秋のグレーリング釣り
鱒というのはサケ科に属する魚で、サケ科は大きく分けるとサケとマスに分類されます。マスと言えば、日本では、イワナ、ヤマメ、アマゴ、イワナが海に下ったアメマス、ヤマメが海に下ったサクラ鱒、アマゴが海に下ったサツキ鱒、北米原産のニジマスが知られています。ところが、世界的に見ると日本には居ないけれどもシベリアからヨーロッパ、北米にかけて広く住んでいるマスの仲間がいます。それが、グレーリングです。
グレーリング(Grayling)は英語名で、ドイツ語ではエーシェ(Aesche)、フランス語では(l’ombre)という名前です。特長は、マス族にしては小さな口、一方広げるととても大きな背びれ(ドイツ語ではFahne:旗と呼ぶほど大きいひれです)、マスでは殆ど目立たないウロコがコイ科の魚のように大きい事でしょうか。また、アユのような香りがするのも特徴です。陽気で餌に飛びつくニジマスとは違い、フランス語の「影(l’ombre)」という名前の如く、餌を食わせるのに一苦労する魚で、川の特定の流れに沿って流れてくる餌しか食べない、また、餌に不自然な動きがあると食ってくれないという気難し屋です。
そのグレーリングが比較的釣りやすくなるのがヨーロッパの秋。10月末そのグレーリングを狙いにオーストリアの山中へ向かいました。
参加したのは釣り部創部時の2名、どんな逆境でもめげないと自称するハードコア・メンバーのNさんと私です。10月末の山ですから、雪、氷は覚悟の上。ハンガリーからオーストリアへ入ります。山は白く、途中早めの昼食をとったパーキングは新雪に埋もれてます。
「気温が低くてもお日様さえ出れば釣りになる!!」
とお互い気合を入れて(慰めあいながら?)道を急ぎます。
ホテルにつき、事前手配の釣り券を購入し更に川へ向かいます。気温は低いものの太陽は出ていて、水面には魚の跳ね(ライズ)がそこここに見られます。
グレーリング釣りでは、小さい毛鉤が必須です。川を横切るように対岸めがけて毛鉤を投げ、毛鉤が自然に流れるよう糸をくれたり縮めたり操作しながら、下流に流します。毛鉤が視界から外れかかったところで魚が跳ねます。
「かかった!!」
下流に流しており流れの重みが加わってますので、アワセを軽くしないとハリスが切れてしまいます。細心のアワセで魚をかけ、竹竿の弾力を生かし慎重にやりとり、取り込みます。
最初のグレーリングを釣った後が続きません。水面への跳ねは続いているので何か羽虫を食べているのですが、それがなにか判らない状況が続きます。
「何を食っているのかな。。。」ふと、水から上げた毛鉤を見ると何か黒いゴミのようなものが付いてます。よく見るとかなり小さな黒っぽいカゲロウです。魚が食っているのはその虫に違いありません。
毛鉤箱から「Snipe & Purple」という毛鉤を選び結びます。これは紫の絹糸のボディーに英語でスナイプと呼ばれる小鳥の胸毛をハラリと結んだだけのシンプルな毛鉤で、英国北部発祥、通称「Northern Country Spider Fly」と言われる毛鉤です。色合いとサイズからして今見たカゲロウに一番近い毛鉤です。
対岸めがけて投げ、毛鉤を下流に流します。
毛鉤はすっかり沈んでいるので目で追う事は出来ません。竿先にくる感触と第六感が頼りです。30ヤード程糸が出てこれ以上流せないところで魚の気配を感じます。軽くアワセを入れると竿先がグッとしなります。
グレーリングはニジマスに比べるとひれが弱いのか取り込みは楽です。慎重に取り込んだのは38cmのメスでした。
(拡大:クリック)
気温は3度程度、水温も低く、Nさんも当方も体はがちがちに凍えてます。その日は5時で釣りを終えホテルに帰り、厨房に魚を渡します。「ヘア xxxx、アーバー シェーネ フィッシェ!!(xxさん、いやまあ、立派な魚だこと!!)」
Nさんとサウナで体を解凍した後、新鮮なグレーリングのグリルで一杯やりました。
次の日はお日様の顔を見ることが出来ず、魚のライズもない厳しい状況でしたが、貧果のまま3時まで粘り、がちがちに凍った体のままブダペストへ帰りました。
(拡大:クリック)
ハードコアのNさんとは11月の第三週の週末、別のオーストリアの川で釣りをする約束でしたが、その前に雪が降り、予約した宿からも来ないほうがいいと説得され、やむなく断念しました。
寒い時期の釣り修行、それがグレーリング釣りです。体が凍えても釣りをしたいハードな皆様、一度如何でしょうか。
鱒というのはサケ科に属する魚で、サケ科は大きく分けるとサケとマスに分類されます。マスと言えば、日本では、イワナ、ヤマメ、アマゴ、イワナが海に下ったアメマス、ヤマメが海に下ったサクラ鱒、アマゴが海に下ったサツキ鱒、北米原産のニジマスが知られています。ところが、世界的に見ると日本には居ないけれどもシベリアからヨーロッパ、北米にかけて広く住んでいるマスの仲間がいます。それが、グレーリングです。
グレーリング(Grayling)は英語名で、ドイツ語ではエーシェ(Aesche)、フランス語では(l’ombre)という名前です。特長は、マス族にしては小さな口、一方広げるととても大きな背びれ(ドイツ語ではFahne:旗と呼ぶほど大きいひれです)、マスでは殆ど目立たないウロコがコイ科の魚のように大きい事でしょうか。また、アユのような香りがするのも特徴です。陽気で餌に飛びつくニジマスとは違い、フランス語の「影(l’ombre)」という名前の如く、餌を食わせるのに一苦労する魚で、川の特定の流れに沿って流れてくる餌しか食べない、また、餌に不自然な動きがあると食ってくれないという気難し屋です。
そのグレーリングが比較的釣りやすくなるのがヨーロッパの秋。10月末そのグレーリングを狙いにオーストリアの山中へ向かいました。
参加したのは釣り部創部時の2名、どんな逆境でもめげないと自称するハードコア・メンバーのNさんと私です。10月末の山ですから、雪、氷は覚悟の上。ハンガリーからオーストリアへ入ります。山は白く、途中早めの昼食をとったパーキングは新雪に埋もれてます。
「気温が低くてもお日様さえ出れば釣りになる!!」
とお互い気合を入れて(慰めあいながら?)道を急ぎます。
ホテルにつき、事前手配の釣り券を購入し更に川へ向かいます。気温は低いものの太陽は出ていて、水面には魚の跳ね(ライズ)がそこここに見られます。
グレーリング釣りでは、小さい毛鉤が必須です。川を横切るように対岸めがけて毛鉤を投げ、毛鉤が自然に流れるよう糸をくれたり縮めたり操作しながら、下流に流します。毛鉤が視界から外れかかったところで魚が跳ねます。
「かかった!!」
下流に流しており流れの重みが加わってますので、アワセを軽くしないとハリスが切れてしまいます。細心のアワセで魚をかけ、竹竿の弾力を生かし慎重にやりとり、取り込みます。
最初のグレーリングを釣った後が続きません。水面への跳ねは続いているので何か羽虫を食べているのですが、それがなにか判らない状況が続きます。
「何を食っているのかな。。。」ふと、水から上げた毛鉤を見ると何か黒いゴミのようなものが付いてます。よく見るとかなり小さな黒っぽいカゲロウです。魚が食っているのはその虫に違いありません。
毛鉤箱から「Snipe & Purple」という毛鉤を選び結びます。これは紫の絹糸のボディーに英語でスナイプと呼ばれる小鳥の胸毛をハラリと結んだだけのシンプルな毛鉤で、英国北部発祥、通称「Northern Country Spider Fly」と言われる毛鉤です。色合いとサイズからして今見たカゲロウに一番近い毛鉤です。
対岸めがけて投げ、毛鉤を下流に流します。
毛鉤はすっかり沈んでいるので目で追う事は出来ません。竿先にくる感触と第六感が頼りです。30ヤード程糸が出てこれ以上流せないところで魚の気配を感じます。軽くアワセを入れると竿先がグッとしなります。
グレーリングはニジマスに比べるとひれが弱いのか取り込みは楽です。慎重に取り込んだのは38cmのメスでした。
(拡大:クリック)
気温は3度程度、水温も低く、Nさんも当方も体はがちがちに凍えてます。その日は5時で釣りを終えホテルに帰り、厨房に魚を渡します。「ヘア xxxx、アーバー シェーネ フィッシェ!!(xxさん、いやまあ、立派な魚だこと!!)」
Nさんとサウナで体を解凍した後、新鮮なグレーリングのグリルで一杯やりました。
次の日はお日様の顔を見ることが出来ず、魚のライズもない厳しい状況でしたが、貧果のまま3時まで粘り、がちがちに凍った体のままブダペストへ帰りました。
(拡大:クリック)
ハードコアのNさんとは11月の第三週の週末、別のオーストリアの川で釣りをする約束でしたが、その前に雪が降り、予約した宿からも来ないほうがいいと説得され、やむなく断念しました。
寒い時期の釣り修行、それがグレーリング釣りです。体が凍えても釣りをしたいハードな皆様、一度如何でしょうか。
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