思い出の釣り・これからの釣り

欧州の釣り、竹竿、その他、その時々の徒然の思いを綴るつもりです

Grey Duster

2023-02-19 23:06:58 | 毛針/Flies

Grey Dusterは日本では話題になることの殆どない毛鉤ではないかと思います。
A. Courtney Williams氏のA Dictionary of Trout Fliesの中で氏は、この毛鉤に出会ったのはウェールズの山岳渓流を釣っている時に地元の釣り師から魚を釣るのに唯一必要なパターンであると言われたものであった旨紹介し、一部の例外を除きどの川でも効果的で、且つ、メイフライの時期の前には特に効果的で、大きな鉤に巻けば通常のメイフライパターンよりも良く釣れると著しております。

この毛鉤のレシピは:
Tying silk: Brown.
Body: Dubbed with light rabbit's fur, sometimes mixed with a modicum of blue.
Hackle: Badger hackle, well-marked with a black centre and thite list.
Hook: 12 to 14. Larger for lakes.
今回は、Frank Elder氏が残したバジャー・ハックルを使ってGrey Dusterを巻いてみました。

鉤は14番。古い鉤ですが、Forged Hookという一番一般的な鉤を使います。

シルクも古い英国のもの。多少明るいトーンのブラウンです。

テイルは付けなくても良いのですが、バジャーのテイルを付けラビットファーの特にブルーグレイの部分をダビングします。

ハックルは一枚。巻いた後に色のコントラストが良く出る様なハックルを選びます。完成したのが冒頭の写真のもの。この毛鉤はハッキリとしたコントラストを持つハックルにグレイのボディというのが特徴ですが、それでは一体何故それが釣れるのか?
同じようにグレイのボディを持ち釣れると言われる毛鉤としては、Adams、Kite's Imperial、Iron Blue等が頭に浮かびますが、魚が紫外線を識別するという事実より以前紫外線ライトで実験した際に、グレイは紫外線を一番反射し全体的に紫色に光るという結果が何か関係しているのでは無いかと現時点では推測しております。確か、塩辛トンボだったかが、表面に纏う蝋のような成分のため陽光下では紫に光るというような話を読んだことがありますが、鱒が捕食する虫の中にも紫に輝くものがいて、紫外線下でグレイが紫に光るのがそのイミテーションになっているのでは無いかというのが私の推測。

2017年5月のメイフライの時期にフランスのノルマンディーはリール(Risle)川で鱒釣りをしたのですが、その際には大型の鉤にGrey Dusterを巻いたものを持参しました。

そしてGrey Dusterをチョークストリームに乗せて流してやると、散々毛鉤に虐められているリール川の鱒もドライフライにパックりと出てくれて愉しい一時を過ごすことが出来たものです。モロッコの川のfaunaは全く解らないのでどうなるかですが、3月の鱒釣り解禁後、どこかの川でGrey Dusterを試してみたいと思っております。


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