇:俺の場合、無枕だから変わるも変わらないもないが、他人の家を襲撃した時はなかなか眠れんな。
大抵の場合、相手より遅く寝て、相手より早く起きてる。
ちなみに、某友人の証言によると寝相は悪いらしい――不思議だな、一緒に寝た××嬢はそんなことは言ってなかったんだが。

鈴:……悪いかどうかは……経験者としては悪い……と言うレベルではない気がするぞ。
だが……その「一緒に寝た××嬢」とか、怪しいことをここで言うんじゃないっ!!
ちなみに、私は寝相は悪くありません(笑)

扇:だが寝相が悪い割には、お前の家の積ん読ビルディングを崩した記憶はないぞ。
あ~、酔ってるから、多少いつもと違うネタを口走ってしまったかも知れんな。
まぁ気にするな、今の所隠し子はいない筈だ。

鈴:積ん読ビルディング……ね……なんか、造語にしてはかなり言い得て妙だな(爆)
しかし、確かに寝相は悪い割には、何かをこかしたとか、崩したとか、そういうことはないわなぁ。被ってる布団もそのまんまだったし。
つか、相棒の寝相だけは謎や……。
しかし、隠し子ってなぁ……まぁ、私もいないはずだ。
前に木劇で紹介した「マイガール」のようにはなっとらんはずだ。
つーか、なんで「アクション大魔王」の話で、そーゆーわけわからん話になってんだよ。

扇:ん? 四十八手の話が出たからじゃなかったか?
つーか、ルポ漫画で四十八手を絵付きで紹介したのは本作が最初で最後だらう。

鈴:出てねぇよ
まぁだが、四十八手の話は確かにそうだろうなぁ。しかももともと少女マンガ家で、当時「こっぱみじんの恋」で学園恋愛ものを描いてたひとが、だもんなぁ。
しかし……、やはりなんと言ってもこのマンガの最大のネタは、新宿2丁目で買った品物を読者プレゼント&レポートさせる、って企画だろうなぁ。
白泉社の御大まで出た素晴らしい企画だった……(遠い目(笑))

扇:つーか、魔夜さん夫婦、揃って最高のコメント返してくれてるよな。
これが読めただけでも、このレポート企画には価値があると思うぜよ。

鈴:まぁな。
まさかあのプレゼントに応募したのが魔夜峰央(妻)ひとりだけで、しっかりと魔夜さん本人がレポート返してたもんなぁ。
他にもいろいろとレポートはレポートで笑えたりはしたんだが……魔夜さんのレポートに勝るものはなかったな(笑)
しかし、だいぶ前だが、新装版が出て、昔の1~3巻が手に入りにくくなってる、ってのはちとつらいわのぅ。
いろいろとあるが、ネタ的に許容できるひとならば、笑えるネタも転がっててかなりおもしろいルポマンガなんだがねぇ。

扇:人を選ぶとは思うが、ハマれる人はとことんハマれる漫画だな。
怪しい話だけでなく、真面目な話も結構ある。
載ってたのが女性誌だけあって、医学脱毛の話は大反響だったらしいしね。
てなわけで、知らない世界をちょっとだけ覗いてみたい方、なかなかオススメなので探してみて下さい。では今日はこの辺で、さよーーーーーーーーーーーなら~

鈴:そうね。
けっこうコアなネタがインパクトあるから失念しがちだけど、レディコミらしい女性向けのいいネタとかもあったな。
でも、知らない世界……どちらかと言うと男性には知らない世界が多い(?)ところもあるので、確かにそういうのを見てみたい、ってひとにはいいかも。
と言うわけで、出来れば新装版ではなく、前の1~3巻のを探してもらいたいなぁ、と思いつつ今回はこの辺で。
再見~~~~~~~



to be continued……



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ファンならばってか

2008-02-17 19:28:03 | ファンタジー(異世界)
さて、第947回であります。

タイトル:空ノ鐘が響く惑星で 外伝 -tea party's story-
著者:渡瀬草一郎
出版社:メディアワークス 電撃文庫(初版:'07)

であります。

人気シリーズで全12巻をもって完結した通称「空鐘」で語られず、あとがき曰く、読者の要望が強かったこともあり、刊行された短編集。
スタイルは、本編の10年後、本編の主人公であったフェリオやウルク、リセリナたちがアルセイフで平和に暮らし、それぞれ男の子と女の子に恵まれたころ。

ふたりの教育係として王宮で暮らしている「来訪者」のシアがやんちゃな子供たちに相変わらず手を焼いている中で、出会った人物からそれぞれの話を聞く、と言う体裁になっている。
なので、それぞれの各短編の間にはシアを中心とした「幕間」というものが挟まっている。

まぁ、幕間の話はさておき、本命となる各話から。

「余録一 錬金術師ノ嘆息」
舞台はラトロアで、最も長い短編。
本編中で、「死の神霊」を奪還するためにハーミットの告白を半年後に先延ばししたシルヴァーナのふたりの恋の行方を描いた話。

『時期もまだ「死の神霊」事件から半年、非戦派のハーミットの兄たち、ラトロアの議員の仲間のひとりが暗殺されると言う事件が勃発。
ハーミットは約束の半年を気にしながらも、相変わらず不穏なラトロアの情勢の中、実家であるエアル邸に留まっていた。

そこへシルヴァーナから、兄たちも命を狙われていると言う手紙が舞い込む。
姿を見せないシルヴァーナ。「死の神霊」事件の際に知り合った北方民族の拠点へ向かうハーミットは、シルヴァーナの身に危険が迫っていることを知る。』

いわゆるツンデレ系の美女シルヴァーナと生真面目で腕の立つ剣士ハーミットの話だが……私が副題つけるなら「お姫さま救出(小)作戦」(笑)
まぁ、そんな感じの話でせう。
ヒロインの性格上、ベタっぷりはあまりないのだが、逆に真面目な話のぶん、さぶいぼなラストで、やや耐性があるひとのほうがいいでしょう。

「余録二 幻惑ノ剣士」
10年後、騎士団にいながら副業で画商をし、さらに自分の絵まで混ぜて売っていると言う相変わらずの器用貧乏だが、パンプキンと互角に渡り合う実力を持ったお気軽騎士ライナスティの過去話。
すでに序章では、相棒のディアメルと同棲(未婚(笑))し、子供までいるわりに、変わらずディアメルの尻に敷かれているのだが。
さて、ストーリーは、

『故国シビュラから、とにかく出る。そのためにアルセイフに向かう隊商の護衛として雇われた……と言うか、商人の好意で同行させてもらえることになった若き日のライナスティ。
そこで出会ったドノヴァンという老人から、アルセイフで行われる剣術大会のことを教えてもらう。

故国で師匠から、剣術の他、様々なことを教えられたライナスティはそこで出される賞金で今後の旅の稼ぎにもなるし、負けてもともとと言う気持ちで出場することになるが……』

やはり、昔からライナスティはライナスティでした(笑)
ライナスティを主人公にすると、剣術大会と言いながらもあんまり緊張感のない話になってしまうんでしょうかねぇ。
とは言え、その過去、剣術の秘密など、盛りだくさんな内容で、単純に楽しめる作品。

「余録三 今宵、二人ノ結婚式」
未だに軍務審議官として辣腕を振るうベルナルフォン卿。
女嫌いで通しているベルナルフォンが何故ずっと独り身で通しているのか、その過去を描いた話。

『田舎の貧乏貴族とは言え、貴族は貴族。最初の出会いは互いに最悪だったベルナルフォンとその許嫁のシェリヌは、年を経るに連れて愛し合い、結婚式を挙げる日を心待ちにするようになっていた。
だが、レスターホーク家には厄介な御仁がいた。ベルナルフォンの母であるモリーアンだった。

それでも、情熱的で心優しいシェリヌは義母となるモリーアンとも良好な関係を築こうと努力するも、その心はレスターホーク家を巻き込む悲劇の前には無力だった。』

ベルナルフォンの隻眼の秘密、独り身を通す理由など、これはしっとりと落ち着いた悲劇で、全体的に甘めの短編集の中では異色。
物語としてはこういう雰囲気のある作品は好きなので、4編の中では一番のお気に入り。

「余録四 王ト王妃ノ今日コノ頃」
時期はフェリオたちが親善使節としてジラーハへ向かっているころ。
タートムとの戦争で知り合ったソフィアに好意を寄せる国王ブラドーと、貴族の娘ながらも若くして隠密の技でアルセイフを守ってきたソフィアの恋愛物語。

『ソフィアは正直、戸惑っていた。若いころから父に倣って隠密の技をもってアルセイフの国境を守ってきただけに、男性との接し方なんてこれっぽっちもわからない。
しかも相手は国王だけあって、余計にどうすればいいのかわからない。

そんなところへベルナルフォンの養女となったクラウスの元妹ニナの手紙が。
その好意に甘えて恋の話に花を咲かせるふたり。
それでもなかなか踏ん切りがつかないソフィアは、世話になっているラシアン・ロームの屋敷で、ラシアンと父バロッサの会話を盗み聞きしてしまい、その対抗心からとんでもない行動に出てしまう。』

最もベタ甘なブラドーとソフィアの恋愛ものだが……すんません、いかにも男が書いた都合のいい恋愛ものと言うか何というか……。
どーせ本編のラストで、愛妻家ぶりが描かれていたので、わざわざこのふたりじゃなくてもよかったんじゃないかいな、って気がする……。
この短編集の中では一番評価が低いかな。


と言うわけで、各話ごとでした。
途中の幕間とかは、それぞれが出会い、そして最後には連れ立って王宮での私的なお茶会へ、と言う流れ。
それにしても、ムスカ教授も結婚して子供いるし、ハーミットとシルヴァーナにも娘が出来てるし、ライナスティとディアメルも息子が出来てるしで、まー、ものの見事にどいつもこいつもハッピーエンドな人生になってんねぇ。

短編集としての出来は好みの問題はあるものの、どれもそれなりに読める作品で悪くはないのだが、概ね定番。
特徴的なのはライナスティの過去話くらいで、このシリーズのファンでなければさして手に取る必要性は薄い……つか、確実に薄い。
そもそも後日談だったり、本編の途中の話だったりするので、本編知らないとわけわかんないだろうし。

つーわけで、総評としては及第。
ファン、もしくはファンでなくても全編読んだひとにはオススメできるけど、いまから全巻読んで買え、っつーのはよほど金と暇があればどうぞ、ってくらいにしか薦められないので、この辺が妥当なとこだろうねぇ。



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をいをい、二作目がこれかい……

2008-02-14 10:24:03 | おしゃべり
さて、第946回であります。


扇:頭の中で『卑怯戦隊うろたんだー』が無限リフレインしてるSENでーす。

鈴:久しぶりに聞いて、ドリカムの「SNOW DANCE」がリフレインしてるLINNで~す。

扇:雪の中で、裸でシュールダンスしてるのか?

鈴:てめぇ、それは確実に凍死しろって言ってるようなもんぢゃねぇかよっ!
つか、やってる時点でわいせつ物陳列罪でしょっぴかれるわい。

扇:ちょっとドリカムからコメコメにサイドチェンジしただけなんだがなぁ……。
で、どうよ? 『うろたんだー』は。

鈴:※※は「FUNK FUJIYAMA」だけでじゅーぶん。
しかし、「うろたんだー」ってなぁ……まぁ、よく作ってね、ってくらいだな。
それにしても、あのヴォーカロイドだっけ? どっちかって言うと、そっちのほうがよく作ってあんなぁ、って感じだけど。

扇:まぁ確かに、技術の進歩をひしひしと感じるわな。
上手い人が作ると、本当に人間の声に聞こえるから恐ろしい。

鈴:確かにな。
まぁでも、YOUTUBEとかで「初音ミク」とかいろいろ見かけたけど、何なのかを知ったのはごく最近だけどな(爆)
しかし、この業界の進歩の早さだけはなかなかついていけんのぅ。
なんかすんげぇおっさんくさいセリフやなぁ……。

扇:さて、時代遅れのおっさんはほっといて、今週のWIKIに参りましょう。


『Wikipediaに聞け!』


扇:さて、今週のWIKIは、世界のホンダが送るスーパーロボット――
『NSX-Rタイプデルタロボ』です。

鈴:時代遅れって言うなっ!!
これでも昨年度は最先端突っ走ってる職場にいたんだぞ!
しかも、NSXは車でそんな型番はないっ!!

扇:おかしいなぁ、Aボタン溜めで波動砲発射、Bボタン操作で前後にフォースを装備できる筈なんだが……。
ま、いいや、素直にいこう。
えーと、ニュースステーションに出演したり、映画『ロボコン』にもチョイ役で出てたりと、何かと色んなとこで大人気の『アシモフ』です。

鈴:それはどっかの自分の膝くらいの高さで落ちて死ぬ先生がいる会社が作ったシューティングゲームだ。
それにしても、ロボコンなんかに出てたんだ、アシモフ先生……じゃねぇよっ!!
一文字多い一文字!!

扇:『アモフ』?

鈴:どっかの元サッカー選手を思い出す名前にすんなっ!!
ったく、そろそろきちんと真面目に紹介するか。
と言うわけで、今回のWikiは、世界が誇る自動車メーカー……のはずなのに、作ってしまいましたこんなもん、で世界を仰天させた人型二足歩行ロボット「ASIMO」です。

扇:ASIMO可愛い~♪
てなわけで、WIKIの説明を読むわけだが……『世界初の本格的な二足歩行ロボット』って、さらっと言えちゃうあたりが既に凄いよね。
ま、実際、ほんとに歩いたり走ったりするんだけどさ!(笑)

鈴:なんか、どっかで聞いたようなセリフだな、その「かわいい」ってのは……。
しかし、最近のは歩いたり、走ったりするだけじゃないな。
CM見たけど、トレイ持って客のところに行ったり、いろいろしてるぞ、ASIMO。
しかし、Wiki見ると、開発が1986年くらいからかぁ。
意外に昔から開発やってたんだなぁ。

扇:まぁ最初は二本の足が歩くロボットだったからなぁ。
それぐらいなら、二十年前にやっててもおかしくないとは思う。
つか今のアシモ、よく身長130cm、質量54kgにこれだけの機能収めたよなぁ……技術の進歩って凄いわ。

鈴:おかしくはないんだよ、ふつうの研究者とかなら。
車メーカーがするのがおかしいんだよな(笑)
しかし、ホントにいまのASIMOはすごい。公式ホームページの動画見るだけでも、よくここまで進歩したと思うね。
それにしても、Wikiに書いてあったが、ローマ教皇庁にお伺い立てるって、なんか妙なところで律儀だな、HONDA(笑)

扇:まー、確かに、よくゴーサイン出したよな……売り物ぢゃないのに。
しかしわざわざローマ教皇庁に伺い立てたのは、裏を返せば、開発中にこれだけ凄いものが作れる目途が立っちゃった、とも言えるわな。
実際、二足歩行&道具の使用が可能になった時点で、人間の進化の半分ぐらいは達成したと言っても過言ではないよーな気がする。
あとは、電子頭脳の進歩待ちってとこかねぇ。

鈴:でも、Wikiには、1日200万、1年2000万で貸し出してくれるから、いちおう売上はあるんじゃないのか?
1年はまだしも、でっかい科学系のイベントとかでASIMO連れてくれば、かなり話題になるから、そこそこの利益にはなっそうな気がせんでもないが。
しかし、あと電子頭脳ってとこはあるだろうなぁ。
いろいろニュースとか、ドキュメンタリーとかで、いわゆる介護用ロボットの開発とか、実験とか見たことがあるけど、ASIMOでこれが出来たらかなりすごいだろう。
つか、とうとうHONDAも福祉の分野に挑戦!? とか新聞の見出しに出そうだな(笑)

扇:研究費と開発費がべらぼうにかかってそうだから、資金回収だけで当分かかりそうだけどね。(笑)
ASIMOの機能を利用して、色んな事はできそうだが……そうなると本当にロボット法とか必要になるかもな。
特に福祉関係とかは、かな~りデリケートな世界なので、結構難しいんではないかと思われる。

鈴:まぁ、86年からこっち、延々続けてたんだから、かなり資金はかかってそうだよなぁ。
Wikiにも「要出典」の注意書きがあるけど、100億以上金かかってるみたいだし。
でも、ロボット法……なんか、完全にSFの世界って感じだったんだが、ASIMOとかのおかげでシャレにならんよな。
まー、どっかのお偉いさん方はそんな先のことなんか考えちゃぁいねぇだろうがな。目先の権力と金にしか存在意義を見出せないクソ野郎ばっかりだし(毒毒毒)

扇:トータル資金考えたら、100億じゃきかんような気はするねぇ……。
しかし、ロボット法まで考えてる政×屋はそうそういないだろうよ。
ロボットを使用した法人と、開発元を追及するぐらいが関の山だな、当分は。

鈴:当分ね……。
まぁ、政治○の話をし出すと、毒まみれになってしまいそうだし、そろそろ今週の一冊に移行するかね。
えーっと、今週の一冊は……なんだったっけ?(爆)

扇:忘れるなよ。(怒)


『今週の一冊』


扇:さて、今週の一冊は以前クロスレビューで紹介した作品の続編、『付喪堂骨董店2』(著:御堂彰彦)です。

鈴:……なんか、ぜんぜんボケがないよね。まぁ、たまにはいいけど。
えー、ちょいと本書の説明をすると、「雨柳堂夢咄」のパクリのように、ある骨董店が舞台で、その骨董店で扱ったり、その他の方法で手に入れたりする「アンティーク」と呼ばれる超常的な力を持った骨董品を巡る短編集であります。
ん~、とりあえず短編集だし、各1話ごとにやってってみるかね。
ちょうど、この2巻は記事書いてないことだし。

扇:では、ベースとなる一巻については過去記事を参照して頂くとして、本巻の話をしませう。

第一章『静寂』
わずかな物音でも聞き取ってしまう作曲家が、完全無音の状態をもたらすアンティークを求めて、付喪堂を訪れる話。
無音状態だとこういうデメリットがあるよ~、というだけの物語です。仕掛けがイマイチなのでオチのインパクト弱すぎ。
ちなみに某『世にも奇妙な物語』なるドラマで、ほぼ同じ内容の話があったりします、あはははは。(死)

鈴:へ~、あったんだ、そんな話が。
まぁ、私はその話を知らないんだが、取って付けたようなこの話のゲストヒロインのネタとか、はっきり言って、「あっそ」ですむレベルの話。
つーか、少しは定番を捻ったつもりなのかもしれないが、捻りも何もない時点で、初手から期待を裏切ってくれた話だったね(毒)

扇:ジャンルとしてはミステリになるのかな?
ラスにつながる伏線は一応ある……のだが、余りにも薄すぎる上に、いくらでも別の解釈ができる時点で、はいはいってレベルだが。
主人公の能力生かし切れてないし、他の付喪堂の面々も大したことしてない、となると評点は落第! が妥当な線かね。

鈴:妥当と言うか、すでに初手から落第決定。
じゃぁ、次の第2章「自分」だが……サッカー部のおちこぼれでレギュラーになれなかった人間が突然、努力をし始めてレギュラーを獲得。
しかし、それは自分のコピーで自分があらゆるめんどくさいことをすべてコピーにさせている、と言う話のはずだったんだが……。
と言う感じの話ではあるんだが、ラストまで読むと出来が最悪のミステリを読まされてる感じで、極めて興醒め。
アンティークの能力も、ストーリー上、説得力に欠けるし、流れも極めて悪い。
ラストで、実はこうでした、と言うミステリ小説の最悪パターンを踏襲した落第決定の話(毒)

扇:トリックそのものはありと言えばありなんだが、最後のオチは嘘臭いの一言だったな。
つーか、アンティークの能力がはっきり定まってない気がする。説明不足のままラスまで突き進んで、主人公の適当な解釈で無理矢理まとめた感じ。
咲のファンは、彼女が制服姿で出てきただけで満足なのかも知れんが。(笑)

鈴:キャラ萌えまっしぐらな人間にとってはそれでぜんぜんOKなんかもしれんが、話自体、感性派の流れ読みの私タイプには「なんじゃそりゃ」でおしまいな話だったな。
確かに、適当な解釈で無理矢理まとめたってのが似合うな。
じゃぁ、第3章か……えーっと、どんな話だっけ?(爆)

扇:第三章『死目』は、他人の瞳を覗き込むことで、そいつの視覚的記憶を読み取ることができる占い師の話。
刻也の『死のビジョン』を読み取ってしまったこいつが、「もっと多くの死の場面が視たい!」と暴走し、最後は自滅する……それ以外特に書くことなし。
例によって、咲が多くの死を視てきたことが語られるが、今回も単なるネタフリだけで、具体的な話はまったくなかったりする。(をい)
つーかこのゲスト占い師、刻也と咲のキャラ紹介のために使い捨てにされただけのような気が……。

鈴:まぁ、そういうところもあるとは思うが、物語としてホラーにもなりきれず、ミステリにもなりきれず、かなり中途半端って感じだぁね。
以前紹介した乙一の「GOTH」で出てきた先生のように、もっと猟奇的な話にすればインパクトはあったのかもしれんが、そこまで行ってないし、個別のストーリーとしても中途半端、主人公ふたりの話としても中途半端。
まぁ、いったい何のための話なんだか、って感じだぁねぇ。

扇:最大の問題は、一個の短編としてオチが付いてないことだろうな。
何かいかにも、「刻也と咲にはまだまだ秘密があるんだよ~」みたいなネタを示した後、読者置き去りにしたままいつもの日常に戻って終わりって、舐めてるとしか思えん。
その点、「GOTH」のあの話は、ちゃんとオチが付いてたな。その後の話のネタフリを含んでいるという点では同じだが、短編としての完成度は、ダイヤモンドと割れガラスぐらいの差があるでよ。

鈴:ダイヤモンドと割れガラスって……最強とちとつつけば壊れるのを比較するのはどうかと思うがね。
まぁでも、実際、出来の悪いミステリホラーを見せられた感じではあるわね。
で、第4章……「化粧」
1巻とおなじく、主人公の刻也と咲のラブコメを描いた話だが……まぁ、タイトル見れば、ほぼラブコメがわかるひとには100%どういう話なのかがわかってしまう、と言う定番中の定番。
1巻はまだ、最初だけあって、咲のツンデレぶりが見えて、ほほえましいところもあったのだが、2巻も続けてこれでは「乃木坂春香の秘密」並の定番で、しかもそこまで突き抜けていない、と言う、これまた中途半端な話。
さぶいぼ症候群のひとにはまず読めないし、慣れてる私にも「あっそ」ですむレベルの話で、見るべきところはいっさいない。
しかも、第3章までコケまくってくれたおかげで、いまさら定番いれてくれてもねぇ。
1巻はすごいのがあったおかげで、定番ラブコメが最後にあってもほほえましいだけだったが、今回はさすがにコケまくった話ばっかりだったので、定番持ってこられても「ちっ」と舌打ちするくらいしかない(毒)

扇:ベタ全開とか定番ネタとか以前に、実質同じシーンを何度も読ませるのはどうにかしてくれ。
話的にも一巻四話の劣化版としか言いようがなく、リンリンが書いたこと以外に殆ど書くことがございませんな。
ちなみに、同じベタラブコメでも、一巻はまだちゃんとオチが付いてたのにこっちは……以下略。

鈴:以下略るなよ(笑)
まぁでも4章のタイトルからもわかるとおり、ベッタベタな刻也と咲の以後ラブコメ街道まっしぐらだぜ! って話の伏線でしかない時点で、なんか読んでて興醒め。
とりあえず、4章はふたりの話をしましたぜ、って感じでまぁ、どーでもいーよ。
どーせ、ラノベらしく、なんかお互いの能力とか、過去とか、克服しました! って感じでくっつくのが目に見えてるし。
しかし、なんか1巻の第3章か……。
あの素晴らしさを見て、だいぶいい評価をしてしまったが、まぁ、結局あれだけってことかねぇ。

扇:うーん、あの一巻の第三章から考えるとこの二巻は一冊丸々一巻の劣化コピーにしかなってない気がするねぇ。
咲が『舞野幻魔拳』とか使って、自分の血筋の人間と戦う展開を期待した俺が間抜けだったということか。

鈴:をい
いつから骨董品を扱う小説から、どこぞの負けても不死鳥!って蘇ってくるどっかの兄さんレベルになったんだ、ごるぅぁっ!?
……ったく、まぁでも、それはそれでパクリな話で笑えるから、むしろこのまんま出来の悪いミステリ? それともホラー? って話にされるよりは笑えるからいいかもな(毒)
……てなわけで、今回は久しぶりに毒満載なレビューになってしまいましたが、1巻に較べ、レベルは下がってるのは確実なので、以前のレビューで褒めまくってるのは気の間違いだと思ってくだって結構です。
と言うわけで、木劇的に今回はこの辺で、さよ~なら~、あっ、さよ~なら♪

扇:えーと……LINN君が言いたいこと全部言ってしまったので、私はそろりと退散致します。
とりあえず、一巻のクオリティを期待しては駄目、とだけ言っておきましょう。
では、さよ~なら~

鈴:100%以上で否定できねぇところが悲しいところだな(爆)



to be continued……



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この分野だけは好きなんだよねぇ

2008-02-10 16:22:54 | その他
さて、今回は特殊な本だよんの第945回は、

タイトル:宇宙探査の50年 SPACE スプートニクからカッシーニまで ナショナルジオグラフィック傑作写真集
編集・出版:日経ナショナルジオグラフィック社(初版:'07)

であります。

いまはだいぶ書店でも月刊誌が並んでて、名前を知ってるひとはけっこういるんじゃないかなぁ、と思うナショナルジオグラフィック誌。
あらゆる自然科学を網羅し、豊富な写真と専門性にも溢れる解説で、私も一時期、この雑誌を定期購読してました。

……つーか、私が購読してたころは書店でなんか販売してなくて、年間購読の申し込みして送られてくるものを読むしか手がなかったんだよねぇ。
そういうのを思うと、やっぱり日本での知名度が上がった、ってことなんだろうねぇ。

さて、自然科学系なんてのは私にとってかな~り……と言うか、おそらくいまの中学の理数系ですらついていくのが厳しいくらいのオンチ(爆)
だけど、この雑誌だけは特別。
そしてその中でも、この写真集のように「宇宙」に関わるものと言うのはとても興味がある。
そんなわけで、ナショナルジオグラフィックのホームページに行ってみると、こんな写真集があるではないか! ってことであっさり購入(笑)

内容は、

「序文」
ジョン・グレンのインタビューを含む数点の写真による序章。

「空の彼方へ -宇宙探査の歩みー」
アポロ11号の打ち上げの様子(観客たちの姿、ロケット発射の写真など)を含む、宇宙探査の歩みを様々な写真とともに解説されている章。
ソビエト時代のライカ犬を乗せた宇宙飛行のライカ犬の写真から、宇宙に連れて行かれたチンパンジー、有人飛行の写真など、序盤は成功の道のり。

でも最後はやはり、スペースシャトル「コロンビア」の空中分解の写真。
集めた破片とかを集めて、スペースシャトルのどの部分にあったのか……そんな残骸だらけの写真はただそれだけで痛ましい。

とは言え、ここのはあんまり個人的に興味は薄いんだよね(笑)

「果てしなき世界 -恒星と銀河の観測-」
ここからが本番。
地球の天文台から撮影されたものから、現在打ち上げられている様々な観測衛星……有名なハッブル宇宙望遠鏡などの観測や撮影から得られた、遙か彼方の銀河、ガス雲、星の誕生の瞬間などなど……。

だいぶんCGを使って処理されているとは言え、その幻想的、且つ壮大な宇宙の姿はただ写真を隅から隅まで眺めるだけでも満足。

「地球の兄弟 -太陽系の素顔-」
今度はうって変わって地球を含む太陽系の惑星や太陽に焦点を当てた章。
こちらは「果てしなき世界」のときとは違って、身近な惑星の知らない側面や貴重な写真などが多数あっておもしろい。

つか、ソビエト……金星でよく53分も機能したもんを作ったよ……。
いくら宇宙開発競争が激しかった時代だとは言え、1975年だもんなぁ。

あと、この章のメインは火星。
いまでもいろいろと議論されている火星の水に関する話題がけっこうあっておもしろい。

「我らが故郷 -宇宙から見た地球-」
あまりページ数としては多くないんだけど、宇宙から見る地球……単に「青く輝く惑星」というありふれたものだけに留まらない、ヒマラヤ山脈の詳細な写真などは、やはりこうしたものならでは。

Google Earthとか、衛星写真を気軽に見られる時代だとは言え、こうしたものでは味わえない地球の姿が見える。


……と、130ページにも満たない写真集ながら、全編フルカラーで見応え抜群の出来。
さすがに自然科学誌として長い歴史を持つだけあって、写真集としては素晴らしい。

……素晴らしいんだけど、やっぱりちょっと本誌のように解説が詳細、ってわけにはいかないので、写真を眺めて楽しむのはいいんだけど、少しくらいの知識がないとつらい、ってのは万人向けってわけじゃないよなぁ。
これでもっと詳細で、わかりやすい解説がきっちり入っていたら、文句なしにオススメ、って言えるんだけどねぇ。
ただ、逆に言えば興味のあるひとにとってはオススメ。

写真集だから値段もちょいとお高めだけど、「果てしなき世界」や「地球の兄弟」とかの写真はホントに見ているだけでもいいくらいだから。

でも最大の難点は、おそらく手に入りにくい、と言うことだろうか。
私もネットで広島市内にある本屋の在庫を検索して、ようやく紀伊國屋書店にあった最後の1冊を手に入れることが出来た、ってくらいだし。
関東圏だとまだまだあるのかもしれないけど、地方の人間にはAmazonあたりで購入するのが吉かも。

と言うわけで、個人的にはかなりオススメしたいところではあるけれど、いろいろと敷居の高い部分がある、と言うことで総評としては及第。
でもやっぱり、興味のないひとにも見てもらいたいなぁ。
まだまだ謎に満ち溢れた宇宙の姿を、これほど綺麗な写真で眺められるものは少ないと思うしね。

でもやっぱりいまいちなんだよねぇ

2008-02-07 23:09:26 | おしゃべり
さて、第944回であります。


鈴:健康診断で肝機能が正常値になってホッとしてるけど、冬の間は常に風邪気味のLINNで~す。

扇:4キロ痩せてて、おや? とは思ったものの、気にせずガンガン飲んでるSENでーす。

鈴:日本酒とビールとじゃなぁ……。
いちおう体重は増えてはおらんが、減ってもおらんかったな。
ただ……中華料理が大好きで、これすてろぉるだけはいかんともしがたかったが(爆)

扇:ビールと中華って太るには最高の組み合わせだよな。(笑)

鈴:それを言うなっ!!
だから血液検査がそうなってる、ってわかってんだが、やめらんねぇんだよ。
ビールにゃぁすんげぇ合うんだからよぉ~(T_T)

扇:まー、せいぜい太鼓腹になってから後悔してくれや。
××歳越えたあたりで、腹をちらっと見て、「うわっ、醜っ!」って言ってあげよう。

鈴:太鼓腹……それを言うならビールっ腹だろう。
それに、私がゆったりした服を好むからわからんだろうが、すでにその兆候は出ている(爆)
あー、歳ってやーねー(爆)

扇:ふっふっふ……LINNちゃんよ、日本酒はいいぞ!
アルコール度数は高ぇし、水のようにするする飲めるし、何より冷酒のキリッとした味が最高だ。
まー……安酒のハズレっぷりは、ビールの比じゃないけどね。

鈴:なんか、アル中のセリフっぽいな。
だが、日本酒は糖度高いから、血糖値上がるぞ(笑)
そんで糖尿病街道まっしぐら~……。

扇:別に毎週飲んでるわけじゃないから平気だも~ん。
飲む時は一升近く飲むが、せいぜい二月に一回ぐらいだ。
休みの前日は、カクテルパートナーで安く軽く済ませてるし。(爆)

鈴:あー、でもそれは確かに安くすんでいいわなぁ。
こっちは……。
やめよう、なんか墓穴掘りそうだから、その前に次のコーナー行くべ。


『振り返れば目録』


鈴:では、次のコーナー、「振り返れば目録」、略して「返録」です。

扇:どこに返すんだ?

鈴:素で答えんなよっ!!
……ったく、とりあえず今回の目録は、「2007年4月」です。
では、いつもどおり、お気に入りの作品から……って意外に多いな、この月、○が。

扇:私のオキニは――魔夜峰央の『毒師プワゾン』とアシモフ先生の『われはロボット』が二強だな。
どっちか選べと言われたら……毒師プワゾンかな。
アシモフ先生には悪いが、ほんとーに好きなんだよね、これ。
世にバトル物は数あれど、これほどいーかげんで格好良い主人公が活躍する漫画はそうそうない。
つーかそもそも、背中に薔薇の刺青彫ってる両刀使いの主人公自体、滅多にいないと思うが……。(笑)

鈴:あー、そっちが来るか……。
こっちも古本屋はもとより、新刊でも買うことを念頭にいろいろ探してるが、ないんだよなぁ、それだけは……。
しかし、ここはマンガで来たか。
こっちは小説とマンガと選ぶとしたら、ラノベにしてはそこそこ秀逸だった「お留守バンシー」、マンガでは、このひとの作品なら1冊で完結してるし、オススメできると言う意味で林みかせの「青色図書館」だろうなぁ。
まぁ、おなじマンガということで「青色図書館」に軍配を上げておこう(笑)

扇:みかせちゃんか……俺の天敵だな。
上手いとか下手とか以前に、何もかもが甘過ぎて話にならん。
同じような作品でも、斎藤けんの『花の名前』のように、もう少しキレが欲しかったところだ。

鈴:天敵って言うなっ!
でもまぁ、素直な甘い話を描いてるひとだから、さぶいぼ症候群の人間にはなかなかつらかろう、と言うのはわかるがね。
まぁ、耐性がある人間にとっては、そういう素直さがまたかわいらしくていいのだがね。
では、○よりも盛り上がるいつもの×に行くかね。

扇:安心しろ、同じ天敵でも筑波さくらより数億倍マシだ。(笑)
んじゃ、今回の説教部屋行きは……光の帝国 常野物語で決まりでしょう。
ここまで酷い連作短編には滅多にお目にかかれません。
じゃあバラバラにして、個別に評価出来るかと言うと――二作除いて、ほぼ評価外という素敵な結論に至ります。
しかし、本当、恩田陸って当たり外れ激しいよなぁ。

鈴:まぁ、筑波さくらは……甘々耐性がある人間でも、あのご都合主義全開、主役級は必ずくっつきますぜ、あんた。
ついでにその経過も全部ヒロインが男を好きになるための過程でしかねぇぜ、ってくらいだからなぁ。
まぁ、そういうお約束で甘々、わかっていてもそれでもOK! って人間でなけりゃ読めねぇわなぁ(毒)
じゃぁ、こっちの×と言えば……「痴情小説」の岩井志麻子か……。
このひとは、感性派の人間にとっては、独特の濃ゆい雰囲気を醸し出す稀有な作家として評価してたんだけど……これはダメだったな。
やっぱり長編か、短編連作くらいのでないとなぁ。
個人的にはかなりオススメなんだが、この雰囲気がつらいひとにはオススメできないって欠点はあるんだけどな。

扇:俺は読んだことないから何とも言えんが、『魔羅節』に比べるとタイトルはインパクトないわな。
同じホラー畑ってことで、小池の真理子ちゃんと比べるとどーかね? こっちの方が濃ゆいのかな?

鈴:どっちが濃ゆいって、どー考えても岩井志麻子のほうが濃ゆいわい。
小池真理子は、ふつうのホラーだな。

扇:真理子ちゃんでは相手にならんか……んぢゃ、洋子女王様は?

鈴:女王って感じかよ、あれが
まぁだが、濃ゆいと言う意味では小川洋子のほうが真理子ちゃんよりは勝ってるが、タイプがぜんぜん違うからなぁ。
甲乙つけがたいところはある。
ただ、「博士の愛した数式」だけは、きっと小川洋子の気の迷いだったんだろう。
他とタイプ違いすぎるし。
……っと、とりあえず、○×△……△はないにして(ひとりボケひとり突っ込み(寒))、いい頃合いだから次のコーナーに行っとくかね。


『今週の一冊』


鈴:では、今週の一冊は、そろそろ恒例になっているので、ボケる必要なしと言うことで、十二国記シリーズ「黄昏の岸 暁の天」(上下)であります。

扇:略して『黄天』ですね。

鈴:ええいっ、すっころんだみたいな略し方をすんなっ!!
……はて、どっちかって言うと、「黄」は「こう」の黄泉のほうが一般的か……?

扇:「よてん」?

鈴:……確かに、なぜかそんときだけ読みが「よ」なんだよなぁ……。
って、もっと一般的でない読み方を出すなよ!!

扇:ん~、「よそら」?

鈴:また妙な読み方を出しおって。
ったく、結局最初にボケをなくしたってのにボケツッコミ丸出しじゃないか(爆)
さておき、十二国記シリーズも長編は現時点ではこれがいちばん新しい「黄昏の岸 暁の天」(上下)であります。
ストーリーは……過去記事を参照してください(爆)

扇:まぁ、一言で言って、中途半端な作品ですね。

鈴:……まぢでそのまんまだなぁ。
だから実際、記事書いてるとき、すんげぇ書きづらかったんだよなぁ、この話。
いちおう、陽子が主人公の正編なんだろうが、いろいろごちゃごちゃネタが入って、ラストも引いたまんま終わりだったからな。
レビューにも書いたが、十二国記シリーズの中では最悪の出来、としか言いようがない。
陽子もいまいちかっこよくなかったし(爆)

扇:正編なのに、陽子が作者にいたぶられてないのが一番問題だな。
月影』では、会う人会う人に小突き回されて人間不信街道まっしぐら!
万空』だと、王になったはいいが、部下は従わねぇ、補佐役は五月蠅いだけ、おまけに反乱まで起こって、もうグレるしかないよねって状態!
なのに今回は……普通~に、王様やってるだけとは……駄目だよ! もっと陽子虐めなきゃ!

鈴:いたぶられるってな……。
まぁだが、大した事件なかったし、補佐役の嫌みは苦笑いで躱してたし、とにかく盛り上がる要素がなかったってのが確かだよなぁ。
その「野○陽子を思い出すからやめい」のときはさんざんっぱら剣客商売でかっこよかったし、「なんかタイヤの心配したくなるからやめい」のときも叛乱に加わったりと、盛り上がるネタがあった。
今回はとにかく、へーたんにする~と進んでったし。
まぁ、いちおう西王母とか出てきたりはしたけど……ネタとしてはねぇ……。
全編通して伏線って感じなのに、続きが出てないから余計これだけとして見るとダメダメ感が漂ってんだよなぁ。

扇:未解決の問題が多すぎるんだよなぁ。
消息不明になってる『戴のえらい人』について何も情報がないし、泰麒見つけたはいーけど何の解決にもなってないし、頼みの綱の『暴れん坊将軍』はずっと不機嫌ヅラで大したことしてくれねーし、上下巻かけてこの内容の薄さはどうよって感じだ。
せめて巻末に潜伏中の『戴のえらい人』が虎視眈々と復活計画を練ってるシーンとか入れとけば、まだワンパック作品として評価できたかも知れんのにねぇ。

鈴:復活計画があったところで、結局、未解決は未解決だし、続きが出てないからなぁ。
ホント、上にも書いてるけど、とにかく続きが出て、「戴のえらいひと」の話が決着すれば……なんだよなぁ。
しかし……暴れん坊将軍は……あれは完全に北方で大王朝を築いてしまったがための苦労だよなぁ。
だいたい、もう一個の「王様家族」は南だから、少々近くの国が荒れようが凍死するこたぁないし、二毛作で食糧は作れるしで、暴れん坊将軍のとことは環境が違いすぎるからいいよなぁ。

扇:本来なら、ここで決着を付ける必要があるのだがね。
まー、拗ねた『暴れん坊将軍』はほっといて、一応、『陽子総長』が泰麒のために動いたのがイベントと言えばイベントか。
本宮ひろ×調に、「グタグダぬかすんじゃねぇ~! さっさと麒麟全員集めやがれぇぇぇっ!」とか言って、集会開いた……だけで終わったけど。(爆)

鈴:つか、正編なのに、陽子絡みってそれだけだもんなぁ。
しかし、その本○ひろ志調ってのはなぁ……。
ある意味、暴れん坊将軍がやると似合うんだが、陽子がやるかのぅ……(想像中)
似、似合わねぇ……
初手の巻で、山賊の頭目なんかにいっぺんでもなってりゃ、それはそれで似合ったかもしれんが(爆)

扇:でもさ、このまま素直に陽子の成長物語を書くとしたら、絶対どっかで彼女は十二国全部をシメると思うけどね。
そいでもってオーラ力が暴走し、ハイパーになりかけた所で『どっかのネズミ』に止められるわけだ。

「陽子、それ以上憎しみのオーラを増大させるな!」
「お前に王の何が解るっ!」
「この分からず屋っ!」

何か、赤い髪の娘と輝くネズミが空中戦やってる姿を想像してしまった……。(爆)

鈴:全部……か、元締めだな、シメるのは。
つーか、もうそういう話にしかならん気がするわなぁ、西王母に逢った時点で。
だが……。
どー足掻いてもオーラ力なんかでシメやせんぞっ!!
つか、なんで十二国記の話がダン○インごっこになるんだ!

扇:え?
十二国がバイストン・ウェルで、胎果は地上人だろ? そのまんまぢゃん。(素)

鈴:そういう極めて危険な発言をすんなぁぁっっ!!!
だいたいどっちのファンにもケンカ売ってる気がするぞ。



to be continued……



――【つれづれナビ!】――
 ◆ 『十二国記』のまとめページへ
 ◇ 『ライトノベル一覧表(その2)』へ
 ◆ 『つれづれ総合案内所』へ

どっちだよ、このマンガのジャンルはよ(笑)

2008-02-03 01:02:52 | マンガ(少年漫画)
さて、たぶん少年マンガ……だろうなぁの第943回は、

タイトル:GIRL FRIENDS -ガールフレンズ-(1巻)
著者:森永みるく
出版社:双葉社アクションコミック(初版:'06)

であります。

これまたマイナーなマンガ家を……と自分でもぢつは思ってたりします(爆)
もともとは18禁系で描いてたマンガ家で、いわゆる百合系が主体のその手のマンガだったりしたんだけど、某人気小説(ちなみに私のお気に入り(爆))のおかげで、その手のものも、堂々と市場に出回るようになったこともあってか、こんなところから出てました。

つーか、18禁系の時代からぢつは知ってるマンガ家さんで、18禁系のクセに18禁か? ってくらいソフトな話や、ほほえましい話など、とても雰囲気のいい話が多かっただけに、隠れたお気に入りのマンガ家だったりします(^_^;

で、今回は18禁系ではなく、ふつうのマンガ雑誌ということで、題名通り、高校生の少女たちの生活を描いた作品。
ストーリーは、

『熊倉真理子はおとなしくて真面目で読書好き。高校ではなかなかクラスに馴染めず、ひとりでいることが多いような少女だった。
そんな真理子が、風邪のために休んでしまった英語の追再試を終えたそのとき、不意にひとりのクラスメイトが「まりちゃん」と声をかけてきた。
誰もが名字で呼ぶ中、突然の呼びかけに戸惑う真理子をクラスメイトの大橋は、あっさりとこれまた「あっこって呼んで」と言い出す始末。
二学期になって初めて会話をしたと言うおまけ付きで。

挙げ句、帰る方向が似ているからと一緒に帰ることになり、ついでにマックにまで寄り道。
寄り道禁止に少し焦る真理子をヨソに、あっこは強引とも言えるくらいの勢いで真理子に語りかけ、ついには翌日、一緒に美容室に行くことに。

あまりになれなれしくて強引なあっこに、一瞬断ることも考えた真理子だったが、結局一緒に美容室へ行くことに。
美容室へ行くまでの道のり、美容室でのカット、そしてロングからショートヘアにイメージを変えた真理子を見たあっこの反応……感情が素直でいまどきの女の子だけど裏表のないあっこに、真理子は翌日、下駄箱で「あっこちゃん」と挨拶をした。』

だいたい第1話がこんな感じ。
第2話からは、あっこの友達でサブのすぎさんこと、杉山さとこ、たまみんこと関根珠実を加えて、真理子とあっこたち、4人組がプリクラを一緒に撮ったり、服を買いに出かけたりと、いままで真理子が経験したことがないことをする学園生活。
そこから2年生になって、真理子はあっことおなじクラスになったものの、すぎさん、たまみんとは別クラスに。

そんな様々なことをしながら仲良くなっていく真理子とあっこの姿がとてもかわいらしく描かれている。
また、サブのすぎさん、たまみんも、真理子やあっこと被らないようにキャラがしっかり区別されていて、サブだけど個性的で魅力的なキャラに描かれている。

とは言え、やはり主人公は真理子。
高校になってようやく出来たとても仲のいい友達のあっこ。
2年生になってクラスも替わり、新しいクラスメイトともあっさりとうち解けてしまうあっこや、新しい友達が「あっこ」と気軽に呼んだりすることに小さな嫉妬をしたり、「まり」と呼び捨てにするのがあっこだけだからそう呼んでほしくないのに断れない性格に悩んだりと、話の中でさりげなく、けれど細やかに真理子の心情が描かれている。

また、あっこのほうも真理子に近付いた理由や動機などもしっかり描いてあって、さらに付き合うに連れて親友になっていく経過というのも見どころ。

もちろん、甘々なだけでなく、さすがに著者が女性だけあって、女の子らしい裏の部分もさりげなく入っていたりとアクセントもある。

ただ、どーしても著者の趣味(Wiki曰く「おかっぱ頭とロングヘアの少女の組み合わせを気に入っている。」とのこと。ちなみに、真理子はショート、あっこはロングです(笑))とか、まぁ、過去の経緯とか、いろいろとあるのか、1巻の最後で友情ものに終わらない百合系に移行する匂いがぷんぷんするところが、この手の作品を受け付けないひとにはきついだろう。
このまま、友情ものとして続いてくれるなら、かわいらしい絵柄、やわらかい雰囲気、魅力的な主人公ふたりと、比較的オススメできる部類に入りそうだし、特に雰囲気を重視する感性派にはいいと思うんだけどねぇ……。

私は昔からのお気に入りのマンガ家さんだし、いまのところほほえましい友情ものになっているしで、個人的にはかなり好みなのだが、百合系と言うジャンルの壁の高さなど、多くのひとにオススメできるかと言うとやはり無理。

と言うわけで、個人的趣味を除いて総評すれば、ぎりぎり、……ホンットにぎりぎりに及第ってとこかな。
甘々大好きで、百合系でもぜんぜんOK、ってひとは一読の価値はあるとは思うけど。

……しかし……、なんか「マリみて」にハマって以来、なんかどんどん嗜好が変な方向に行ってる気がするな、オレ……(爆)