原色のストリップを使ったマリードウィングを持つ毛鉤はサーモン、シートラウト用の毛鉤に多くありますが、一般にはアトラクターとして認識され分類されているものと思います。
上の毛鉤は前回Etrachseeで使ったRamsbottom's Favouriteですが、水に濡れたウィングは原色の派手さは見られず、マラードの下に水に濡れ黒みがかった赤・黄・青のウィングがチラリと見える様は生命の躍動が生む生き物の体色を表しているように思えます。
この写真のRamsbottom's Favouriteは上と同じものかどうか定かではありませんが、実釣で何匹も魚をかけたもの。乾いた状態ですと如何にもアトラクターという感じで生き物のイミテーションと言われてもピンと来ません。そのRamsbottom's Favouriteのレシピは:
Body: Yellow seal's fur, ribbed with gold twist
Tail: Red ibis feather
Hackle: Coch-y-bondhu
Wings: Mixed red, yellow and blue dyed swan feathers mallard over
というものですが、沢田賢一郎氏のウェットフライのパターン本で紹介されているものはマラードが付いておりません。水で濡らした際、生き物らしさを表すのがマラードなのでこれを省くことは避けなければならないと強く思います。
この「Ramsbottom氏のお気に入り」は私のお気に入りでもあり、過去数年に亘り大物鱒を釣り上げて来ました。上のブルックトラウトは前回釣行時のものですが体高があり太った魚で10フィートのGold Medalという強い竿でも中々タモに入れるのに難儀した魚でした。
上の写真は2020年11月の会津大川で釣った60cmの虹鱒。これもRamsbottom's Favouriteを咥えた魚。
これは昨年10月末の箱根早川での58cm。同じパターンの毛鉤での釣果。
ただのアトラクターで大鱒を含む魚達が多く釣れるのでしょうか?私には魚はこの毛鉤を何らかの虫か魚のイミテーションとして見ているのではないかという思いを払拭出来ません。人間の目で乾いた状態のものを見てこれはアトラクターと分類しても、水に濡れた状態では色が変わりますし、更に魚が認識する紫外線の影響も考慮する必要があるかも知れません。一般に言われるアトラクターとイミテーションの間には案外余り差がないのかも知れないと思っております。
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