先手は36歩の前に55歩としても、後手からの変化には対応できるとわかりました。後手が素直に駒組を進めるとこの図になります。
ここからは復習ですが、多くの定跡書に書いてあるから出会うことが多いでしょう。細かく見ていきます。12香46歩41飛
12香と41飛の形で待ちなさいと、振り飛車の本には書いてあります。45歩同歩同桂51角
54歩同銀42歩同角(42同飛でも困るので、42歩同飛54歩同銀22角成の手順か)22角成
45銀同銀33角
駒の配置が異なっているかもしれませんが、私が子供のころに読んだ本にも出てくる定跡手順です。評価値は-557で後手有利。最善手順では33同馬の一手、33同桂56銀44桂
銀取りと36桂があるので後手が気持ちよく攻められます。
戻って
51角に42歩や54歩ではなくて、24歩。24同歩でも同角でも79角と引いて先手ペースです。ただし先に桂を跳ねていると、後手に44銀~45銀という反撃手順ができるので、手順を工夫したほうが良いです。
45歩同歩のところで24歩を突きます。24同角には79角もありますが、54歩のほうが明快です。
評価値+507で先手有利。22角成~23馬というのが厳しすぎるのです。桂を跳ねていないから反撃しにくいのですね。
ということで24歩には同歩ということになり、79角と引こうというのがこの作戦の骨子です。
この図からの変化をいくつか見ていきましょう。AIが最善とするのは32銀で、24角23歩33角成同桂35歩
44飛には22角
他には24歩同歩同飛23歩34飛というのも有力です。35歩32角成に42金ならば34歩、36歩には32馬、43銀には22馬、とわかれますが、先手有利です。評価値は+300前後。
後手の変化としては、24角に44角
とかわすのが振り飛車っぽい感じがします。57角63金66角
27歩同飛26歩29飛33桂46歩
54歩45歩62角54歩同金23歩
45桂同桂同金57銀
というのが一例で、この図で評価値は+271、途中の評価値もこのくらいで推移しています。先手が有利になりやすいでしょう。
戻って、32銀ではなくて44銀ならば
24角で簡単そうですが、25歩が怪しい手です。
でも33角成同桂23角
42飛に34角成とできるので先手有利(評価値+423)です。引き角に対して後手の12香という形はマイナスなのですね。
また戻って、32銀でも44銀でもはなくて54歩
これが一番怖いと思います。45桂44角88角
63金24飛22歩46歩
2筋を謝らせて指しやすそうなのですが、51飛54歩88角成同玉54銀
55歩44角34飛
43銀24飛54歩66歩
こんな感じの中央での戦いです。評価値は+200代、ずっと先手ペースではあります。
12香41飛の形は引き角で先手有利になるのですが、それでも振り飛車から見れば戦えないこともなく思えるでしょうか。今日の部分をあれこれ検討しておくのが先手にとって有効でしょう。