居飛車持久戦のほうは定跡化できないのでどうしようかと思っているのですが、天守閣美濃と藤井システムならば結論が出るはず。藤井システムに駆逐されて、かなり流行していた天守閣美濃は消えたのですから。
この図から、86歩64歩87玉74歩78銀
美濃囲いの城の上の天守閣に87玉があるという図ですね。松浦卓造先生が考案したそう(1960年)です。流行したのは昭和の終わりから平成初めまで。理想的には引き角にしてから
四枚美濃に組み、さらに銀冠(金矢倉に銀をプラスした形でもある)にすることもありました。この図で評価値は+133、まだ先手の攻めをどうするかが決まらないので、堅さだけでは評価値が上がらないのですが、居飛車の勝率はかなり高かったです。
振り飛車はせめて四枚美濃は阻止しようと、6筋の位を取ることが多かったのですが、
66歩同歩57金
というのが変わった手順ですが、6筋の歩を交換して
四枚美濃にする将棋もかなり見ました。この図の評価値は+123、玉の堅さは劣るけれど、1歩持っているから攻めやすいということもあります。
なお天守閣美濃ではない88玉型のほうは(若いころの私はこの方が好きでした)
より自然に見えるのですが、
角を転回すると65歩から攻められるので(若いころの私はよく攻めつぶされていました)難しいです。評価値は+17、ここからでも98玉から銀冠にして待っていたらなんとか互角というくらいです。88玉は後手の33角の射程にはいっているのがいけないのですね。
ということで振り飛車側は天守閣美濃への対策を悩んでいたわけですが、
71玉型で73桂や84歩を優先しようというのが藤井猛先生の新構想でした。明日はこの図から調べてみます。
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