20170811今日の一手
7月8日の名南将棋大会から、KさんとNさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。
一昨日の一手の回答
☆ 形勢判断をします。
銀と桂歩の交換で歩はカウントせず、やや先手の駒損です。
玉の堅さは先手のほうが堅いです。
先手の攻め駒は35桂と持ち駒角桂で3枚。
後手の攻め駒は持ち駒角銀桂で3枚。もうすぐ86飛も加わりそうですが。
総合すれば互角です。
☆ 大局観として
現状は互角ですが、後手に89飛成を許すと攻め駒5枚。これは先手の左桂がさばけていないのが原因なのですが、このままでは苦しくなりそうです。
つまり、玉を固めて待っているわけにはいきません。
駒損を回復するのは難しそうですし、終盤になるので優先度が下がります。
よって攻める手を考えねばなりません。後手玉が薄い(飛車に弱い形ですし、守りの桂がいない)ということもあって、手がつけばもろいです。
× 実戦は46桂と打ったのですが
これで駒損は解消できそうに見えます。しかし35銀と取られて、54桂では働きがありませんから35同歩。36歩同銀24桂
逆に後手に攻められてしまいました。47銀と引いたのが悪くて、36桂打同銀同桂37玉48桂成同金45金
これでは受けようがないです。
受けとしては37銀と打つほうが良いのですが
36桂同銀24桂25銀89飛成
で36桂打を見て後手の調子が良すぎます。46桂がまったく利いていないのがわかりますね。
△ 金取りなら63角のほうが良いわけで
35銀なら54角成です。なので64金41角成89飛成
46桂35銀同歩36歩に強く34歩37歩成同金左
これなら難しそうです。
この局面を検討すると、後手玉は2手すき、先手玉は3手すき以上だと思うのですが、17銀同玉19竜18銀62角
と角をこのラインに打たれるのが攻防で、後手の勝ちのようなのですが、そんな手を見つけられたら仕方ないです。
× 88歩は打ちたくないけれど我慢の手です。24桂
と打たれて、35銀同歩36歩の狙い。47金直にも35銀同歩36歩
で清算すれば76飛があるので受けにくいのです。
○ 強くいくなら77角で
89飛成に88飛同竜同角に45金
は51飛の両取りを避けた手ですが、思い切って33角成同金42銀
と絡んでみます。駒損ですが攻め駒4枚。32金には41飛31歩24桂
空間にぴったり桂が打てます。
32金ではなく22銀と打つほうが難しそうですが
41飛31歩33銀成同銀43桂成
先手玉が堅いのでこれくらいでも優勢です。
後手は88飛に69竜
とかわしておくほうが良い(51飛と打たれない)のですが、これも33角成同金82飛成22銀42銀
と攻めていけます。32金には24桂があるのが心強く、これは寄り筋です。
☆ まとめ
中盤の感覚ならば46桂が両取りで、駒損を回復できるのでまだまだ、となるところですが、後手は放っておいても35銀同歩36歩と攻めたい(その前に24桂かも)ところです。54桂と取る手が甘いので悪い手になってしまいました。
玉頭戦の場合は玉が下のほうが良い場合があります。21玉のほうが戦場から遠い、ということがあるのです。
金取りだけ考えたら63角の方が厳しいです。64金に41角成ともたれておいたら、後手の悩むところです。これは難しい勝負になります。
77角と打って飛交換という筋は、桂馬を損すること、角を打ってしまうこと、がマイナス要因なのですが、すぐに33角成と切って使えました。駒損でも先手玉が堅い、ということを最大限に生かしているのですね。損得だけ数えたら角損なのですが、飛銀桂桂4枚でうまく迫れました。
終盤は駒の損得よりも速度とよく言われますが、その好例でした。もっとも駒損で攻撃力不足、という場合のほうがはるかに多いわけで、これはその場その場で判断するしかないです。大きな判断基準は攻め駒が4枚あるかどうかです。
7月8日の名南将棋大会から、KさんとNさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。
一昨日の一手の回答
☆ 形勢判断をします。
銀と桂歩の交換で歩はカウントせず、やや先手の駒損です。
玉の堅さは先手のほうが堅いです。
先手の攻め駒は35桂と持ち駒角桂で3枚。
後手の攻め駒は持ち駒角銀桂で3枚。もうすぐ86飛も加わりそうですが。
総合すれば互角です。
☆ 大局観として
現状は互角ですが、後手に89飛成を許すと攻め駒5枚。これは先手の左桂がさばけていないのが原因なのですが、このままでは苦しくなりそうです。
つまり、玉を固めて待っているわけにはいきません。
駒損を回復するのは難しそうですし、終盤になるので優先度が下がります。
よって攻める手を考えねばなりません。後手玉が薄い(飛車に弱い形ですし、守りの桂がいない)ということもあって、手がつけばもろいです。
× 実戦は46桂と打ったのですが
これで駒損は解消できそうに見えます。しかし35銀と取られて、54桂では働きがありませんから35同歩。36歩同銀24桂
逆に後手に攻められてしまいました。47銀と引いたのが悪くて、36桂打同銀同桂37玉48桂成同金45金
これでは受けようがないです。
受けとしては37銀と打つほうが良いのですが
36桂同銀24桂25銀89飛成
で36桂打を見て後手の調子が良すぎます。46桂がまったく利いていないのがわかりますね。
△ 金取りなら63角のほうが良いわけで
35銀なら54角成です。なので64金41角成89飛成
46桂35銀同歩36歩に強く34歩37歩成同金左
これなら難しそうです。
この局面を検討すると、後手玉は2手すき、先手玉は3手すき以上だと思うのですが、17銀同玉19竜18銀62角
と角をこのラインに打たれるのが攻防で、後手の勝ちのようなのですが、そんな手を見つけられたら仕方ないです。
× 88歩は打ちたくないけれど我慢の手です。24桂
と打たれて、35銀同歩36歩の狙い。47金直にも35銀同歩36歩
で清算すれば76飛があるので受けにくいのです。
○ 強くいくなら77角で
89飛成に88飛同竜同角に45金
は51飛の両取りを避けた手ですが、思い切って33角成同金42銀
と絡んでみます。駒損ですが攻め駒4枚。32金には41飛31歩24桂
空間にぴったり桂が打てます。
32金ではなく22銀と打つほうが難しそうですが
41飛31歩33銀成同銀43桂成
先手玉が堅いのでこれくらいでも優勢です。
後手は88飛に69竜
とかわしておくほうが良い(51飛と打たれない)のですが、これも33角成同金82飛成22銀42銀
と攻めていけます。32金には24桂があるのが心強く、これは寄り筋です。
☆ まとめ
中盤の感覚ならば46桂が両取りで、駒損を回復できるのでまだまだ、となるところですが、後手は放っておいても35銀同歩36歩と攻めたい(その前に24桂かも)ところです。54桂と取る手が甘いので悪い手になってしまいました。
玉頭戦の場合は玉が下のほうが良い場合があります。21玉のほうが戦場から遠い、ということがあるのです。
金取りだけ考えたら63角の方が厳しいです。64金に41角成ともたれておいたら、後手の悩むところです。これは難しい勝負になります。
77角と打って飛交換という筋は、桂馬を損すること、角を打ってしまうこと、がマイナス要因なのですが、すぐに33角成と切って使えました。駒損でも先手玉が堅い、ということを最大限に生かしているのですね。損得だけ数えたら角損なのですが、飛銀桂桂4枚でうまく迫れました。
終盤は駒の損得よりも速度とよく言われますが、その好例でした。もっとも駒損で攻撃力不足、という場合のほうがはるかに多いわけで、これはその場その場で判断するしかないです。大きな判断基準は攻め駒が4枚あるかどうかです。
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