つれづれ読書日記

SENとLINN、二人で更新中の書評ブログです。小説、漫画、新書などの感想を独断と偏見でつれづれと書いていきます。

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ナナミズム全開

2006-07-31 23:26:23 | ミステリ
さて、このタイプの主人公は珍しい第608回は、

タイトル:死んでも治らない
著者:若竹七海
文庫名:光文社文庫

であります。

若竹七海の連作短編集です。
表題作を含む五編+αを収録。
例によって一つずつ感想を書いていきます。

『死んでも治らない』……嫌々なった警察官を辞め、その時の体験を元にして『死んでも治らない』という本を書き上げた大道寺圭。だが、彼は自称『プロの犯罪者』を名乗るトレーシーという男に誘拐されてしまう。相手はしきりに自分の優秀さを吹聴した上で、ある事件の話を始めるが――。
ダークヒーロー大道寺圭登場編。間抜けな犯罪者のエピソードをまとめた本を出すという神経も凄いが、口より先に手が出てしまうあたり、葉村晶の裏キャラと言ってもいいかも知れない。ストーリーにヒネリはないものの、ラストで悪党に放つ皮肉たっぷりの台詞が気持ちいい逸品。

『猿には向かない職業』……馴染みのスリ・花巻が厄介なトラブルを持ち込んできた。大道寺の著作のせいで自分がスリであることがばれ、娘が家出してしまったと言うのだ。責任取って、娘を探して欲しいと花巻は迫るが――。
自業自得だろうよ、と言いたくなる依頼人のキャラクターは、葉村晶のシリーズに通じるものがある。ただ、こっちの場合、主役の性格にもかなり問題があると思うが(笑)。序盤の仕掛けは面白いのだが、強引かつ唐突なラストに閉口。味も素っ気もないのがハードボイルドと言ってしまえばそれまでなのかも知れないが。

『殺しても死なない』……大道寺は、幼馴染みの編集者・彦坂夏見に尻を叩かれて、ようやく二作目『殺しても死なない』を発表した。しばらくぶりの暢気な目覚めの後、彼は郵便受けに妙な手紙が入っていることに気づく――。
作家を悩ますものの一つ、相手の苦労も考えずに自分の作品を送りつけてくる無神経な奴、を扱った作品。微妙に内容を変えた原稿を何度も読まされるため、かなり疲れた。ただ、手紙の裏に隠された真相と、大道寺のケリの付け方は好き。

『転落と崩壊』……何の因果か、事故死した作家の原稿を引き継ぐことになった大道寺。活火山の支配下にある山荘に資料を取りに行くハメになった上、不愉快極まりない人物達の相手までしなくてはならなくなるのだが――。
イチオシ。短編としては本書の中で一番上手くまとまっている。出てくるキャラクター全員に毒がある上、大道寺もかなりダークな面を見せる、らしい作品。(笑)

『泥棒の逆恨み』……葉崎文化センターで講演を行うことになった大道寺。しかし、送り迎えの車に乗っていたのは――。
これ一本だけ妙に浮いている作品。かなり毒の薄い話で、犯人二人のキャラクターも相まって、最後まで気楽に読める。短編特有のトリックがあり、見事に引っかかってしまったのがちょっと悔しい。

『大道寺圭最後の事件1~6』……独立した短編を、最初と最後及び、各編の間に分けて挿入したもの。大道寺が警察を辞めるきっかけとなった事件を扱っており、各短編のヒントも入っている。試みとしては面白いが、話に魅力を感じるかと言うと疑問形。ラストの大道寺の台詞が、その後の事件を暗示しているのはなかなか良い。

毒満載の若竹七海復活、と言った所でしょうか。
葉村晶物と同じ感覚で読める反面、事務的に事件を処理する退屈な描写まで同じなのがちと残念。
それぞれ独立した短編をつなげるため、間に別の話を挿入しているものの、全体的にまとまっていないのもマイナス。別に無理に連作っぽくしなくてもいいんだがなぁ……。

ただ、別作品に登場したキャラクターが登場したり、葉村よりもカタルシスが増加してたりするので、若竹ファンなら読んでも損はないかと思われます――オススメ(?)。



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はぁ……(溜息)

2006-07-30 21:56:30 | 時代劇・歴史物
さて、まだ無駄な時間を使ってしまった……と五右衛門風にの第607回は、

タイトル:二条の后
著者:杉本苑子
文庫名:集英社文庫

であります。

表題作を含む9編の時代小説が収録された短編集。
いつものように各編ごとに。

「二条ノ后」
藤原良房、基経父子の権勢に泥を塗るため、清和天皇に入内させるためにいた姫高子たかいこにとうとう通うことができた在原業平だったが、当初の目的を変じ、高子を連れて逃げようとするが基経に高子は連れ戻され、入内させられてしまう。
入内した高子は、天皇の寵愛を受けるが、高子は業平のことが忘れられず、天皇は一度業平に手折られた姫であることを知り懊悩する。
しかし、そんなそれぞれの思いはともかくも、藤原一門の天皇交代劇の謀略は進んでいく。

「焔の果て」
崇徳天皇の時代、藤原信西は愛人の朝子が皇太子候補の四ノ宮の乳母になることを機に、四ノ宮に賭けることにする。
いくつかの紆余曲折を経て、その望みがかない、位はどうあれ、権勢を振るうことが出来るようになった信西だったが……。

基本的に藤原信西の物語だが、本来の主人公は朝子だろうねぇ。
信西、その息子俊憲に通じたしたたかさがある。

「尼と人魚」
戯作者の山東京伝を亡くした妻ゆりとその叔母で尼の妙順は、京伝の弟の娘お増がこの土地家屋などの財産を狙っているとして、姪御然と接してくるお増に対抗しようとするが。

この短編集で唯一マシな作品。
まぁ、救いのない話ではあるが、ぞっとする恐ろしさがある。

「雪うさぎ」
雪うさぎなどと揶揄されながら、家の再興を願う津多女とその息子郡次郎は、松浦肥前守の奥方の出産の産婆をした際の出来事から、母子ともども取り上げられることとなる。
衆道の相手などを忍従しながら武士として生活していく中、しかし郡次郎が病に倒れ……。

いちおう、親子愛とかそういうのが見え隠れしないでもないが、母の津多女の深い執着を描いたもの。

「わびすけ」
蒲生下野守に殉じて死ぬことになってしまった夫、森川若狭を助けるために千世は父に嘆願するが、武家として助けることは出来ないと突っぱねられる。
それを聞いた馴染みの女絵師、深尾秋泉はふたりを逃がす強力をし、無事逃がすことに成功する。
だが、追っ手を差し向けたはずの父は、実は秋泉とともにふたりを逃がすつもりだった。

「西鶴置きみやげ」
『好色一代男』で名を売った西鶴は、しかし俳句、浮世草子に至るまで別人の著作を出して、大当たりしてしまっていた。
物語など書けない西鶴は、あるとき、とある事件で片腕を、もう片方の手の指の何本かも失った青年と出会い、その青年をゴーストライターとして次々と浮世草子を発表する。

西鶴と青年、北条団水、西鶴の娘などを登場人物にした話で、西鶴の死、遺稿と称して団水が作品を発表し続けるが、最終的に団水は歴史から名が消える、と言うところでおしまい。

「ほたるの庭」
産婆を呼びに行った夫が殺され、その仇を討つことを支えに母子ともども生活していたお柳と道之助は、浅井兵庫のもとで繕い物などをする針妙になる。
そこで仇の重要な証拠を掴んだが、その相手は妹と人目を忍んで逢う若衆のひとりだった。

「雪うさぎ」に通じる女性の情念を描いたもの。

「緋ざくら」
福永宗右衛門の側女の津和は、秘かに宗右衛門の息子理一郎を慕っていて、宗右衛門の存在がありながらもその訪れを秘かに願っていた。
それがとうとう訪れたと思ったとき、それは理一郎ではなく家士の宮原進七で、宗右衛門に見つかった進七は、主人を殺し、津和を連れて逃げ出してしまう。
進七から逃げることも出来ず何年かして江戸に戻ってきた津和だったが、仇討ちに出ていた理一郎に見つかり……。

「草ひばり」
故郷での勤めを辞して江戸で手習いを押しながら質素な生活をし、お光という婚約者まで出来た松谷主馬は、最近お光の話によく出てくる菊次という貸本屋の男に嫉妬し、その菊次が言い寄られている女の情人に絡まれているのを助けもせず眺めていた。
だがそのとき、菊次のやむない事情を知り……。

いやぁ、読むのがめんどうくさかったなぁ。
なんべん斜め読み……というか、とばし読みしてやろうかと思うくらいおもしろくなかった。
けっこうどろどろした話が多くて、そういうのは嫌いではない……のだが、感じるものはほとんどないし、中途半端に終わる感じのものもけっこうあったりと、短編集としてもかなりいまいち。

こういう時代小説が好きでなければオススメは出来ない。
9編収録で長い割に得るものは少ないので。
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さすがにでかいからねぇ

2006-07-29 15:19:33 | 事典/図典
さて、実は手頃なのってなかなかないのよねの第606回は、

タイトル:中国の神話 天地を分けた巨人
著者:君島久子
出版社:筑摩書房

であります。

どちらかと言えば、神話学と言うより神話物語。
一般向けよりもやや平易に、子供向けとも見えるくらいの本。

とは言え、本書の刊行当時1983年ではまだ一貫した体系立てたものが整備されていなかったのか、中国の少数民族のものがほとんどで、漢民族のものは少数。
それを天地創造から起源伝説まで、大きく4つの章に分け、その中に4~6話の神話が収録されている。

I 天地創造神話
「天地を分けた巨人 盤古」(漢民族)
「天地のはじめ」-巨人グミヤーの話(プーラン族)
「人類の祖、チプマとチミマ」(アチャン族)
羿げい、太陽を射る」(漢民族)

盤古の神話や羿あたりのは有名だが、グミヤーの話も、羿のものと同様、たくさんある太陽や月を射落としてひとつづつにする、など共通項も見える。
ただ、4話しかないのはちと物足りない。

II 民族の創世記
「土をこねて人をつくる」(トウロン族)
「生き残った兄妹」(ミャオ族)
「人類遷徙記-洪水伝説」(ナシ族)
「創世記」(リス族)
「盤王の伝説」(ヤオ族)
「竹の息子たち」(イ族)

「土をこねて~」は女禍が人を作ったとする神話と共通のものがあったり、洪水伝説とかは世界中の神話にも見られるもの。
「竹の息子たち」は、竹取物語にも似た竹から子供が生まれてと言うもので、興味深かったねぇ。

III 天と地の神話
「太陽をさがしに」(チワン族)
「月へのぼった女神」(漢民族)
「七人の兄弟星の物語」(チベット族)
「水仙姫」(ヤオ族)
「天神・地神-岩になった若者」(蒙古族)

「太陽をさがしに」は妊娠している女性が途中産んだ子供の2代に渡って太陽を見つけると言うもので、「月へのぼった女神」は有名な月女神の嫦娥の物語。
けっこう読んだことのある神話が多かったかな。

IV 起源伝説
「火の神と煙の神」(シェ族)
「穀物の種の来歴」(チベット族)
「紅い箱-文字のはじまり」(イ族)
「天上から稲をぬすむ」(ハニ族)
「いれずみのはじまり」(リー族)

このあたりはけっこう、天上の者と地上の者が結婚し、そのために何らかの起源が人間に伝わった、という類の神話が主体。
まぁ、もらったり結婚したりするのに、とんでもない条件を突きつけられて、それを天上の者が助言して解決する、と言うのがけっこう定番かも。

以上が本書に収録されている神話のすべて。
やはりやや子供向けっぽい向きもあり、平易で読みやすい。
入門書としては申し分ないとは思うが、それなりに知っているひとにとっては物足りないかなぁ。

けども、総じては良書と言えるだろうね。
読んでみたいけど、どれがいいのかわからない、なんて初心者にはオススメ。
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さよか~

2006-07-28 23:55:19 | 学術書/新書
さて、東京1泊してからもう畳が恋しくなったの第605回は、

タイトル:神 一語の辞典
著者:大野晋
出版社:三省堂

であります。

「日本語のカミ(神)という言葉の由来をたずねて見ようと思う。」

著者が本書の冒頭で書いていることだが、この本はまさにこの「日本の神」という言葉がどういうものなのか、どういう変遷を辿ってきたのか、どういう扱いをされてきたのか、と言ったことを述べている。

構成は次のとおり。

I 日本のカミ
古来……万葉の時代に、日本のカミと言う存在がどういうふうに考えられていたか、捉えられていたかを解説。
まぁ、まずはやはり前提というところ。

II ホトケの輸入
仏教の輸入から神仏習合が起きる前までの間で、仏教がカミとの関係でどういうふうに扱われていたかを解説。

III ホトケの習合
基本的にはタイトルのとおりだが、仏教に対するカミの劣勢とそれを盛り返そうとして、神道理論を構築していった人物、派の解説がある。
結局、儒仏の理論を神道に応用して、外来のものから脱せずに神道理論を構築する、と言うのはけっこう痛いかも……。

IV カミとホトケの分離
明治時代に入っての廃仏毀釈……ではなく、本居宣長に代表される国学に関しての解説。

V ホトケのぶちこわしとGodの輸入
で、こちらが廃仏毀釈に代表される神仏分離令と、日本のカミをどう翻訳するかなどについて解説。

以上が時代ごとの時系列での説明、と言っていいだろう。

VI カミの輸入
ここが本書の最大の見せ場、であろう。
言語学や音韻学などを駆使し、いわゆる語族に共通する特徴から、万葉時代の古語とインドのタミル語との関連性を中心に論じている。
特に万葉仮名に見られるカミに関わる言葉を、それぞれの音韻などから共通であることを詳細に述べている。

VII 日本の文明と文化
タイトルがどうあれ、締めは締め、と言うことで。

と言うことではあるけれど、なんか、論文ね、これ。
いや、別にタミル語との関連とか、いろいろと読んでいておもしろい部分はあるんだけどねぇ。
まぁ、万人受け……どころか、マイナーですらない気がする。

中身をさらっと見て、これはおもしろそうだと思えるくらい、こういうのに興味がないとダメだろうねぇ。
まぁ、へぇ、と思うところもあれば、そうかぁ? と思うところもあったりするのは、この手の本だから仕方がないところ。

でもまぁ、ほんとうに読める人間限定だよなぁ。
いちおう、時系列で解説しているところはまだいいけれど、それを含めてもオススメできるものではないないよね。
まぁ、個人的には読める本だとは思うけど。
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やっぱ鱗でしょう

2006-07-27 20:57:30 | 木曜漫画劇場(白組)
さて、この前強化合宿をしたのでネタが増えた第604回は、

タイトル:ドラゴンクエスト――ダイの大冒険(全37巻)
原作:三条陸  作画:稲田浩司
文庫名:ジャンプ・コミックス

であります。

扇:密かに、新たな計画を遂行中の閃でーす。

鈴:親指のつま先くらいは荷担してる凛で~す。

扇:いや、せめて中指までは参加しようよ。

鈴:ん~、なんかそれじゃ物足りんなぁ。じゃぁ、右足首あたりまでにしとくわ。

扇:かなり微妙だな。
ま~、げーれきはお前の方が長いだろうが、コンシューマやった回数は俺の方が多いだろうしな。(密かにネタバレ)

鈴:アーケードのげーれきはなぁ。
大学4年のときですでに15年を経過してたくらいだからな(威張り)

扇:てことは……100027歳の時からやってたのか。
なかなか遅咲きだな。(笑)

鈴:まぁな。
だが、このところはてんでアーケードはご無沙汰だのぅ。
もう私のアーケードは怒首領蜂大往生で終わったも同然だし。

扇:結構最近だな。

鈴:そんなに最近だっけ……って検索したら2002年か。
……ホントに最近だな。
じゃぁ、私のアーケードは怒首領蜂で終わったも同然だし、に直すわ(爆)

扇:いやいや……期間が短くなったからって訂正すんなよ。
つーか、読者を置き去りにしてるのでちょっと内部事情を話すことにしようぜ――宇宙刑事調に。(笑)

鈴:では……解説しようっ!
……なんの話だっけ?(爆)

扇:次回をお楽しみに。
(逃げる)

鈴:うわっ、いつもの役割を放棄しやがった……。
仕方がない。私めがほんとうに解説……ってまぁそのうちにしておこう。
だいたい企画段階でぜんぜんやってないんだから、紹介のしようもなかろうに。

扇:簡単に言えば――ここの姉妹サイトを作る計画を立ててる、ってことですね。
どんな内容になるかは秘密です。
つーか、今のところまったく解りません。

鈴:まー、わからんだろうなぁ。
やり始めないとどんなもんになるかなんてまったく想像がつかない……ってこの木曜劇場みたいやな(笑)

扇:これ、百%アドリブでやってるってこと、既にバレてるかなぁ。

鈴:バレてるだろ、絶対。
100%と言うより、素と言ったほうが正しいとは思うが(笑)

扇:タイムラグがあるぐらいで、いつもの会話だな。
ただし、よゐこのために検閲入ってたりするけど。

鈴:コメディアンのための検閲は入ってないと思うんだがなぁ。

扇:良・い・子!
そういやぁ、よい子わるい子ふつうの子何てのもいたなぁ……。

鈴:いつの時代だよ、それは……>よい子わるい子ふつうの子
ったく、相変わらず古いネタが好きやなぁ。
私にはわからないよ、はっはっはっはっ……。

扇:heroを素で歌える人間が何を言いやがる。

鈴:記憶力がいいと言ってほしいな。

扇:スクール☆ウォーズの時、君いくつ?

鈴:調べたら1984年からの番組だから……○歳だな。
……意外に古くないな、この番組……。

扇:あ、ほんとだ。
てっきり70年代ぐらいだと思ってた……トミーとマツより新しかったとは驚きだ。

鈴:あー、何となくわかるわぁ、それ……って1979年……。
なんかすごい年がばれる会話をしてんなぁ。

扇:なに、それなりに幅は取れるぞ。
しかしトミコと呼ばれて変身って、今から考えると凄い設定だ。

鈴:そうね。刑事もののドラマとしてはコメディ色が強かったからねぇ。
笑えると言う意味では「あぶない刑事」よりも笑えた……と思う。

扇:そうだな、個人的な趣味でいけばトミマツの方が好きだった。
『あぶない刑事』のノリも好きなんだがね、「土曜の夜の刑事の恐ろしさを教えてやるぜっ!」って、勤務中に何やってるんだあンたらは。(笑)

鈴:「あぶない刑事」も好きなんだが、やっぱり刑事もののかっこよさ、ってのはきっちりしてたからなぁ。
トミマツは見せ場までコメディを忘れてなかった気がするでな。

扇:え? トミマツは見せ場が最大のコメディだろ?
つか、エンディングまでコメディだったもんなぁ……土砂降りの雨の中、トミーから無理矢理傘を取り上げるマツ! 台詞なくても、何言ってるか簡単に想像がつくあたり、キャラクターの出来が非常に良かった。

鈴:そうねぇ……ってなんでこうも懐かしのドラマの話になってんねやっ!
……ったく、年齢詐称は扇だけでよいと言うに……。

扇:最初はナツゲーの話だった筈なんだがなぁ~。
で、そろそろ本題に入るかに?

鈴:そうね。えーっと、ドラコンクエストだな。
武器がドライバーで、魔法が飛距離を伸ばすための……。

扇:おい、それ楽屋入る前に俺が言ったネタだぞ。

鈴:なに、楽屋だろうと何だろうと本番で先に使ったもん勝ちさね(笑)

扇:一理ある……が、二里はないな、せいぜい6kmだ。
あ~、いい加減マヂな話をしよう、このままいくと雑談だけで終わってしまう。
超有名RPGをオリジナル解釈して生まれたバトル漫画の傑作です。
呪文等の小道具はゲームのものを使用していますが、キャラクター、世界設定などは独自のものを用意しており、元ゲー知らなくても楽しめます。
かなりの長期連載&ジャンプ作品であるにも関わらず、最後まで楽しめた希有な作品でもあります。

鈴:そうねぇ。元ゲーを知らない、ってのは少ないとは思うが、別ものとしてもきちんとらしいバトルものとしておもしろいものではあったね。
じゃぁ、キャラ紹介……の前にCM~。


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扇:では、主人公のダイ(本名ディーノ)。
手の甲に竜の紋章を持つ、いわゆる勇者。
心の優しいモンスター(?)の住むデルムリン島で育ったためか、人間とも魔族とも付き合える微妙な位置にいる少年。
前勇者アバンの指導を受けていた時に魔王ハドラーの襲撃を受け、同じく修行中だったポップとともに世界を巡る旅に出る。
非戦闘時は天ボケ入った御子様といった感じだが、戦闘時は時に冷徹な顔も見せる……多分、そこらへんは親父の血が入ってるのだろう。
少年漫画の主人公らしく、次々と技を覚え、常にパーティ中最強の戦力であり続けた。

鈴:じゃぁ、次、もうひとりの主人公ポップ。
職業は魔法使いで、アバンの弟子だったが、その後マトリフに師事する。
当初から、ほんとうにしばらく……と言うか、ずっとかなりのヘタレだったが、最終的には師匠であるマトリフを凌ぐほどの実力、アバンをも凌ぐ知略を見せるなど、ラストに近付くに連れておいしいところをたくさん持っていったキャラ。
ヘタレが旅を重ねるに連れて実力をつけていく典型的なキャラだが、ギャグ担当の側面もあり、けっこう味のあるキャラに仕上がっている。

扇:では、裏の主人公にして、美形二番手キャラの位置にいるヒュンケル。
前勇者アバンの弟子だった過去を持ってたり、地獄の騎士に育てられたり、魔王軍に加わって六団長の一人になったりと、色々ややこしい境遇にいる方。
最初は敵だったが、後に味方に回る――パーティ中の強さは多分、ダイに次ぐぐらい。
誤解とは言え、魔王軍にいたという負い目があるためか、かなり自分を押さえているフシがあり、最終戦でしんがりを務めた時は堂々と本音を口にしていた。
(曰く、「不慣れな長兄役もこれで終わりだ」)
典型的なクールで熱い奴であり、クロコダインとの友情はなかなか味があった。ポップとは最後までギクシャクしたけど。(笑)

鈴:ヒロインのひとり、マァム。
もともと僧侶戦士だが、その後武闘家になった少女で、少年マンガ的ヒロインが戦闘系ならばこうなる、と言うくらい典型的な姐さん肌だが、色恋には絶滅種ほどの奥手というさぶいぼ全開なキャラ。
ポップの思い人で、ポップに惚れているメルルというキャラと三角関係にあり、唯一恋愛色のあるキャラである。

扇:では、前勇者のアバン。
かつて魔王ハドラーを倒した勇者で、初登場時は暢気にダイとポップの指導をしていた。
間抜けなダテ眼鏡をかけ、おフランスな髪型をしているとぼけた人物だが、飽くまでそれは勇者としての素顔を隠すためのカムフラージュである。
一巻でハドラーのリベンジを受け、いきなり死亡! と思われていたが、最終戦手前で復活、強力なサポート役としてダイ達を引っ張る。
キャラとしては好きなんだけど、キルバーンがこの人に負けたのは今でも納得がいかん。(笑)

鈴:じゃぁ、本作のヒロイン筆頭のレオナ。
職業は賢者で、パプニカ王国の王女。政治的な実力、カリスマなどを備えるが、旅の中では基本的に回復担当。
実力、頭脳など、基本的にデキル王女さまの典型的なキャラで、主人公のダイとくっつくべくしてくっつくためのキャラと言えるが、最終的にくっついてないので、けっこう意外だったりして(笑)

扇:ちなみに、マァムと顔が同じなのは言ってはいけない。(笑)
じゃ、一応最後に敵の元幹部・獣王クロコダイン。
魔王軍の誇る六大団長の一人で、ダイに破れた後に仲間となったリザードマン。
平均年齢がとにかく若いダイのパーティの中にあって、唯一大人の意見が吐ける重要なキャラであり、ヒュンケルが魔族側に引きずられそうになった時も懸命な呼びかけで彼をバックアップした。
同士、通じるものがあったのか、バランやハドラーなど、オヤジ連中からの評価が高い。(笑)
ダイ達の急激なレベルアップに付いていけず、最終戦では二軍落ちを余儀なくされたのが悲しい……でも、いい父親役であった。

鈴:そうねぇ。
いいおっさんキャラだったよなぁ。
ちょっとしたシャレも理解できる大人なキャラだったが、大人なぶんだけレベルアップさせてもらえなかったのがほんとうに残念だ。
つか、ラストで他の連中がけっこう盾になってたりして活躍の場所を与えてもらってただけに、盾としては活躍の場所を最後のほうでも欲しかったねぇ。

扇:そうさね、ミストバーンの爪ぐらいは掴んで欲しかったとこだぁね。
ザボエラ倒した時のジッチャンとの会話は個人的にかなりツボです。
俺ももしかしたらこうなっていたかも……と真面目に考えちゃうとこがいいんだよなぁ。

鈴:……なんか、ふたりしてオヤジ萌えか?(笑)
まぁでも、いいキャラなんだからしょうがないわなぁ。
そう言う意味では、若いキャラばっかで突っ走るだけではなく、いいところで締めてくれるキャラがいて、バランスはよかった、とは言えるんだろうな。

扇:この漫画が人気出た理由の一つだろうな。
そういえば、この漫画の戦いって単純なパワーゲームじゃなくて、子供とオヤジの議論合戦に近いところがあったような気がする。
ラスボスのバーン様も、大魔王に相応しい威厳とスケールを備えてた上に、言ってること自体は筋が通ってたしね。
(もっとも、若返ってかなり格が落ちたが)

鈴:そーねー。
バーンもけっこうラスボスにしては、単に悪役ってだけじゃないとこがあったりして、元ゲーと違って、単にバトルものの勧善懲悪にしてないところもなかなか少年マンガにしては味はあったねぇ。

扇:はて、かなり長くなったのでこの辺でお開きかな。
戦う→倒す→倒した相手が仲間になる、という少年漫画の王道を突っ走っているストーリーですが、それだけでは終わらない非常に味わい深い作品です。
漢っぷり全開のキャラから、ヘタレだけどスポット的に頑張るキャラまで、登場人物の顔ぶれも多彩。通して読むと、意外なキャラが活躍することもあります。
おおっ、何か二週続けてかなりのオススメだぞっ、と微妙に墓穴的なコメントを残しつつ、今日はこの辺で……さようなら~。

鈴:そうね。
キャラは多彩ながら、多彩なりにきっちりと描いている印象だし、ラストまでとラストの引っ張りも、うざったくならないあたり、少年マンガとしては勢いを保ったまま、完結した作品だろうね。
こういうのがもっとたくさん出れば、少年マンガの評価もどんどん上がりそうなんだろうけどねぇ。
ってことで、今回はこの辺で、さよ~なら~
コメント

不思議の国の刑事

2006-07-26 23:22:06 | ミステリ
さて、そろそろミステリが3ケタの大台に乗りそうな第603回は、

タイトル:銀杏坂
著者:松尾由美
文庫名:光文社文庫

であります。

お初の作家さんです。
主人公の刑事が遭遇する不可思議な事件を扱った短編連作ミステリ。
例によって一つずつ感想を述べていきます。

『横縞町綺譚』……中央署の刑事・木崎は後輩の吉村とともに、横縞町で起こった盗難事件の捜査を行うことになった。現場は、幽霊が住み着いていると言われるアパート『さつき荘』。しかし、住人達は皆その存在を信じていて――。
イチオシ。白昼堂々と幽霊が登場するにも関わらず、その存在にまったく違和感を感じさせない雰囲気作りが素晴らしい。一見するとファンタジーだが、ミステリとしても納得のいく出来となっているのもかなり好み。幽霊の儚さと、控えめな優しさが光る逸品である。

『銀杏坂』……例の幽霊絡みの事件を解決したことを買われて、木崎は刑事部長に厄介な問題を押しつけられてしまう。彼の親戚の女性が、「自分は明後日に夫を殺す。その前に逮捕して欲しい」と頼んできたと言うのだ――。
いわゆる予言もののストーリーは大まかに、『予言の結果は決して変わらない』『予言の結果は変えることができる』『予言の形を借りた人為的な計画』の三タイプがあるが、そのどれにも属さない作品。状況設定こそ奇抜だが、ちゃんとロジックでケリを付けているのは見事。

『雨月夜』……流通会社の社長が、夜道で背後から襲われた。幸い命に別状はなかったものの、頭蓋骨がへこむほどの重傷である。被害者は意識を回復した直後に、顔も姿も解らない筈の犯人の名を口にするのだが――。
容疑者のアリバイが、いかにも本書らしい根拠に基づいている作品。終盤で某姉が内に隠した心情を吐露する箇所はなかなか面白い。ただし、そこに至るまでがかなり退屈。唐突かつ不気味なラストは好みが別れるだろうが、私は結構好き。

『香爐峰の雪』……十一月も末の午後、木崎は寺院で奇妙な光景を目にする。ビー玉を自分の意志で宙に浮かせる少年と、その側で指示を出す娘。二人は手品の練習をしていると言うのだが――。
珍しく(笑)、殺人事件を取り扱った話。刑務所にいる父の帰りを待つ娘、彼女にだけ心を開く少年、二人のキャラクターを生かし、どこか物悲しい作品に仕上げている。密室物としてどうかと言われると、ちょっと引っかかるが……。

『山上記』……またも、刑事部長が持ち込んできた厄介な仕事を受ける木崎。飛行機から一人の男が消えた謎を解くはめになった彼の前に、以前会った幽霊がたびたび姿を現す――。
事件そのものは枝葉で、木崎と幽霊の接触がメイン。これまで木崎が関わってきた奇妙な事件、及び、幾度も彼の前に姿を現す幽霊についての一つの解釈が提示される。すれ違いを繰り返す二人が、ようやく接触するシーンの盛り上がりは凄まじい。非常に幻想的で、どこか寂しい、本書のトリに相応しい作品である。

なにげなーく手にとってみたのですが、かなりの当たりでした。オススメ。
ミステリを読むというより、現代風のおとぎ話を読む気持ちでお楽しみ下さい。
コメント

タイトル間違えて覚えてました……

2006-07-25 23:34:45 | ミステリ
さて、沖縄行ったことないなぁ、と思う第602回は、

タイトル:珊瑚色ラプソディ
著者:岡嶋二人
文庫名:講談社文庫

であります。

お馴染み、岡嶋二人の長編ミステリです。
結婚式を控えた恋人達が遭遇する、不可解な事件を描きます。

結婚式のため、シドニーから帰国した里見耕三。
だが、空港に迎えに来るはずの白井彩子は、旅行先の沖縄で入院していた。
里見は、成田から大阪、那覇、石富へと飛び、彼女の病院へと向かう。

彩子はどこか様子がおかしかった。
友人の乃梨子と旅行に出かけた筈が、いつのまにか彼女がいなくなったのだと言う。
「解らない」と「乃梨子を探して」を繰り返す恋人を前に、里見は途方に暮れるが――。

サスペンス色の強い作品です。
記憶を一部失っている彩子、姿を消した乃梨子の行方の謎、と序盤の引きは充分。
さらに、里見を付け回す謎の若者も登場し、なにやら不気味な空気が漂い始めます。

極めて自然な流れで、里見は彩子の行動の裏を取ることになります。
しかし、彩子の発言はことごとく事実に反しており、里見は次第に疑心暗鬼に陥っていく。
次々とたたみかけるように謎を提示していく展開は秀逸で、中盤までは一気に読めました。

ただ、里見と彩子が行動を共にすることになる中盤以降はちょっとテンションが下がったかな……。
二人一緒にいるだけでもサスペンス色が薄れるのですが、何より、安全を脅かされているという恐怖が希薄になってしまったのが残念。
特に、最後のオチで明かされる某女性の扱いについては、かなり釈然としないものがありました。(島に渡った時はいかにもみんなで始末しそうな雰囲気だったのに、それはないでしょうよ……)

面白いことは面白いのだけど、ちとパワー不足な感じかな。
ただし、筋はちゃんと通ってるので、そこらへんを気にする方は御安心下さい。



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貴方ならどこの国に行きますか?

2006-07-24 23:33:28 | その他
さて、キリ番なぞくれてやるわ、と吠える第601回は、

タイトル:あなたの知らないガリバー旅行記
著者:阿刀田 高
文庫名:新潮文庫

であります。

初手から大変失礼なことを伺いますが――。

『ガリバー旅行記』を御存知ですか?

知ってるよ、小人族の国に行って縛られたり、巨人族の国でペットにされたりする話でしょ~?
――と答えた貴方、ではその続きは?

もし、始終空ばかり見つめている怪しい人々や、知性溢れる馬達が出てきたことを知らないとしたら、貴方はガリバー旅行記の第一部、第二部しか読んでいないか……あるいは、子供向けに脚色された当たり障りのないおとぎ話の面しか知らないことになります。

船が難破して、気が付いたら小人の国にいました。戦争に巻き込まれたりもしたけど、掌サイズの家畜等、珍しいものを手にして無事帰国出来ました。
船が難破して、気が付いたら巨人の国にいました。ほとんどペット扱いだったけど、それなりに面白い体験をした後、無事に帰国できました。
これだけなら、まぁ、メルヘンと言えないこともありません。

しかぁし! 真のガリバー旅行記は、そんな御子様向けの話ではないのですよ!(力説)

気になる方は、原書を当たってみて下さい。
初手の『リリパット国渡航記』の書き方からして既にメルヘンではありません。
特に、馬の国を訪れる第四部『フウイヌム国渡航記』に至ってはもう、とてもじゃないけど絵本になんてできっこない凄まじさで……。

で、本書はそんなガリバー旅行記の解説本です。
前十二章で、ガリバー旅行記第一部~第四部までの内容、作者であるジョナサン・スウィフトの人物像、その他の著作等について、お喋り口調で解りやすく教えてくれます。

ガリバー読むだけでも解るのですが、スウィフトという人物はかなり変わった性格の持ち主だったようで、それに関する指摘が結構多いのが楽しい。
かなり人間嫌いなんじゃないかと思えるような記述に対するツッコミ、女性嫌いに見えて実は気に入った相手はちゃんとキープしてたのでは? といった推測等々、当のスウィフトに聞いてみたくなるような話が満載。
それと並行して筆者自身のエピソードも数多く語られているため、ガリバーに興味がある方だけでなく、阿刀田ファンも楽しめる内容となっています。

にしても……小人族同士の戦争が当時の世相を如実に反映してたことに気づかなかった私は、かなり抜けているかも知れません。(爆)
卵の割り方の違いから反目し合うというかなりふざけた理由から始まったものなんだけど、宗教絡みの争いなんだから、ちょっと想像すれば解りそうなものなのですが……悔しいっ。
他にも、第二部『ブロブディンナグ国渡航記』が物語として印象が薄いのは何故か? とか、第四部に登場するフウイヌムとヤフーの語源とか、原書読んだ時には気づかなかったことについて色々と勉強させて頂きました。

ちょっと読みづらかったり、退屈な部分もあるガリバー旅行記を面白い作品に変えてくれます、オススメ。
『ギリシャ神話を知っていますか』にも手を出してみようかなぁ~。
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初めて聞く文庫だ

2006-07-23 19:40:53 | 小説全般
さて、キリ番ゲットぉっ! って自分で言ってどうするとひとりで突っ込むの第600回は、

タイトル:賄い屋
著者;日貫瑞穂
出版社:彩図社ぶんりき文庫

であります。

よくアマゾンにあったなと言うくらい、まったく聞いたことがない出版社のまったく知らない文庫の短編集であります。
表題作を含む3編の恋愛小説が収録されており、例のごとく各話ごとに。

「賄い屋」
コンパなどで場を盛り上げ、スムーズに進行させる賄い屋と言う仕事を職業のひとつとしている派遣社員の佐藤は、ある田舎町で行われる町主宰のお見合いパーティで賄い屋の仕事をすることとなった。
都会でのコンパなどではない重い仕事に、お役所仕事のお堅いパーティ計画にうんざりしながらも、結婚を望む20~40代の男たちのために、イベントの見直しや情報収集などを通じ、パーティの成功とカップルの誕生に向けて佐藤は賄い屋として辣腕を振るう。

そんな中でお見合いパーティに応募してきたバツイチで4歳になる女の子を持つ頼子に惹かれる佐藤は……。

「月光のさざ波」
目や耳がやや悪いことから中学では特殊学級に籍を置いていた宗佑は、おなじ特殊学級のクラスメイトで、やや知恵遅れでゆったりとした話し方が特徴的な千代子と再会する。
釣りに誘ったことをきっかけに千代子と付き合うようになった宗佑は、しかし様々に渦巻く思いから千代子に対し、粗暴な面を見せたりするようになり、ある日の海水浴兼釣りに出かけた日の些細な諍いを境に逢わなくなってしまう。

だが、理由もわからない千代子の入院を機に、宗佑はようやく千代子とのことを決意する。

「夏のかほり」
短大を卒業し、OLをしていた静香は都会の生活に何かいい知れない不安から、会社を辞め、両親ともケンカをしたまま、1年の農業実習を経て、ある田舎町の農家に住み込みで農業に従事していた。
その農家を訪れる獣医の透に惹かれていた静香だったが、すでに恋人がいることは知っていた。だが、青年会が行う夏祭りの出し物の会議から急速に接近することとなり……。

総評としては、どれもこれもその辺にいくらでも転がっている路傍の石レベルの恋愛短編で、取り立てておもしろいエピソードやネタがあるわけでもない。
短編としてはきちんとオチはつけられており、ストーリーなども定番で、安心して読めると言えば読めるが、それ以上のものはまったく期待できない。

文章はふつうだが、話し言葉の部分に読点を多用するなど、特徴的なところはあるが、それがとてつもなく読みにくく、何らかの意味を狙っているのだろうがうざったいだけ。
ストーリーは平凡だし、文章上の特徴は気に入らないしでいいところがないようだが、いいところは……見当たらんな……(爆)

まぁ、あえて言うならばどれもあっさりとしたどろどろ感のない恋愛小説なので、そういう綺麗な話が好きなひとならばどうぞ、と言ったところだろうね。
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マイナー好き?

2006-07-22 18:42:05 | マンガ(少女漫画)
さて、趣味ですの第599回は、

タイトル:みらい渾天儀
著者:天原ふおん
出版社:白泉社花とゆめコミックス

であります。

高校生になった未来はある朝に、アルバイトをするしないで両親と言い合いになったまま、登校する。
その途中、交通事故に遭ってしまう。

次に目が覚めたとき、未来が寝かされていたベッドで出会った少年ヤトは、未来にその巨躯を横たえ、死んでいる竜の姿を見せつけ、自らも小さな竜となって去っていく。
未来が目覚めたのは、実際に生きていた現代から400年後の地球で、交通事故で植物状態だったところをヤトの母竜アイラの心臓を移植することで未来は目覚めることができた、と言うことだった。

一度滅びかけた人類にとって、竜は神の使いで、その心臓によって生き返った未来は半神半人の竜人として崇められる存在に。
しかし、目が覚めるまでは高校生になってしばらくしただけの未来に、突然竜人としての生活がこなせるわけもなく……。

そんな戸惑いと混乱の中でアイラの子であるヤトや、おなじ竜人の湖影、レキ、そして他国のテュールと言った仲間たちとともに、未来は竜人として400年後の世界で生きることを決意する。

えーっと、ちょっとばかしファンタジックな要素の入った著者相変わらずの作品で、舞台はいちおう400年後の地球ということにはなっているけれど、SFとはまず言えないだろうねぇ。
竜も宇宙生物という説明がちょろっとあるが、まぁ、その辺を深く追求してはいけないのは、いつものこと(笑)

さて、ストーリーとしては4話完結の短編連作。
第1話は未来が目覚めてからヤトと理解を深めるまで。
第2話は竜人とのしての初めての大きな舞台でのエピソードを中心に、ラブコメ要素の要となるテュールの登場編。
第3話は辺境への視察と言うエピソードの中でテュールとの絡みが中心。
完結編の第4話はヤトの父の白竜が登場し、現代へ戻れると言う選択肢を示し、そうした中から未来が400年後の世界で竜人として生きる決意を固めるまでのお話。

まぁ、人外の存在が出てくるくらいでお約束満載のマンガではあるんだが、なんか知らないけど、このひとのマンガは好きなんだよねぇ。
すでに10冊以上の単行本を出しているが、基本的に主人公を始め、キャラの顔はぜんぜん変わらない(=描き分けが出来ない)し、ストーリー展開はほぼ共通。
主人公の女の子はとんでもない事態に巻き込まれることが多々あり、それぞれにいろんな悩みをいろんな相手やエピソードの中で克服するのだが、絵柄のせいか、それもどこか柔らかい雰囲気の中にあって、そう深刻な感じがしないんだよね。
……ってなんかぜんぜん褒めてないな、好きな割には……(笑)

ま、まぁ、基本線はお約束で安心できるし、なんとな~くほっと出来る雰囲気のある作品を多数出してくれるひとなので、個人的にはほんとうに好きなのよっ(笑)
オススメ出来るかどうかと言う意味では、微妙なところではあるんだけどね。



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