20151015今日の一手
先月13日の名南将棋大会からMさんとSさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。
昨日の一手の回答
☆ 形勢判断をします。
飛角交換で馬を作り損得なしです。
玉の堅さは先手のほうが堅いです。相穴熊で8筋の位は大きいのです。先手だけ上からの攻め筋があります。また、44馬の守備力も入れれば大きな差です。後手も62飛で守っている?いえ、攻撃目標です。
先手の攻め駒は44馬持ち駒角銀で3枚。
後手の攻め駒は58成銀69飛で2枚。
総合すれば先手が優勢です。
問題図の前で
この69銀が悪手です。銀を手放して飛角交換では話になりません。52飛ならやや先手が困っていました。
相穴熊では飛車も角行も価値は差がないです。さらに言えば飛角で守りの金と交換することも頻出です。
つまり、相穴熊では玉の堅さと攻撃が続くかがすべてです。
大局観として
玉の堅さに差があります。一気に行くかゆっくり行くかどちらでもいいでしょう。
決めに行くなら62飛をいじめつつ71金をはがしに行きます。
ゆっくり行くときは と金の作り合いでスピード負けしないことだけは気を付けます。
× 実戦は79銀でした。
68成銀を気にしたのでしょう、でも56歩で と金つくりを見せられては無効です。
どうせ打つなら77銀という気もしますが、打たないで68成銀同金同飛成77銀でも困らないのです。
89銀56歩53角61飛64歩
銀を手放したので攻めが続きません。後手有利です。
○ 一番自然なのは54歩です。
56歩から と金の作り合いでは、先手が先にできますし、攻め駒の数が違います。よって52歩の一手。これで後手からと金作りがなくなります。
54歩52歩に62馬同金53歩成同歩22飛
72金左21飛成66角77銀57角成
飛車を取って桂馬を拾うというのはちょっとつまらないです。遊んでいた62飛を一番働いている馬と交換するのですから。これは後手有利。
54歩52歩を決めたら22角で駒を補充します。
13桂17桂19飛成11角成
これは先手優勢をキープできています。
○ 少し重いですが、53銀もあります。
12飛52歩56歩
これで と金を作り合います。
51歩成57歩成43角68成銀61と72金62と
こんな感じでしょうか。先手の攻め駒が4枚、後手の攻め駒が3枚。後手は68と と使いたいですが、77金とかわされるので、これは先手が楽勝に見えますね。
○ と金で攻めないで53角打からの攻めを考えてみます。
61飛は52銀で飛車を取ります。
72金引61銀成同金31飛51歩21飛成
これは先手が負けないでしょう。
53角打には72飛です。
64歩に52歩31角成
63銀打の筋が残るので後手からの有効な手がありません。これも先手が優勢をキープできています。
○ 強くいくなら84歩です。
84同歩83歩同金53角打
72飛63銀73飛71角成
71同飛(71同銀は同角成同飛72銀打)同馬同銀41飛
35角72金82角
71金同角左72銀打73金打83銀成同金72金
こんな調子で食いついていけば角得くらいになります。先手勝勢。
途中63銀に73飛では受けきれないので29飛成とすれば
72銀成同金31飛71銀打21飛成
これも問題なし。
83歩に同金では守りが弱体化するので83同銀のほうがよさそうです。
これには82歩が好手。
82同玉しかなく、62馬同金51飛
72金左58飛成29飛成52竜44角61銀
後手からの44角は好点ですが、穴熊から引きずり出したのも大きく寄せられるでしょう。
問題図では先手優勢、と書きましたが、相穴熊は少しの差が大差になります。先手有利くらいの評価でもいいのですが、これくらい差があると、よほどの悪手がないとひっくり返りません。
形勢がよければ自然な手はどれも好手になりやすく、実戦の79銀は駄目でしたが、54歩、53角、53銀、84歩どれも有力です。
この対局は一番下のクラス、2,3級くらいの棋力の対戦です。失礼な書き方かもしれません。気を悪くされたらお詫びします。
このクラスの人は読みが得意ではないのがほとんどでしょう。昔は得意だったけれど読みが衰えているのかもしれません。ですから読みを要求される穴熊は向いていません。
実際問題としては、少しポカをやってもすぐに負けないので穴熊をやれば勝てます。相手も同じくらいのミスをするから逆転もあるでしょう。ですが、それでは棋力は向上しません。読みを鍛える訓練をしていますか?
穴熊をやるなら相穴熊もあるでしょう、相穴熊の感覚は独特です。問題図の前の後手の69銀や問題図での79銀は感覚が悪いです。それは穴熊を指さない私でもわかります。相穴熊独特なのは玉の堅さに関するものです。駒の損得の感覚が違い(ほぼない)、と金つくりや駒をはがしたり埋めたりする感覚や読み、少し有利になったと思ったら踏み込んで優勢に持っていく読み、私はついていけないのでやりません。できません。
どうにか解説してはいますが。
先月13日の名南将棋大会からMさんとSさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。
昨日の一手の回答
☆ 形勢判断をします。
飛角交換で馬を作り損得なしです。
玉の堅さは先手のほうが堅いです。相穴熊で8筋の位は大きいのです。先手だけ上からの攻め筋があります。また、44馬の守備力も入れれば大きな差です。後手も62飛で守っている?いえ、攻撃目標です。
先手の攻め駒は44馬持ち駒角銀で3枚。
後手の攻め駒は58成銀69飛で2枚。
総合すれば先手が優勢です。
問題図の前で
この69銀が悪手です。銀を手放して飛角交換では話になりません。52飛ならやや先手が困っていました。
相穴熊では飛車も角行も価値は差がないです。さらに言えば飛角で守りの金と交換することも頻出です。
つまり、相穴熊では玉の堅さと攻撃が続くかがすべてです。
大局観として
玉の堅さに差があります。一気に行くかゆっくり行くかどちらでもいいでしょう。
決めに行くなら62飛をいじめつつ71金をはがしに行きます。
ゆっくり行くときは と金の作り合いでスピード負けしないことだけは気を付けます。
× 実戦は79銀でした。
68成銀を気にしたのでしょう、でも56歩で と金つくりを見せられては無効です。
どうせ打つなら77銀という気もしますが、打たないで68成銀同金同飛成77銀でも困らないのです。
89銀56歩53角61飛64歩
銀を手放したので攻めが続きません。後手有利です。
○ 一番自然なのは54歩です。
56歩から と金の作り合いでは、先手が先にできますし、攻め駒の数が違います。よって52歩の一手。これで後手からと金作りがなくなります。
54歩52歩に62馬同金53歩成同歩22飛
72金左21飛成66角77銀57角成
飛車を取って桂馬を拾うというのはちょっとつまらないです。遊んでいた62飛を一番働いている馬と交換するのですから。これは後手有利。
54歩52歩を決めたら22角で駒を補充します。
13桂17桂19飛成11角成
これは先手優勢をキープできています。
○ 少し重いですが、53銀もあります。
12飛52歩56歩
これで と金を作り合います。
51歩成57歩成43角68成銀61と72金62と
こんな感じでしょうか。先手の攻め駒が4枚、後手の攻め駒が3枚。後手は68と と使いたいですが、77金とかわされるので、これは先手が楽勝に見えますね。
○ と金で攻めないで53角打からの攻めを考えてみます。
61飛は52銀で飛車を取ります。
72金引61銀成同金31飛51歩21飛成
これは先手が負けないでしょう。
53角打には72飛です。
64歩に52歩31角成
63銀打の筋が残るので後手からの有効な手がありません。これも先手が優勢をキープできています。
○ 強くいくなら84歩です。
84同歩83歩同金53角打
72飛63銀73飛71角成
71同飛(71同銀は同角成同飛72銀打)同馬同銀41飛
35角72金82角
71金同角左72銀打73金打83銀成同金72金
こんな調子で食いついていけば角得くらいになります。先手勝勢。
途中63銀に73飛では受けきれないので29飛成とすれば
72銀成同金31飛71銀打21飛成
これも問題なし。
83歩に同金では守りが弱体化するので83同銀のほうがよさそうです。
これには82歩が好手。
82同玉しかなく、62馬同金51飛
72金左58飛成29飛成52竜44角61銀
後手からの44角は好点ですが、穴熊から引きずり出したのも大きく寄せられるでしょう。
問題図では先手優勢、と書きましたが、相穴熊は少しの差が大差になります。先手有利くらいの評価でもいいのですが、これくらい差があると、よほどの悪手がないとひっくり返りません。
形勢がよければ自然な手はどれも好手になりやすく、実戦の79銀は駄目でしたが、54歩、53角、53銀、84歩どれも有力です。
この対局は一番下のクラス、2,3級くらいの棋力の対戦です。失礼な書き方かもしれません。気を悪くされたらお詫びします。
このクラスの人は読みが得意ではないのがほとんどでしょう。昔は得意だったけれど読みが衰えているのかもしれません。ですから読みを要求される穴熊は向いていません。
実際問題としては、少しポカをやってもすぐに負けないので穴熊をやれば勝てます。相手も同じくらいのミスをするから逆転もあるでしょう。ですが、それでは棋力は向上しません。読みを鍛える訓練をしていますか?
穴熊をやるなら相穴熊もあるでしょう、相穴熊の感覚は独特です。問題図の前の後手の69銀や問題図での79銀は感覚が悪いです。それは穴熊を指さない私でもわかります。相穴熊独特なのは玉の堅さに関するものです。駒の損得の感覚が違い(ほぼない)、と金つくりや駒をはがしたり埋めたりする感覚や読み、少し有利になったと思ったら踏み込んで優勢に持っていく読み、私はついていけないのでやりません。できません。
どうにか解説してはいますが。
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