「ほるる」は楽しさいっぱい!!
先日、ファイナンス研究会の今月2回目の例会。
行動経済学入門・・・4回目
真壁昭夫著
講師は
安達正紀(福島県金融広報委員会アドバイザー)でした。
今回102回目の講座になりました。
「行動経済学入門」を読むの4回目になり
理論に、少し慣れてきました。
不合理な意思決定の源は脳にあり・・・・神経経済学入門
1)神経経済学とは:
脳機能に関する研究の進展と行動経済学による
人間の非合理な意思決定のあり方の研究とが出会い、
神経経済学というジャンルが生まれ、
脳機能のレベルで人間の意思決定の働きを究明し、
インセンティブ(動機づけ)などを解き明かそうというのが神経経済学です。
2)神経経済学と経済学の意外な関係
神経経済学は、神経科学のみならず、行動生態学やゲーム理論とともに発展してきた。
その結果、感情の働きの重要性が解き明かされつつある。
3)全ての意思決定は「脳」に通ずる
ドパーミンなど脳内物質の分泌を解明することによって、
意思決定につい ての包括的な理解が進むとみられている。
4)もはや大脳生理学? 神経経済学は経済学といえるか?
現段階では、神経経済学は経済学でなく大脳生理学の延長線上にあると
取られても不思議ではない。
①脳の機能と意思決定のつながりをはっきりさせる
②時間軸を明確にする
の2つの課題をクリアして、より精度を高めていくことが必要である。
第2章なぜ合理的に決められないのか?
・・・損失を恐れてだまされる心
1.プロスペクト理論・・・人間の「価値」の測り方を理論化した。
1)非合理な意思決定・・・プロスペクト理論と価値関数
行動経済学の中核をなす「プロスペクト理論」を用いることで
「損失回避的傾向」、「鏡映効果」という伝統経済学ではアノマリー(例外)
として扱われてきた問題の説明が可能になってきた。
2)損失と利益は非対称・・・・価値関数
プロスペクと理論で中心的な役割を果たすものが「価値関数」である。
その中で重要なのが、利益だけでなく、
損失が発生した時の心理状況を説明できることである。
3)「心の基準」はどうしてあてにならないか?→リファレンスポイントの移動
リファレンス・ポイントは主観を反映する。
つま り個人の考え方一つでいかようにも変わってしまう。
適切な意思決定のためには、
いまどこに自分のリファレンス・ポイントがあるのかの把握が大切です。
4)とにかく損はしたくない!・・・・損失回避
人間は損失を確定してしまうのを恐れ、それを避けようとする。
これはい意思決定のあり方にも影響を及ぼすと。
リファレン・スポイントに対して損失局面にいるのかどうかを把握することがとても大切。
5)非合理な意思決定・・・プロスペクト理論と「決定の重みづけ」
人間は感覚によって、小さな確率を過大評価し、大きな確立を過小評価しがちと。
その「歪み」は「決定の重みづけ」と呼ばれる。
さらに、」利益の出る局面と損失の出る局面では、重み付けに差があることもわかってきた。
6)意思決定はここまでゆがむ・・・価値関数と決定の重みづけの融合
私達は一見したところ発生確率の低い事象に過度に期待を持ち、
一方発生確率の高い事象を心配しがちと。
つまり、「主観的判断」によって事象がおこる確率をゆがめてしまう。
7)こころは「言い訳」上手・・・気質効果・処理効果
損をする意思決定をするような時心の中で満足できる言い訳を自分で作って
納得してしまう認知のあり方を「気質効果」と呼ぶ。
この心の作用が日常の意思決定に与える影響は大きい。
8)あなたの「せっかち度」を表す・・・双曲割引モデル
利益に対して極力確定したがる「せっかち」な私達の行動は、
行動ファイナンスの
時間割引率の考え方で理解することができる=今確定したい気持ち。
これは価値観数とも整合性である。
と今回はテキストがいよいよ本題に入り
私達の行っている行動が
理論化されているのに驚かされる講座となりました。
安達先生
ありがとうございました。