名南将棋大会ブログ 名古屋

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20190105今日の一手(その810);どこで詰ましにかかるか

2019-01-05 | 今日の一手

20190105今日の一手

9月16日の名南将棋大会から、MさんとKさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。


一昨日の一手の回答

☆ 形勢判断をします。
歩2と飛銀の交換で馬と金VSと金を作り合っています。先手の大きな駒得ですが、終盤なので控えめに評価しておきます。
玉の堅さは後手のほうが堅いです。守りの桂を跳ねさせたのでその差は小さくなりましたが。
先手の攻め駒は76飛と持ち駒飛金2銀3、7枚ありますが評価としては4枚と同じに考えます。
後手の攻め駒は78銀67と と持ち駒角金で4枚。

総合すれば互角に近いです。

何手で詰めろかを数えたいのですが、先手玉の詰めろはわかりやすいです。実は後手玉にも詰みがあります。読み切れるならば先手有利と言うよりは勝ちです。読み切れないと、詰めろはわかりそうですから(61銀とか74歩とか)手番の後手有利です。


☆ 大局観として
後手玉の詰みを読み切れるかどうかです。読み切れる方には簡単なのですが、私なら詰んでもおかしくないと思いつつも、詰ましに行ったら間違える確率のほうが高いです。
詰まないと思ったら受けを考えるわけですが、しっかり受ける手か攻防の手が欲しいです。


×か○ 73同飛成としてみると

73同金は71銀同玉62銀

まだ持ち駒が豊富なので、読み切れなくても詰ますことができると思います。

73同玉が難しいのですが、76飛

としてみると詰みそうだなあとは思うでしょう。捨て合い(75金同飛74角)もあるので読みきりは難しいかもしれません。やってみれば詰みそうに思えてきました。74歩は64銀同玉65歩同玉56金から上を押さえてしまえば詰みます。75金同飛74角には同飛同玉85金と追っていけば詰みます。


△か○ もう一つは71銀と捨てる詰み筋で

71同玉には62金同金73飛成同玉62銀

金1枚余計に捨てているのですが、ここまで気が付けば詰ませられるでしょう。

71同金は

73飛成同玉76飛

72金と71金の位置の違いで、こちらのほうがわかりやすく思えます。


× 受けるほうを考えてみます。78同飛は

78同と同玉56角67歩28飛68銀57桂成

後手の攻め駒が3枚に減るのですが、45桂が攻め駒になってしまうので受けはなくなります。後手玉に詰み筋がないので、簡単に先手の負けになります。


× 97玉の早逃げは85金

と打たれるのが詰めろ逃れの詰めろ(78銀成同玉76金同玉66飛以下)です。75金と受けても89銀成88銀76金同金78飛

飛車を取られると後手玉の詰み筋がなくなり、一手一手の寄りです。


×か○ 98玉だと

89銀不成同玉77金

で詰めろをかけられて、後手玉を詰ますしかないです。73飛成同玉75飛74角

74飛同玉85銀75玉65金同玉74角

問題図から詰ますよりも難しくなっているのですが、まだ詰みます。

詰み筋に気が付かないと88金

と受けるわけですが、78角98玉76金

詰めろ逃れの詰めろで先手の負けです。


△か○ 実戦は79歩と受けました。

「敵の打ちたいところに打て」ですね。89銀成同玉77金には88金

で78角を打たれないわけですが、88金同玉75歩

取れば66角です。61銀の詰めろに77角同飛同と同玉85桂

とされると詰んでいます。

88金と受けないで73飛成以下詰ましに行けば、98玉の場合と同じ筋で詰みます。

途中の61銀ではなく63銀とすると

77角以下の先手の詰み筋が消えています。「詰めろ逃れの詰めろ」です。63同金に72金同玉61銀

で後手玉を詰ますのは考えやすいかもしれません。

実戦は79歩に77歩

だったのですが、これは先手玉が詰めろになっていません。即詰みが見えなくても、61銀の詰めろで勝ちだったのですが、77同桂79銀不成98玉77と

先手玉が受けなしになり、73飛成同金(同玉のほうが難しいけれど)71銀93玉82銀打84玉

ここでならば85金ならば簡単な詰みです。73銀不成75玉53馬

が敗着で後手玉が捕まりません。53馬では55飛で詰んでいました。
やはり実戦の中で詰ますというのは大変なことですね。


× 97銀も有力な受けですが

89銀成同玉(98玉には55角が攻防の詰めろ、あるいは77金の時に後手玉が詰まなくなっている)77桂

77同飛同と74桂93玉

飛車が消えると桂をもらっても後手玉に詰み筋がなくなっています。


× 69金は非常手段ですが

69同銀不成79金78金98玉79金

金2枚を取られて、88金97玉87金同玉78角86玉85金97玉87角成同玉76金・・・という詰み筋があります。損失が大きいので勝てなさそうです。


○ 59飛は

79角を受けただけのようですが、89銀成同玉78金98玉77と73飛成

73同玉に51飛成以下は難しくないでしょう。73同金には71銀からでも93銀からでも詰みます。
59飛は攻防に働いていたというわけです。

59飛に75歩ならば61銀

で詰めろ。71金打で金銀の打ち替えは長くなりますが、後手に守備の金がなくなるので一手一手の寄り筋です。


☆ まとめ
後手玉の詰み筋に気が付けば多くの局面に先手の勝ちがあるわけですが、気が付きにくいのではないでしょうか。気がついても読み切れない人(時)が多いと思います。

この場合は59飛が攻防の手になります。持ち駒に飛車があるよりも59飛のほうが考えやすいのではないかと思います。
後手玉に詰みがない(見つからない)としたら、攻防の59飛で逆転したと考えることができます。実質は「詰めろ逃れの詰めろ」のようなものです。


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