思い出の釣り・これからの釣り

欧州の釣り、竹竿、その他、その時々の徒然の思いを綴るつもりです

新潟の小渓での釣り(2024年5月3日)

2024-05-04 16:53:24 | 釣行記/Fishing Trips

5月3日、帰国して初めての国内での釣りに行ってまいりました。
向かったのは新潟の小渓。亡くなって既に四半世紀が経つ祖父母が昔住んでいた町の山奥にある小さな渓流です。

帰国後最初の釣りは放流魚ではない天然イワナで、と思っていたのでそこに向かった訳です。対象魚は大きくないので竿はF.E.Thomas Special 8'。これはHardyのMarvel 7'6''も青ざめるペナペナ竿。それにPflugerのMedalistリールとAFTM 3のシルクライン。

で、こんな誰も知らない川に釣りにくる奇特な人はいないだろうと思ったのが大間違い。渓に降りるとそこには釣り人のものと思われる足跡があり、また、水量はごく僅か。そんな渓流をドライフライで魚がいそうなところを叩きながら上流を目指しますが、魚信はなく徒労感が徐々に心を蝕みます。
暫く行くと結構水量のある淵に行きつきました。偏光レンズを通して見ると水底に魚が居るのが判りました。
そこでウェットフライ、ニンフと手を替え品を替え攻めますが、魚が毛鉤に触れた兆候は全く無く、老眼をおして替えたり作り変えた仕掛けも無駄な作業となりました。

淵を諦め、上流に登っていくとそこには堰堤が立ちはだかります。堰堤の落ち込みには水は少なく、そこでも試してみましたが、魚の感触はゼロ。

堰堤の上に登り、更に渓を見てみましたが、今年孵化したと思われる鱒類の子がかなりいて、その中には数cmの大きでパーマークがはっきり出ているものもあり、渓が堰堤で分断されても上流部に魚が生息していることが見て取れました。
いずれにせよ、釣りになりそうも無いので、林道に上がると青木ノ滝という標識がありました。その方に向かって歩いてみましたが、渓に降りるには藪漕ぎをしなければならず、蛭が出るこの谷で無駄に動き回るのも気味が悪く、滝の見学はパスします。

標識の場所から下流に向かい林道を歩くと鳥居がありました。登山道の入り口でしょうか。

徒労感を抱えて林道を下ると、川から数メートルの林道より、田んぼへの水を取るために作られた小堰堤の下の淵に魚が数匹いるのを発見。

最後の望みとドライフライ、ニンフと投入し魚の興味を探りますが、流れが殆ど無い水面と、その下で相当警戒心の強くなっている魚を振り向かせることは出来ません。そこで、オレンジ色のシルクボディにブルーダンのヘンハックルを纏わせたソフトハックルを細いシルクラインでふわりと落とし水面直下を引いてやるとようやくイワナがそれにアタック。一匹かけF.E.Thomas竿を満月にしならせながら、数メートル上の林道に上げようとすると途中で鉤が外れバラしてしまいました。
この場所で釣れなければもう後がないので、場所を暫く休めて観察すると、ファイトの後岩陰に一斉に隠れた魚達がまた隠れ家から出てきて泳ぎ始めたので、同じようにブルーダンのヘンハックルを柔らかく動かしながら毛鉤を引いていくとイワナがもう一匹アタック。
それを今度はバラさないように慎重にやり取りしながら竿を満月にしならせ林道まで上げたのがこのイワナ。モロッコ北部でカバーを無くしたネットに納め魚体を傷つけないように気を付けます。
20cmにも満たないこのイワナが帰国後初の魚となりました。
さて、今年はどんな釣りが待っているのでしょうか。


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2 コメント

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小渓流の魅力 (flyukulele)
2024-05-15 17:12:28
こんにちは。小渓流は、独特の魅力がありますね。森の中を歩き、水辺に立つだけで、ぜいたくな気分になれます。さらに、魚の反応があれば、来てよかったーと、手を合わせたくなります。
そんな小渓流の魚は、どこか気品がありますね。数やサイズを追い求めるだけじゃ、釣りはつまらないです。
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自然の鱒 (budsek)
2024-05-18 09:47:48
flyukulele様
コメントを頂き大変ありがとうございました。
電車で行ける東京近郊の釣り場は全てと言って過言ではないと思いますが、漁協など人の手が入ったところで釣り人も多く、それはそれで大物がかかったり数釣りが出来たり楽しいのですが、帰国後初の釣りは人のいない場所で天然に近い鱒を釣りたいと思っておりました。
わざわざ新幹線とレンタカーを使って訪れ、釣れたのはお子様サイズのイワナでしたが、新緑の中それはそれで満足出来る釣行でした。
未だ業務多忙で週末は早起き出来る根性がなくその後の釣りは出来ておりませんが、竹竿と釣りを愉しんでいきたいと思います。
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