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名将会ブログ (旧 名南将棋大会ブログ)

名古屋で将棋大会を開いています。
みなさんの棋力向上のための記事を毎日投稿しています。

第241回名南将棋大会(壱)結果速報

2023-05-21 | 名将会

本日は第241回名南将棋大会(壱)を開催しました。結果速報です。

A級優勝

白木大輔さん(小学生だった彼も高校生だとか。ずいぶん背が伸びて別人になりました。)

B級優勝

伊藤康さん

塚越知史さん

山中惇史さん(初優勝)

C級優勝

佐藤翼さん

本郷聰弘さん

D級優勝

荒木昭一さん

E級優勝

伊藤孝治さん

北爪邦治さん

F級優勝

岩倉有志さん(初優勝)

優勝された方々、おめでとうございます。

参加された皆様、ありがとうございました。

 

ところで、トーナメント表の写真を撮って帰られる人が結構いるので、今回から画像をあげてみます。不都合があれば取り下げますので、ご連絡ください。

 

いつもの過去12か月分の優勝記録です。

半分にして拡大します。

 


SS1-9 天守閣美濃に藤井システム(7)

2023-05-21 | 基本定跡の研究

これまでに調べたところ

天守閣美濃にする前に36歩を突けば71玉となるだろうとわかりました。他の手ならば右46銀急戦で指しやすくなるはずです。46銀82玉を入れてから天守閣美濃にするのは後手に対策を取られてしまうので、86歩64歩87玉74歩78銀84歩

ここまで囲ってから、46銀82玉35歩と攻めたらどうか。

定跡手順だと32飛34歩同銀38飛45歩

33角成同飛55銀43銀

33飛成同桂34歩同銀31飛

この局面で評価値は+415、先手有利です。玉頭から攻められる恐れがなければ、87玉のほうが横からの攻めに強いということもありますし、55銀43銀の働き(攻め駒と取られそうな駒)が違います。

AIに聞いてみると

46銀には32飛35歩

71玉型のままで待っている方が良いと。35同歩同銀65歩

また角の転回を考えているようですが、24歩51角36歩24歩

まだ73角は決め手にはなりません。24歩と手を戻したところで、44銀同銀同角36飛37歩33角

こんなさばきあいになっても、33同角成同飛24飛23歩74飛

この局面で評価値は+356、先手有利です。74飛がちょっと奇妙ですが、追われたら44に逃げます。

後手の工夫としては、64歩を保留して

86歩に74歩ならどうか(昨日書いた変化に合流したい)。先手に権利があって、55角73桂88銀

54銀37角45歩77桂84歩66歩

先手は銀冠に組めるけれど、後手は64歩を突きにくいから作戦負けではないかと。

では84歩を先にしたらどうか。

66角83銀88銀64歩46銀

88銀は必要そうですが、急戦を考えて先手が指せるようです。

まあ後手が63歩のまま待機するというのは見たことがないので余計な心配かもしれません。

 

ここまでは先手がうまくいきました。藤井システムにはもう一つ重要なことがあって、

どうせ62玉のままで天守閣美濃にしてもらえないならば、43銀は保留して駒組を進めたほうが良いのです。ここから86歩74歩87玉73桂78銀84歩

(後手の62玉型を発見してしまったために回り道をしたのですが、) 急戦に備えた32銀型だったというのはわかってもらえたでしょうか。(ここから46銀63金35歩45歩は後手が良くなります。) 対天守閣美濃の藤井システム基本図です。

上の図の評価値は+86ほどですが、先手としてはこの図になる前に変化した方が良いのでしょう。

 

 


SS1-9 天守閣美濃に藤井システム(6)

2023-05-20 | 基本定跡の研究

先手の工夫をもっと調べてみます。

昨日見たように、先手が36歩を突けば、後手は62玉型の新しい藤井システムは維持できません。71玉しかないでしょう。

46銀と出れば82玉も仕方のないところ。ここから天守閣美濃に組んだらどうなるかなのですが、86歩32飛87玉84歩78銀74歩

後手が64歩を突かないというのが工夫です。35歩54歩34歩同銀38飛

いつもの45歩ではなくて、43銀35銀42角34歩

64角46歩85歩

64角が好位置ですし、玉頭に手が付きました。85同歩86歩98玉73桂

この図で評価値は-8、完全な互角ですが、先手玉の薄さが目立ちます。46銀と出てから玉を固める構想は失敗でした。

 

 


SS1-9 天守閣美濃に藤井システム(5)

2023-05-19 | 基本定跡の研究

さて藤井システムにも武器が増えてしまいました。居飛車側はどうするか。苦戦の原因は玉の囲いを優先したけど、固くならずに攻められてしまったことにあります。ゆえに攻撃力が必要で

早めに36歩を突いて、右46銀急戦を見せるのが対策です。まだ天守閣美濃が消えたわけではないので、62玉型を維持したければ64歩を突きますが、46銀71玉35歩

右46銀で攻めてしまえばよろしい。32飛34歩同銀38飛45歩

他の変化もありますが、一番強くて自然な反撃を取ると、33角成同飛55銀

43銀33飛成同銀34歩同銀31飛

39飛に33飛成も有力ですが、この場合はAIが41角を推奨しています。

33飛成43角64銀76角・・・でも悪くはなかったのですが。この図は金取りなので51金引11飛成(63香ねらい)41金同竜

評価値は+206、先手ペースの終盤戦です。後手の85角が攻防でまだ難しいみたいですが、玉の堅さに差があります。進行例は85角42竜46歩同歩29飛成86香

41歩72竜同金85香74角75金39飛59銀打

駒得を生かして戦うというパターンです。

ということで、後手が62玉型を維持すると右46銀急戦が有力になるから、新しい藤井システムは回避できるというわけでした。

 


SS1-9 天守閣美濃に藤井システム(4)

2023-05-18 | 基本定跡の研究

AIにあれこれ聞きながら藤井システムを調べていたら

この図から43銀86歩64歩87玉74歩78銀84歩66銀73桂

71玉は保留したほうが良いと言います。79角45歩77銀引54銀36歩85歩

6筋の位も取らないで、すぐに攻めなさいと。85同歩同桂88銀46歩

46同角は86歩(取れない)98玉が入ります。46同歩に86歩同玉46飛

強引に技をかけに行きます。46同角88角成は後手有利なので、85玉49飛成86玉46歩

桂馬の食い逃げに歩を垂らしていきます。意味は48歩に39竜27飛38竜26飛44角

先手の飛をいじめて後手有利だと。なので48歩の受けではだめで59金引

39竜48飛29竜46飛42金

歩切れだけど竜を作って香も取れるから後手もちということなのでしょう、評価値は-225です。

また36歩ではなくて66歩を突いて

先手がしっかり受けようとしても、46歩同歩65歩

65同歩には86歩同歩65銀、対して57金が最善の受けのようですが

85桂88銀75歩同歩63金

やっと桂を取りに行けると思ったら、86歩64金85歩75金

金を使って攻められます。77歩86歩98玉76歩

これを76同歩と取れば、88角成同角95香(97歩には76銀で詰めろなので)97桂87銀

どんどん攻められてつぶされます。

62玉型で攻めるのは新しい対左美濃藤井システムと言えるでしょう。

居飛車側はさらに新しい敵を見つけてしまいました。

居飛車としては66銀ではなくて66歩を選び

高美濃から銀冠に組めば安全なのですが

68銀~77銀~79角の形は作れません。

この図で評価値は+51、まだ先手の得があるかどうかというくらいです。攻めの形を作りにくいのですね。後手番ならともかく、先手では選びにくいです。

 


SS1-9 天守閣美濃に藤井システム(3)

2023-05-17 | 基本定跡の研究

さて昨日の57角に対しての

後手の最善手は85歩でした。

もっと条件が良くないと成立しないと思っていましたが、85同歩同桂88銀だと86歩

先手は79角の位置だとこの歩を取れたのですが。98玉95歩同歩54銀

94歩46歩同歩75歩同角46飛

86角56飛87玉

98歩同香76飛

後手の飛を好きなようにさばかれています。64角73銀37角63金

後手の攻めも簡単ではないのですが、77歩36飛86歩97歩

こんな進行で後手有利、評価値+460です。

先手としては77銀を逃げないで84歩

(あるいは83歩も同じくらいの評価です。) 54銀86銀99角成85銀

これくらいが最善のようで、評価値は0近辺です。82香79金と受け合うか、88歩83桂と攻め合うかに分かれます。

いずれにせよ先手玉は堅いとは言えませんし、評価値が上がらないのでは序盤研究としては失敗です。

戻って基本図から

AIの示す最善手順は57角ではなくて、98玉54銀87銀63銀引78金82玉37桂54歩

こんな展開です。評価値は+66、微妙なところですね。59金をどう使うのかもはっきりしません。57角~68金右と固めたくはありますが、攻める手順が見えないのでは先手良しとは言えません。

 

 


SS1-9 天守閣美濃に藤井システム(2)

2023-05-16 | 基本定跡の研究

まずは基本図までの手順を覚えましょうか。

右46銀急戦にもなる図からですが、86歩64歩87玉74歩78銀

振り飛車としては71玉のまま進めるのが工夫です。73桂25歩33角36歩84歩

天守閣に直接大砲を打ち込む感じです。32銀型は右46銀では攻めにくいし、玉頭は守りたいでしょう。66歩~67金右~68銀~77銀~79角の手順では、角を使えるまでに手数がかかりすぎます。よって66銀45歩79角

4筋を受けつつ引き角にします。65歩77銀引43銀

これを基本図とします。AIの評価値は+84、先手の得よりも少し多いかなというくらいです。24歩同歩同角と攻めてみましょう。22飛が振り飛車の受けの手筋ですね。

後手が変な駒組をしていて46角と引いて王手になる形だと、23歩同飛46角(王手)同歩23飛成で攻めが決まるのですが。33角成も成立しないので、25歩44角57角33桂24歩26歩

この図は先手からの攻めが難しくて、評価値は-51、後手もちです。玉は堅いけれど6筋の位や、後手から54歩~55歩という打開があるのを評価しているのでしょう。

戻って37桂54銀

というのもここからが難しいです。54銀ではなくて44銀ならば24歩同歩同角22飛33角成28飛成44馬が成立するのですが。AIの評価値は+40、少し低下しています。

なのでまた戻って57角と様子を見るのが第一感です。

84歩を取るよとおどかします。83銀には24歩同歩同角22飛

33角成28飛成55馬

踏み込みます。両取りなので29竜73馬72金91馬

玉の堅さが大違いで、飛と角香の二枚替えの駒得、攻め駒も4枚あるから優勢か勝勢ですね。

では後手はどうするか。84歩を取らせるのは54銀で

84角46歩同歩同飛48飛

飛交換になるから玉の堅さが違います。AIの評価値でも+328、先手有利です。

では基本図までの後手の組み方に問題があった・・・わけではないです。

後手はどう指すべきか、皆さんも明日まで考えてみましょう。

 

 

 

 

 


SS1-9 天守閣美濃に藤井システム(1)

2023-05-15 | 基本定跡の研究

居飛車持久戦のほうは定跡化できないのでどうしようかと思っているのですが、天守閣美濃と藤井システムならば結論が出るはず。藤井システムに駆逐されて、かなり流行していた天守閣美濃は消えたのですから。

この図から、86歩64歩87玉74歩78銀

美濃囲いの城の上の天守閣に87玉があるという図ですね。松浦卓造先生が考案したそう(1960年)です。流行したのは昭和の終わりから平成初めまで。理想的には引き角にしてから

四枚美濃に組み、さらに銀冠(金矢倉に銀をプラスした形でもある)にすることもありました。この図で評価値は+133、まだ先手の攻めをどうするかが決まらないので、堅さだけでは評価値が上がらないのですが、居飛車の勝率はかなり高かったです。

振り飛車はせめて四枚美濃は阻止しようと、6筋の位を取ることが多かったのですが、

66歩同歩57金

というのが変わった手順ですが、6筋の歩を交換して

四枚美濃にする将棋もかなり見ました。この図の評価値は+123、玉の堅さは劣るけれど、1歩持っているから攻めやすいということもあります。

なお天守閣美濃ではない88玉型のほうは(若いころの私はこの方が好きでした)

より自然に見えるのですが、

角を転回すると65歩から攻められるので(若いころの私はよく攻めつぶされていました)難しいです。評価値は+17、ここからでも98玉から銀冠にして待っていたらなんとか互角というくらいです。88玉は後手の33角の射程にはいっているのがいけないのですね。

ということで振り飛車側は天守閣美濃への対策を悩んでいたわけですが、

71玉型で73桂や84歩を優先しようというのが藤井猛先生の新構想でした。明日はこの図から調べてみます。

 

 


第241回名南将棋大会(弐)結果速報

2023-05-14 | 名将会

本日は第241回名南将棋大会(弐)を開催しました。結果速報です。

G級優勝

栗本弘毅さん(初優勝)

H級優勝

本郷聰弘さん(連続優勝)

I級優勝

櫻木寿賢さん(連続優勝)

髙木弘志さん(連続優勝)

J級優勝

加藤了さん(連続優勝)

K級優勝

松岡好美さん

桑山湧吾さん(初優勝)

L級優勝

船山松平さん(連続優勝)

廣瀬孝さん

優勝された方々、おめでとうございます。

参加された皆様ありがとうございました。


SS1-8 四間飛車に57銀左からの急戦のまとめ(9)

2023-05-14 | 基本定跡の研究

最後が難関なのですが、後手が動かなかったらどう攻めるか。

12香や41飛は省略して高美濃にして待たれたら。46歩54歩

54同歩同銀55歩に65銀同銀同歩も互角です。43銀と引いてもらえたとして

45歩73桂24歩

24同角は79角で先手良しなのですが、

AIには変わった意見があって、79同角成同金24角は難しいよと言います。44歩同銀43歩

43同飛32角54飛、単に桂を取るのではなくて、54歩同金68金寄

ここまで指せて先手有利だと。24角を打って難しいなんて人間は考えないと思いますが。それよりは79角に35歩

35同角同歩36歩23飛成

37歩成同銀22歩26竜

桂と歩2の交換で竜を作り、31角もあるので先手が指せそうですが、評価値は互角(ほぼ0)です。

戻って24歩に同歩は

47銀上41飛68金寄

これからの戦いです。なかなか先手良しまで行きません。

アイデアとしては46歩を突かないで79角として

22飛46角84歩66歩83銀67金72金59銀42角68銀

以前に穴熊に組み替える作戦を紹介しましたが、AI流だと73桂には79金、エルモ風です。54歩同歩同銀55歩45歩

57角43銀45銀33桂56銀44銀88玉

隙を作らないように待つのが良いと言います。後手が何もしなければ、78金~86歩~77金寄の形までが理想形のようです。この形の決戦ならば53角46歩54歩

54同歩同金24歩同歩23歩同飛45歩

55歩24飛56歩

23飛成57歩成同金45桂同桂同金56桂

先手が少し駒損ですが、評価値+196は悪くありません。だいたい後手がこんな反撃手段を取るかどうかということもありますし、しっかり組めれば先手の作戦勝ちで終わるでしょう。めでたしめでたし。

ではないのです。AIによると79角22飛のところでは75歩だと。

75同歩に54歩、88角以外の応手はだめだと。

55歩同銀52飛

確かにこの図は評価値0付近の互角です。何が最善かも難しい。でもね、75歩に

24歩同歩同角だって見えるではないですか。22飛33角成

28飛成43馬19竜

76の地点に馬の利きがあるし、いざとなれば桂香も取れるし。でも玉頭の傷は大きくて、評価値は-168、後手ペースなのです。

なんだか理不尽な気もしますが、最強のAI相手ならば中央位取りは互角にしかなりません。先手の工夫として、59金右の形とか、48銀や58金右も保留するか、やってみたのですが (後手に22飛を強要できるのですが) 中央や7筋が薄いとよくなりません。

今日の内容が先手良しならば、居飛車が後手番だったら・・・も書こうかと思いましたが、ここまでにしておきます。