20160327今日の一手
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/64/94/caece57c3957bc3b91cbf5bac69fc2eb.png)
2月20日の名南将棋大会から、SさんとHさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。
一昨日の一手の回答
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5a/04/ff530bd69c78e0844d2e4264bdcf6ef7.png)
☆ 形勢判断をします。
駒の損得はありません。
玉の堅さは38飛を守備に入れて同程度。先手玉のほうが薄いと思っているほうがいいでしょう。
先手の攻め駒は65金1枚。59角は15歩にしか利きがなく、穴熊ではここから攻めるわけにもいかないので除外しておきます。
後手の攻め駒は55銀72飛で2枚。
総合すれば互角かやや後手有利です。
大局観として
55銀とぶつけられて一度56の金をかわして74の飛車取り、飛車を逃げた、という局面です。65の金は攻め駒ではあるのですが、囲いが薄くなっています。単純な金銀交換では不満です。どこかでポイントを上げておかねばなりません。理想は67銀をさばくことですが、後手の飛角を抑えているわけですからすぐに移動もできません。まずは飛角の働きをよくすることを考えます。
後手陣を見ると、31金が特徴的ですね。金銀の連結がよくなっているので後手玉がやや堅くなっています。では弱点はどこでしょうか?
× 実戦は55金でした。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2a/2b/78ba9f7dd20e4762133a5dd5eeb59e86.png)
放置すれば46銀が気になるので、これは自然な手なのですが、後手の攻め駒と元は先手の守り駒の交換ですから少し損です。55同角35歩に47金
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/13/4c/85b572ec9fdc8ea14d73ba654cffe2be.png)
35歩を取ってもらえば十分ですが、飛車を追われてしまいます。離れ駒が多く飛車は渡せません。36飛46金26飛44金
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/48/77/783df08925cab4f30e001678c2a11f8f.png)
これは後手が優勢です。先手が主張できるところがありません。粘る方法もなく先手が負けました。
× 55金と取る前に35歩のほうがいいのですが
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/78/55/a1df58f9dd45849c3e3f2fe6f45721ed.png)
これも取ってもらえず、46銀34歩44金54歩47銀成
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7c/33/9cdc98ea345d0276d93378c9c481f9ef.png)
34歩まで進めても次の手段がありません。35歩は飛車を回る前に(もとは78に居た)突き捨てるべきでした。
△ 46銀を防いで68角としておきます。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2a/07/f7e7aae52e155bb1d80e0523a9c881d9.png)
54歩なら35歩同歩同飛
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2a/91/e9a232dc04e484de4976b127e199e904.png)
41玉55金同歩34飛44金37飛
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3e/ce/d4cb7ba2148542bfec1a67bcc34d1f10.png)
こんなところでしょうか。これからです。
68角に44銀なら
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7c/6c/bff6263c49f4055ae5d4869d41621b0d.png)
54歩52金45歩同銀35歩
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1b/cb/84ba47b1dd692030c428825ac78a2635.png)
これは先手が指せそうです。
68角に44金は
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/59/01/244ab96bbf12297ce2af8af8f33cb2aa.png)
35歩同金54歩
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/77/9a/023baa35a4228883c7484147800b321b.png)
これは互角ですが先手も十分指せます。
途中35歩に同歩は55金同金35飛
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4c/91/fc6b1df5cadd25df427bee6be27fe859.png)
これもまあまあ。
68角としておけば35歩が間に合いそうで、互角で戦えます。
○ 35歩の筋をあきらめるのなら、54歩と打ちたいです。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/45/4e/bac2cf72709fa7dc68f6b4d7947c1544.png)
拠点にもなりますし、後手の金銀の連結が弱まります。44金なら86角が絶好で、85歩にも53角成
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3b/bb/d5470218cc5562847993ccf890a5446f.png)
これは先手優勢に近いです。
54歩に64金なら
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/55/39/1e5feefe68769e2329be9c3e47706bff.png)
64同金同銀35歩
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/40/b9/f590bb8a98500932026c9bd79f4f6492.png)
47金36飛13角45金
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/36/7b/59b413b423f87e5e3fdac1ef2335ae94.png)
55にいた銀が64に下がったので35歩の筋が厳しくなります。これは先手十分。
54歩に52金なら68角と備えておきます。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/19/2b/c5995838e7f49622072fc18bdafebbe3.png)
64歩なら55金同角58飛
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/20/58/2cdfce02872a75e791d7e339e3bc9daf.png)
44金くらいに61銀から攻めて、まだいっぺんに決まるわけではありませんが、先手十分です。
△ 58飛も自然な手です。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/78/7f/1d6d0779b6d94b398425717bd24312d0.png)
56歩には26角52飛55金同角56飛
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2c/6f/69f4bd224c90e14e2c51223c31e6ba77.png)
54歩77桂64歩61銀
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/56/cc/ba55b89d6b26fe9a648fc8e8e29d61d5.png)
質駒がありますし、これは先手が攻めて勝てそうです。
58飛に56歩は取られるだけなので54歩のほうがしっかりしています。26角と出て
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/01/9e/d5f1d815380910fd6ca7a0655c573c08.png)
うまい受けがありません。44角同角同銀54金
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/23/c7/ee31815e3cc500a2d6db6591483871e0.png)
83角から馬を作って少しゆっくり攻める感じです。これも先手十分。
結局58飛には5筋を受けきれないので46銀でどうか。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/23/1e/e3ad89dc2b24ab3780294d9949714dc0.png)
54歩52金56飛に73桂
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/01/53/e21ffbc19a3d93f6bc15504206bb6f5d.png)
75金でこれから。77桂は少し損で、46飛は65桂の後がわかりません。
△ 26角と出れば
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/16/04/01726a85cc54d9b4e271e2350659b645.png)
46銀に58飛
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/03/3f/bd1c9a713329c2ad1f90bed02ce2fd87.png)
前の58飛46銀に26角でもこの図に合流します。(そのほうがいいのかも。)57歩48飛13角54歩
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6b/0b/9fdf8d44ec59243951db1a5de9cbcd73.png)
44金には56銀58歩成同飛57銀成45歩
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/65/63/ed739463932e355ff81fee3f88b8c60c.png)
飛車を取られてもこれなら先手が十分です。
54歩に52金なら35歩としておきます。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1e/ce/18bf17d33873868d19a83e9104829cf6.png)
35同銀37角92飛55金33桂77桂
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7f/e8/52443177e5bf7cf5553a915f9074f3e4.png)
こんな調子で65桂を狙えばいいでしょう。(前の変化のように56飛と浮かないで)57歩を打たせてしまうのも有力です。
問題図では攻め駒が少ないですから飛角の働きをよくするべきで、まずは55金同角35歩同歩同飛という筋が目につくのですが、実現は難しいです。その筋をやるなら38飛とする前に突き捨てねばなりません。
68角と46歩を守っておくのは落ち着いた手で、互角に指せます。
58飛あるいは26角の組み合わせは有力で、後手陣は5筋が薄いので弱点を突いています。読んでみれば直接は受けにくく、後手は46銀からどうにか受けるのですが、56飛と浮いて57歩を防ぐのは73桂で互角。57歩と打たせて48飛とまわるのも逆用している感じで感触がいいです。
54歩と打ってしまえば、44金、64金、52金どれも先手が十分指せるようです。上に出れば53の地点の守りが薄く、引けば銀を取って割打ちです。ぴったりした手がありました。
後手の31金の弱点は5筋が薄くなるということです。逆に35歩同歩同飛という手順が実現したとしても41玉とかわせるのです。小さな差ですが、5筋を攻めたほうがよい、という感覚がわかれば正解に近づきます。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/64/94/caece57c3957bc3b91cbf5bac69fc2eb.png)
2月20日の名南将棋大会から、SさんとHさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。
一昨日の一手の回答
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5a/04/ff530bd69c78e0844d2e4264bdcf6ef7.png)
☆ 形勢判断をします。
駒の損得はありません。
玉の堅さは38飛を守備に入れて同程度。先手玉のほうが薄いと思っているほうがいいでしょう。
先手の攻め駒は65金1枚。59角は15歩にしか利きがなく、穴熊ではここから攻めるわけにもいかないので除外しておきます。
後手の攻め駒は55銀72飛で2枚。
総合すれば互角かやや後手有利です。
大局観として
55銀とぶつけられて一度56の金をかわして74の飛車取り、飛車を逃げた、という局面です。65の金は攻め駒ではあるのですが、囲いが薄くなっています。単純な金銀交換では不満です。どこかでポイントを上げておかねばなりません。理想は67銀をさばくことですが、後手の飛角を抑えているわけですからすぐに移動もできません。まずは飛角の働きをよくすることを考えます。
後手陣を見ると、31金が特徴的ですね。金銀の連結がよくなっているので後手玉がやや堅くなっています。では弱点はどこでしょうか?
× 実戦は55金でした。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2a/2b/78ba9f7dd20e4762133a5dd5eeb59e86.png)
放置すれば46銀が気になるので、これは自然な手なのですが、後手の攻め駒と元は先手の守り駒の交換ですから少し損です。55同角35歩に47金
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/13/4c/85b572ec9fdc8ea14d73ba654cffe2be.png)
35歩を取ってもらえば十分ですが、飛車を追われてしまいます。離れ駒が多く飛車は渡せません。36飛46金26飛44金
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/48/77/783df08925cab4f30e001678c2a11f8f.png)
これは後手が優勢です。先手が主張できるところがありません。粘る方法もなく先手が負けました。
× 55金と取る前に35歩のほうがいいのですが
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/78/55/a1df58f9dd45849c3e3f2fe6f45721ed.png)
これも取ってもらえず、46銀34歩44金54歩47銀成
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7c/33/9cdc98ea345d0276d93378c9c481f9ef.png)
34歩まで進めても次の手段がありません。35歩は飛車を回る前に(もとは78に居た)突き捨てるべきでした。
△ 46銀を防いで68角としておきます。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2a/07/f7e7aae52e155bb1d80e0523a9c881d9.png)
54歩なら35歩同歩同飛
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2a/91/e9a232dc04e484de4976b127e199e904.png)
41玉55金同歩34飛44金37飛
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3e/ce/d4cb7ba2148542bfec1a67bcc34d1f10.png)
こんなところでしょうか。これからです。
68角に44銀なら
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7c/6c/bff6263c49f4055ae5d4869d41621b0d.png)
54歩52金45歩同銀35歩
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1b/cb/84ba47b1dd692030c428825ac78a2635.png)
これは先手が指せそうです。
68角に44金は
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/59/01/244ab96bbf12297ce2af8af8f33cb2aa.png)
35歩同金54歩
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/77/9a/023baa35a4228883c7484147800b321b.png)
これは互角ですが先手も十分指せます。
途中35歩に同歩は55金同金35飛
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4c/91/fc6b1df5cadd25df427bee6be27fe859.png)
これもまあまあ。
68角としておけば35歩が間に合いそうで、互角で戦えます。
○ 35歩の筋をあきらめるのなら、54歩と打ちたいです。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/45/4e/bac2cf72709fa7dc68f6b4d7947c1544.png)
拠点にもなりますし、後手の金銀の連結が弱まります。44金なら86角が絶好で、85歩にも53角成
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3b/bb/d5470218cc5562847993ccf890a5446f.png)
これは先手優勢に近いです。
54歩に64金なら
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/55/39/1e5feefe68769e2329be9c3e47706bff.png)
64同金同銀35歩
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/40/b9/f590bb8a98500932026c9bd79f4f6492.png)
47金36飛13角45金
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/36/7b/59b413b423f87e5e3fdac1ef2335ae94.png)
55にいた銀が64に下がったので35歩の筋が厳しくなります。これは先手十分。
54歩に52金なら68角と備えておきます。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/19/2b/c5995838e7f49622072fc18bdafebbe3.png)
64歩なら55金同角58飛
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/20/58/2cdfce02872a75e791d7e339e3bc9daf.png)
44金くらいに61銀から攻めて、まだいっぺんに決まるわけではありませんが、先手十分です。
△ 58飛も自然な手です。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/78/7f/1d6d0779b6d94b398425717bd24312d0.png)
56歩には26角52飛55金同角56飛
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2c/6f/69f4bd224c90e14e2c51223c31e6ba77.png)
54歩77桂64歩61銀
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/56/cc/ba55b89d6b26fe9a648fc8e8e29d61d5.png)
質駒がありますし、これは先手が攻めて勝てそうです。
58飛に56歩は取られるだけなので54歩のほうがしっかりしています。26角と出て
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/01/9e/d5f1d815380910fd6ca7a0655c573c08.png)
うまい受けがありません。44角同角同銀54金
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/23/c7/ee31815e3cc500a2d6db6591483871e0.png)
83角から馬を作って少しゆっくり攻める感じです。これも先手十分。
結局58飛には5筋を受けきれないので46銀でどうか。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/23/1e/e3ad89dc2b24ab3780294d9949714dc0.png)
54歩52金56飛に73桂
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/01/53/e21ffbc19a3d93f6bc15504206bb6f5d.png)
75金でこれから。77桂は少し損で、46飛は65桂の後がわかりません。
△ 26角と出れば
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/16/04/01726a85cc54d9b4e271e2350659b645.png)
46銀に58飛
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/03/3f/bd1c9a713329c2ad1f90bed02ce2fd87.png)
前の58飛46銀に26角でもこの図に合流します。(そのほうがいいのかも。)57歩48飛13角54歩
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6b/0b/9fdf8d44ec59243951db1a5de9cbcd73.png)
44金には56銀58歩成同飛57銀成45歩
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/65/63/ed739463932e355ff81fee3f88b8c60c.png)
飛車を取られてもこれなら先手が十分です。
54歩に52金なら35歩としておきます。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1e/ce/18bf17d33873868d19a83e9104829cf6.png)
35同銀37角92飛55金33桂77桂
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7f/e8/52443177e5bf7cf5553a915f9074f3e4.png)
こんな調子で65桂を狙えばいいでしょう。(前の変化のように56飛と浮かないで)57歩を打たせてしまうのも有力です。
問題図では攻め駒が少ないですから飛角の働きをよくするべきで、まずは55金同角35歩同歩同飛という筋が目につくのですが、実現は難しいです。その筋をやるなら38飛とする前に突き捨てねばなりません。
68角と46歩を守っておくのは落ち着いた手で、互角に指せます。
58飛あるいは26角の組み合わせは有力で、後手陣は5筋が薄いので弱点を突いています。読んでみれば直接は受けにくく、後手は46銀からどうにか受けるのですが、56飛と浮いて57歩を防ぐのは73桂で互角。57歩と打たせて48飛とまわるのも逆用している感じで感触がいいです。
54歩と打ってしまえば、44金、64金、52金どれも先手が十分指せるようです。上に出れば53の地点の守りが薄く、引けば銀を取って割打ちです。ぴったりした手がありました。
後手の31金の弱点は5筋が薄くなるということです。逆に35歩同歩同飛という手順が実現したとしても41玉とかわせるのです。小さな差ですが、5筋を攻めたほうがよい、という感覚がわかれば正解に近づきます。
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