20160309今日の一手
1月30日の名南将棋大会から、NさんとMさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。
一昨日の一手の回答
☆ 形勢判断をします。
先手の2歩得ですが、後手に持ち歩があるのでカウントせず、損得なしとします。
玉の堅さは先手のほうが少し堅いです。後手玉が遠いということはあるのですが、弱点が多いのです。
先手の攻め駒はありません。
後手の攻め駒は33角85桂で2枚。
総合すれば互角です。
大局観として
後手の囲い、銀冠で米長玉の形は24の地点が弱いです。また、端を絡めて寄せられる筋もあります。腰掛銀でよくこの囲い方をするのですが、互角の岐れに見えても寄せられてしまうことが多いです。
8筋の継歩で攻められたところです。9筋の突き捨てが後手のAさんの工夫で、これは見たことがありませんでした。98香をとがめようということですね。
角に当たっているので応手は限られます。主に2つの選択だと思いますが、どちらを選んだでしょうか。
63銀が攻めにも守りにも働きが悪いので、この継歩だけでは居飛車うまくいかないだろう、という気がします。
× 85同銀は同飛で
これは後手の桂馬をさばかせて、飛車交換でも後手を引きますから負けます。
○ 実戦は88飛で、振り飛車党らしい手です。
しかし、84歩の一手に同銀同歩65歩は乱暴でした。
角交換はしてもらえず、66銀同角同角68飛65歩
後は飛車を切って73角から馬を作れば一応勝負ですが、駒損が響いて逆転はありませんでした。銀桂交換になれば後手のほうがよくなります。
84歩に68角が45の位取りを生かしたぴったりの手です。
66角86飛99角成96香
みんなかわしてしまえば、前に指した98香や45歩が生きているのがわかります。25歩が残っているので33金94歩92歩(83飛には62歩)65歩
99の馬が働いてしまうので左側の駒を動かしにくいのですが、46角を見て十分な形勢です。軽くさばく振り飛車党ならこれがしっくりくるでしょう。
99角成に25歩もやってみたい手で、
98馬24歩同銀同角22香
42角成27香成同玉42金24歩
こういう殴り合いが好きなのは豪快な振り飛車党でしょうか。68角で飛車を取られることに注意すれば何とかなりそうです。
× 他の手を見ておきます。88角は一応ありそうですが、後手の待ち構えるところで、
97歩同桂同桂成
97同香は86桂から98桂成です。97同角89飛成88飛同竜同角86飛
飛車交換で後手を引いて角銀の配置が悪いので困ります。
○ 68角は有力です。
66角には25歩
急所に手が届きます。33金右24歩同銀25歩13銀と決めて74歩
74同銀に67銀なら77歩の一手
88飛75角76歩84角86歩
後手の角が狭いです。25歩に33角ともどるほうがましだったかもしれません。97歩同桂同桂成同香に23歩は仕方ないでしょう。
85歩と突きだして、同銀には83歩同飛75桂
慌てて銀を取ると王手飛車が少しいやなのですが、これで銀が取れます。
85歩には73角77角くらい。
落ち着けば94歩の突き出しもあるし、玉の堅さがかなり違うので十分でしょう。これは軽くさばく振り飛車。
途中、74歩同銀に67銀ではなく85銀と桂馬を取ると
85同飛74飛89飛成24桂
これで寄せ合いは多分勝ちです。これは豪快な振り飛車。
× 59角とするのは68角より損でしょう。
前の変化と同じようにさばき合ったら
角に当たります。後手玉も形が乱れませんね。48角同角成同金引46桂
これは寄せ合いで負けそうです。
67銀と引く方の変化は77歩88飛33角
これも振り飛車が苦労しそうです。
× 86角は77桂成が飛角銀取りで、同角に89飛成。
88飛に交換して86飛のコースで、これは駄目です。
88飛とまわったら84歩。そのあとは後手の角から左の駒を逃げてしまえば指せそうです。こういう時に63の銀の働きが悪いので、受けやすいのですね。
88飛とせずに68角は、84歩を打たせなくても飛車が角筋に入らないので1手早く24の地点を攻められる、という手です。
いずれにしても居飛車側から見れば66角と出られるので68角は少しうっかりするかもしれません。引かれると24の地点が薄いのが響いてしまうので、すぐに失敗に気が付くでしょう。
米長先生は、終盤で玉の距離感を変えてしまう12玉(98玉)を米長玉だといわれていたのです。序盤あるいは中盤の初めで角筋を避けるために端に玉を寄るのは(私も何度もやりましたが)うまくいきません。それに対応した陣形や攻めの態勢を作られてしまいます。
1月30日の名南将棋大会から、NさんとMさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。
一昨日の一手の回答
☆ 形勢判断をします。
先手の2歩得ですが、後手に持ち歩があるのでカウントせず、損得なしとします。
玉の堅さは先手のほうが少し堅いです。後手玉が遠いということはあるのですが、弱点が多いのです。
先手の攻め駒はありません。
後手の攻め駒は33角85桂で2枚。
総合すれば互角です。
大局観として
後手の囲い、銀冠で米長玉の形は24の地点が弱いです。また、端を絡めて寄せられる筋もあります。腰掛銀でよくこの囲い方をするのですが、互角の岐れに見えても寄せられてしまうことが多いです。
8筋の継歩で攻められたところです。9筋の突き捨てが後手のAさんの工夫で、これは見たことがありませんでした。98香をとがめようということですね。
角に当たっているので応手は限られます。主に2つの選択だと思いますが、どちらを選んだでしょうか。
63銀が攻めにも守りにも働きが悪いので、この継歩だけでは居飛車うまくいかないだろう、という気がします。
× 85同銀は同飛で
これは後手の桂馬をさばかせて、飛車交換でも後手を引きますから負けます。
○ 実戦は88飛で、振り飛車党らしい手です。
しかし、84歩の一手に同銀同歩65歩は乱暴でした。
角交換はしてもらえず、66銀同角同角68飛65歩
後は飛車を切って73角から馬を作れば一応勝負ですが、駒損が響いて逆転はありませんでした。銀桂交換になれば後手のほうがよくなります。
84歩に68角が45の位取りを生かしたぴったりの手です。
66角86飛99角成96香
みんなかわしてしまえば、前に指した98香や45歩が生きているのがわかります。25歩が残っているので33金94歩92歩(83飛には62歩)65歩
99の馬が働いてしまうので左側の駒を動かしにくいのですが、46角を見て十分な形勢です。軽くさばく振り飛車党ならこれがしっくりくるでしょう。
99角成に25歩もやってみたい手で、
98馬24歩同銀同角22香
42角成27香成同玉42金24歩
こういう殴り合いが好きなのは豪快な振り飛車党でしょうか。68角で飛車を取られることに注意すれば何とかなりそうです。
× 他の手を見ておきます。88角は一応ありそうですが、後手の待ち構えるところで、
97歩同桂同桂成
97同香は86桂から98桂成です。97同角89飛成88飛同竜同角86飛
飛車交換で後手を引いて角銀の配置が悪いので困ります。
○ 68角は有力です。
66角には25歩
急所に手が届きます。33金右24歩同銀25歩13銀と決めて74歩
74同銀に67銀なら77歩の一手
88飛75角76歩84角86歩
後手の角が狭いです。25歩に33角ともどるほうがましだったかもしれません。97歩同桂同桂成同香に23歩は仕方ないでしょう。
85歩と突きだして、同銀には83歩同飛75桂
慌てて銀を取ると王手飛車が少しいやなのですが、これで銀が取れます。
85歩には73角77角くらい。
落ち着けば94歩の突き出しもあるし、玉の堅さがかなり違うので十分でしょう。これは軽くさばく振り飛車。
途中、74歩同銀に67銀ではなく85銀と桂馬を取ると
85同飛74飛89飛成24桂
これで寄せ合いは多分勝ちです。これは豪快な振り飛車。
× 59角とするのは68角より損でしょう。
前の変化と同じようにさばき合ったら
角に当たります。後手玉も形が乱れませんね。48角同角成同金引46桂
これは寄せ合いで負けそうです。
67銀と引く方の変化は77歩88飛33角
これも振り飛車が苦労しそうです。
× 86角は77桂成が飛角銀取りで、同角に89飛成。
88飛に交換して86飛のコースで、これは駄目です。
88飛とまわったら84歩。そのあとは後手の角から左の駒を逃げてしまえば指せそうです。こういう時に63の銀の働きが悪いので、受けやすいのですね。
88飛とせずに68角は、84歩を打たせなくても飛車が角筋に入らないので1手早く24の地点を攻められる、という手です。
いずれにしても居飛車側から見れば66角と出られるので68角は少しうっかりするかもしれません。引かれると24の地点が薄いのが響いてしまうので、すぐに失敗に気が付くでしょう。
米長先生は、終盤で玉の距離感を変えてしまう12玉(98玉)を米長玉だといわれていたのです。序盤あるいは中盤の初めで角筋を避けるために端に玉を寄るのは(私も何度もやりましたが)うまくいきません。それに対応した陣形や攻めの態勢を作られてしまいます。
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