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思い出の釣り・これからの釣り

欧州の釣り、竹竿、その他、その時々の徒然の思いを綴るつもりです

ノルマンディーRisle川釣行・Le Roy Moulin(2017年6月9日〜10日)

2017-06-12 22:58:18 | 欧州釣行記/Fishing Trips in Europe

先月に引き続きノルマンディーのチョークストリームRisle(リール)川へ釣りに行ってきました。
パリのオルリー空港は日本の皆さんには馴染みがないかと思いますが、シャルル・ド・ゴール空港よりもパリ市内に近く、また、ノルマンディーに車で行くにも便利。チュニスエアはエール・フランスと違いオルリー発着なので、チュニスエアを選択。夜8時ちょっと前にオルリー空港からレンタカーで出発、夜10時過ぎにGlos sur Risleにある宿Le Roy Moulinへ到着です。
この宿は敷地内を流れる太い流れとその支流のRisle川の釣魚権を持っていて、そこで釣りを出来るのは宿泊者のみ。マダムは仏・英・独が出来る事もあり、仏、英、伊、米、豪、等等からの宿泊実績がある宿。過去、小生の前にも日本人のご夫婦が宿泊した事があるとマダムから聞きました。

今回は日本式で言う3階の部屋。写真で見ると一番左上の窓のある部屋です。

宿の前の芝生を越えればそこはRisle川の太い流れ。夕刻にはここでもたまに大きなライズがありました。

さて、6月9日の釣りですが、日中はライズなし。羽化も前回5月よりも少なく、どうしたのかと聞いたら、数日前に激しい雷雨があり川の状況が大分変わってしまったとの話。こういう逆境は過去も何回か経験してますので、諦観し、その状況でなにが出来るか考える事にしました。支流の方では日中ニンフに二回出たのですが、何と途中で二匹とも逃げられるという失態。

そこで夕方、上流の太い流れの方に行き運試ししました。Spent Gnat (死んだメイフライのスピナー)が流れてきたり、メイフライのダンが水面を流れたりと期待させられましたが、結論より言えばライズなし。
6月9日は結局一匹も釣れずに撃沈でした。
その日は夜10時半くらいから朝2時まで夕食。他に客がいなかったのでマダムと二人で赤ワインと地元名産カルバドスを楽しみ過ぎ大分夜更かししてしまいました。

翌6月10日は昼から支流の方で釣りを開始。水面では羽化も見られず、当然ライズもなし。しかも、週末でもあり上流からカヤックツアーの客が流れてくるという最悪のコンディション。そこで誠に不本意ながら、ニンフを投入する事にしました。使ったのはGrey Goose。グースクイルのファイバー4〜5本とゴールドワイヤだけというシンプルな毛針。それを結び、リーダーには先端を除きグリースを塗って水面に浮かぶ様にし、毛針を投げた後はリーダーの動きを注視します。

そうすると、写真右側の木の下の影になっている水面を流れるリーダーに動きがあり、合わせると魚がかかりました。「やった」と今度は逃がさない様に慎重に取り込んだのは何と虹鱒。放流魚は一匹も入れていないとマダムは言ってましたので、虹鱒もRisle川で既に定着しているという事でしょう。
因に、Risleを英米人は「リスル」と発音するけれど、Ris-leと分けて「リール」と発音する事、また昔は綴りが異なっていて、Ryleだった事もある事、宿の名前 Le Roy MoulinのRoy(王)は今の綴りのRoiとは違うけど昔の綴りのままな事、同じ様なLe Royを付けた名前が近所に多くあるので、昔は王様の通る道筋に当たっていたのではないかと思われる事、等等、どうでもいいのでしょうが、興味あるお話をマダムから伺いました。

それからライズを求め午後上流から下流まで歩きましたが、何も起こらず、一旦宿に戻り休息後夜7時から最下流の堰の下の流れで釣る事にしました。そこは背後に高い草と木があるため投げるのが非常に煩わしいところですが、何とか毛針を投げて流すと、川藻の上の水面に鱒の頭が出て丁度流していた10番のGrey Dusterを咥えました。大きなサイズのGrey Dusterはメイフライのイミテーションとしてもっと手の込んだパターンがダメでも威力を発揮すると聞いたので使った次第。
その魚、鈎がかりした後即川藻の中に逃げ込み、結局リーダーも川藻に巻き付いて魚を取り込む目処もなくなりました。仕方なく力任せに引っ張りティペットの接続部分が切れて取りあえず釣りに戻る事が出来ましたが、川藻に逃げ込む事を忘れていたのは私の完全な失態です。
多分今回の一番大きな鱒(頭が結構大きく見えたので)を失ったショックから立ち上がれないまま、French Partridge May Flyを結びより上流に投げると水面が割れ毛針を咥えました。合わせるとこれはブラウントラウトの引き。今回は慎重にやり取りして釣り上げたのが上の鱒です。

今回もオーストリアに比べれば貧果になりましたが、チョークストリームでクラッシックな釣りをするという経験に感謝です。宿に戻れば宿の大型犬ルルがお出迎え。

大型犬に飛びつかれると結構大変ですが、お転婆のルルは全く構わず飛びついてくるのでした。
尚、犬嫌いの宿泊者が居ればルルは部屋に閉じ込めておくそうですので、心配無用です。

ノルマンディーRisle川釣行(2017年5月20日)

2017-05-27 12:44:38 | 欧州釣行記/Fishing Trips in Europe
5月はメイフライ(May Fly: 5月の羽虫)の季節です。
5月の中旬から6月の初旬くらいまでの間、フランスはノルマンディーのチョークストリームRisle(リール)川、そして、オーストリアはウィーンから車で30分程度のチョークストリームFischa(フィッシャ)川ではメイフライが飛び交います。過去3年間ノルマンディーでは鱒を釣ること能わず、苦杯を嘗めてきたので、どうしようか本当に悩みましたが、何より竿を振るのが大事と割り切り、再度ノルマンディーのRisle川に挑戦することにしました。

5月19日早朝チュニスを出発、パリのオルリー空港ではパスポートコントロールでかなり時間をくいましたが、漸く突破し、レンタカーを借りお昼くらいに出発。そこから2時間半程でGlos sur Risleにある今回の宿Le Roy Moulinに到着しました。この宿はRisle川にプライベート釣区を持っているので、これまで挑戦して挫折したRisle川のパブリック釣区よりも確率が高いだろうという算段です。
この宿の釣区ですが、シャルル・リッツが足しげく通ったRisleのAclou釣区よりも数キロメートル下流になり、Aclou釣区の脇を通る鉄道も本釣区の直ぐ側を通っておりました。

到着した5月19日は雨。荷物を開けたら、何と、テレスコピックタモを忘れてきたので、Pont Audemerの馴染みのスポーツ用品店Decathlonへ行きテレスコピックタモを購入。何と、9.99ユーロという激安価格。勿論Made in Chinaですが、兎に角タモを入手し安心しました。
その晩は宿で夕食することにし、同宿の釣り人が帰ってきた夜10時よりようやく夕食です。同席の客は、ロンドンの金融業者という英国人2人、アミアンからというフランス人1人。そこに宿のマダム、といっても小生よりも若いのですが、が加わり、5人で食卓を囲みました。
英国人は3日宿泊したそうで、「Did you have good sport?」と聞いたところ、木曜日のイブニングライズは素晴らしかったけれど、今日は夕方になっても全く跳ねがなく、惨敗したと残念そうでした。魚を数上げる、或は大きな魚を捕獲するということだけではなく、魚釣りというスポーツを楽しんだか、という意味での質問でしたが、今日は何も釣れなかったけど、good sportだった、と総括して頂きました。
その晩は皆で話が弾み、赤ワインを一体何本空けたか良く覚えておりませんが、夜は1時まで食事が続きました。

翌日は快晴。宿の3階の部屋からRisle川を望みます。

昨晩は長かったので、マダムも漸く10時に朝食の支度。二日酔いでドロンとした英国人と元気はつらつなフランス人の釣り人と一緒にバゲット、クロワッサンを平らげコーヒーを楽しみ11時半頃釣り場に出かけました。そう言えば、英国の2人は実家が英国のチョークストリームLambournの川岸にあり、子供の頃から親と一緒にそこで毛針釣りをしていたそうですが、英国チョークストリームの総本山Testの現状を非常に嘆いておりました。曰く、日釣り券を高く売っているが故に、釣り人に大きな魚を釣らせなければならないと、野生の魚ではなく2ポンドもある養殖魚をバンバン放流して、もう野生の魚は殆どいないとのこと。でも、彼らの故郷のLambournは全部野生の魚と自慢しておりました。そして、このRisleの魚もまた貴重な野生の魚だと。
残念ながら川は濁り魚の姿は見えず、また、跳ねも全くありません。

そんな状況の中、兎に角、釣り場の探索ということで上流から下流へと跳ねを探しながら歩きます。川ではカゲロウの羽化が散発的にあり、Blue Winged Oliveの鮮やかな羽化したてのダン等奇麗な羽虫も居ましたが、この時期特徴的なAlderがヘタクソに飛んでおりました。写真がそれですが、どうむうまく撮影出来ず残念です。このAlderですが、トビケラの仲間ではありません。羽は斑の入った透明で、毛は生えてません。この虫ですが、何故か魚は好むようで、オーストリアの爆釣の湖Etrachsee(エトラッハゼー)でも6月〜7月にかけAlderが飛びます。その時、Snipe and Purpleを魚に投げるとAlderと間違えるのか良く釣れるという経験を数回しました。

さて、跳ねの無いまま、日は過ぎて行き午後5時を回りました。英国人も言っていたようにそろそろイブニング・ライズが期待出来るかとそれらしい場所に向かいます、

すると、対岸に馬と羊が放し飼いにされている区間で、川藻のあるところでライズが始まりました。
川には大型のMay Flyがそれこそパタパタという感じて飛んでます。そこに白っぽいカゲロウの羽化も混じっているようです。
そういう場合に効くだろうと、事前に用意して来たGrey Dusterを結びライズの上流に投げ込みました、

このGrey Dusterですが、黒がハッキリ入ったBadgerをハックルとテイルに使い、ボディはヘアのファーという簡単な毛針。しかし、英国では1930年代には既に万能ドライフライとして良く知られたもの。日本では見ることがほぼ無い毛針ですが、Badgerハックルは見やすくかつ一般に品質が良いので毛針が高く浮き、それもこの毛針の性能に寄与しているように感じます

さて、Grey Dusterをライズの上流に投げ込んで、毛針がライズのあった場所の付近に辿り着くと、「バシャ」と毛針に魚がアタック。ムンとアワセをくれると、魚の躍動感がPezon et MichelのSawyer Nymph竿を通じて伝わって来ます。
やった、苦節4年、漸くノルマンディー、いえいえ、フランスで最初の鱒です。
それは奇麗なブラウントラウトで、9.99ユーロの中国製激安タモに収まったのでした。
それから、French Partridge May Flyに毛針を替え、更にブラウントラウトを釣り上げます。写真の魚は大型のMay Fly鈎を咥えたその魚。

May Flyが泥と粘液で使い物にならなくなったため、また、新手のGrey Dusterに取り替えてライズを狙います。昔リッツのA Fly Fisher's Lifeで、ノルマンディーのチョークストリームをエレガントに釣る英国紳士が一匹も釣れないのに業を煮やしたリッツが、「フランスの鱒は短気なので、ライズしたら直に毛針をプレゼントしないとだめなんですよ」と説明したというエピソードを思い出し、こちらもライズを見たら直に毛針を打ち込みます。

流石に、夕刻7時半を回ると、ライズも少なく成ってきました。

空はまだ明るいですが、今日はもうそろそろ手じまいのようです。

最後に散発したライズを狙い夕方8時過ぎに最後の一匹を釣り上げました。

魚は小さかったですが、ライズを待ち、ドライフライで魚を釣り上げるという、期待通りの、それこそ英国人の言う「Good Sport」を楽しむことが出来ました。
Le Roy Moulinの釣り場ですが、最上流の大きな流れに立ちこんでMay Flyを流すと、超大物も釣れるそうです。釣りの後の夕食で別のフランス人釣り師から去年の大物鱒の写真を見せてもらいました。
これは、チュニジアがラマダンで仕事にならなくなる6月にでも再挑戦しましょうか。。。

ドライフライでのグレイリング釣り(2016年9月11日Mur川)

2016-09-21 13:43:53 | 欧州釣行記/Fishing Trips in Europe

ラマダン明けの休日を使って行った7月初めのMur川釣行では、16番のパートリッジのアップアイドライフライ鈎に結んだドライフライにグレイリングがライズしてくれました。グレイリングのドライフライ釣りはフィーディングレーンを外さずに毛針を流す事、毛針先行で先糸を魚に見せない様に流す事と、鱒を釣るよりも気を使う点が多いのですが、流れが緩やかな川で深い川底からグレイリングが水面にスーっと上昇して来て毛針を咥えた瞬間の達成感は中々に心を引きつけて放さないものがあります。グレイリングは必ず水底に定位しているのでこういう光景になるのですが、シャルル・リッツが鱒よりもグレイリング釣りの方が好きだったというのも、一度体験すれば良くわかる気が致します。

9月11日(日)の朝は多少の靄はありますが、晴れ。まずまずの釣り日和です。

ホテルに隣接するMurauer Bier (ムーラウアー・ビアー)の工場建物。ビールを貯蔵するタンクが見えます。

昨日は60歳なのに未だ固さの取れないPerfection 8'で小型毛針にかかったグレイリングを結構釣り落としたので、1938年製のHardy Marvel 7'6''を使います。これは胴調子の竿で大きな魚がかかっても竿全体が曲がって魚の力を吸収してしまうため、バラシが殆ど無い竿です。それに昨日使ったSt. George JuniorとKaizerシルクラインの2番(AFTM 4-5)を合わせます。

いつも入っているのは、Bodendorf漁区の最上流のWandritsch橋(バンドリッチュ・ブリュッケ)の下流100m以内のところですが、そこから数百メートル下流に石の州があり、淵もありましたので、今日はそちらに行ってみました。上の写真は上流のWandritsch橋の方を見たもの。川幅は70m程度に広がり後ろを全く気にせずに毛針を投げられます。

そして、緑の淵の上流には早瀬があります。まずはそこに毛針を流してみます。

すると、第一投から早瀬を流れるOrange Quill 16番に魚がライズ。アワセをくれるとちゃんとのりました。7'6''のMarvelの穂先はグイーんと曲がりミドルセクションも曲がりますが、お陰で例外無くジャンプするここMur川のグレイリングの抵抗も軽くいなしてSharpeのタモに最初のグレイリングが収まりました。最初から30cm超の尺越えサイズです。

その後も尺越えサイズのグレイリングが16番の毛針を次々に攻撃し、78歳のお爺さん(お婆さん?)のMarvelの粘り腰の前に屈服しテレスコピック・タモに誘導されて行きます。

上は本日最大のグレイリング、38cmのものです。他の獲物が早瀬から出たのに対し、この魚は毛針が早瀬を流れきるところで、淵から浮かび上がり毛針を咥えたもの。毛針を咥える前に魚の姿が見えるので興奮しました。

下流の早瀬で尺以上を11匹釣りもうお腹いっぱい。そこで、より流れが緩やかで水深もある橋の近くの区間に戻り水底に潜むグレイリングと対戦する事にしました。後ろのスペースが限定されるので、7'6''のMarvelでは多少厳しいものがありますが、16番の鈎に魚を掛けた後の事を考えると弾力のあるMarvelが一番信頼出来る竿でした。

そこで何投か、川の中心部に小さな毛針を送り込みます。私の下手な腕前ではなかなかグレイリングのお気に召すように毛針を流す事が出来なかったのですが、偶々それがうまく行ったのでしょうか、水底からグレイリングがスーっと上昇してきて毛針を咥えました。その光景による興奮を抑えつつ、アワセをくれるとMarvelの穂先はギュイーンと曲がりバットセクションまで曲がりシルクラインがジーっっと引き出されます。これがこの釣りの醍醐味。グレイリングのジャンプをMarvelの穂先はいなし、決して糸のテンションがなくなる事はありません。さすがの好敵手も徐々に疲れをみせ、何回か抵抗したものの、最後はテレスコピック・タモに収まったのでした。35cmの奇麗なグレイリングでした。

疲れたグレイリングを水中で休ませ、自力で泳げる様になるまで支えてやります。水に入ると陸では銀ピカ魚が茶緑紫の表現しにくい色に変わるのが本当に不思議です。
日本でもグレイリングがいると面白いかもとは思いますが、やはり生態系を考えると無理な話です。せいぜい楽しめる限りオーストリアで楽しみましょう。

グレイリング釣りの後は作り立ての美味しいビール。Murauer Bierは黒ビール(Dunkles)も醸造しております。スッキリしたピルスナータイプとは違ったコシと旨味のある味。

そして、豚肉に餓えた北アフリカ在住者は豚肉料理を頼んだのでした。釣りに疲れたオジサンに豚肉の滋味が染み通ります。

Mur川釣行(2016年7月7日)

2016-07-08 20:15:45 | 欧州釣行記/Fishing Trips in Europe
渓流のグランドスラムの翌日7月7日は今回釣行の最終日。どんなに遅くとも14:00にはMurauを出発しなければなりません。
前日雨が降らなかったので、ドライフライ釣りに期待し、再度Mur川に向かいました。
川は水量が相変わらず多いものの、昨日に比べ濁りは大分無くなり期待が高まります。
時は朝10時頃。すると下流の方から汽車の音が聞こえてきました。





昨年秋にも遭遇した観光汽車です。小さなものですが、客車を引っ張り結構軽快に走っていきます。

昨日と同じ緩やかな場所で早速ドライフライを試してみますが、最初に虹鱒らしき魚がライズしたのを掛けそこねた後が全く続きません。時間も限られているため、また金玉ハーズイヤーを結び、流れの緩い場所より上流側で岸近くの流れに投入しました。上の写真の一番上流の岸近くの石の側あたりです。
すると。。。暫くしてリーダーがツッと水中に引き込まれ、反射的に合わせると竿先がグッと曲がり重い手応えが返ってきました。一瞬根がかりかとも思いましたが、その根は動き出します。今日の竿は1960年代のHardy Marvel 7'6''。30cm未満の鱒でもミドルから満月になる竿ですが、その竿がバットまで曲がり満月になります。
流石にMur川の重い流れに入り込まれたらこの魚では取り込み不能かと思い、兎に角魚を流れの緩やかなところに留めるように誘導し急いで糸をリールに巻きリールを使ってやり取りする体勢に入りました。
幸いにも魚はジャンプは余りせず水中での引っ張りっこに注力しておりました。ジャップした際に見えたのは茶色の魚。ブラウントラウトです。虹鱒と違いファイトは多少楽。そこでMarvelに余分な負荷をかけないように気を使いながら慎重にやり取りし、持参のSharpe'sのテレスコピックタモに何とか誘導し取り込みました。

魚はまるまる太って重いブラウントラウト。毛針を外し体長を計ると、豈図らんや、39cmと40cmには届きませんでした。

それでも最終日に大きな魚を釣ることが出来て幸せです。
魚を緩やかな部分で水に戻してやると、暫く姿が見えてましたが、スッと深い水底に帰って行きました。

これで昨日に続いて釣った場所から下流に移動します。そこは小砂利の川底で昨年グレイリングをドライフライで釣った場所。水量は多いのですが、濁りが取れて来ていたのでドライに期待し、16番のオレンジクイルを結びました。ハックルはハニー・ダン、ボディはグレイリングが好きそうな色という基準で決めたものです。

こちら側の岸の上には高い草と木が生えておりますので、川の半分近くまでMarvelで毛針を運ぶのは容易ではありません。しかし何とかかんとか川の真ん中までは届きませんでしたが15ヤード超くらいを投げて毛針を流すと魚が水中から浮き上がり毛針を咥えました。
グレイリング!しっかり鈎にかけやり取りします。糸をすっかり巻き込み、リールでやり取りしながら、満月のMarvelを撮影しようとカメラに手を伸ばしたところ。。。急にフッと竿先が上がり、軽くなってしまいました。痛恨のバラシ。カメラなんぞと邪心を抱いた結果です。

その後暫く時間をおき、オレンジ・クイルを新しく結び直し、再度川に毛針を置くと、また水中から魚が舞い上がり毛針を咥えました。
グレイリングです。ジャンプしますが、今回は慎重に糸の張りを失わないようにしながら、テレスコピックタモで魚を確保しました。

グレイリングは水中から出して撮影すると銀色にしか見えないのですが、水中に入れるとなんとも言えない地味ながらもちらっと極彩色も見えるという不思議な色をしております。魚を流れに戻した後はグレイリングの残り香、胡瓜或はスイカとでもいうような匂いが手に残りました。
実釣一日半でしたが、楽しめた釣りになりました。Murauにいつもながら感謝です。

渓流釣りのグランドスラム達成(2016年7月6日Mur及びEtrachbach釣行)

2016-07-06 20:12:54 | 欧州釣行記/Fishing Trips in Europe
前回Murauに釣行した際ウィーン空港にて買い求めたFliegenfischen誌(ドイツのフライフィッシング専門誌)に、毛針釣りのグランドスラムはブラウントラウト(Bachforelle)、虹鱒(Regenbogenforelle)、グレイリング(Aesche)、イワナ(Saibling)を一日で釣り上げる事という記事があり、それをやるためにオーストリアはザルツブルク近郊に釣行したとありました。
チュニジアでは、7月5日〜7日の三日間がラマダン明けの祝日となったため、三日間で再度Murauに釣行する運びになりました。

7月5日にウィーン空港着、直ぐレンタカーでMurauに向かったのですが、途中で激しい雷雨があり、釣行の行方に暗雲が垂れ込みます。
7月6日朝St. Lorenzenの観光案内所でMur川のStau BodendorfとStau St. Georgの両方で釣りが出来る券を購入し、Stau Bodendorfに向かったのですが、川の状況は写真の通り。増水し、茶色に濁っております。期待したドライフライの釣りはこれでお手上げ。昨年10月の様に、川の流れが緩くなったところでウェットフライ、ニンフでアピールする以外処置無しです。

今回のレンタカーはMini。前回のプジョー2008よりもスポーティーな感じの車ですが、マニュアルでダウンシフトしてもエンジンブレーキが全然感じられないという車。オーストリアの曲がりくねった山道ではエンジンブレーキを多々活用するのですが、この車ではフットブレーキを多用する羽目になりました。

増水でも流れが緩くなったところに移動します。そこで金玉ニンフをWF Hardy 8'6''で川の上流に投げ入れると

直に虹鱒がかかりました。他にも虹鱒をかけ魚の鼓動を手で感じる事は出来ました。

更に金玉ニンフを上流に投げ入れると、かすかなアタリがあり合わせをくれると竿先が「グッ」と水面にささります。「魚?』、そう魚です。魚は低層へ逃げようとし、それから急にジャップ、と鈎を外そうとしますが、鱒と違い抵抗には勢いが今一歩欠けております。これはグレイリングと思いましたが、案の定で、暫しの引っぱり合いの後魚はタモに収まりました。

計ると38cmのグレイリング。Mur川に来て良かった。



その後も小さなグレイリングをGreenwell's Gloryのウェットフライで釣ったりとMur川の釣りを楽しみました。





今回Mur川で釣った魚は全てこの場所からのものです。

10時から初めて既に13時30分、もう上がりましょう。因に釣りバックですが、今回はBradyのものを持参しました。HardyのTrout Fisherバックは皮のストラップが殆ど切れてしまい修理が必要な状況で、暫く戦線復帰は無理な状況です。

さて、ドライフライの釣りをしたかったので、Etrachseeに向かい、湖畔の宿で釣り券を購入し前回同様湖に流れ込むEtrachbachへ向かいます。1960年代のHardy Marvel 7'6''に竿を替え、Frank Elder氏のHoney Dun 123番を纏ったBWOの14番のドライフライを結び渓流に投げ込むと、魚が「バッシャ」と飛び出し、すかさず合わせます。Marvelは曲がり、魚は下流にダッシュ。川の流れが合わさり無理に引き抜く事は無理。慎重に魚を下流の流れが緩やかになったところに誘導しテレスコピックのタモで魚を上げると、ブラウントラウトでした。

Etrachbachで今回唯一ドライフライが出来た場所。

山は前回と違い雲が多く、強い風が吹き下ろします。

すると魚がかかりまたMarvelがギュッと曲がります。

今度上がったのはイワナでした。

ブラウントラウト一匹とイワナ二匹を浅瀬にキープし写真撮影。



渓流は釣りになる場所が一カ所しかなかったため、魚を6匹釣ったところでドライには出なくなりました。それで湖に変える事にします。湖への川の流れ込み部分は草が生い茂っております。

湖畔の宿の方へ向かう道。

前回座りながらイワナを釣ったベンチ。

その後ボートを使いドライフライで虹鱒、イワナを釣りました。
こうして、7月6日の一日で図らずも、虹鱒、グレイリング、ブラウントラウト、イワナの順でドイツ人の言うグランドスラムを達成しました。こんな事が出来るのは世界中でもアルプス地方か北極圏近く、スカンジナビア、北米の一部だけではないでしょうか。
個人的には久しぶりのグレイリングが嬉しかったですね。

1400mの山の上は曇って風が強く寒かったのですが、ちょっと下界では晴天で緑のまぶしいオーストリアの田舎が広がっておりました。

裏切らないEtrachsee (2016年6月18日・19日釣行)

2016-06-21 17:57:57 | 欧州釣行記/Fishing Trips in Europe
先月はフランスでまたも不本意な結果になり心に開いた穴が塞がらないラマダンの日々を過ごしておりました。しきりに思い出されるのはハンガリー時代に通ったオーストリアの川と湖。チョークストリームのFischa、大型鱒が竿を引き絞るダイナミックなWienerbruckのダム湖。世界的に有名なGmundner Traun。でも、地元の人との交流を含め一番なじみ深いのがMurauとそこを流れるMur川と標高1,400mのEtrachsee。
チュニスからウィーンにはチュニスエアの直行便があるのですが、生憎火・木・日の週三便。週末では行けない。。。。と思っていたら良い事を思いつきました。
土曜日チュニス発深夜02:15のルフトハンザ便でフランクフルト経由ウィーンに08:10着、帰りはチュニスエアの日曜18:50発の便で帰れば週末釣行出来るではないか!!
同じエアラインでないので値段は張りますが、チュニジアディナールの最近の下落で日本円換算6万円程。他レンタカー代、宿代、等等かかりますが、心の病を抱えてラマダンのチュニスにいるより遥かにマシ。思い立ったが吉日で航空券を予約し、馴染みの宿Hotel zum Brauhausに連絡し部屋を確保、レンタカーを予約し6月17日深夜チュニス空港に向かいました。
最近の難民問題で、チュニスからの到着便はフランクフルトでは全員バスに乗せられ離れたターミナルに送られます。乗り継ぎ時間は一時間しかないのでパスポートコントロール含め時間がかかり過ぎるとウィーン便を乗り過ごす可能性があると心配しましたが。全て予定通りに進み、朝8時過ぎにウィーン空港に到着します。しかし、夜の間は殆ど眠る事が出来ず、3時間の運転がちょっと心配。
しかし、過去10年以上通った道は体が忘れず、なんだかんだで11時30分には宿に着いてしまいました。残念な事に期待していたMur川はここ数日の雨で茶色の濁流。土日では全く釣りになりません。そこで、昼食後Etrachseeに向かいました。


湖畔の宿について、女将さんを探し釣券を二日分購入します。ボートはビジターの場合一時間6ユーロとなってますが、「常連さんはタダでいいわよ」。最後にボート代をお支払いしたのは2003年だったでしょうか。。。このEtrachseeには流れ込みと流れ出しのEtrachbachという小渓流があり、釣券にはその渓流での釣りも含まれております。そこでEtrachbachの上流を試してみる事にしました。
湖の流れ込みは長い草が生えていて流れも緩やか。そこでアルプスイワナがライズしているのを発見。
Rusty Dun(ラスティー・ダン)のハックルにフェザントテイルのボディをゴールドワイヤーで補強した14番のハックルフライを結び、1930年代のマーベルとカイザーシルクラインの一番(AFTM 3〜4番程度)で毛針を流れに乗せます。


Rusty Dunは中々見難いのですが、水に高く乗ってくれて見失う事はありません。そうやって毛針が流れてくると、「バシャ」と魚が毛針をひったくり、すかさず合わせます。マーベルの竿先がギュッと曲がり魚の抵抗が手元に伝わります。これは鱒の感触。コイ科の魚のものではありません。1930年代のマーベルは胴調子ながらも一本筋が入ったような竿で頼もしいですが、竿先は余り曲げない様にしなければなりません。もう相当なお爺さんですので、そこは慎重さが求められます。シャープのテレスコピックタモに収まったのは色も鮮やかなイワナでした。


ただ、魚を放してからちょっと上流を見ると「Fischen verboten」の標識があるではないですが。湖の北端は小魚を保護するため禁漁になっているのですが、渓流のこの部分も禁漁なのでしょうか?慌てて渓流を上流に溯行します。
水が多く中々毛針を流せる場所がなかったのですが、岸に砂利を盛った場所で流れが緩やかなところがありました。そこでその緩やかな水面にドライフライを投げ込むと、


毛針が数メートル流れ、


魚がバシャっと毛針を咥えます。年寄りのマーベルを労りつつ、タモに魚を誘導すると、これも色鮮やかなイワナでした。


これ以上写真は撮りませんでしたが、この小さな場所だけで10匹以上イワナを釣り、心の穴はすっかり埋まって凝固剤も入ってすっかり修復。


渓流は他に釣りが出来る場所が今回はなかったので、歩いて湖に戻ります。途中でベンチに座りながら7'6''のマーベルで水面に毛針を運ぶと、これまたイワナが毛針にアタックします。


その後、竿をCC de France 9'に替え、ボートに乗り込みイワナを釣って行きます。空は青く、空気は新鮮。緑が目に鮮やかで砂色が目立つチュニスとは全く違う風景を楽しみました。


今年のヨーロッパは気候が不順。さっき迄の青空がどこかに姿を消して雲が広がり雨が振り出し、雷の音がしてきました。時計は既に5時を回っているので、ここで納竿。宿に帰る事にしました。


今回借りたプジョー2008に乗り宿に帰る途中の20数kmの間、睡魔が襲い結構ひやひやの運転でした。その後宿で絞り立てのビール、地元の火酒Zirbelschnapsを飲んでご機嫌で部屋に戻りました。

翌日日曜日は遥々ブダペストから来られたTさんと一緒にEtrachseeへ向かい午前中イワナを釣って宿に戻り昼食を摂り、ウィーン空港に戻りました。Mur川での釣りは出来ませんでしたが、他は全て予定通りの週末釣行でした。
どんなコンディションでも決して裏切らないEtrachsee。爆釣の湖は昔から変わらず健在です。
それにしても弾丸釣行は疲れます。チュニスに戻って来てから飛行機乗りっぱなしと運転の後遺症が出て、足はむくむし、体は重く頭も回転せず、すっかり老眼のオジサンである事を痛感させられました。。。。

フランスRisle(リール)川釣行(2016年5月28日)

2016-06-04 19:00:23 | 欧州釣行記/Fishing Trips in Europe
先週末、フランスは北部ノルマンディー地方のRisle(リール)川に釣りに行ってきました。
下はチュニスエアが発着するパリ・オルリー空港で買い求めたPeche Mouche誌。仏でフライフィッシングのNo.1専門誌と自ら謳っておる雑誌です。今月号の特集はMai, que la fete commence ! (5月、宴が始まる!)とある通り、メイフライの釣り。メイフライとはエフェメラ・ダニカ、エフェメラ・ヴルガータ、日本ではモンカゲロウの釣り。記事の中で、メイフライの時期に外してはならない漁区として、最初にAndelle川のRadepont地区、次にRisle川のCornevilleとConde地区と載ってました。これは帰路買い求めたので釣りをしている時にはこの情報は全く念頭になかったのですが。。。。因に、Andelle川のRadepont、Risle川のAclou漁区はCharles Ritz (シャルル・リッツ)が自分がデザインしたPezon et Michelの竿を担いでメイフライの時期通った場所です。

さて、一昨年、昨年はパリからRouen(ルーアン)まで電車で移動し、Rouenからレンタカーを使ったのですが、今回はオルリー空港から直接レンタカーでPont Audemer (ポントードゥメール)に行く事にしました。パリの外周道路をちゃんとクリアしてA13の高速に乗れるかどうか、ドキドキしましたが、Tom Tomのナビでそんな心配もクリア。スポーツ用品店のDecathlonで入漁料を支払い、宿に到着出来ました。宿は一昨年泊まったPont Audemer郊外のLe petit coq aux champs。非常に手の込んだ食事を出すオーベルジュです。中高年カップルばかりのところに、年齢では負けてはいませんが、東洋人の男一人。ここは食事とワインそして当地の名物カルヴァドスに集中して楽しむ事にしました。

翌朝、朝食後Risle川はConde地区のNo Killエリアに向かいます。竿はW.F.Hardy 8'6''。飛行機釣行で竿をキャビンに持ち込まなければならないため9'二本継の竿は中々持って行けないのです。

これはノルマンディーでもこの地域Eure(ユール)県の釣り場ガイド。その中には

Corneville、Condeの地図も記載されております。

そして、そこには地元Pont Audemerの名前を冠した有名な毛針La Pont-Audemerの写真も載っております。

さて、No Killエリアですが、事前の天気予報と違い霧雨どころかドピーカンの好天。気温もグングン上昇し牧草からは蒸気が上がり、汗が噴き出します。川面には何の動きもなく、鏡のよう。ドライフライを何回か投げましたが、ライズがないのでどうしようもありません。ニンフを投げても反応ゼロ。

この絵に描いたような川ですが、牧場の中を流れるためか岸は鉄条網が設置されており、水面に肉薄出来る場所は案外ありません。鱒も釣り人に散々痛めつけられて5月の下旬には相当警戒心が強くなっているに違い有りません。

ならば、場所を変えようと出かけたのがBrionne。ここはCornevilleから14~5kmRisle川を上流に行ったところ。そこにある小さな川La Mordoux (ラ・モルドゥ)を試してみます。



この川小さいのですが、予想を裏切り地元の釣り人が結構入っております。彼らの道具はスピニングにルアーでも何故か3m以上はありそうな長竿でのスピニング。なんだか良くわからない地元独特の釣り方のようです。

私の道具立てはMarvel 7'6''。それでドライフライを投げて行きますが、ここも全くライズなし。暑さと相まって、心が折れる予感がします。

そうこうしているとにわかに黒雲がモクモクとわき上がり、空を覆って行きます。これは雷雨になると、一目散に退散し、車に逃げ込み、Brionneの街のCafeでしばし休息、渇きを癒しました。
さて、ここまでで、一回のアタリもありません。昨年の様にボウズに終わるのでしょうか?そこで、またCornevilleに戻る事にしました。

昨年入漁した場所に車を止めると、牛が一斉に寄って来ます。

柵から頭を伸ばしてよだれを垂らしながら舌を伸ばします。全く仕様のない奴らです。

その牛から離れて直ぐの場所に小川があったので、ドライフライはTup's Indispensableを流してみます。
すると、パシャっと流れる毛針を魚が襲い、合わせをくれるとしっかりかかりました。漸くの一匹。待望の鱒でしょうか。小さな相手でもMarvelですので、引きを楽しむ事が出来ます。とタモに寄って来たのは。。。

一昨年同様にコイ科の魚でした。。。。まあ、それでもチュニジアからわざわざ北仏までやってきてボウズになる事だけは何とか免れました。

その後、Risle川のNo Killエリアに戻りますと、何やら定期的に結構大きなライズがあるではありませんか。但し、魚の居場所は対岸の木の近く。こちら側からはまず届かないのと、届いても直ぐドラグがかかる場所。逆にそういうところだから魚もライズしているのかも。

そうこうしているうちに夜8時を回ります。すると川面にダンがポツポツと姿を現し始めました。光の関係でそう見えるのか、黒っぽい羽にボディのダンで結構な大きさがあるようです。毛針サイズでは12番はあるのではないでしょうか。

そんな毛針は持ってないので、16番でスターリングの羽を持ったOrange Quillを結び川に投げます。川ではライズリングが徐々に広がり、漸く釣りが出来る雰囲気になってきました。何度もOrange Quillを流していると、毛針へのライズ。合わせをくれましたが、魚は乗らず毛針だけが帰ってきました。夕闇も徐々に濃くなり夜10時。もう納竿しましょう。今年も貧果のRisle川釣行となってしまいました。宿での食事は既に無理。宿での料理に比べるべきもないマックのドライブスルーがあったのでそこでビックマックを買い宿に帰りました。

翌日はまだ時間があったのですが、昨日の暑さでシャツが汗臭くなり、また面倒になったので釣りはせずにパリに帰る事にしました。途中Pont Audemerの街中をぶらついて、その後、パリへ出発。

Rouen手前の高速道路サービスエリアで一休み。パリまでまだ100km以上あります。

飛行機は19:50発。時間がありあまるので時速120km程度でゆるりと走ります。

パリとPont Audemerの間では高速道路の料金所が5カ所くらいあり、その度に数ユーロ支払いが必要。現金払いが出来ないところでもクレジットカードを差し込むとOKで、何とか切り抜けられました。前はPeugeot 406。今から20年以上前、ドイツはデュッセルドルフに居た頃、ドイツ車ではなく、こともあろうにフランス車のPeugeot 405を新車で購入し愛車にしていたのでなんだか懐かしいです。

Mur川、今年もありがとう(2015年10月17日)

2015-10-17 16:46:00 | 欧州釣行記/Fishing Trips in Europe
Murauがその名を馳せるのは圧倒的に冬のスキーと思います。しかし、夏も家族連れなどが自然に触れるため多く訪れるようです。特に、今年はギリシャ債務問題でユーロ紙幣が現地で引き出せなくなったり、チュニジアの観光客を狙ったテロなどで遠隔地に行くのを敬遠した人たちが平年より多くMurauを訪れたと宿の女将さんから伺いました。


そして、地元の観光案内所には釣りのパンフレットも置いてあり、一見の釣り人でも釣りに必要な情報がコンパクトに纏まっております。Steiermark州は、Gmundner TraunのあるOberoesterreich州と同様に釣り免許が不要ですので、外国人にとってもありがたいところです。


最終日の今日、10時ちょっと前にStau Bodendorfの最上流Wandritschbruecke(ヴァンドリッチュブリュッケ)に到着。今日はHardy Marvelを使うことにしました。リールはPerfect最後期型3 1/8、Cortland Sylk DT4Fが巻き込んであります。


相変わらずの増水ですが、濁りは相当薄くなっておりました。


左岸の木が生える川岸に沿い水の流れが緩くなっているところが見えると思います。増水の川の中心部ではライズも期待出来ず、今日も過日同様に川の緩みに潜む魚を狙うことにしました。


橋を渡り、草の茂る坂を下り釣り場に向かいます。


気温は5度。日が射していないのでHeavy WeightのSolway Zipperを着て、その下にセーターを着込むと丁度良い寒さ。水が落ち着いていれば寒くともグレイリングが水面の羽虫にライズをする心ときめく光景が見られるのですが、今回は本当に残念です。10時過ぎから釣りを開始しますが、ドライフライは全く期待出来ず、ニンフを使うことにします。距離を投げる必要がないのでMarvel 7'6''でも何とかなります。釣りを開始して早々、アタリがあり、合わせると虹鱒の引きがあったのですが、逃げられ、その後も3匹かけたのですが、逃げられました。


そこで、ひと呼吸おくために毛針を交換。Grey Gooseを結びます。そして、上流の緩やかな溜まりになっているところに投げ入れると、リーダーが引かれます。Marvelのティップを気遣いながら合わせると竿先がグッと曲がりそれがミドルセクションまで曲げてきます。既に何匹か失っているので心の余裕がなく、竿の曲がりを写真に写すこと能わずですが、釣れたのは色白なブラウントラウトでした。


最終日も魚が釣れて、本当にホットしました。釣れたのは11時20分程。危ないところでした。


そんなことをしていると、蒸気機関車が走ってくるではありませんか。不意をつかれたため煙しか写真に収められませんでした。


そして、12時。ウィーンへの帰着時間から逆算し、試合終了です。Wandritschbrueckeの詳細があるのを発見しました。


この橋も今年は見納め。来年もまた会うことが出来るでしょうか。


釣りが終わった午後になると天気が良くなり青空が広がりました。今回は運がなかった訳ですが、それでも相手をしてくれたMur川の魚に感謝し、また来年もMur、そして爆釣の湖の異名を取るEtrachseeに来れるように期待します。(Etrachseeは9月中旬で禁漁になっております)

Mur釣行(2015年10月16日)

2015-10-16 17:12:01 | 欧州釣行記/Fishing Trips in Europe
コーヒー牛乳の濁流と化したMur川を前にアタリすらなく惨敗した昨日。今日の天気は昨日にも増して険悪な雨となりました。それでも、釣り券三日分を購入し、かつ、釣りに行かなければ一体何をしたら良いのか全く頭に浮かばないMurauという立地。背水の陣です。気持ちは萎えておりますが、雨の中釣りに出発することと致しました。


Fiat 500Xは宿の前に停めております。


宿の向かって右隣はMurauer Bierの醸造所。1495年から続くオーストリアでも古い醸造所です。


昨日と同じ、Stau Bodendorfの最上流の橋にやって参りました。雨の中、釣り支度をする気力が湧かず、まず状況の偵察に出かけます。川の右岸には


春から秋にかけては自転車道、冬の積雪時にはクロスカントリースキーのルートになる散歩道があります。


その道に沿って下流に向けて散歩です。


川の水を見ると、水量は相変わらずの多さですが、昨日のコーヒー牛乳色から多少濁りが薄くなり所により水面下の石も見えるようになっております。これにはずいぶん勇気づけられます。


2km程下流には対岸へ渡れる橋があり、その橋のたもとには昨日昼食を摂ったSteiermarkで一番古い宿への道案内がありました。


多少勇気をもらって上流に取って返します。


何時もの釣り場ですが、心持ち昨日よりは濁りが薄いかな、と思えます。


さて、今日はこの雨ですので、竹竿には休暇を出しました。それでは釣りが出来ない?実は、先日の一時帰国時にグラスロッドを購入したのでした。未だ何ら見当も付いていないのですが、いつかチュニジアの内水面でコイ科の魚、パーチ等を相手に毛針釣りをしたいと思い、また、海での利用可能性も考え、ティムコの7'9''のグラスロッドを手に入れた訳です。
このグラスロッド、竹竿に感覚が近いという宣伝文句ではありますが、カーボングラファイトに比べれば確かに竹竿に近いものの、やはり別物です。ティップが柔らかく出来ているのもありますが、竹竿のソリッドな感覚がなく、空疎なペナペナ感が拭えません。


雨の中、釣りを開始したのは11時過ぎ。アタリは一向に無く、BarbourのSolway Zipperをだんだん水の寒気が貫いてきます。時は既に14時を回り、そろそろ上がるかなと気弱な虫が頭を持ち上げます。でも最後まで諦めないぞと自分に喝を入れ、また上流に毛針を振込みますと、待望のアタリです。思わず合わせると生き物の躍動感がペナペナのティップを通じて伝わってきます。濁った水面を通じ見えた魚はグレイリング。慎重に取り込みました。これで、わざわざMurauまで来てのボウズは免れることが出来ました。


未だ小さいグレイリングですが、このグラスロッドは結構曲がってくれました。


その後直ぐ虹鱒をかけ最後の取り込みのところで逃げられました。その後アタリは途絶え、再度当たりのスイッチが入ったのは15時になってからでした。写真ではうまく映っておりませんが、色白で非常に薄いピンクのかかった奇麗な虹鱒が釣れました。


その直後にはチビ虹鱒も釣れました。


その後もチビが釣れたり、かけても取り込みに失敗したりとありましたが、流石に雨でずぶ濡れなので、16時には撤退の決断を致しました。明日は最終日。しかも午前中しかありません。天気がどうなるか非常に気になります。天は私を見放したもうのでしょうか。。。


今日はボウズではなかったので、Murauer Bierの生ビールが殊の外美味しいです。明日の夜はウィーン。明後日はチュニスです。

Mur釣行(2015年10月15日)

2015-10-15 16:56:43 | 欧州釣行記/Fishing Trips in Europe
今オーストリアのムーラウ(Murau)に来ております。今年の10月14日はイスラム暦(ヒジュラ)の新年、また偶然10月15日のフランス軍撤退記念日の祝日が重なりチュニジアは連休となりましたため、一日休みを足し、馴染みのオーストリアでの釣りを企てた次第です。


ウィーンのSixtではOpelのAstraクラスを予約したのですが、出て来ましたのはFiat500X。これはFiat500よりも遥かに大きな4ドアハッチバックでかなり大型の車。長距離の走行には向いております。ただ、慣れない車なので、ハンドブレーキではなかったり、ワイパーの使い方が最初分からなかったりと、ちょっと手こずりました。
ウィーンでは雨。非常にいやな予感がしましたが、昨日のムーラウまでの道のりは激しい雨。Mur川も大増水です。


取りあえず、大型ニンフも使えるWF Hardy 8'6''にSpitfire Perfect、Cortland SylkのDT5Fを組み立てます。


さて、そのMur川ですが、Gruene Mur(緑のムーア)と讃えられる緑色に澄んだ川の姿は数日間の激しい雨のため通常より川幅が大きく広がった褐色の濁流に変わり果てておりました。


今年7月にグレイリングを次から次に釣り上げた小砂利の浅瀬も恐ろしい姿で迫って来ます。


今から8年前に当時ハンガリー日本人会釣り部の同僚Nさんと寒グレイリング釣りをした川岸もこの通り。


しかしながら、既に遥々オーストリアまでやって来て、釣り券も土曜日までの三日分を購入して退路を断った我が身には、釣りを決行するしか選択肢はありません。排水の陣で川霧の流れが緩くなった場所に大型のウェットフライ、ニンフを投入し、濁った水の中で少しでも魚の目に触れることを祈りながら緩慢なカーストを繰り返します。が、釣りを開始した10時30分から3時間頑張っても何の魚信も感じることが出来ません。水が澄んでいれば昔のように頑張れたのですが、このミルクコーヒーの圧倒的な存在感の前に、寒さで感覚の麻痺した左手を擦りながらの苦行も続けること能わず、今日は退散することに致しました。
オーストリアといえばAlmududlerという清涼飲料水の国。Zuckerfrei(sugar free)を飲みながらの苦行でした。


7月の釣行にて言及した釣行禁止の御触書。ここから上流はSchwarzenberg公の子孫の所有地になってしまいました。


今日釣りを決行したのはMur川のStau Bodendorfという区間。そのBodendorfには創業1040年というSteiermark州で一番古い宿・レストランがあります。勿論建物は11世紀のものではありません。そこで遅めの昼食を頂きました。


宿に帰って外を見ると、多少空に青色が顔を見せておりました。


但し、明日の予報は雨。今日よりも多く雨が降りそうです。特に悪い行いをしているとの心当たりはないものの、運に見放された今回ムーラウ訪問となっております。


兎に角も、濡れた竹竿はすぐに水気を拭いて乾かしましょう。


水気を取り乾いたら、Ballistol Kleverという植物から抽出した油で金属部分を奇麗にしておくのもおすすめ。この油は銃器の手入れ、食品用機械の手入れ等にも使われるもので、25年前から釣り具の手入れに使っています。日本では売っていないと思いますが、ドイツの親類が頼めば買ってくれるためありがたいことにこれまで切らしたことはありません。

明日はどうなることやら。。。。